NOK株式会社

ＮＯＫ株式会社は、シール製品や電子部品の製造・販売を主な事業とする企業で、国内外に111社のグループを持ちます。国内では、シール製品を当社及び29社が生産し、電子部品は日本メクトロン㈱が担当しています。海外では、シール製品をタイＮＯＫ Co.,Ltd.など20社が、電子部品はメクテックマニュファクチャリングCorp.珠海 Ltd.など14社が生産しています。販売は国内で当社と日本メクトロン㈱他17社、海外ではタイＮＯＫ Co.,Ltd.やメクテックCorp.香港 Ltd.など50社が行っています。主な需要先は、自動車、一般産業機械、電子・精密機器など多岐にわたります。2024年の売上高は750,502百万円で、主要顧客にはApple Inc.が含まれ、電子部品事業で112,927百万円の売上を記録しています。

ＮＯＫ株式会社の主要な経営指標は以下の通りです。2024年3月期の売上高は750,502百万円、経常利益は40,285百万円、当期純利益は31,602百万円でした。資本金は23,335百万円で、発行済株式総数は173,138千株です。純資産額は639,001百万円、総資産額は952,379百万円です。1株当たり純資産額は3,561.00円、1株当たり当期純利益は188.34円です。自己資本比率は61.5％、自己資本利益率は5.7％、配当性向は37.0％です。従業員数は3,337人で、株主総利回りは138.0％です。2026年3月期の目標として、売上高8,450億円、営業利益575億円を掲げています。

ＮＯＫ株式会社は、シール製品や電子部品の製造・販売を主な事業とし、国内外に111社のグループを展開しています。国内では、シール製品を当社及び29社が生産し、電子部品は日本メクトロン㈱が担当しています。海外では、シール製品をタイＮＯＫ Co.,Ltd.など20社が、電子部品はメクテックマニュファクチャリングCorp.珠海 Ltd.など14社が生産しています。販売は国内で当社と日本メクトロン㈱他17社、海外ではタイＮＯＫ Co.,Ltd.やメクテックCorp.香港 Ltd.など50社が行っています。主な需要先は、自動車、一般産業機械、電子・精密機器など多岐にわたります。また、2023年には株式会社エストーを子会社化し、超精密金型の設計・製作および射出成形品の製造を強化しています。

ＮＯＫ株式会社は、1939年12月に東京都葛飾区で江戸川精機株式会社として設立されました。1942年には東京油止工業株式会社、1948年には東京オイルシール工業株式会社に社名変更しました。1941年には神戸に日本ベアリング製造株式会社を設立し、1944年に日本油止工業株式会社に改名。1951年12月には東京オイルシール工業株式会社と日本油止工業株式会社が合併し、日本オイルシール工業株式会社に社名変更しました。1954年には本社及び工場を東京都大田区に移転し、1961年には東京証券取引所に上場しました。以降、国内外での工場設立や企業買収を進め、現在のＮＯＫ株式会社へと成長しました。

ＮＯＫ株式会社の2024年3月期の財務情報は以下の通りです。売上高は230,826百万円、売上原価は187,819百万円で、売上総利益は43,006百万円となっています。営業利益は3,216百万円、経常利益は26,532百万円、当期純利益は39,679百万円です。資産合計は952,379百万円、負債合計は313,377百万円、純資産合計は639,001百万円です。自己資本比率は61.5％で、1株当たり純資産は3,561.00円、1株当たり当期純利益は188.34円です。2024年3月31日現在、長期借入金は18,871百万円、流動負債は213,222百万円です。これらの指標は、企業の健全性や成長性を示す重要な要素となります。

ＮＯＫ株式会社の経営方針は「変革基盤の構築」を基本に、持続可能な企業を目指しています。2023年に新たに策定したパーパス・バリューに基づき、社会における存在意義を重視し、社員の信条や行動指針を明確にしています。具体的には、電動自動車（EV）向け製品やグリーンエネルギー関連の製品開発を進め、グローバルな成長を図るための事業運営体制を整備しています。また、多様な人材を活かす基盤を構築し、経営資源の最適運用を目指しています。2026年には売上高8,450億円、営業利益575億円を目指す中期経営計画を策定し、持続的な成長を実現するための収益力向上に取り組んでいます。

ＮＯＫ株式会社は、リスク管理を強化するために「リスクマネジメント委員会」を設置し、企業経営に影響を及ぼすリスクを評価・管理しています。リスクは「事業戦略リスク」と「損失発生リスク」に分類され、前者は戦略リスクや市場リスク、後者は法的リスクや災害リスクに分けられます。リスクの評価は、発生頻度と損失規模を基に定量化され、対策の有効性を評価した上で「残余リスク」を算出します。重要なリスク項目には優先順位を付け、各部門で対策を実施しています。また、気候変動リスクに対しては、サステナビリティ委員会と連携し、シナリオ分析を通じてリスクと機会を評価し、事業戦略に反映させています。これにより、企業価値の向上を目指しています。

ＮＯＫ株式会社の2024年3月期の経営成績は、売上高750,502百万円（前年同期比5.7％増）、営業利益22,912百万円（同49.0％増）、経常利益40,285百万円（同51.7％増）、親会社株主に帰属する当期純利益31,602百万円（同137.2％増）となりました。シール事業は自動車向けの販売が増加し、362,605百万円（同4.5％増）の売上を記録しました。一方、電子部品事業は359,834百万円（同7.6％増）で、営業損失は1,023百万円に縮小しました。その他事業は28,062百万円（同1.1％減）で、全体としては経済活動の正常化に伴い、売上が増加しました。これにより、全体の営業損益は前年対比で増益となりました。

ＮＯＫ株式会社の2024年3月31日現在の財政状態は以下の通りです。資産合計は952,379百万円で、前年度末比89,628百万円の増加となりました。これは主に、政策保有株式の売却による現金及び預金の増加と、保有株式の時価上昇による投資有価証券の増加によるものです。負債合計は313,377百万円で、前年度末比27,973百万円の増加が見られます。これは、退職給付に係る負債が減少したものの、買掛金や未払法人税等が増加したためです。純資産は639,001百万円で、自己資本比率は61.5％となっています。これにより、企業の財政状態は安定していると評価されています。

ＮＯＫ株式会社の2024年3月期におけるキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。期末の現金及び現金同等物の残高は136,256百万円で、前年度末比32,139百万円の増加となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは89,153百万円（前年同期比93.7％増）で、主に減価償却費と税金等調整前当期純利益の計上が要因です。投資活動によるキャッシュ・フローは29,722百万円の支出（前年同期比15.5％減）で、有形固定資産の取得が影響しました。財務活動によるキャッシュ・フローは34,038百万円の支出（前年同期比58.8％増）で、自己株式の取得と配当金の支払いが主な要因です。これらの結果、全体として資金の流動性が改善されました。

ＮＯＫ株式会社は、サステナビリティを企業の重要な課題と位置付け、気候変動への対応を強化しています。サステナビリティ委員会を設置し、取締役会がその活動を監督しています。委員会は、気候変動リスクや機会を評価し、事業戦略に反映させるためのシナリオ分析を実施しています。特に、2022年にはTCFD（気候関連財務情報開示タスクフォース）の提言に賛同し、気候変動が事業に与える影響を把握するための取り組みを進めています。また、気候変動シナリオ分析実践分科会とカーボンニュートラル分科会を設置し、具体的な対策を立案・推進しています。これにより、持続可能な社会の実現を目指し、企業価値の向上に努めています。

ＮＯＫ株式会社は、事業運営において様々なリスクが存在すると認識しています。リスクは「事業戦略リスク」と「損失発生リスク」に分類され、前者は戦略リスク、投資リスク、市場リスクに、後者は法的リスク、カントリーリスク、災害リスク、信用リスクに分けられます。特に、海外市場への依存度が高く、為替変動や政治経済情勢の影響を受けやすい状況です。また、自然災害や感染症の影響も考慮し、生産拠点の分散化や安全対策を講じています。さらに、サイバー攻撃や情報流出のリスクも存在し、これに対しては社内体制の強化や外部機関との連携を図っています。これらのリスクに対しては、リスクマネジメント委員会を設置し、定期的なリスク評価と対策の見直しを行っています。

ＮＯＫ株式会社の経営者は、2024年3月期の財政状態及び経営成績について、新型コロナウイルス感染症の行動規制緩和に伴い、経済活動が正常化し、売上高が前年比で増収となったと分析しています。売上高は750,502百万円（前年同期比5.7％増）、営業利益は22,912百万円（同49.0％増）、経常利益は40,285百万円（同51.7％増）、当期純利益は31,602百万円（同137.2％増）でした。シール事業は自動車向けの販売が増加し、電子部品事業は赤字幅を縮小しました。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが89,153百万円（同93.7％増）、投資活動によるキャッシュ・フローは29,722百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは34,038百万円の支出となり、期末の現金及び現金同等物は136,256百万円に増加しました。これにより、企業の財政状態は安定していると評価されています。

ＮＯＫ株式会社の資本の財源は、主に自己資本と借入金から成り立っています。2024年3月31日現在、自己資本は214,318百万円で、自己資本比率は約61.5％を維持しています。流動資産は440,977百万円で、現金及び預金は136,913百万円、受取手形及び売掛金は154,313百万円です。流動負債は117,142百万円で、短期借入金は11,209百万円、未払法人税等は10,121百万円です。これにより、流動比率は約376.0％となり、資金の流動性は良好です。また、契約債務として短期借入金56,593百万円、長期借入金18,871百万円があり、安定した資金調達が可能です。財務政策としては、50％以上の自己資本比率を維持しつつ、資本効率の改善を図っています。

ＮＯＫ株式会社の経営成績に重要な影響を与える要因は多岐にわたります。主な要因として、顧客の業績への依存、他企業との提携、需要動向の変化、為替変動、金利変動、株式市場の動向、原材料の価格変動、法的規制、訴訟リスク、知的財産権侵害、環境規制、政治経済情勢、自然災害、感染症、情報流出、サイバー攻撃、製品の品質問題などが挙げられます。特に、海外売上高比率が約70％を占めるため、為替変動の影響が大きく、リスクヘッジ策として為替予約を行っています。また、原材料価格の変動も業績に影響を与えるため、安定供給を確保するためのパートナーシップを構築しています。これらの要因を踏まえ、経営戦略を策定し、持続的な成長を目指しています。

ＮＯＫ株式会社の経営者は、現在の経営環境が急速に変化していることを認識し、持続的な成長と企業価値の向上を目指す方針を掲げています。特に、脱炭素や環境課題への対応が重要であり、これに向けた投資を進めるとともに、電動自動車（EV）向け製品やグリーンエネルギー関連の製品開発を強化しています。また、経営基盤の変革を進めるために、監査等委員会設置会社への移行や取締役会のダイバーシティ拡充を検討しています。中期経営計画では「変革基盤の構築」を基本方針とし、新たな成長ドライバーの創出や多様な人材の活用を重点項目に掲げています。2031年には売上高1兆円、営業利益率8％以上を目指す目標を設定し、段階的に達成を図る方針です。

ＮＯＫ株式会社が締結している経営上の重要な契約は以下の通りです。まず、技術提携契約として、ドイツのフロイデンベルグ社との間でオイルシールやＯリング等のシール製品及び関連技術の共同開発を行う契約が2017年12月21日に締結されています。次に、合弁契約として、米国子会社(NOK Inc.)とフロイデンベルグ社の米国子会社との間でオイルシールやＯリング等のシール製品及び関連製品事業の合弁が1989年3月23日に締結されています。これらの契約は、技術革新や市場競争力の向上に寄与する重要な要素となっています。

ＮＯＫ株式会社は、研究開発活動において、2024年度の研究開発費を10,839百万円とし、シール事業と電子部品事業に注力しています。シール事業では、環境、安全、自動運転対応を重視し、電気自動車（BEV）、ハイブリッド（HEV）、燃料電池自動車（FCV）向けの製品開発を進めています。特に、低摩擦損失による省エネルギー効果を持つ製品や、水素関連シールの開発に取り組んでいます。電子部品事業では、電動車両向けのフレキシブル配線板（FPC）の新商品開発を推進し、特に駆動用バッテリーに焦点を当てています。また、5G通信に対応した高周波FPCの開発も行い、今後の市場拡大を見込んでいます。これらの取り組みは、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップと位置付けられています。

ＮＯＫ株式会社は、2024年3月31日現在、設備投資を総額45,226百万円実施しました。シール事業においては、国内で21,984百万円、海外で20,621百万円の設備投資を行い、特に無錫NOKフロイデンベルグ社やメクテックマニュファクチャリング社の工場に重点を置いています。主要な設備には、湘南R&Dセンター（研究開発設備）、福島事業場（オイルシール製造設備）、二本松事業場（工業用ゴム製造設備）、北茨城事業場（樹脂加工品製造設備）などがあります。これらの設備は、製品の品質向上や生産効率の向上に寄与しており、今後も省力化・合理化投資を継続していく方針です。

ＮＯＫ株式会社の株式の状況は以下の通りです。2024年3月31日現在、発行済株式総数は173,138千株で、資本金は23,335百万円です。1株当たり純資産額は3,561.00円、1株当たり当期純利益は236.35円です。配当額は87.5円で、配当性向は37.0％となっています。自己資本比率は62.0％で、自己資本利益率は14.59％です。株価収益率（PER）は8.86倍、株主総利回りは138.0％です。最高株価は2,183円、最低株価は1,442円でした。これらの指標は、株主に対する利益還元や企業の財務健全性を示す重要な要素となっています。

ＮＯＫ株式会社は、配当額の決定において中長期的な業績に基づき、安定した配当を継続することを重視しています。将来の事業展開や財務体質の強化を考慮し、相当額の内部留保を確保することも重要視しています。現在の中期経営計画では、株主資本配当率（DOE）を2.5％以上とする方針を掲げています。2024年度の年間配当額は1株当たり87.5円（中間配当37.5円、期末配当50円）と決定され、当年度のDOEは3.5％となりました。配当は年2回の剰余金の配当を基本としており、期末配当は株主総会で、中間配当は取締役会で決定されます。

ＮＯＫ株式会社は、コーポレート・ガバナンスの強化を経営の重要課題と位置付けています。2024年6月26日に監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行し、迅速な意思決定と効率的な業務執行を実現しています。取締役会は重要な経営方針や計画の決定、業務執行の監督に専念し、業務執行取締役には一部の業務執行の決定権を委任しています。また、社外取締役を含む多様な取締役構成を採用し、透明性の高い経営を目指しています。さらに、内部監査体制を強化し、リスク管理やコンプライアンスの徹底を図っています。これにより、ステークホルダーとの信頼関係を築き、持続可能な成長を追求しています。

ＮＯＫ株式会社の役員は、男性8名、女性1名（女性の比率11.1％）で構成されています。代表取締役社長執行役員の鶴正雄氏は1980年生まれで、2005年に入社し、2021年に社長に就任しました。その他の役員には、法眼健作氏、藤岡誠氏、島田直樹氏などが含まれ、各自が専門分野での経験を活かしています。監査等委員会設置会社への移行に伴い、社外取締役が役員候補者の選定や報酬決定において監督機能を果たしています。役員の報酬は業績に基づき、固定報酬と業績連動報酬から構成され、透明性のある決定プロセスが確立されています。

ＮＯＫ株式会社は、2024年6月26日に監査等委員会設置会社へ移行し、監査等委員会は常勤監査等委員1名と非常勤監査等委員4名で構成されています。監査等委員は、監査方針に基づき取締役の業務執行の監査を行い、内部統制システムの構築・運用状況の確認及び検証を実施します。また、内部監査室を設置し、業務執行部門からの独立性を確保しています。監査法人は日本橋事務所で、1969年以降継続的に監査を行っています。監査の結果は取締役会及び監査等委員会に報告され、透明性の高い監査体制が維持されています。これにより、企業の財務報告の信頼性が確保されています。

ＮＯＫ株式会社の役員報酬は、業績向上と中長期的な企業価値の増大を考慮し、固定報酬、短期業績連動報酬、長期業績連動報酬の三つに分かれています。監査等委員でない取締役の報酬は、指名・報酬諮問委員会の意見を基に取締役会で決定され、短期・長期の成果部分は基準額に応じて1～1.9の比率で報酬総額に階差を設けています。監査等委員である取締役には基本報酬のみが支給され、急激な業績悪化時には報酬の減額または不支給が可能です。中長期業績連動報酬は、役員報酬BIP信託を通じて、役位や在任期間に応じた株式や金銭が交付されます。2024年6月26日の株主総会では、監査等委員でない取締役の報酬総額上限を年額450百万円、監査等委員の報酬総額上限を年額90百万円とすることが決議されました。

ＮＯＫ株式会社の株式の保有状況は、2024年3月31日現在、発行済株式総数173,138,537株のうち、自己株式が5,515,000株（3.19％）を占めています。主要な保有株式には、トヨタ自動車（8,986,955株）、本田技研工業（7,800,000株）、ダイキン工業（706,400株）、スズキ（1,067,800株）などがあり、これらは主に取引関係の維持や安定的な調達を目的としています。保有株式の評価は年に一度行われ、保有の適否が検証されます。2023年度には、政策保有株式の一部を売却し、資本効率の向上を図っています。保有株式の数は62銘柄で、株式市場の動向に応じてさらなる売却を進める方針です。

ＮＯＫ株式会社の経理の状況は、2024年3月31日現在の連結財務諸表に基づいています。資産合計は952,379百万円で、前年同期比89,628百万円の増加が見られます。これは主に、政策保有株式の売却による現金及び預金の増加と、保有株式の時価上昇によるものです。負債合計は313,377百万円で、前年同期比27,973百万円の増加があり、これは退職給付に係る負債の減少と、買掛金や未払法人税等の増加によるものです。経理部門は、財務報告の正確性を確保するために、内部統制システムを強化し、定期的な監査を実施しています。また、経理業務の効率化を図るために、ITシステムの導入や業務プロセスの見直しを進めています。これにより、透明性の高い経理体制を維持し、ステークホルダーへの信頼を確保しています。

ＮＯＫ株式会社の連結財務諸表は、2024年3月31日現在の財務状況を示しています。連結貸借対照表によると、流動資産は440,977百万円、固定資産は511,402百万円で、資産合計は952,379百万円です。負債合計は313,377百万円、純資産は639,001百万円で、自己資本比率は61.5％です。連結損益計算書では、売上高は750,502百万円、営業利益は22,912百万円、経常利益は40,285百万円、当期純利益は31,602百万円となっています。連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが89,153百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは29,722百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは34,038百万円の支出となり、期末の現金及び現金同等物は136,256百万円に達しています。これらの情報は、企業の財務健全性を示す重要な指標となります。

ＮＯＫ株式会社は、主に「シール事業」、「電子部品事業」、「その他事業」の3つの報告セグメントを持っています。2024年度の売上高は、シール事業が362,605百万円、電子部品事業が359,834百万円、その他事業が28,062百万円で、合計750,502百万円となりました。地域別の売上高は、日本242,332百万円、中国319,901百万円、タイ72,500百万円、その他115,768百万円です。セグメント利益は、シール事業が23,314百万円、電子部品事業が△1,023百万円、その他事業が626百万円で、全体のセグメント利益は22,912百万円です。また、主要顧客にはApple Inc.があり、電子部品事業で112,927百万円の売上を記録しています。これらの情報は、各セグメントの業績を把握し、経営資源の配分を決定するための重要な指標となります。

ＮＯＫ株式会社の連結財務諸表作成において、重要な会計方針及び見積りに用いた仮定は以下の通りです。繰延税金資産は、将来の課税所得や一時差異に基づき、回収可能性があると判断した部分を計上し、回収が見込めない部分には評価性引当額を設定しています。減損損失については、市場環境の変化に伴う収益性の低下により、投資額の回収が見込めない場合に帳簿価額を減額し、当該差額を減損損失として計上します。また、退職給付に係る資産及び負債は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上の仮定に基づいて算定され、将来の経済条件の変動により見直しが必要となる可能性があります。これらの見積りや仮定は、実際の結果と異なる可能性があるため、慎重な管理が求められます。

ＮＯＫ株式会社の金融商品関係は、2024年3月31日現在の連結財務諸表に基づいています。金融商品の状況に関する方針として、資金運用は安全かつ確実な投資対象により行い、資金調達は主に金融機関からの借入による方針を採用しています。デリバティブ取引は、実需に基づく為替予約および通貨スワップを利用し、投機的な取引は行っていません。連結貸借対照表に計上されている金融商品には、投資有価証券123,705百万円、従業員に対する長期貸付金1,583百万円が含まれています。長期借入金は18,826百万円で、デリバティブ取引による負債は111百万円です。金融商品の時価は、レベル1（市場価格を用いた評価）およびレベル2（取引金融機関からの提示価格に基づく評価）に分類され、リスク管理体制が整備されています。

ＮＯＫ株式会社のリース取引関係は、主にファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に分かれています。ファイナンス・リース取引では、所有権移転外のリース資産として「建物及び構築物」、「機械装置及び運搬具」が含まれ、これらの資産は定額法により減価償却されています。2024年3月31日現在、オペレーティング・リース取引における解約不能の未経過リース料は、1年内が19百万円、1年超が58百万円、合計で77百万円となっています。これにより、リース取引は企業の資産運用や資金調達において重要な役割を果たしています。

ＮＯＫ株式会社の有価証券関係は、2024年3月31日現在の連結財務諸表に基づいています。投資有価証券の貸借対照表計上額は123,705百万円で、取得原価は21,623百万円、差額は102,081百万円となっています。売却した株式の売却額は30,758百万円で、売却益は29,225百万円、売却損は0百万円でした。また、当連結会計年度においては、有価証券について8百万円の減損処理が行われています。減損処理は、期末における時価が取得原価に比べ50％以上下落した場合に全て減損処理を行い、30～50％程度下落した場合には回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行います。これにより、企業の財務状況を適切に反映させることを目指しています。

ＮＯＫ株式会社は、収益認識に関して「収益認識に関する会計基準」（企業会計基準第29号）及びその適用指針に基づき、顧客との契約から生じる収益を以下の5ステップアプローチで認識しています。ステップ1では顧客との契約を識別し、ステップ2で契約における履行義務を特定、ステップ3で取引価格を算定、ステップ4で取引価格を履行義務に配分、ステップ5で履行義務を充足した時点で収益を認識します。主な得意先には自動車メーカーや電子機器メーカーがあり、製品の納入時点において支配が顧客に移転することで収益を認識しています。また、取引価格は契約における約束された対価から値引き額を控除した金額で算定され、通常は履行義務充足後に受領されます。

ＮＯＫ株式会社の財務諸表に関する注記事項は、2024年3月31日現在の連結財務諸表に基づいています。注記事項には、セグメント情報、関連情報、報告セグメントごとの固定資産の減損損失、のれんの償却額及び未償却残高、負ののれん発生益に関する情報、関連当事者情報が含まれています。特に、セグメント情報では、シール事業、電子部品事業、その他事業の売上高や利益が詳細に示されており、地域別の売上高も記載されています。また、関連当事者との取引についても明記されており、透明性の高い情報開示が行われています。これにより、投資家やステークホルダーに対して企業の財務状況を正確に伝えることを目的としています。