株式会社極洋

株式会社極洋は、主に水産物の加工・販売を行う企業で、2024年3月期の連結売上高は261,604百万円でした。主な事業内容には、冷凍食品やチルド食品の製造、海外まき網漁業、冷蔵倉庫業などが含まれます。日本国内の有形固定資産は15,550百万円、米国は2,375百万円、タイは3,380百万円、その他は363百万円で、合計21,670百万円です。従業員数は711名で、自己資本比率は32.5%です。配当政策として、2024年6月25日に1株当たり100円の配当を予定しています。企業理念は「食文化に貢献し、社会とともに成長する」であり、持続的な成長を目指しています。

株式会社極洋の主要な経営指標は、2024年3月期において以下の通りです。売上高は261,604百万円で、前期比3.9%減少しました。経常利益は8,856百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は5,936百万円でした。自己資本比率は36.7%、営業利益率は3.4%、経常利益率も3.4%で、いずれも前期比で改善しています。有利子負債資本倍率は1.4倍で、前期比0.2ポイント改善しました。海外売上高は218億円で、前期比14.2%減少しました。中期的な目標として、海外売上高比率15%以上、ROIC（投下資本利益率）6%以上、DOE（株主資本配当率）3%以上を掲げていますが、2024年の実績はそれぞれ8.3%、5.1%、2.3%でした。

株式会社極洋は、水産事業、生鮮事業、食品事業、物流サービス事業を主な業務として展開しています。水産事業では、Kyokuyo America Corporationなどを通じて水産物の買付、加工、販売を行っています。生鮮事業では、寿司種や刺身などの生食商材の加工・販売を行い、カツオやマグロの漁獲、養殖、買付も手掛けています。食品事業では、業務用および市販用の冷凍食品、缶詰、海産物珍味の製造・販売を行っています。物流サービス事業では、キョクヨー秋津冷蔵株式会社が冷蔵倉庫業を運営しています。また、その他の事業として保険代理店業なども展開しています。グループ全体で28社の子会社と4社の関連会社を有し、各事業のシナジーを活かしています。

株式会社極洋は、1937年9月に母船式捕鯨事業を目的として設立されました。1949年には東京・大阪・名古屋の証券取引所に上場し、1971年に商号を株式会社極洋に変更しました。1970年には八戸市に冷凍工場を新設し、1971年には秋津冷蔵株式会社を設立して冷蔵倉庫業に進出しました。1996年にはKyokuyo America Corporationを設立し、海外市場への展開を開始しました。2001年には極洋食品株式会社と株式会社ひたちなか極洋を合併し、効率的な生産体制を確立しました。2004年にはISO14001認証を取得し、環境マネジメントに取り組んでいます。最近では、2010年にマグロの養殖・加工を目的とした新会社を設立し、事業の多角化を進めています。

株式会社極洋の2024年3月期の財務情報は以下の通りです。売上高は261,604百万円で、前期比3.9%減少しました。営業利益は8,806百万円、経常利益は8,856百万円、当期純利益は5,936百万円でした。総資産は1,607,200百万円、負債合計は1,018,590百万円、純資産は588,600百万円で、自己資本比率は36.7%です。キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが△1,721百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△5,707百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが8,524百万円でした。現金及び現金同等物の期末残高は8,452百万円です。配当金は1株当たり100円を予定しています。

株式会社極洋は、企業理念として「人間尊重」を掲げ、健康で心豊かな生活と食文化に貢献し、社会とともに成長することを目指しています。経営の重点課題には、安心・安全な食品の供給と環境保全が含まれています。また、内部統制システムを整備し、企業倫理の徹底や法令遵守を進め、透明度の高い事業運営を行うことで企業価値を高め、社会に貢献することを目指しています。中期経営計画『Gear Up Kyokuyo 2027』では、海外売上高比率15%以上、ROIC（投下資本利益率）6%以上、DOE（株主資本配当率）3%以上を目標に掲げています。これにより、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図る方針です。

株式会社極洋は、リスク管理体制を強化するために「キョクヨーグループリスク管理基本規則」を制定し、全社的なリスクを網羅的に管理しています。環境保全リスクについては、社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会が設置され、環境保全体制を維持しています。品質安全リスクに関しては、食品事故発生時に迅速に対応できる体制を整備し、国内外の協力工場と情報を共有しています。また、災害リスクに対しては事業継続計画（BCP）を策定し、被災時にも事業を継続できる体制を確立しています。内部監査チームがリスク管理体制を監査し、その結果を取締役会に報告することで、透明性の高いリスク管理を実現しています。

株式会社極洋の2024年3月期の経営成績は、売上高が2,616億4百万円で、前期比3.9%減少しました。営業利益は88億6百万円（前期比8.6%増）、経常利益は88億56百万円（前期比8.2%増）、親会社株主に帰属する当期純利益は59億36百万円（前期比2.7%増）となりました。セグメント別では、水産事業と生鮮事業が前年実績を下回った一方、食品事業と物流サービスは前年実績を上回りました。特に食品事業は656億34百万円（前期比11.8%増）、営業利益は26億13百万円（前期比226.0%増）と大幅に改善しました。全体として、厳しい経営環境の中でも、適正な価格の浸透やコスト管理により収益を改善させることができました。

株式会社極洋の2024年3月31日時点の財政状態は以下の通りです。総資産は前年度末比で144億19百万円増加し、1,607億20百万円となりました。流動資産は棚卸資産の増加により100億94百万円増加し、1,242億97百万円です。固定資産は有形固定資産の増加により43億24百万円増加し、364億22百万円となりました。負債合計は短期借入金の増加により25億25百万円増加し、1,018億59百万円です。純資産は親会社株主に帰属する当期純利益の増加や公募増資により118億94百万円増加し、588億60百万円となりました。これにより自己資本比率は36.7%（前年度比4.2ポイント増）となりました。

株式会社極洋の2024年3月期におけるキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産や法人税等の支払額の増加により、17億21百万円の支出となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出が主な要因で、57億7百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金及び株式の発行による資金調達により、85億24百万円の収入がありました。これにより、現金及び現金同等物の期末残高は、期首残高より14億9百万円増加し、84億52百万円となりました。グループ全体でのキャッシュマネジメントを強化し、流動性の維持と資金効率の最適化を図っています。

株式会社極洋は、サステナビリティを重視し、「サステナビリティ推進委員会」を設置して、環境保全や気候変動、責任ある調達、人権尊重などの活動を推進しています。この委員会は、代表取締役を委員長とし、年2回の会議を通じて社会課題の解決に向けた方針を決定し、取締役会に報告しています。また、「キョクヨーグループサステナビリティ基本方針」に基づき、安心・安全な商品提供を通じて社会に価値を創出し、ステークホルダーとのコミュニケーションを強化しています。具体的な目標としては、2023年度実績比で毎年1%以上のCO2排出量削減や、2030年までにプラスチック使用量を30%削減することを掲げています。これにより、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

株式会社極洋が認識している主な事業リスクには、以下のようなものがあります。まず、食品の安全性の問題があり、品質保証体制を整備していますが、予期しない製品クレームが発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。次に、海外事業に関するリスクとして、物流システムの不備や法律の変更、社会的混乱が挙げられます。また、原材料価格の変動や漁獲規制の強化もリスク要因です。養殖事業では、自然災害や魚病による影響が懸念されます。さらに、為替レートの変動や原油価格の高騰も業績に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対して、適切な対策を講じているものの、完全に回避することは難しいとされています。

株式会社極洋の2024年3月期における経営者の分析によれば、国内経済は緩やかな回復を見せる一方で、円安や国際情勢の不安定さが影響を及ぼしています。水産・食品業界では、外食産業の回復が見られるものの、物価高騰や生産コストの上昇が厳しい経営環境を生んでいます。売上高は261,604百万円で前期比3.9%減少しましたが、営業利益は88億6百万円と改善しました。財政状態は、総資産が1,607億20百万円、自己資本比率は36.7%に達し、安定した財務基盤を維持しています。キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが△17億21百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△57億7百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが85億24百万円で、現金及び現金同等物の期末残高は84億52百万円となりました。これらの結果を踏まえ、持続的成長に向けた戦略を進めています。

株式会社極洋は、資本の財源として主に自己資本と借入金を活用しています。2024年3月31日時点での株主資本合計は437億36百万円で、資本金は56億64百万円、利益剰余金は373億17百万円です。流動性の確保に関しては、現金及び現金同等物の期末残高は84億52百万円で、前年同期比で14億9百万円の増加を見せました。営業活動によるキャッシュ・フローは△17億21百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは△57億7百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは85億24百万円の収入がありました。これにより、流動資金の効率的な管理を行い、必要に応じて金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパーの発行を通じて流動性を維持しています。全体として、安定した資金調達体制を構築し、事業活動の継続性を確保しています。

株式会社極洋の経営成績に重要な影響を与える要因として、以下の点が挙げられます。まず、国内外の経済状況が大きな影響を及ぼします。特に、円安や国際情勢の不安定さが原材料価格や輸出入に影響を与え、業績に直結します。また、消費者の節約志向や物価高騰が消費に影響を与え、外食産業の回復が遅れる可能性があります。さらに、原材料の調達リスクや漁獲規制の強化も業績に影響を与える要因です。特に、養殖事業においては自然災害や魚病のリスクが高く、これらが発生した場合には大きな損失を被る可能性があります。加えて、為替レートの変動や原油価格の高騰もコストに影響を与え、経営成績に影響を及ぼす要因となります。これらのリスクを適切に管理し、持続的な成長を目指すことが求められています。

株式会社極洋の経営者は、現在の経営環境における課題として、円安や国際情勢の不安定さ、物価高騰による消費者の節約志向を挙げています。これらの要因が業績に与える影響を認識し、持続的成長を目指すための戦略を策定しています。特に、2024年度から2026年度までの新中期経営計画『Gear Up Kyokuyo 2027』を通じて、企業理念である「食文化に貢献し、社会とともに成長する」を実現するための施策を進めています。具体的には、品質保証体制の強化や、環境への配慮を重視した商品開発を行い、消費者の信頼を獲得することを目指しています。また、気候変動リスクへの対応として、再生可能エネルギーの導入やプラスチック使用量の削減を進める方針です。これにより、企業価値の向上と持続可能な成長を図る考えです。

株式会社極洋において、経営上の重要な契約等は特に存在しないとされています。これにより、特定の契約が経営成績や財政状態に重大な影響を与えるリスクは低いと考えられます。企業は、日常的な取引や契約において、安定した関係を築くことを重視しており、顧客や取引先との友好的な関係を維持することが経営戦略の一環となっています。今後も、事業の安定性を確保するために、適切な契約管理を行い、リスクを最小限に抑える方針です。

株式会社極洋は、食生活における動物性蛋白質資源やその他の食料資源を有効に活用し、生物多様性の保全に努めることを使命とし、以下の研究開発活動を行っています。具体的には、魚肉蛋白質や脂質に関する基礎研究、食品衛生及び安全性の確認、新製品開発（冷凍食品、缶詰、健康食品など）、国内外工場との製造ライン設計・改善、生産性向上活動、大学や研究機関との連携による新技術開発、包装資材のロス低減、養殖場の効率化と魚の品質向上に関する研究が含まれます。2024年度の研究開発費は365百万円であり、主に食品事業に関連する活動に充てられています。

株式会社極洋の設備の状況について、2024年3月31日時点での設備投資は合計5,623百万円でした。セグメント別の内訳は、水産事業が861百万円、生鮮事業が822百万円、食品事業が3,315百万円、物流サービスが73百万円、その他及び全社が489百万円となっています。主要な設備の帳簿価額は、水産事業の加工・販売設備が336百万円、生鮮事業の養殖・加工設備が1,159百万円、食品事業の加工・販売設備が3,533百万円です。また、国内外の工場と協力した製造ラインの設計や改善、生産性向上活動を進めており、今後も新たな設備の導入を計画しています。特に、ベトナムとアメリカにおいて新しい食品製造工場の設立を予定しており、これにより生産能力の向上を図る方針です。

株式会社極洋の2024年3月31日時点の株式の状況は以下の通りです。発行済株式総数は11,935,000株で、自己株式は543,000株を保有しています。株主資本は52,354百万円で、資本金は7,527百万円、資本剰余金は3,193百万円、利益剰余金は42,176百万円です。大株主には、日本マスタートラスト信託銀行株式会社が1,162千株（9.75%）、株式会社りそな銀行が523千株（4.39%）、農林中央金庫が445千株（3.73%）を保有しています。配当政策として、2023年6月27日に1株当たり100円の配当を予定しており、創立85周年記念配当として10円を含んでいます。株価は2024年3月31日現在、最高4,120円、最低3,380円となっています。

株式会社極洋は、株主に対する適切な利益還元を経営の重要な課題の一つと位置付けています。企業体質の強化及び将来の事業展開に備えるため、内部留保の充実を図りつつ、安定した配当を継続し、中長期的な利益成長による配当水準の向上を目指しています。剰余金の配当は年1回の期末配当としており、取締役会の決議に基づいて行われます。2024年6月25日に開催される定時株主総会において、1株当たり100円の配当が決議される予定です。2023年度の配当金総額は1,191百万円で、これには信託が保有する自社株式に対する配当金も含まれています。

株式会社極洋は、透明性の高い経営を行い、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すことをコーポレート・ガバナンスの基本方針としています。取締役会は、代表取締役社長が議長を務め、社外取締役を含む14名で構成されています。内部統制システムの整備により、経営の透明性向上とコンプライアンスの徹底を図っています。また、2023年4月から執行役員制度を導入し、経営の機動性を高めることを目指しています。リスク管理体制としては、キョクヨーグループリスク管理基本規則を策定し、全社的なリスクを管理しています。これにより、企業価値の向上と株主共同の利益を確保するための取り組みを強化しています。

株式会社極洋の役員は、男性15名、女性3名で構成されており、女性の比率は16.7%です。代表取締役社長は井上誠氏で、1980年に入社し、2018年に社長に就任しました。取締役副社長は近藤茂氏で、1982年に入社し、2023年から専務取締役水産事業本部長を務めています。取締役には社外取締役が5名おり、監査役には社外監査役が2名含まれています。取締役の任期は1年、監査役の任期は4年と定められており、役員の選任は株主総会で行われます。取締役会は合計17回開催され、重要事項について審議・決定しています。役員の出席状況は高く、特に社長は全会議に出席しています。

株式会社極洋の監査体制は、監査役会、内部監査、会計監査の3つの柱で構成されています。監査役会は常勤監査役2名と非常勤監査役2名から成り、監査の方針や職務の分担を定め、各監査役からの報告を受けています。監査役は取締役会や重要な会議に出席し、業務及び財産の状況を調査しています。内部監査は経営直属の「内部監査委員会」が実施し、監査チームが本社及びグループ会社の業務監査を行っています。2024年度には本社8部署、3支社、関係会社1社に対して監査を実施し、法令遵守や業務改善に寄与しています。会計監査は井上監査法人が担当し、55年の継続監査期間を有し、監査の実施状況について定期的に報告を受けています。監査役会は、監査法人の評価や内部統制の強化に向けた取り組みを行っています。

株式会社極洋の役員報酬は、取締役会が定めた方針に基づき、固定の基本報酬と業績連動型株式報酬から構成されています。2024年6月25日に開催される定時株主総会では、取締役の報酬上限を年額6億円（社外取締役分は8千万円）と決議する予定です。監査役の報酬は年額7千万円とされています。業績連動型株式報酬は、固定の基本報酬の約2割を目安としており、2023年6月27日の株主総会でその上限を年額9千万円、付与される株式数の上限を18,000株とすることが決議されています。役員報酬の決定は、社内取締役及び独立社外取締役で構成される指名・報酬委員会が行い、透明性と客観性を確保しています。

株式会社極洋の2024年3月31日時点の株式の保有状況は以下の通りです。発行済株式総数は12,078,283株で、その内訳は完全議決権株式が11,892,400株、自己株式が162,100株、単元未満株式が23,783株です。自己株式の保有割合は1.34%であり、役員向け株式給付信託が38,600株を保有しています。自己株式の取得は、株主総会及び取締役会の決議に基づいて行われ、2024年度には自己株式の取得が行われました。これにより、企業の資本政策や株主還元策を強化し、株主の利益を最大化することを目指しています。

株式会社極洋の2024年3月31日時点の連結財務諸表は、以下のように構成されています。連結貸借対照表では、流動資産が124,297百万円、固定資産が21,670百万円、総資産は145,967百万円となっています。負債合計は1,018,590百万円、純資産は588,600百万円で、自己資本比率は36.7%です。連結損益及び包括利益計算書では、売上高が261,604百万円、営業利益が8,806百万円、経常利益が8,856百万円、当期純利益が5,936百万円となっています。連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが△1,721百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△5,707百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが8,524百万円で、現金及び現金同等物の期末残高は84,520百万円です。これらの情報は、企業の財務状況を示す重要な指標となります。

株式会社極洋の2024年3月期におけるセグメント情報は以下の通りです。売上高は、全体で261,604百万円で、前年同期比3.9%減少しました。セグメント別では、水産事業が127,694百万円（前期比8.2%減）、生鮮事業が66,147百万円（前期比8.9%減）、食品事業が65,634百万円（前期比11.8%増）、物流サービスが1,599百万円（前期比17.4%増）、その他が527百万円（前期比11.5%増）となっています。セグメント利益は、水産事業が2,740百万円、生鮮事業が5,406百万円、食品事業が801百万円、物流サービスが203百万円、その他が166百万円で、全体のセグメント利益は9,318百万円でした。セグメント資産は、水産事業が58,588百万円、生鮮事業が51,652百万円、食品事業が33,030百万円、物流サービスが1,734百万円、その他が1,437百万円で、合計146,442百万円となっています。

株式会社極洋の連結財務諸表は、日本の一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定が用いられていますが、これらの見積りは実際の結果と異なる可能性があります。重要な会計方針には、棚卸資産の評価基準として総平均法を採用し、固定資産の減価償却は定額法によって行われています。また、退職給付に関しては、退職給付債務の算定に期間定額基準を用い、数理計算上の差異は発生時において従業員の平均残存勤務期間に基づいて処理されます。外貨建の資産及び負債は、連結決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理されます。

株式会社極洋は、金融商品に対する取組方針として、主に食品事業や生鮮事業のための設備投資計画に基づき、必要な資金を銀行等の金融機関からの借入により調達しています。また、短期的な運転資金は銀行からの借入やコマーシャル・ペーパーの発行によって賄っています。デリバティブ取引は、リスク回避のために利用されており、投機的な取引は行わない方針です。営業債権である受取手形及び売掛金は顧客の信用リスクに晒され、外貨建ての営業債権は為替の変動リスクに影響を受けます。投資有価証券は主に取引企業との業務上関連する株式であり、市場価格の変動リスクに晒されています。これらのリスクを管理するため、与信管理規程に従い、主要な取引先の状況をモニタリングし、流動性リスクを適時に管理しています。

株式会社極洋のリース取引に関する状況は、主にファイナンス・リース取引に関連しています。所有権移転外ファイナンス・リース取引において、リース資産は主に生産設備及び営業用車両（機械装置及び運搬具）で構成されています。また、無形固定資産としてはソフトウェアが含まれています。リース資産の減価償却は、連結財務諸表作成のための重要な会計方針に従い、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によって行われています。オペレーティング・リース取引に関しては、該当事項はありません。

株式会社極洋の有価証券関係について、2024年3月31日時点の連結貸借対照表における投資有価証券は11,243百万円で、取得原価は4,261百万円、差額は6,982百万円となっています。具体的には、株式が10,827百万円（取得原価3,825百万円）、その他の有価証券が416百万円（取得原価435百万円）です。また、子会社株式は5,760百万円、関連会社株式は66百万円で、合計は5,827百万円です。2024年度には、株式の売却が行われ、売却額は28百万円、売却益は8百万円でした。減損処理については、当年度において投資有価証券評価損1百万円を計上しています。これらの情報は、企業の財務状況を把握する上で重要な指標となります。

株式会社極洋の収益認識に関する方針は、顧客との水産物等の販売契約に基づいて商品を引き渡す履行義務を負っており、商品を引き渡す一時点において顧客が当該商品に対する支配を獲得した時点で収益を認識します。国内の販売においては、出荷時から顧客に支配が移転するまでの期間が通常である場合、原則として出荷時に収益を認識します。売上リベート等の取引については、契約に従い取引の対価の変動部分を見積もり、著しい減額が発生しない可能性が高い部分に限り取引価格に含めて収益を計上します。また、有償支給取引については、支給品の引渡時に消滅を認識します。これにより、収益の認識が適切に行われるよう努めています。

株式会社極洋の財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の作成において重要な情報を提供しています。注記事項には、連結の範囲、持分法の適用に関する事項、連結子会社の事業年度、重要な資産の評価基準及び評価方法、収益認識に関する情報が含まれています。特に、連結子会社は28社であり、持分法を適用した関連会社は3社です。また、連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されており、監査法人による監査を受けています。重要な後発事象については該当事項はなく、継続企業の前提に基づいて財務諸表が作成されています。