株式会社ツムラ

株式会社ツムラは、医薬品事業を中心に展開している企業で、2024年3月31日現在の従業員数は2,711名です。平均年齢は43歳、平均勤続年数は17.2年、平均年間給与は8,068千円です。2023年度の売上高は131,283百万円で、前年度比は6.0%の増加を示しています。営業利益は16,514百万円で、経常利益は18,353百万円、当期純利益は13,725百万円となっています。主な事業内容は、漢方薬の製造・販売であり、特に生薬の調達・選別加工に力を入れています。また、サステナビリティビジョンとして「自然と生きる力を、未来へ。」を掲げ、持続可能な事業活動を推進しています。さらに、IT基盤の刷新やAI・ロボットの活用を通じて、労働生産性の向上を目指しています。

株式会社ツムラの主要な経営指標は、2024年3月期において以下の通りです。売上高は150,845百万円で、前年度比7.7%の増加を示しました。経常利益は23,493百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は16,707百万円で、いずれも前年度比で1.4%の増加です。総資産は428,254百万円、純資産は295,364百万円で、自己資本比率は63.2%となっています。また、1株当たり純資産額は3,566.54円、1株当たり当期純利益は219.83円です。営業活動によるキャッシュ・フローは5,608百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは19,351百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは4,417百万円の支出となっています。これらの指標は、企業の成長性や収益性を示す重要なデータです。

株式会社ツムラは、主に医薬品事業を展開しており、医療用医薬品や一般用医薬品の製造・販売を行っています。日本国内では、株式会社ツムラが中心となり、運送・保管業務は株式会社ロジテムツムラが担当しています。また、原料生薬の栽培・調達・選別加工・保管は株式会社夕張ツムラが行っています。中国では、津村(中国)有限公司が地域統括を担い、漢方エキス粉末の製造・販売を行う上海津村製薬有限公司や天津津村製薬有限公司などが関連会社として存在します。さらに、ラオスではLAO TSUMURA CO.,LTD.が原料生薬の栽培・調達・選別加工・保管を行い、米国ではTSUMURA USA, INC.が医薬品の開発を行っています。これにより、グローバルな医薬品供給体制を構築しています。

株式会社ツムラは、1893年に個人経営の中将湯本舗として創立されました。1936年には株式会社津村順天堂を設立し、婦人薬や浴用剤の製造販売を開始しました。1962年には津村交易株式会社を吸収合併し、1964年には静岡工場を建設しました。1976年には医療用漢方製剤が健康保険に採用され、1980年に東京証券取引所市場第二部に上場、1982年には市場第一部に指定されました。1988年に商号を株式会社ツムラに変更し、1991年には深セン津村薬業有限公司を設立しました。2001年には上海津村製薬有限公司とTSUMURA USA, INC.を設立し、2005年には日本生薬株式会社を吸収合併しました。2016年には津村(中国)有限公司を設立し、2020年には天津盛実百草中薬科技有限公司の持分を取得しました。これらの沿革を通じて、ツムラは医薬品業界での地位を確立してきました。

株式会社ツムラの財務情報は、2024年3月31日現在の連結貸借対照表に基づいています。流動資産は185,942百万円、固定資産は57,930百万円で、総資産は243,872百万円です。負債合計は69,346百万円、純資産は174,526百万円で、自己資本比率は71.7%です。2023年度の売上高は150,845百万円、営業利益は23,493百万円、経常利益は23,493百万円、当期純利益は16,707百万円です。1株当たりの純利益は219.83円で、配当金は1株あたり65円です。キャッシュフローに関しては、営業活動によるキャッシュ・フローは5,608百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは△19,351百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは△4,417百万円となっています。これらの指標は、企業の財務健全性や収益性を示す重要なデータです。

株式会社ツムラの経営方針は、「一人ひとりの、生きるに、活きる。」を基本に、経営理念「自然と健康を科学する」と企業使命「漢方医学と西洋医学の融合により、世界で類のない最高の医療提供に貢献します」を掲げています。2022年4月には、TSUMURA Group DNA Pyramidを刷新し、サステナビリティビジョン「自然と生きる力を、未来へ。」を策定しました。また、長期経営ビジョン「TSUMURA VISION “Cho-WA” 2031」を設定し、個人と社会の調和を目指しています。具体的な戦略としては、医師に合った漢方ソリューションの提供や、KAMPOmicsによるエビデンス構築、IT基盤の刷新、AI・ロボットの活用を通じた生産性向上を目指しています。これにより、持続的な成長と企業価値の向上を図ることを目指しています。

株式会社ツムラでは、リスク管理を強化するために「リスクマネジメント委員会」と「サステナビリティ委員会」を設置しています。これらの委員会は、企業活動に影響を及ぼすリスクを評価・管理し、情報を共有しています。サステナビリティ委員会は、中長期的な経営戦略に与えるリスクの分析と対策を検討し、その結果を取締役会に報告します。一方、リスクマネジメント委員会は、工場の操業停止などのリスクを財務影響や発生確率に基づいて優先順位を決定し、BCP（事業継続計画）対応を含む対策を検討します。これらのリスクは事業リスクとして統合・管理され、気候変動に関するリスクも含まれています。リスク管理の体制を整備することで、企業の持続的な成長を支援しています。

株式会社ツムラの2024年3月期の経営成績は、売上高が150,845百万円で、前年度比7.7%の増加を示しました。営業利益は20,017百万円で、前年度比4.3%減少しましたが、経常利益は23,493百万円で0.2%の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は16,707百万円で1.4%の増加となりました。売上原価率は54.4%で、販管費率は32.4%に低下し、営業利益率は13.3%となりました。キャッシュフローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが5,608百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが19,351百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが4,417百万円の支出となっています。これらの結果から、ツムラは安定した成長を維持しつつ、利益率の改善に向けた取り組みが求められています。

株式会社ツムラの財政状態は、2024年3月31日現在の連結貸借対照表に基づいています。総資産は428,254百万円で、前年度末に比べて31,440百万円増加しました。流動資産は原材料や貯蔵品の増加により12,971百万円増加し、固定資産は有形固定資産の増加により18,469百万円増加しました。負債合計は132,889百万円で、主に支払手形や買掛金の増加により8,322百万円増加しました。純資産は295,364百万円で、前年度末に比べて23,118百万円増加しました。株主資本は利益剰余金の増加により10,269百万円増加し、自己資本比率は63.2%となっています。これにより、ツムラは安定した財政基盤を維持しています。

株式会社ツムラの2024年3月期におけるキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。営業活動によるキャッシュ・フローは5,608百万円の収入で、主な内訳は税金等調整前当期純利益が23,736百万円、棚卸資産の増加が12,869百万円、売上債権の増加が8,412百万円です。投資活動によるキャッシュ・フローは19,351百万円の支出で、主に有形固定資産の取得による支出が16,823百万円でした。財務活動によるキャッシュ・フローは4,417百万円の支出で、配当金の支払額が5,126百万円となっています。その結果、現金及び現金同等物は前年度末と比べて16,695百万円減少し、78,034百万円となりました。これらのデータは、企業の資金流動性や運営の健全性を示す重要な指標です。

株式会社ツムラは、2022年4月に新たに「パーパス」を制定し、サステナビリティビジョンを策定しました。事業は原料生薬の栽培から始まる“漢方バリューチェーン”によって構成され、自然環境との深い関わりがあります。ツムラは「自然環境の変化や危機に最も敏感な企業」であり続けることを目指し、持続可能な社会の創造に向けた課題解決に取り組んでいます。また、2022年10月には「サステナビリティ憲章」を制定し、グループ全体での行動指針を明確にしました。気候変動への対応として、2021年にTCFD提言への賛同を表明し、温室効果ガスの排出量削減を目指しています。2031年度までにGHG排出量を50%削減する目標を設定し、持続可能な社会の実現に向けた具体的な取り組みを進めています。

株式会社ツムラの事業には、いくつかのリスクが存在します。まず、原料生薬の調達に関するリスクがあります。生薬の多くは天然物であり、天候不順や自然災害により必要な数量の確保が困難になる可能性があります。また、原料生薬の約90%を中国から調達しているため、輸入規制や政治・経済状況の変化も影響を及ぼす可能性があります。次に、副原料や資材の調達、生産、物流に関するリスクもあります。自然災害や不安定な社会情勢により、供給が不安定になる可能性があります。さらに、製品供給の停止や遅延が生じた場合、社会的信用や業績に影響を与えるリスクもあります。これらのリスクに対して、ツムラは在庫の確保や調達先の拡大、BCP（事業継続計画）の構築などの対策を講じています。

株式会社ツムラの経営者は、2024年3月期の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を以下のように分析しています。総資産は428,254百万円で、前年度比31,440百万円の増加、負債は132,889百万円で8,322百万円の増加、純資産は295,364百万円で23,118百万円の増加となりました。売上高は150,845百万円で7.7%の増加を示し、営業利益は20,017百万円で4.3%減少、経常利益は23,493百万円で0.2%増加、当期純利益は16,707百万円で1.4%の増加です。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが5,608百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが19,351百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが4,417百万円の支出となっています。これにより、経営者は安定した成長を維持しつつ、利益率の改善に向けた取り組みが必要であると認識しています。

株式会社ツムラの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金及び設備投資資金は自己資金、社債、金融機関からの借入金により調達されています。運転資金は主に自己資金及び短期借入金を基本としており、設備投資資金は社債及び長期借入金を利用しています。2024年3月31日現在、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は80,104百万円で、現金及び現金同等物の残高は78,034百万円です。これにより、ツムラは安定した資金流動性を維持しており、今後の成長に向けた投資を行うための基盤を確保しています。また、2024年度の設備投資金額は34,000百万円、研究開発費は8,300百万円を計画しており、持続的な成長を目指しています。

株式会社ツムラの経営成績に重要な影響を与える要因として、主に原料生薬の調達リスク、資金調達リスク、競争環境、為替レートの変動が挙げられます。原料生薬の約90%を中国から調達しているため、天候不順や自然災害、政治的・経済的状況の変化が影響を及ぼす可能性があります。また、資金調達においては、金利の変動や信用格付の変化が影響し、望む条件での資金調達が困難になるリスクがあります。競争環境では、国内外の製薬企業が市場に参入することで競争が激化し、業績に影響を与える可能性があります。さらに、為替レートの変動も影響を及ぼし、特に生薬の輸入時に為替予約等によるリスク軽減策が必要です。これらの要因を考慮し、ツムラはリスク管理を強化し、持続的な成長を目指しています。

株式会社ツムラの経営者は、現在の経営環境における課題を認識し、持続可能な成長を目指す方針を掲げています。特に、原料生薬の調達リスクや競争環境の変化、気候変動への対応が重要な課題とされています。これに対処するため、経営者は「一人ひとりの、生きるに、活きる。」というパーパスを基に、サステナビリティビジョンを策定し、長期経営ビジョン「TSUMURA VISION “Cho-WA” 2031」を設定しました。今後は、医師に合った漢方ソリューションの提供や、KAMPOmicsによるエビデンス構築を進め、IT基盤の刷新やAI・ロボットの活用を通じて生産性向上を図ります。また、株主還元においては、ROEや自己資本比率を指標として設定し、長期的な配当拡充を目指す方針です。これらの取り組みを通じて、企業価値の向上を図ることを目指しています。

株式会社ツムラにおいて、2024年3月期の連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定または締結はありませんでした。これにより、特に新たなリスクや義務が発生することはなく、安定した経営環境を維持しています。今後も、既存の契約の履行に注力し、事業の持続的な成長を図る方針です。また、経営者は、契約の見直しや新たなビジネスチャンスの模索を通じて、企業価値の向上に努めていく考えを示しています。

株式会社ツムラは、TSUMURA VISION“Cho-WA”2031に基づき、個々のライフステージや症状に応じた漢方薬や中薬の提供を目指し、研究開発活動を行っています。国内事業では、漢方標準治療の拡大、個別化、未病の科学化、養生領域での製品開発に取り組んでいます。重点領域として「高齢者関連」「がん領域（支持療法）」「女性関連」を設定し、認知症やがん治療の副作用軽減、女性特有の疾患に対する製品開発を進めています。研究開発費は8,288百万円で、米国におけるTU-100（大建中湯）の上市に向けた開発や、漢方治療の個別化を目指した診断サポートツールの開発も進行中です。また、生薬の品質と安全性を確保するための研究も行われています。

株式会社ツムラは、2024年3月31日現在、医薬品事業において18,352百万円の設備投資を実施しました。主要な設備には、静岡工場（帳簿価額14,996百万円）、茨城工場（22,574百万円）、研究所（3,350百万円）、石岡センター（7,817百万円）などがあります。静岡工場は生産設備を有し、茨城工場も同様に生産設備を備えています。研究所では研究開発設備が整備されており、製品の品質向上に寄与しています。また、設備の新設や除却については、需要予測や生産計画に基づいて計画的に行われており、特に中国の天津津村製薬有限公司では新たな生産設備の導入が進められています。これにより、安定した製品供給体制を維持し、競争力を高めることを目指しています。

株式会社ツムラの2024年3月31日現在の株式の状況は以下の通りです。発行済株式総数は76,758,362株で、資本金は30,142百万円です。自己株式は231,897株で、実質保有株式数は229,897株となっています。株主構成は、個人株主が約47.90%、金融機関が約30.22%、その他法人が約6.76%を占めています。2024年度の配当は1株あたり85円で、配当性向は47.07%です。また、最高株価は4,082円、最低株価は2,551円で、株価収益率（PER）は17.39倍です。これらのデータは、ツムラの株式市場における位置付けや株主還元の方針を示しています。

株式会社ツムラは、株主への利益還元を重要な政策と位置付けています。国内事業の持続的な拡大と中国事業の成長投資を通じて企業価値の向上を図り、中長期の利益水準やキャッシュ・フローを考慮して株主還元を決定しています。配当政策の指標としてDOE（株主資本配当率）を設定し、2031年度までに5%を目指す方針です。剰余金の配当は年2回（中間配当と期末配当）を基本とし、配当の決定機関は中間配当が取締役会、期末配当が株主総会です。2024年度の期末配当金は1株あたり50円、中間配当金は35円で、年間の配当金は1株あたり85円となります。内部留保資金は将来の企業価値向上に資する設備投資や研究開発に充当されます。

株式会社ツムラは、コーポレート・ガバナンスの強化を基本方針としており、経営理念「自然と健康を科学する」と企業使命「漢方医学と西洋医学の融合により、世界で類のない最高の医療提供に貢献します」を掲げています。2017年6月から監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行し、取締役会の監督機能を強化しました。取締役会は、経営戦略や中期経営計画の進捗状況を確認し、重要な投資案件についても議論します。また、指名・報酬諮問委員会を設置し、取締役や執行役員の指名及び報酬に関する助言を行っています。これにより、透明性の高い経営を実現し、持続的な成長を目指しています。

株式会社ツムラの役員は、取締役会において経営の意思決定を行い、監査等委員会がその監督機能を果たしています。2024年3月31日現在、取締役は加藤照和（代表取締役社長）、杉井圭（取締役Co-COO）、半田宗樹（取締役CFO）などが在籍しています。社外取締役には三宅博、岡田正、柳良平、松下満俊、望月明美が含まれ、社外取締役は経営の透明性を高める役割を担っています。取締役会は19回開催され、出席率は100%を維持しています。また、監査等委員会は常勤の監査等委員を含む体制で、経営会議や執行役員会に出席し、業務執行状況の監視を行っています。役員の選任や報酬に関しては、指名・報酬諮問委員会が設置され、独立社外取締役が関与しています。これにより、役員の適切な選定と報酬の決定が行われています。

株式会社ツムラの監査体制は、監査等委員会を中心に構築されています。監査等委員会は、会計監査人からの四半期レビューや内部監査部門からの報告を受け、業務執行状況や内部統制の評価を行っています。2024年度には、監査等委員会が17件の決議事項、60件の報告事項を扱い、監査方針や計画、会計監査人の再任に関する意見を決定しました。また、内部監査部門である監査室は、独立した組織として監査活動を行い、社内規程に基づいてその独立性と客観性を担保しています。監査室は、内部監査計画に基づく監査を実施し、その結果を定期的に取締役会や監査等委員会に報告しています。これにより、ツムラは透明性の高い経営を実現し、持続的な成長を目指しています。

株式会社ツムラの役員報酬は、基本報酬と業績連動型報酬から構成されています。2024年度の取締役（監査等委員を除く）の報酬等の総額は246百万円で、基本報酬が205百万円、株式報酬が40百万円です。監査等委員の取締役には25百万円が支給され、社外役員には51百万円が支給されています。報酬の決定は、指名・報酬諮問委員会の審議を基に取締役会で行われ、基本報酬は年額600百万円以内とされています。また、業績連動型株式報酬制度が導入されており、業績目標の達成度に応じて報酬が変動します。これにより、役員の業績向上を促進し、企業の持続的成長を支援することを目指しています。

株式会社ツムラの2024年3月31日現在の株式の保有状況は以下の通りです。発行済株式総数は76,758,362株で、自己株式は231,897株、実質保有株式数は229,897株です。大株主には、日本マスタートラスト信託銀行が10,907千株（14.25%）、BANK OF CHINA（HONG KONG）LIMITEDが7,675千株（10.03%）を保有しています。金融機関や個人株主も含め、株主構成は多様であり、個人株主が約47.90%を占めています。また、役員報酬BIP信託や株式付与ESOP信託が保有する自己株式も含まれており、これらは企業の資本政策に寄与しています。これにより、ツムラは安定した株主基盤を維持し、企業価値の向上を目指しています。

株式会社ツムラの経理の状況は、連結財務諸表の作成方法に基づいており、連結財務諸表は「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」に従って作成されています。2024年度の連結財務諸表は、PwC Japan有限責任監査法人による監査を受けており、監査意見は「全ての重要な点において適正に表示されている」とされています。連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書が含まれ、財務諸表の適正性を確保するために特段の取り組みが行われています。具体的には、公益財団法人財務会計基準機構への加入や、監査法人が行う研修への参加を通じて、会計基準の理解を深めています。

株式会社ツムラは、医薬品事業のみを展開しているため、単一セグメントとしての情報を提供しています。2024年度の売上高は150,845百万円で、前年度比7.7%の増加を示しました。セグメント利益は20,017百万円で、前年度比4.3%の減少となりました。セグメント資産は428,254百万円で、前年度比31,440百万円の増加です。地域別の売上高は、日本が133,372百万円、中国が14,856百万円、その他が2,616百万円となっています。主要顧客には、アルフレッサホールディングス、メディパルホールディングス、スズケン、東邦ホールディングスが含まれ、これらの顧客からの売上高は全体の大部分を占めています。これにより、ツムラは安定した収益基盤を維持しています。

株式会社ツムラの連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。会計上の見積りは、合理的な基準に基づいて行われ、重要な見積りには減損損失の認識や退職給付引当金の計上が含まれます。特に、将来キャッシュ・フローの見積りは、経営者が承認した事業計画や成長率を基に過去の実績及び外部情報を考慮して行われます。また、割引率は資産グループごとに設定した加重平均資本コストに基づいています。これにより、将来の業績や経営環境の変化が連結財務諸表に与える影響を適切に評価し、企業の財務状況を正確に反映させることを目指しています。

株式会社ツムラは、金融商品に対する取組方針として、漢方事業の持続的拡大のための設備投資計画や中国における成長投資計画に基づき、必要な資金を銀行借入や社債発行により調達しています。また、一時的な余資については、安全性の高い金融資産で運用しています。デリバティブ取引は、リスクヘッジを目的としており、投機的な取引は行わない方針です。金融商品の内容には、受取手形や売掛金が含まれ、取引先の信用リスクに晒されています。投資有価証券は主に業務上の関係を有する企業の株式であり、市場価格の変動リスクがあります。2024年3月31日現在、投資有価証券の時価は14,644百万円、社債は59,442百万円、長期借入金は9,279百万円です。これにより、ツムラは安定した資金運用とリスク管理を実現しています。

株式会社ツムラのリース取引は、主にファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に分類されます。ファイナンス・リース取引では、工場におけるフォークリフトなどの有形固定資産がリース資産として使用されており、リース資産の減価償却は定額法に基づいて行われています。2024年3月31日現在、オペレーティング・リース取引における未経過リース料は、1年以内が12百万円、1年超が21百万円で、合計33百万円となっています。これにより、ツムラは必要な設備を効率的に利用し、資金の流動性を確保しつつ、事業運営を行っています。

株式会社ツムラの有価証券関係について、2024年3月31日現在の連結貸借対照表において、投資有価証券は14,644百万円で、前年度の10,530百万円から増加しています。これらの有価証券は、主に市場価格のある株式で構成されており、評価基準は時価法を採用しています。デリバティブ取引に関しては、為替予約取引が行われており、時価は1,914百万円です。社債は59,442百万円、長期借入金は9,279百万円で、これらは市場価格に基づいて評価されています。投資有価証券の売却による収入は8,374百万円で、売却益は446百万円となっています。これにより、ツムラは安定した資産運用を行い、リスク管理を強化しています。

株式会社ツムラは、収益認識に関する会計基準を適用し、医薬品事業の売上高を顧客との契約に基づいて認識しています。2024年度の医薬品事業売上高は168,639百万円で、収益認識会計基準適用に伴う売上控除額は17,793百万円でした。最終的な売上高は150,845百万円となります。収益は製品の引渡時点で顧客が当該製品に対する支配を獲得したと判断される際に認識され、返品や値引き等を控除した金額で測定されます。また、取引の対価は履行義務を充足してから1年以内に受領され、重要な金融要素は含まれていません。顧客との契約から生じる債権は58,087百万円から67,149百万円に増加しており、契約負債は50百万円です。これにより、ツムラは収益認識の透明性を確保し、持続的な成長を目指しています。

株式会社ツムラの財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の作成において重要な情報を提供しています。注記事項には、連結の範囲、持分法の適用、重要な会計方針、及び見積りに用いた仮定が含まれています。連結子会社は15社であり、主要な非連結子会社はLAO TSUMURA CO., LTD.などです。非連結子会社は小規模であり、連結財務諸表に重要な影響を及ぼさないため、連結の範囲から除外されています。また、有価証券の評価基準や棚卸資産の評価方法についても詳細が記載されており、主に移動平均法による原価法が採用されています。これにより、財務諸表の透明性と信頼性が確保されています。