株式会社ミクニ

株式会社ミクニは、主にモビリティ事業、ガステクノ事業、商社事業を展開しています。令和5年度の連結売上高は999億4千1百万円で、前年の938億4千7百万円から増加しました。営業利益は36億7千2百万円で、営業利益率は約3.7%です。地域別の売上高は、日本が361億7千6百万円、アセアン・インドが387億2千4百万円、中国が119億9千4百万円、その他が130億4千5百万円となっています。従業員数は、連結で5,001人、平均年齢は42.5歳、平均勤続年数は19.5年です。資本金は22億1千5百万円で、自己資本比率は約32.8%です。将来的には、連結売上高1,400億円規模、営業利益率8%以上を目指しています。

株式会社ミクニの主要な経営指標は以下の通りです。令和5年度の売上高は999億4千1百万円で、前年同期比6.5%増加しました。経常利益は31億6千1百万円で、前年同期比19.6%の増加です。親会社株主に帰属する当期純利益は11億1千5百万円で、前年の16億8千2百万円の損失から回復しました。総資産は1,115億3千6百万円、純資産は405億9千8百万円で、自己資本比率は約36.4%です。1株当たり純資産額は1,180.23円、1株当たり当期純利益は33.19円です。将来的には、連結売上高1,400億円、営業利益率8%以上を目指しています。

株式会社ミクニは、燃料噴射関連品、ポンプ類、補器類、気化器類、車輛用暖房機器類、ガス制御機器類などの製造・販売を行っています。また、航空機部品の輸入販売や芝管理機械の販売、福祉介護機器の製造・販売、不動産賃貸業なども手掛けています。グループ全体で21社の子会社と2社の関連会社を持ち、モビリティ事業、ガステクノ事業、商社事業を中心に展開しています。最近では、中華圏の生産販売拠点の再編に伴い、成都三国機械電子有限公司を解散し、清算することを決定しました。これにより、事業の効率化を図っています。

株式会社ミクニは、大正12年10月に合資会社三國商店を創立し、自動車・自転車及びその部品を輸入する事業を開始しました。昭和8年12月には株式会社三國商店を設立し、業務を継承。昭和11年12月には蒲田工場が生産を開始し、昭和14年7月に三國商工株式会社に商号変更しました。昭和23年10月には企業再建整備法により、二つの会社に分割されました。昭和35年10月にはフランスのソレックス社と技術提携し、ソレックス型気化器の生産を開始。昭和36年10月には東京証券取引所の市場第二部に上場し、平成3年4月には三國工業株式会社から株式会社ミクニに商号変更しました。以降も連結子会社の設立や工場の開設を進め、現在に至ります。

株式会社ミクニの財務情報は以下の通りです。令和6年3月31日現在、総資産は1,115億3千6百万円、負債は709億3千7百万円、純資産は406億5千8百万円です。自己資本比率は約36.4%で、1株当たり純資産額は1,180.23円です。令和5年度の売上高は999億4千1百万円、経常利益は31億6千1百万円、当期純利益は11億1千5百万円です。営業利益は36億7千2百万円で、営業利益率は約3.7%です。キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが2,972百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが-5,052百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが1,252百万円となっています。

株式会社ミクニは、「私たちは地球的視野にたち、人と技術を活かし豊かな社会づくりに貢献します」という企業理念を掲げています。この理念は、創業以来の目標である豊かな社会づくりへの貢献を示しています。また、ブランドメッセージ「つくる まもる ひらく」を通じて、社会への約束を表現しています。2023年10月には、持続的成長を目指すための長期ビジョン「VISION 2033」を策定し、2033年度には連結EBITDAマージン13％以上を目指しています。中期経営計画（2024年度～2027年度）では、2027年度に連結EBITDAマージン10％を目標としています。経営環境は、脱炭素化に向けた規制や技術の動向、自然災害や地政学リスクの影響を受けており、これらに対応するための戦略を進めています。

株式会社ミクニでは、取締役や執行役員で構成されるサステナビリティ委員会がリスク管理を担当しています。この委員会は、リスクの発生原因を把握・分析し、リスクの顕在化を回避するための取り組みを行っています。特に、気象災害などの物理リスクについては、災害対策部会が管理し、発生時には迅速な対応を行います。また、情報セキュリティに関しては、ウイルス感染や不正侵入に対する対策を強化し、従業員への意識向上を図るための訓練も実施しています。流動性リスクについては、資金繰計画を作成し、手元流動性を維持することで管理しています。これらの取り組みにより、リスクの影響を最小限に抑えることを目指しています。

株式会社ミクニの経営成績は、令和5年度において売上高999億4千1百万円（前年同期比6.5%増）を記録しました。営業利益は36億7千2百万円（前年同期比18.9%増）、経常利益は31億6千1百万円（前年同期比19.6%増）となり、親会社株主に帰属する当期純利益は11億1千5百万円で、前年の16億8千2百万円の損失から回復しました。売上原価は842億8千6百万円（前年同期比7.3%増）、販売費及び一般管理費は119億8千2百万円（前年同期比1.6%減）でした。特別利益は9千7百万円、特別損失は3億9千万円で、全体として安定した成長を示しています。将来的には、連結売上高1,400億円、営業利益率8%以上を目指しています。

株式会社ミクニの財政状態は、令和5年度末において総資産が1,115億3千6百万円となり、前年度末に比べ114億2千8百万円増加しました。流動資産は570億3千6百万円で、売掛金と棚卸資産の増加が主な要因です。固定資産は545億円で、投資有価証券の増加が影響しています。負債は709億3千7百万円で、流動負債が432億6千万円、固定負債が276億7千7百万円です。純資産は405億9千8百万円で、前年度末に比べて83億9千9百万円増加しました。これは主に、その他有価証券評価差額金の増加によるものです。全体として、財政状態は安定しており、自己資本比率は約36.4%です。

株式会社ミクニのキャッシュ・フローの状況は、令和5年度において以下の通りです。営業活動によるキャッシュ・フローは29億7千2百万円で、前年同期の48億8千万円から減少しました。これは、減価償却費54億9千3百万円が資金増加要因となった一方で、棚卸資産の増加16億2千2百万円が資金減少要因となったためです。投資活動によるキャッシュ・フローは50億5千2百万円の支出で、主に固定資産の取得による支出61億1千2百万円が影響しています。財務活動によるキャッシュ・フローは12億5千2百万円の収入で、借入金の純増21億2千2百万円が主な要因です。最終的に、現金及び現金同等物の残高は31億1千4百万円となり、前年度末に比べて5億9千8百万円減少しました。

株式会社ミクニは、「私たちは地球的視野にたち、人と技術を活かし豊かな社会づくりに貢献します」という企業理念のもと、サステナビリティを重視した企業活動を展開しています。この理念には、地球環境への配慮と、地球規模でのリスクと機会への対応が含まれています。サステナビリティ委員会を設置し、カーボンニュートラル部会、災害対策部会、海外危機管理部会、情報セキュリティ部会の4つの部会で構成され、リスク管理を行っています。2050年までにカーボンニュートラルを実現することを目指し、2030年までにScope1とScope2の排出量を2016年比50%削減する目標を設定しています。また、電動化やエネルギーの多様化に対応した製品開発を進め、2030年度には電動車向け製品の割合を70%以上にすることを目指しています。

株式会社ミクニが直面する事業等のリスクは多岐にわたります。主なリスクには、経済状況に関するリスク、為替・金利の変動リスク、製品の品質リスク、競合に関するリスク、大規模災害や感染症のリスク、原材料や部品の調達リスク、法令と規制に関するリスク、グローバルな事業展開に関するリスクが含まれます。特に、モビリティ事業は連結売上高の80%以上を占めており、主要市場の景気後退が経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、為替相場の変動は、海外事業の収益に影響を与えるため、リスク管理が重要です。さらに、自然災害や新型感染症の影響も考慮し、製造拠点の耐震性強化や防災訓練を実施しています。これらのリスクに対して、適切な管理体制を整え、損失を最小限に抑える取り組みを進めています。

株式会社ミクニの経営者は、令和5年度の経営成績を以下のように分析しています。売上高は999億4千1百万円で、前年同期比6.5%増加しました。営業利益は36億7千2百万円（前年同期比18.9%増）、経常利益は31億6千1百万円（前年同期比19.6%増）で、親会社株主に帰属する当期純利益は11億1千5百万円に回復しました。財政状態については、総資産が1,115億3千6百万円、負債は709億3千7百万円、純資産は405億9千8百万円で、自己資本比率は約36.4%です。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが29億7千2百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが50億5千2百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが12億5千2百万円の収入となり、現金及び現金同等物の残高は31億1千4百万円となりました。経営者は、今後も持続的な成長を目指し、連結売上高1,400億円、営業利益率8%以上を目指す方針を示しています。

株式会社ミクニの資本の財源は、主に自己資本と借入金から構成されています。令和5年度末の純資産は405億9千8百万円で、前年同期比83億9千9百万円増加しました。流動資産は570億3千6百万円で、売掛金や棚卸資産の増加が影響しています。流動負債は432億6千万円で、短期借入金の増加が主な要因です。固定負債は276億7千7百万円で、長期借入金が減少しています。資金の流動性については、各社が資金繰計画を作成し、手元流動性を維持することで流動性リスクを管理しています。資金需要は運転資金、設備資金、借入金の返済、法人税等の支払、配当金の支払などが含まれます。資金調達は、必要に応じて金融機関からの借入を行い、短期運転資金は短期借入、設備投資や長期運転資金は長期借入を基本としています。

株式会社ミクニの経営成績に重要な影響を与える要因は、主に経済状況、為替・金利の変動、製品の品質、競合状況、原材料の調達リスクなどです。特に、モビリティ事業が全体の売上高の80%以上を占めており、主要市場の景気後退が直接的な影響を及ぼします。為替相場の変動も重要で、円安が進行することで輸出競争力が向上する一方、輸入コストが増加するリスクがあります。また、製品の品質に関するリスクは、欠陥が発生した場合の信頼性低下やコスト増加を招くため、品質管理が重要です。競合に関しては、電動化やエネルギーの多様化が進む中で、異業種からの参入が増加しており、競争が激化しています。これらの要因を総合的に管理し、持続的な成長を目指すことが求められています。

株式会社ミクニの経営者は、現在の経営環境における問題を認識し、短期的な経営環境の変化に対応することが重要であると考えています。特に、地政学的緊張や資源価格の高止まりが原材料費や人件費の増加を招いており、これに対処する必要があります。また、長期的にはモビリティ分野における需要の変化に対応することが課題とされています。優先的に対処すべき課題として、持続可能性の向上、パワートレインの電動化、事業継続マネジメント、インフレへの対応、人的資本経営の推進、健全な財務基盤の維持が挙げられています。今後の方針としては、2050年カーボンニュートラルを目指し、2030年までに温室効果ガスを2016年比50%削減することを目指した取り組みを進めるとともに、競争力の強化と成長分野への挑戦を重視した経営戦略を策定しています。

株式会社ミクニは、経営上の重要な契約として、監査役との間で賠償責任を限定する契約を締結しています。この契約により、監査役の賠償責任の限度額は100万円以上に設定されています。また、役員等賠償責任保険契約を保険会社と締結しており、取締役や監査役が職務執行に関して責任を負う場合の損害を補填する内容となっています。この保険契約は毎年更新され、被保険者は保険料を負担しません。さらに、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しており、運転資金の効率的な調達を行うための特定融資枠を設けています。これにより、必要に応じて資金を迅速に調達することが可能です。

株式会社ミクニの研究開発活動では、令和5年度において全体の研究開発費用が5,689百万円で、そのうち「研究開発費」として計上されたのは1,614百万円です。モビリティ事業では、CO2削減を目指し、燃費向上や電動化に寄与する電子制御燃料噴射システムやサーマルマネージメントの開発に取り組んでおり、研究開発費用は5,371百万円です。主要製品には二輪車向けエンジンコントロールユニットや四輪車向け冷却水制御バルブ、電動オイルポンプなどがあります。ガステクノ事業では、298百万円を投じて立ち消え安全装置やガス制御ユニットの開発を行っています。その他事業では、自動走行実証実験における操作駆動装置の開発やキャンピング車両向けのシート開発に20百万円を費やしました。これらの活動を通じて、持続可能な社会の実現に向けた技術革新を推進しています。

株式会社ミクニは、令和5年度においてモビリティ事業を中心に6,214百万円の設備投資を実施しました。このうち、ファイナンス・リースによる金型等の設備投資が291百万円を含んでいます。モビリティ事業では、新製品の開発や基礎研究、新機種の生産及び合理化のために5,140百万円の投資を行い、ガステクノ事業では912百万円の設備投資を実施しました。商社事業では104百万円、その他事業では57百万円の設備投資が行われました。主要な設備には、小田原事業所の基礎応用研究施設や盛岡事業所の生産設備が含まれ、特に小田原事業所の帳簿価額は7,403百万円に達しています。令和6年3月31日現在、重要な設備の除却や売却は行われていません。

株式会社ミクニの株式の状況は、令和6年3月31日現在、発行済株式総数は34,049,423株です。資本金は2,215百万円で、自己株式は36,512株を保有しています。株主資本合計は19,633百万円で、利益剰余金は15,619百万円です。主要な株主には、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社が1,906千株（5.60%）、風の会持株会が1,851千株（5.44%）を保有しています。株主数は10,049人で、個人株主が大半を占めています。令和5年度の配当は1株当たり20円で、配当性向は95.83%となっています。株価は最高540円、最低206円で、自己資本比率は35.36%です。これらの情報は、株主に対する透明性を確保し、持続的な成長を目指すための基盤となっています。

株式会社ミクニは、当期の業績と今後の事業展開を考慮し、中長期的な視点から安定的に成果を配分することを基本方針としています。令和5年度には創立100周年を迎え、株主への感謝の意を表すため、期末配当金を1株あたり15円（うち記念配当金10円）とし、年間配当金は20円としました。次期（令和7年3月期）の配当は、中間期に6円、期末に8円を予定しており、年間合計は14円と見込まれています。内部留保資金は、環境規制や市場の要求の変化に対応するための開発や生産性向上に投資する方針です。配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会が担当します。

株式会社ミクニは、企業理念に基づき、持続可能な高収益企業を目指すためのコーポレート・ガバナンス体制を整えています。取締役会は、事業に精通した取締役と独立性を有する社外取締役で構成され、業務執行の決定及び監督を行います。また、監査役が取締役の職務執行を公正に監査する体制を採用しています。経営陣の指名や報酬については、独立社外取締役が過半数を占める任意の指名・報酬諮問委員会が助言を行います。さらに、執行役員制度を導入し、業務の適正を確保するためにコンプライアンス委員会を設置し、教育活動を通じてコンプライアンスの徹底を図っています。内部監査部門は独立性を持ち、継続的な監査を実施し、改善に向けた指摘を行っています。

株式会社ミクニの役員は、男性12名、女性2名の合計14名で構成されており、女性の比率は14.3%です。代表取締役会長は生田允紀氏、代表取締役社長は生田久貴氏です。社外取締役は5名、社外監査役は3名で、社外取締役には法律や経営に関する専門家が含まれています。取締役会は原則毎月1回開催され、令和5年度には14回開催されました。取締役の出席状況は高く、特に生田久貴社長は全回出席しています。役員の任期は、取締役は4年、社外取締役は2年で、役員の選任は指名・報酬諮問委員会が行います。役員の報酬は業績に連動しており、透明性のある運営が求められています。

株式会社ミクニの監査体制は、内部監査と外部監査の二つの側面から構成されています。内部監査部門である内部統制室は、代表取締役直下の独立した組織で、業務監査や内部統制の運用状況を継続的に実施しています。監査役会は、経営方針の浸透や事業計画の進捗、財務体質改善状況の監視・検証を行い、取締役の意思決定に関する「経営判断原則」の遵守状況を確認しています。外部監査は、監査法人日本橋事務所が担当し、昭和44年以降継続的に監査を実施しています。監査法人は、財務諸表に不正や誤謬による重要な虚偽表示がないかを評価し、監査報告書を作成します。監査役は、取締役会等の重要会議に出席し、経営者の監視・監督を行い、監査結果を取締役会や監査役会に報告しています。

株式会社ミクニの役員の報酬は、固定報酬と業績連動報酬から構成されています。令和5年度の取締役（社外取締役を除く）の報酬総額は206百万円で、その内訳は固定報酬176百万円、業績連動報酬30百万円です。監査役（社外監査役を除く）の報酬は21百万円で、全額が固定報酬です。社外取締役及び社外監査役の報酬は56百万円で、こちらも全額が固定報酬です。取締役の報酬限度額は年額500百万円、監査役の報酬限度額は年額72百万円と定められています。また、業績連動報酬は金銭と株式による支給があり、ROEやROA、連結経常利益の目標達成率を基に算定されます。役員報酬BIP信託制度も導入されており、業績に応じた株式報酬が提供されています。

株式会社ミクニの株式の保有状況は、令和6年3月31日現在、発行済株式総数は34,049,423株です。自己株式は36,500株（0.11%）を保有しており、役員報酬BIP信託にかかる信託口が259,580株、株式交付ESOP信託にかかる信託口が103,000株を保有しています。これらの信託口の株式は、自己株式には含まれていません。主要な株主には、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社や風の会持株会が含まれ、株主数は10,049人です。議決権の状況では、完全議決権株式が33,965,900株、単元未満株式が47,023株となっています。これにより、株主の権利行使が円滑に行われる体制が整っています。

株式会社ミクニの経理の状況は、令和5年度において連結財務諸表を基にした詳細な分析が行われています。売上高は999億4千1百万円で、前年同期比6.5%の増加を示しました。売上原価は842億8千6百万円で、前年の785億7千7百万円から増加し、売上に対する売上原価の比率は0.6ポイント上昇しました。販売費及び一般管理費は119億8千2百万円で、前年の121億8千万円から減少しています。営業利益は36億7千2百万円で、前年の30億8千9百万円から増加しました。経常利益は31億6千1百万円で、前年の26億4千4百万円から増加しています。特別利益は9千7百万円、特別損失は3億9千万円で、全体として安定した経理状況を維持しています。これらのデータは、経営成績や財政状態の健全性を示す重要な指標となっています。

株式会社ミクニの連結財務諸表は、令和6年3月31日現在の財務状況を示しています。連結貸借対照表では、流動資産が570億3千6百万円、固定資産が545億円で、総資産は1,115億3千6百万円となっています。負債は709億3千7百万円で、流動負債が432億6千万円、固定負債が276億7千7百万円です。純資産は405億9千8百万円で、自己資本比率は約36.4%です。連結損益計算書では、売上高が999億4千1百万円、営業利益が36億7千2百万円、経常利益が31億6千1百万円、当期純利益は11億1千5百万円となっています。これらのデータは、企業の経営成績や財政状態を把握するための重要な指標となります。連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが29億7千2百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが50億5千2百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが12億5千2百万円の収入となっています。

株式会社ミクニのセグメント情報は、主に「モビリティ事業」、「ガステクノ事業」、「商社事業」の3つの報告セグメントから構成されています。令和5年度の売上高は、モビリティ事業が77,401百万円、ガステクノ事業が6,786百万円、商社事業が7,352百万円で、合計は91,540百万円となりました。地域別の売上高は、日本が36,176百万円、アセアン・インドが38,724百万円、中国が11,994百万円、その他が13,045百万円で、合計は99,941百万円です。主要顧客にはスズキ株式会社やヤマハ発動機株式会社が含まれ、モビリティ事業において重要な売上を占めています。セグメントごとの利益は、モビリティ事業が3,307百万円、ガステクノ事業が△636百万円、商社事業が411百万円で、全体として安定した業績を示しています。

株式会社ミクニの連結財務諸表は、日本の一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。特に重要な会計方針として、繰延税金資産、棚卸資産、固定資産の減損、製品保証引当金が挙げられます。繰延税金資産は将来の回収可能性を検討し、回収可能な額を計上しています。棚卸資産は、正味売却価額が取得原価を下回る場合に評価減を計上します。固定資産の減損については、将来キャッシュ・フローを見積もり、帳簿価額を回収可能価額まで減額します。製品保証引当金は、過去の実績や予測発生台数に基づいて計上され、将来の補償費用に備えています。これらの見積りは、将来の実際の結果と異なる可能性があるため、注意が必要です 。

株式会社ミクニは、金融商品に対する取組方針として、設備投資計画に基づき必要な資金を主に銀行借入で調達しています。一時的な余資は安全性の高い金融資産で運用し、短期的な運転資金も銀行借入で賄っています。デリバティブ取引は、為替・金利変動リスクの回避を目的としており、投機的な取引は行わない方針です。営業債権である受取手形や売掛金は顧客の信用リスクに晒され、外貨建の営業債権は為替変動リスクにさらされていますが、先物為替予約等でヘッジしています。投資有価証券は主に株式で、市場価格の変動リスクがあります。借入金の一部は金利変動リスクに晒されていますが、金利スワップ取引を利用してヘッジしています。流動性リスクについては、資金繰計画を作成し、手元流動性を維持することで管理しています。

株式会社ミクニのリース取引は、主にファイナンス・リース取引に分類されます。リース資産の内容は、有形固定資産としてモビリティ事業における生産用金型（工具、器具及び備品）や無形固定資産としてソフトウエアが含まれています。リース資産の減価償却は、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しています。リース取引に関する会計処理は、連結財務諸表作成のための基本的な会計方針に従い、適切に行われています。リース取引は、資金調達の手段として利用され、安定した生産活動を支える重要な要素となっています。

株式会社ミクニの有価証券関係について、令和6年3月31日現在の連結貸借対照表におけるその他有価証券の計上額は12,331百万円で、取得原価は1,597百万円、差額は10,733百万円となっています。前年度の連結貸借対照表では、その他有価証券の計上額は6,042百万円で、取得原価は1,597百万円、差額は4,444百万円でした。市場価格のない株式等については、非上場株式が412百万円、投資事業有限責任組合が42百万円計上されています。これらの有価証券は、時価評価に基づき適切に管理されており、上場株式は活発な市場で取引されているため、レベル1の時価に分類されています。デリバティブ取引については、取引先金融機関から提示された価格等に基づき算定され、レベル2の時価に分類されています。

株式会社ミクニは、収益認識に関する会計基準に基づき、顧客との契約に基づく履行義務が充足された時点で収益を認識しています。具体的には、製品の納入時点において支配が顧客に移転すると判断し、その時点で収益を計上します。また、出荷時から顧客に支配が移転するまでの期間が通常であるため、出荷時に収益を認識する代替的な取扱いを適用しています。主に商社事業においては、顧客への製品販売において当社の役割が代理人に該当する場合、対価の総額から第三者への支払額を差し引いた純額で収益を認識します。契約負債は、製品の引渡前に顧客から受け取った対価に関するもので、収益の認識に伴い取り崩されます。令和5年度の契約負債残高は770百万円から964百万円に増加しました 。

株式会社ミクニの財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の作成において重要な情報を提供しています。注記事項には、連結の範囲、持分法の適用、重要な会計方針、見積りに用いた仮定、及び関連当事者情報が含まれます。連結子会社は19社で、主要な連結子会社にはミクニアメリカンコーポレーションやミクニ（タイランド）カンパニーリミテッドがあります。持分法適用の非連結子会社は1社で、ミクニ・アール・ケイ精密株式会社です。重要な会計方針としては、繰延税金資産、棚卸資産、貸倒引当金の見積りが挙げられ、これらは将来の回収可能性や市場状況に基づいて評価されています。これらの注記事項は、投資家や利害関係者に対して企業の財務状況を透明に示すための重要な要素となっています。