森永製菓株式会社

森永製菓株式会社は、2024年3月期の売上高が173,340百万円、経常利益が11,450百万円、当期純利益が8,410百万円である。資本金は18,612百万円、発行済株式総数は92,714,538株、自己資本比率は51.9%である。従業員数は1,504名で、平均年齢は43.5歳、平均勤続年数は19.3年、平均年間給与は7,596,157円である。企業理念は「おいしく、たのしく、すこやかに」であり、持続可能な社会の実現に貢献することを目指している。主な事業は食料品製造で、菓子や冷菓、ゼリー飲料などを手掛けている。リスクマネジメント体制を整備し、サイバー攻撃や労働災害などのリスクに対しても対策を講じている。

森永製菓株式会社の主要な経営指標は以下の通りです。2024年3月期の売上高は173,340百万円、経常利益は11,450百万円、当期純利益は8,410百万円です。資本金は18,612百万円、発行済株式総数は92,714,538株、自己資本比率は51.9%です。2030年までの経営目標として、売上高3,000億円以上、売上高営業利益率12%以上、海外売上高比率25%以上、ROE15%以上、ROIC12%以上、DOE4.5%以上を掲げています。2024年3月期のROEは8.1%、配当性向は59.8%でした。これらの指標は、企業の成長性や収益性を示す重要な要素となっています。

森永製菓株式会社は、食料品製造、食料卸売、不動産及びサービスを主な事業として展開しています。グループは森永製菓㈱を中心に、連結子会社16社と非連結子会社1社で構成されています。主なセグメントには、菓子食品事業、冷菓事業、通販事業、米国事業が含まれます。菓子食品事業では「ハイチュウ」や「森永ビスケット」などの主力ブランドを展開し、冷菓事業では多様なデザートを提供しています。また、米国市場にも進出し、現地法人を通じて製品を販売しています。2024年3月期には、食料品製造において14,872百万円の設備投資を行い、さらなる成長を目指しています。

森永製菓株式会社の歴史は、1899年に森永太一郎が東京赤坂に創設した「森永西洋菓子製造所」に始まります。1910年に「株式会社森永商店」を設立し、1912年には「森永製菓株式会社」と改称しました。1920年には日本煉乳株式会社を合併し、1923年には自社品販売会社を設立しました。1942年には複数の企業を合併し、「森永食糧工業株式会社」と改称、1949年には森永乳業株式会社を設立し、同年に東京・大阪・名古屋証券取引所に上場しました。1954年には売店部門を分離し、1961年には台湾製菓股份有限公司と資本提携を結びました。以降も、国内外での事業拡大を続け、現在に至ります。

森永製菓株式会社の2024年3月期の財務情報は以下の通りです。売上高は213,368百万円、売上原価は126,679百万円、営業利益は20,273百万円、経常利益は21,039百万円、当期純利益は15,154百万円です。総資産は223,644百万円、負債合計は90,991百万円、純資産合計は132,653百万円です。自己資本比率は58.7%、1株当たり純資産額は1,448.01円、1株当たり当期純利益は165.60円です。また、営業活動によるキャッシュ・フローは30,174百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは△5,345百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは△14,073百万円でした。これらの指標は、企業の財務健全性や収益性を示す重要なデータです。

森永製菓株式会社は、2030年に向けた長期経営計画「2030経営計画」を策定し、持続可能な社会の実現に貢献しつつ、企業価値の向上を目指しています。基本方針として、「事業ポートフォリオの転換と構造改革による収益力の向上」「事業戦略と連動した経営基盤の構築」「ダイバーシティ＆インクルージョンの推進」を掲げています。具体的には、ROICマネジメントを実践し、成長性と資本収益性の好循環を実現することを目指します。また、財務安全性の確保や株主還元の強化にも注力し、2030年には売上高3,000億円以上を目指しています。これらの方針を通じて、全てのステークホルダーに貢献する企業を目指しています。

森永製菓株式会社は、事業活動に潜在するリスクを把握し、適切な対応を図るために「トータルリスクマネジメント規程」を制定しています。リスクの影響度や発生頻度を評価し、「トータルリスクマップ」を作成してリスク対応の優先順位を決定します。リスク対応策の立案部門と実施部門を明確にし、モニタリングや改善策の策定を行い、定期的に「トータルリスクマネジメント委員会」に報告します。また、災害発生時には事業継続マネジメント（BCM）を円滑に運用するための見直しを行います。人権に関するリスクも経営リスクとして管理し、コンプライアンス・アンケートを通じてリスクの把握に努めています。

森永製菓株式会社の2024年3月期の経営成績は、売上高が213,368百万円、経常利益が21,039百万円、当期純利益が15,154百万円でした。前年と比較すると、売上高は189億9千5百万円（9.8%）の増収となり、3期連続で過去最高を更新しました。営業利益は202億7千3百万円で、前年実績に比べ50億3千8百万円（33.1%）の増益を達成しました。自己資本比率は58.7%、ROEは11.8%で、配当性向は33.2%でした。経営環境は依然として不確実ですが、国内外での事業強化により、安定した成長を目指しています。

森永製菓株式会社の2024年3月期の財政状態は以下の通りです。流動資産は1,180億4千5百万円で、前年度比166億7千4百万円の増加が見られました。主な要因は、現金及び預金が85億3千5百万円、受取手形及び売掛金が69億1千1百万円増加したことです。固定資産は1,055億9千8百万円で、前年度比17億4千3百万円の増加となりました。流動負債は、未払金や未払法人税等の増加により、265億5千4百万円となり、固定負債は15億1千8百万円減少し、265億5千4百万円です。純資産は1,326億5千3百万円で、前年度比67億9千6百万円の増加を記録しました。自己資本比率は58.7%です。

森永製菓株式会社の2024年3月期におけるキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。営業活動によるキャッシュ・フローは301億7千4百万円の増加があり、主な要因は税金等調整前当期純利益が205億7千6百万円、減価償却費が94億9千2百万円です。投資活動によるキャッシュ・フローは53億4千5百万円の減少で、有形固定資産の取得による支出が90億9千1百万円、売却による収入が76億6千6百万円でした。財務活動によるキャッシュ・フローは140億7千3百万円の減少で、自己株式の取得による支出が86億8千5百万円、配当金の支払額が47億1千2百万円です。これにより、現金及び現金同等物は471億1百万円となり、前年度比110億2千4百万円の増加を記録しました。

森永製菓株式会社は、持続可能な社会の実現に向けて、2030年ビジョンを掲げ、サステナビリティに関する取り組みを強化しています。具体的には、気候変動への対応として、製造プロセスの効率化やプラスチック容器の環境配慮を進めています。また、持続可能な水資源の利用や生物多様性の保全にも注力し、原材料調達の安定化を図っています。さらに、コーポレート・ガバナンスの強化や人権の尊重を重視し、ESG委員会を設置して進捗を監視しています。これらの取り組みを通じて、企業価値の向上と社会的信頼の獲得を目指しています。

森永製菓株式会社は、事業活動に潜在するリスクを把握し、適切な対応を図るために「トータルリスクマネジメント規程」を制定しています。リスクの影響度や発生頻度を評価し、「トータルリスクマップ」を作成してリスク対応の優先順位を決定します。主なリスクには、サイバー攻撃、商品欠陥、感染症のまん延、原材料調達のリスクなどがあります。特にサイバー攻撃は、個人情報や機密情報の漏えいを引き起こし、社会的信頼を失墜させる可能性があります。これに対して、24時間監視体制やセキュリティ教育を徹底し、迅速な対応を行っています。また、気候変動や自然災害によるサプライチェーンの停止リスクにも備え、事業継続マネジメント（BCM）を実施しています。

森永製菓株式会社の2024年3月期における財政状態は、流動資産が1,180億4千5百万円、固定資産が1,055億9千8百万円で、総資産は2,236億4千4百万円となりました。流動負債は265億5千4百万円、固定負債は265億5千4百万円で、純資産は1,326億5千3百万円、自己資本比率は58.7%です。経営成績は、売上高が213,368百万円、経常利益が21,039百万円、当期純利益が15,154百万円で、前年と比較して増収増益を達成しました。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが301億7千4百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが53億4千5百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローが140億7千3百万円の減少となり、現金及び現金同等物は471億1百万円に増加しました。これらの指標は、企業の健全性と成長性を示しています。

森永製菓株式会社の資本の財源は、主に自己資本と有利子負債から構成されています。2024年3月期末の自己資本は1,326億5千3百万円で、自己資本比率は58.7%です。流動資産は1,180億4千5百万円で、流動負債は644億3千6百万円となり、流動比率は183.1%です。これにより、短期的な資金繰りは安定していると評価されています。また、キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが301億7千4百万円の増加を記録し、現金及び現金同等物は471億1百万円に達しました。これにより、資金の流動性は高く、安定した運営が可能です。今後も、資本コストの低減や財務レバレッジの活用を通じて、資金の流動性を維持し、成長投資を行う方針です。

森永製菓株式会社の経営成績に重要な影響を与える要因として、外部環境の変化や内部施策が挙げられます。2024年3月期には、新型コロナウイルスの影響からの回復が見られ、インバウンド需要の拡大が売上に寄与しました。一方で、原材料価格の高騰や円安、国際情勢の不安定さがコストに影響を与え、利益率に圧力をかけました。さらに、気候変動への対応やプラスチック容器の環境配慮が求められる中、これらに適切に対応することが企業価値の向上に繋がります。加えて、ROICマネジメントを通じて資本収益性を高める施策が、長期的な成長に寄与することが期待されています。

森永製菓株式会社の経営者は、現在の経営環境における課題を認識し、2030年に向けた長期経営計画を策定しています。特に、ROICマネジメントを実践し、成長力と資本収益性の向上を目指しています。具体的には、成長を加速する事業と資本収益性を改善する事業を見定め、経営資源の最適な配分を行う方針です。また、財務安全性の確保と資本コストの低減を基本方針とし、株主還元の強化にも注力しています。これにより、持続可能な成長を実現し、企業価値の向上を図ることを目指しています。経営者は、ダイバーシティ＆インクルージョンの推進や、人的資本の価値を最大化することも重要な戦略として位置づけています。

森永製菓株式会社は、2024年1月1日から2028年12月31日までの期間において、スイスのBarry Callebaut社との業務提携契約を締結しました。この契約により、Barry Callebaut社からチョコレート原液を供給されることになります。この提携は、製品の品質向上や新商品の開発に寄与することを目的としており、今後の製品ラインナップの強化に繋がると期待されています。また、顧客との契約から生じる収益については、約束された対価から値引きやリベートを控除した金額で測定され、顧客へのリベートに係る返金負債の見積りも重要な要素となっています。

森永製菓株式会社の研究開発活動は、「世代を超えて愛されるすこやかな食を創造し続け、世界の人々の笑顔を未来につなぐこと」を使命としています。2024年3月期の研究開発費は3,206百万円で、主に「食料品製造」セグメントに3,083百万円が投資されました。重要な技術のアップデートとして、ゼリー飲料技術において「ｉｎゼリー　完全栄養」を開発し、効率的に栄養を摂取できる商品を提供しています。また、米国市場向けに「HI-CHEW REDUCED SUGAR」をリニューアルし、健康志向の高いユーザーに対応しています。さらに、2022年春に開設した「森永製菓R&Dセンター」では、社内外のパートナーとの共創を進め、新たな価値創出を目指しています。

森永製菓株式会社は、2024年3月31日現在、設備投資において14,872百万円を計上しています。主な投資内容は、本社社屋の新設に8,291百万円を充て、食料品製造事業における新設及び既存設備の更新に重点を置いています。具体的な設備状況としては、鶴見工場において生産設備が3,883百万円、中京工場において1,522百万円、小山工場において725百万円の帳簿価額が記録されています。また、流動資産や固定資産の管理は自己資金、借入金及び社債により行われており、安定した資金調達体制を維持しています。これにより、効率的な生産体制の構築と競争力の強化を図っています。

森永製菓株式会社の2024年3月31日現在の株式の状況は以下の通りです。発行済株式総数は92,714,538株で、資本金は18,612百万円です。自己株式は2,105,446株で、自己株式の取得は2024年1月1日付での株式分割に伴い、株式数が増加しました。2024年3月期の1株当たり純資産額は1,128.21円、1株当たり当期純利益は91.91円です。また、配当金は55.00円で、配当性向は59.8%となっています。株主構成は、個人株主が大半を占めており、株主総数は32,305人です。これにより、株主還元の強化と企業価値の向上を図っています。

森永製菓株式会社は、戦略的かつ重要な事業投資を優先しつつ、株主への利益還元を基本方針としています。健全なバランスシートを維持し、配当性向やフリーキャッシュ・フローを考慮しながら、純資産配当率（DOE）の水準を中長期的に引き上げることを目指しています。2024年6月27日に開催される定時株主総会では、期末配当金として1株当たり55円を決定する予定です。また、2024年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行い、これに伴い前期の期末配当金は50円から5円増配されることになります。今後も継続的かつ安定的な配当を目指し、必要に応じて自己株式の取得も検討しています。

森永製菓株式会社は、企業価値の最大化と持続的発展を目指し、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。基本方針として、経営の健全性や効率性の向上、財務内容の信頼性確保、適時適切な情報開示を掲げています。社外取締役3名、社外監査役3名を選任し、経営監視機能を強化しています。特に、役員人事報酬諮問委員会を設置し、取締役の指名や報酬についての審議を行っています。また、内部監査部門は社長直轄で、全ての部門を計画的に監査し、業務の適正を確保しています。これにより、透明性の高いガバナンス体制を構築し、ステークホルダーとの信頼関係を強化しています。

森永製菓株式会社の役員は、男性10名、女性3名で構成されており、女性の比率は23.1%です。取締役社長の太田栄二郎氏は1959年生まれで、1982年に入社し、2019年から代表取締役社長を務めています。取締役会への出席状況は、全役員が高い出席率を維持しており、特に太田社長は15回中15回（100%）出席しています。また、役員人事報酬諮問委員会は、全社外取締役及び代表取締役社長で構成され、役員の指名や報酬について審議を行っています。役員の報酬は、固定報酬と業績連動報酬から成り、業績に応じた報酬体系を採用しています。

森永製菓株式会社の監査体制は、監査役4名のうち社外監査役が3名を占めており、常勤監査役が1名います。監査役は「監査役監査基準」に基づき、取締役の職務執行を監査しています。監査役会は月1回以上開催され、監査方針や監査計画の策定、監査報告書の作成などが行われています。2024年度の重点監査項目には、2030経営計画の浸透度確認や2023年度総合予算達成のための施策の確認が含まれています。また、内部監査部は社長直轄で6名体制で、全ての部門を計画的に監査し、常勤監査役と意見交換を行っています。会計監査は有限責任監査法人トーマツが担当し、監査の実施状況や結果について定期的に報告が行われています。

森永製菓株式会社の役員報酬は、業務執行取締役と社外取締役、監査役に分かれています。業務執行取締役の報酬は、固定報酬（70%）、業績連動報酬（20%）、株式報酬（10%）から構成され、月次で一定額を金銭で支給されます。業績連動報酬は、業績指標を100%達成した場合に支給され、退任時に株式報酬が支給される仕組みです。社外取締役及び監査役は固定報酬のみで、月次で一定額を金銭で支給されます。2024年度の役員報酬は、取締役290百万円、監査役54百万円で、役員人事報酬諮問委員会が報酬の決定を行い、透明性と公正性を確保しています。

森永製菓株式会社の2024年3月31日現在の株式の保有状況は以下の通りです。発行済株式総数は92,714,538株で、自己株式は2,037,000株（2.19%）を保有しています。自己株式には役員報酬BIP信託が保有する68,300株は含まれていません。また、2024年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、これにより株式数が調整されています。議決権の状況では、完全議決権株式は90,399,500株で、単元未満株式は278,038株です。これにより、株主の議決権行使に対する透明性を確保し、株主還元の充実を図っています。

森永製菓株式会社の連結財務諸表は、2024年3月31日現在の財政状態を示しています。流動資産は118,045百万円で、現金及び預金が44,900百万円、受取手形及び売掛金が30,623百万円です。固定資産は1,055,980百万円で、主に有形固定資産が占めています。流動負債は644,360百万円、固定負債は265,540百万円で、純資産は1,326,530百万円です。2024年度の売上高は213,368百万円、当期純利益は15,154百万円で、前年と比較して増加しています。連結損益計算書では、営業利益が20,273百万円、経常利益が21,039百万円となっています。これらのデータは、企業の健全性と成長性を示す重要な指標です。

森永製菓株式会社の2024年3月期のセグメント情報は以下の通りです。報告セグメントは「食料品製造」、「食料卸売」、「不動産及びサービス」の3つです。2024年度の売上高は、食料品製造セグメントが203,810百万円、食料卸売セグメントが6,909百万円、不動産及びサービスセグメントが1,911百万円で、合計213,368百万円となりました。セグメント利益は、食料品製造が19,909百万円、食料卸売が377百万円、不動産及びサービスが834百万円で、合計21,121百万円です。セグメント資産は、食料品製造が162,385百万円、食料卸売が3,274百万円、不動産及びサービスが5,607百万円で、合計171,267百万円となっています。全社資産の調整額は51,083百万円です。

森永製菓株式会社は、財務諸表の作成にあたり、重要な会計方針及び見積りに用いる仮定を明確にしています。収益は顧客との契約に基づき、約束された対価から値引き、リベート及び返品等を控除した金額で測定されます。特に、顧客へのリベートに係る返金負債は、契約条件や過去の実績に基づき算定され、連結貸借対照表に計上される返金負債の大部分を構成しています。この見積りは、売上金額、割戻率及び支出額等の多様な計算要素を含むため、計算根拠は複雑であり、見積りの合理性が重要な影響を受ける領域です。監査法人は、これらの見積りの合理性を検討し、内部統制の検証や過去の実績との比較を通じて、見積りの妥当性を確認しています。

森永製菓株式会社は、金融商品に対する取組方針として、短期資金は銀行借入等、長期資金は銀行借入や社債発行により調達する方針を採用しています。一時的な余資は、安全性の高い金融資産で運用され、デリバティブ取引はリスク回避のために利用されますが、投機的な取引は行っていません。営業債権である受取手形及び売掛金は顧客の信用リスクに晒され、一部外貨建てのものは為替変動リスクに影響されます。有価証券である合同運用指定金銭信託は安全性の高い金融商品であり、信用リスクは僅少です。投資有価証券の株式は市場価格の変動リスクに晒され、営業債務の支払手形及び買掛金は主に1年以内の支払期日です。有利子負債は営業取引や設備投資に係る資金調達を目的とし、一部は変動金利で金利変動リスクに晒されています。

森永製菓株式会社のリース取引は、主にファイナンス・リース取引に分類されます。所有権移転外ファイナンス・リース取引においては、リース資産として有形固定資産が含まれ、具体的には食料品製造事業の生産設備（機械装置及び運搬具）、車両、自動販売機、OA機器などが該当します。また、無形固定資産としてソフトウェアもリース資産に含まれています。リース資産の減価償却は、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に基づき、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しています。これにより、リース取引に関する会計処理が適切に行われ、財務諸表に反映されています。

森永製菓株式会社の有価証券関係について、2024年3月31日現在の状況は以下の通りです。連結貸借対照表に計上されている有価証券は、その他有価証券として2,499百万円、投資有価証券として13,115百万円で、合計15,615百万円です。これらの有価証券は、主に業務上の関係を有する企業の株式であり、市場価格の変動リスクに晒されています。また、2024年度に売却したその他有価証券の売却額は1,256百万円で、売却益は782百万円でした。デリバティブ取引は、主に為替変動リスクに対するヘッジを目的としており、ヘッジ会計が適用されています。これにより、金融商品に係るリスク管理体制が整備され、安定した財務基盤の確保が図られています。

森永製菓株式会社は、収益認識に関する会計基準（企業会計基準第29号）を適用し、顧客との契約から生じる収益を適切に認識しています。製品の販売は、顧客へ製品を引き渡した時点で支配が顧客に移転し、履行義務を充足することになります。具体的には、製品の出荷時に収益を認識し、顧客との契約において約束された対価から値引き、リベート及び返品等を控除した金額で測定します。また、顧客に返金すると見込んでいる額については、契約条件や過去の実績に基づき算定し、返金負債として計上しています。2024年度の顧客との契約から生じる収益は、合計で212,242百万円となり、前年の193,217百万円から増加しています。

森永製菓株式会社の財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表及び財務諸表の作成において重要な情報を提供しています。具体的には、退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表、年金資産の期首残高と期末残高の調整表が含まれています。退職給付債務は2024年3月31日現在で18,515百万円、年金資産は24,070百万円となっており、これにより退職給付に係る負債の純額は2,677百万円です。また、連結財務諸表は「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」に基づいて作成されており、監査法人による監査を受けています。これにより、財務諸表の適正性が確保されています。