株式会社駒井ハルテック

株式会社駒井ハルテックは、主に橋梁事業、鉄骨事業、インフラ環境事業、不動産事業の4つのセグメントで構成されています。2023年度の売上高は55,384百万円で、前年度の39,727百万円から大幅に増加しました。経常利益は1,305百万円、当期純利益は697百万円となっています。総資産は76,832百万円、純資産は33,074百万円で、自己資本比率は42.34%です。従業員数は505人で、企業の成長に伴い人材の育成にも力を入れています。また、サステナビリティへの取り組みとして、気候変動対策を推進するための委員会を設置し、企業価値の向上を目指しています。

株式会社駒井ハルテックの主要な経営指標は、2020年から2024年にかけての推移が示されています。2023年度の売上高は55,384百万円で、前年の39,727百万円から増加しました。経常利益は1,305百万円、当期純利益は625百万円です。総資産は76,832百万円、純資産は33,074百万円で、自己資本比率は42.34%です。1株当たり純資産額は6,969.56円、1株当たり当期純利益は134.01円です。自己資本利益率は2.02%、株価収益率は15.95倍、配当性向は32.17%です。従業員数は505人で、企業の成長に伴い人材の確保と育成に努めています。

株式会社駒井ハルテックは、橋梁事業、鉄骨事業、インフラ環境事業、不動産事業の4つの主要な事業を展開しています。橋梁事業では、一般道路や鉄道にかかる鋼橋の設計・製作・現場架設・維持補修を行っています。鉄骨事業では、高層建築物や鉄塔の設計・製作・現場建方を手掛けています。インフラ環境事業では、風力発電などの環境事業や海外事業を展開しています。不動産事業では、大阪市西淀川区の未利用地を賃貸する事業を行っています。これらの事業を通じて、持続可能な社会の実現に貢献しています。

株式会社駒井ハルテックは、1883年に駒井喜兵衛が大阪市で建築金物業を開業したのが始まりです。1919年には合資会社駒井鐵工所を設立し、1943年に株式会社駒井鐵工所に改組しました。1989年には社名を駒井鉄工株式会社に変更し、2010年に株式会社ハルテックと合併し、現在の商号である株式会社駒井ハルテックに至ります。主な沿革としては、1943年の設立、1952年に東京事務所開設、1961年に大阪証券取引所市場第二部に上場、1988年に市場第一部に指定替え、2022年に東京証券取引所プライム市場に移行などがあります。これらの歴史を通じて、企業は成長を続けています。

株式会社駒井ハルテックの2023年度の財務情報は以下の通りです。売上高は55,384百万円、経常利益は1,305百万円、当期純利益は625百万円です。総資産は76,832百万円、純資産は33,074百万円で、自己資本比率は42.34%です。1株当たり純資産は6,969.56円、1株当たり当期純利益は134.01円です。営業活動によるキャッシュ・フローは△8,577百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは△146百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは△1,960百万円となっています。これらの指標は、企業の健全性や成長性を示す重要な要素です。

株式会社駒井ハルテックは、「高い技術力で夢のある社会づくりに貢献する」という経営理念のもと、持続可能な社会の実現と企業の持続的成長を両立させるサステナビリティ経営に取り組んでいます。2023年4月からは「中期経営計画2023」をスタートし、基本方針として以下の4つを定めています。1つ目は地球環境の保全に取り組み、将来世代へ希望を繋ぐこと。2つ目は社会インフラを提供し、安全で安心な生活を支えること。3つ目は人財と技術を礎に、社会課題の解決に取り組むこと。4つ目は高い企業倫理と企業統治により、透明公正を確保することです。2024年度のスローガンは「一人一人が利益を追求する変革の当事者たれ！」であり、利益追求に拘りつつ社会に貢献する姿勢を強調しています。

株式会社駒井ハルテックは、経営リスクを一元的に管理するために、経営リスク管理委員会を設置しています。この委員会は、リスクの評価やモニタリングを行い、その結果を取締役会に報告します。リスク管理の基本方針には、損失の危険発生を予防するための措置、危機的状況の拡大防止、被害の最小化、正常な状態への復帰、再発防止策の講じることが含まれています。また、社内通報制度を設け、リスクの早期発見に努めています。さらに、信用リスクや市場リスク、流動性リスクの管理も行い、外部環境の変化に柔軟に対応できる体制を整えています。

株式会社駒井ハルテックの2023年度の経営成績は、売上高が553億8千4百万円で、前年度比39.4%の増加を記録しました。受注高は396億6千8百万円で、前年度比15.9%減少しましたが、営業利益は7億2千2百万円で128.9%の増益となりました。経常利益は13億5百万円で171.2%増加し、親会社株主に帰属する当期純利益は6億2千5百万円で90.3%の増加を達成しました。セグメント別では、橋梁事業の売上高が204億7千8百万円、鉄骨事業が341億9千4百万円、インフラ環境事業が1億7千万円、不動産事業が4億1千万円となっています。全体として、安定した受注と収益の向上を目指しています。

株式会社駒井ハルテックの2023年度末における財政状態は、総資産が768億3千2百万円で、前年度比157億4百万円の増加を示しています。流動資産は495億1千9百万円、固定資産は273億1千3百万円となっています。負債合計は437億5千8百万円で、流動負債が258億7千4百万円、固定負債が178億8千3百万円です。純資産は330億7千4百万円で、前年度比32億1千1百万円の増加を記録しました。自己資本比率は42.34%で、安定した財政基盤を維持しています。営業活動によるキャッシュ・フローは△85億7千7百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは△1億4千6百万円となっており、資金の流動性に注意が必要です。

株式会社駒井ハルテックの2023年度のキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。連結ベースの現金及び現金同等物は、前年度末に比べて12億8千9百万円減少し、65億9千4百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは85億7千7百万円の支出で、前年の64億9千7百万円から増加しました。これは、仕入債務の増加による収入16億5百万円があったものの、売上債権の増加による支出が96億3千4百万円あったためです。投資活動によるキャッシュ・フローは1億4千6百万円の支出で、前年の6億4千3百万円から減少しました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が77億0千9百万円で、全体として資金の流動性に影響を与えています。

株式会社駒井ハルテックは、サステナビリティ経営を推進し、企業価値の向上を目指しています。基本方針として、地球環境の保全、社会インフラの提供、人財と技術を基にした社会課題の解決、高い企業倫理と透明性の確保を掲げています。2024年度のスローガンは「一人一人が利益を追求する変革の当事者たれ！」であり、利益追求と社会貢献の両立を目指しています。また、サステナビリティ委員会を設置し、気候変動対策や各種施策の進捗管理を行っています。人的資本への投資を重視し、多様な人財が能力を発揮できる環境整備にも取り組んでいます。具体的には、全労働者に占める女性労働者の割合を2030年度までに25%に引き上げる目標を設定しています。

株式会社駒井ハルテックが認識している主な事業リスクは以下の通りです。1つ目は公共事業への依存で、橋梁事業の多くが公共事業であるため、国や地方公共団体の財政事情に影響を受けやすいです。2つ目は鋼材価格の変動で、価格が高騰した際に製品価格に反映されない場合、業績に影響を及ぼす恐れがあります。3つ目は安全上のリスクで、鉄構製品の取り扱いにおいて事故が発生した場合、社会的信用の失墜や受注量の減少が懸念されます。4つ目は品質の保証で、瑕疵が見つかった場合の調査や復旧に多額の費用がかかる可能性があります。5つ目は金利の変動で、急激な上昇が業績に影響を与える恐れがあります。6つ目は労務費の変動で、人材不足による高騰が業績に影響を及ぼす可能性があります。7つ目は自然災害の発生で、地震や台風による工事の中断や遅延が懸念されます。

株式会社駒井ハルテックの2023年度の経営成績は、国内経済の物価高や能登半島地震の影響を受け、一時的にマイナス成長となりましたが、設備投資や個人消費の持ち直しにより緩やかな回復基調が見られました。橋梁事業では受注高126億6千8百万円、売上高204億7千8百万円、セグメント利益21億7千6百万円を記録し、安定した受注を維持しています。鉄骨事業は受注高262億7千2百万円、売上高341億9千4百万円で、収益率の向上を目指しています。インフラ環境事業は受注高7億2千7百万円、売上高1億7千万円で損失が発生しましたが、今後の受注拡大を期待しています。キャッシュ・フローは営業活動で85億7千7百万円の支出があり、資金の流動性に注意が必要です。全体として、安定した受注と収益の向上を図る方針です。

株式会社駒井ハルテックの資本の財源及び資金の流動性について、2023年度の営業活動によるキャッシュ・フローは85億7千7百万円の支出で、前年の64億9千7百万円から増加しました。これは仕入債務の増加による収入16億5百万円があったものの、売上債権の増加による支出が96億3千4百万円あったためです。投資活動によるキャッシュ・フローは1億4千6百万円の支出で、前年の6億4千3百万円から減少しました。財務活動によるキャッシュ・フローは74億3千万円の収入で、長期借入金の返済が20億1千9百万円あったものの、長期借入による収入が77億9百万円ありました。2023年度末の現金及び現金同等物は65億9千4百万円で、前年末に比べ12億8千9百万円減少しました。運転資金の効率的な調達のため、取引銀行5行と総額50億円の貸出コミットメントライン契約を締結しています。

株式会社駒井ハルテックの経営成績に重要な影響を与える要因として、橋梁事業の発注量が挙げられます。前年度を大きく下回る受注状況が続いており、大型新設橋梁においては熾烈な受注競争が展開されています。また、鉄骨事業においても発注量が減少しており、首都圏の再開発計画が進む中で、鋼材価格の高騰や人件費の上昇が業績に影響を及ぼす懸念があります。さらに、2024年問題への対応も業績に下振れのリスクをもたらしています。これらの要因により、計画案件の見直しや工期の遅延が発生する可能性があり、全体的な業績に大きな影響を与えることが予想されます。

株式会社駒井ハルテックの経営者は、現在の厳しい事業環境を認識しており、特に橋梁事業の発注量が前年度を大きく下回っていることや、鉄骨事業における鋼材価格の高止まり、人手不足による人件費の上昇などが業績に影響を与える懸念を抱いています。これらの要因に対処するため、2023年4月から「中期経営計画2023」をスタートし、持続可能な社会の実現と企業の持続的成長を両立させるサステナビリティ経営に取り組む方針を定めました。基本方針として、地球環境の保全、安全な社会インフラの提供、人財と技術を基にした社会課題の解決、高い企業倫理の確保を掲げています。2024年度のスローガンは「一人一人が利益を追求する変革の当事者たれ！」であり、利益追求と社会貢献の両立を目指しています。また、洋上風車タワー事業についても着実に進める方針です。

株式会社駒井ハルテックにおいて、経営上の重要な契約は特に存在しないとされています。具体的には、契約資産や契約負債に関する情報が記載されており、顧客との工事契約に基づく未請求の対価や前受金が流動資産及び流動負債に含まれています。2023年3月31日時点での契約資産は27,854百万円、契約負債は528百万円であり、これらは主に工事契約に関連するもので、期末日後概ね3年以内に収益として認識される見込みです。また、重要な会計上の見積りや仮定についても言及されており、工事契約における履行義務の充足に伴う収益認識の基準が明確にされています。

株式会社駒井ハルテックは、橋梁・鉄骨の製作及び架設段階での最先端技術と風力発電に関する研究開発活動を行っています。2023年度の研究開発費は255百万円で、主に以下の項目に取り組んでいます。橋梁事業では、ICT技術を活用した建設生産システムの生産性向上、補修・補強工事に必要な要素技術の開発、新たな架設方法の開発、施工技術の更新、溶接部の非破壊検査システムの開発、安全性向上のための動画処理技術の開発が進められています。鉄骨事業では、780N/mm²級鋼を用いた溶接施工法の確立や性能検証が行われています。また、インフラ環境事業では、台風仕様の風力発電機の技術開発や洋上風車用タワーの高効率生産技術の開発が進められています。これらの研究開発は、企業の競争力向上と持続可能な社会の実現に寄与することを目指しています。

株式会社駒井ハルテックの2023年度における設備の状況は、設備投資が総額25億8千9百万円で、主に既存設備の更新に充てられました。主要な設備として、富津工場（千葉県富津市）では橋梁事業と鉄骨事業の生産設備があり、帳簿価額は85億6千6百万円です。また、和歌山工場（和歌山県由良町）でも同様の設備があり、帳簿価額は12億9千万円です。国内子会社の東北鉄骨橋梁株式会社の岩沼工場（宮城県岩沼市）やKHファシリテック株式会社の若松工場（北九州市）でも生産設備が稼働しています。今後の計画として、洋上風車タワーに関する研究開発と生産のために5億7千万円の設備投資が予定されています。設備の新設や除却に関しては、特に重要な除却事項はありません。

株式会社駒井ハルテックの2024年3月31日現在の株式の状況は、発行済株式数が4,972,709株で、自己株式は305,161株です。株主数は4,433人で、所有株式数の割合は個人が45.576%、金融機関が18.126%、その他法人が27.761%を占めています。大株主には株式会社三井住友銀行が216,955株（4.6%）を保有しており、その他の大株主も存在します。2023年度の配当は1株当たり35円で、配当性向は32.17%です。株価は2023年度末において最高2,288円、最低1,661円となっており、株価収益率は15.95倍です。これらの情報は、株主に対する透明性を確保し、企業の健全な成長を支えるための重要な指標となります。

株式会社駒井ハルテックは、株主に対して事業収益に応じた安定・継続的な配当を行うことを基本としています。剰余金の配当は、中間配当と期末配当の年2回を基本としており、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会で決定されます。2023年度の剰余金の配当は、1株当たり70円（うち中間配当35円）とされており、内部留保金の使途は今後の事業展開への備えとされています。また、会社法第454条第5項に基づき、中間配当を行うことができる旨を定款に定めています。これにより、株主への機動的な利益還元を図る方針です。

株式会社駒井ハルテックは、透明性・健全性の高い信頼される経営を行うことを重要な経営課題とし、コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。経営監視機能の強化や経営者及び従業員の責任の明確化、適時適切な情報開示を行う体制を構築しています。2002年度からは執行役員制度を導入し、取締役を少人数化することで迅速な経営判断を可能にし、意思決定機能と業務執行機能を分離しています。また、社外取締役を選任し、取締役会の透明性を向上させています。監査役会設置会社として、社外監査役が監査の実施状況を確認し、会計監査人との連携を強化しています。これにより、法令遵守の徹底とコンプライアンスの定着を図っています。

株式会社駒井ハルテックの役員は、男性11名、女性1名で構成されており、女性の比率は8.3%です。代表取締役社長は中村貴任氏で、1983年に入社し、2021年から社長を務めています。常務取締役には駒井恵美氏が環境インフラ本部長として在任しており、1988年に入社しました。取締役会は2023年度に全12回開催され、出席率は高く、特に社外取締役や監査役の出席率も100%を維持しています。社外取締役は3名、社外監査役は2名で、経営の透明性を確保するための体制が整っています。また、執行役員制度を導入し、業務執行機能と意思決定機能を分離することで、迅速な経営判断を可能にしています。

株式会社駒井ハルテックの監査の状況は、内部監査と外部監査の両方において充実した体制が整っています。内部監査はコンプライアンス室と環境品質管理室が担当し、定期的及び抜き打ちで業務監査を実施しています。監査役会は2023年度に10回開催され、全ての監査役が出席しています。監査役は取締役会や経営会議に出席し、経営の監視を行い、重要な案件について意見交換を行っています。外部監査はEY新日本有限責任監査法人が担当し、1961年以降継続的に監査を実施しています。監査法人は、財務諸表が一般に公正妥当と認められる基準に準拠していると評価しています。監査役と会計監査人との連携も強化されており、監査の透明性と信頼性が確保されています。

株式会社駒井ハルテックの役員報酬は「固定報酬」、「業績連動報酬」、「非金銭報酬」の3つで構成されています。2023年度の取締役報酬は、固定報酬が81百万円、業績連動報酬が7百万円、社外取締役を除く監査役の報酬は31百万円です。業績連動報酬は0%から20%の範囲で支給され、非金銭報酬には譲渡制限付株式報酬が含まれます。取締役の報酬限度額は年額240百万円以内（社外取締役分は年額24百万円以内）と定められており、譲渡制限付株式報酬制度の限度額は年額50百万円です。報酬の決定は、代表取締役に一任されており、業績や財務状況を考慮して取締役会で審議されます。なお、連結報酬等の総額が1億円以上の役員はいないため、個別の報酬額は記載されていません。

株式会社駒井ハルテックの2024年3月31日現在の株式の保有状況は、発行済株式数が4,972,709株で、自己株式は305,161株です。株主数は4,433人で、所有株式数の割合は個人が45.576%、金融機関が18.126%、その他法人が27.761%を占めています。大株主には株式会社三井住友銀行が216,955株（4.6%）を保有しており、その他の大株主も存在します。自己株式305,161株は、株主名簿記載上の株式数であり、実質的な所有株式数は305,100株です。これにより、企業の資本構成や株主構成が明確に示されており、株主に対する透明性が確保されています。

株式会社駒井ハルテックの経理の状況は、連結財務諸表に基づいており、2023年度の連結貸借対照表では総資産が768億3千2百万円、負債が437億5千8百万円、純資産が330億7千4百万円となっています。連結損益計算書では、売上高が553億8千4百万円、経常利益が13億5百万円、当期純利益が6億2千5百万円を記録しました。キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが85億7千7百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローが1億4千6百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが74億3千万円の収入となっています。これにより、年度末の現金及び現金同等物は65億9千4百万円となり、前年に比べて減少しました。経理部門は、内部統制の強化や適正な会計処理を行い、透明性のある財務報告を目指しています。

株式会社駒井ハルテックの2023年度の連結財務諸表は、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書から構成されています。2024年3月31日現在の連結貸借対照表では、総資産が768億3千2百万円、負債が437億5千8百万円、純資産が330億7千4百万円となっています。連結損益計算書では、売上高が553億8千4百万円、経常利益が13億5百万円、当期純利益が6億2千5百万円を記録しました。キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが85億7千7百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローが1億4千6百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが74億3千万円の収入となっています。これらの財務諸表は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されており、監査法人による監査も受けています。

株式会社駒井ハルテックの2023年度のセグメント情報は、橋梁事業、鉄骨事業、インフラ環境事業、不動産事業の4つの報告セグメントに分かれています。橋梁事業では、受注高126億6千8百万円、売上高204億7千8百万円、セグメント利益21億7千6百万円、セグメント資産196億9千7百万円を記録しました。鉄骨事業は受注高262億7千2百万円、売上高341億9千4百万円、セグメント利益6千5百万円、セグメント資産270億7千3百万円です。インフラ環境事業は受注高7億2千7百万円、売上高1億7千万円、セグメント損失2億5千8百万円、セグメント資産16億8千4百万円となっています。不動産事業は売上高4億1千万円、セグメント利益3億2千1百万円、セグメント資産11億1千9百万円です。全体として、安定した受注と収益率の向上を目指しています。

株式会社駒井ハルテックの重要な会計方針には、収益認識、繰延税金資産の回収可能性、固定資産の減損が含まれます。収益認識においては、工事契約に基づき履行義務を充足するにつれて収益を認識し、工事原価総額や進捗度を合理的に見積もります。繰延税金資産は、将来の課税所得が生じる可能性に基づいて認識され、税制改正や経済状況の変化が影響を与える可能性があります。固定資産の減損については、資産グループの使用価値を算定し、減損の兆候がある場合に減損損失を計上します。これらの見積りは、将来の不確実な経済状況や会社の経営状況に影響を受けるため、実際の結果が見積りと異なる可能性があります。

株式会社駒井ハルテックの金融商品に関する状況は、資金運用と資金調達の方針に基づいています。資金運用は短期的な預金等に限定し、資金調達は銀行借入や社債発行を通じて行っています。デリバティブ取引はリスク回避のために利用され、投機的な取引は行わない方針です。2024年3月31日現在、時価で連結貸借対照表に計上している金融商品は、株式が9,501百万円、社債が99百万円で、合計は9,602百万円です。負債に関しては、社債が4,650百万円、長期借入金が6,984百万円で、合計は11,634百万円です。信用リスクや市場リスクの管理体制も整備されており、営業債権やデリバティブ取引に関するリスクを適切に管理しています。

株式会社駒井ハルテックのリース取引関係について、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引の2つのカテゴリーがあります。ファイナンス・リース取引では、主に生産設備（機械・運搬具）をリース資産として保有しており、リース資産の減価償却は連結財務諸表作成のための重要な事項に基づいて行われています。オペレーティング・リース取引においては、解約不能のものに係る未経過リース料が記載されており、2024年3月31日現在、1年内の未経過リース料は9百万円、1年超は36百万円で、合計46百万円となっています。貸主側では、1年内の未経過リース料が322百万円、1年超が6,283百万円で、合計は6,605百万円です。これにより、リース取引が企業の資産運用において重要な役割を果たしていることが示されています。

株式会社駒井ハルテックの有価証券関係について、2024年3月31日現在の連結貸借対照表に計上されている金融商品は、投資有価証券として株式が9,501百万円、社債が99百万円です。これらの有価証券は、時価で評価され、株式はレベル1の時価に分類され、社債はレベル2の時価に分類されています。前年度の2023年3月31日と比較すると、株式の時価は5,662百万円から増加しています。また、非上場株式は269百万円で、時価の算定においては移動平均法による原価法が適用されています。これにより、企業の資産状況や投資戦略が明確に示されており、株主に対する透明性が確保されています。

株式会社駒井ハルテックでは、長期の工事契約に基づき、履行義務を充足するにつれて収益を認識しています。具体的には、工事原価総額の見積りに基づき、進捗度を測定し、工事収益総額と工事原価総額を合理的に見積もります。2023年度の完成工事高は54,245百万円で、連結売上高の97%を占めています。工事は個別性が強く、施工内容や期間が異なるため、工事原価の見積りには不確実性が伴います。また、工事着手後に現場の状況変化により作業内容が変更されることもあり、これに伴い工事原価が変動する可能性があります。これらの要因から、収益認識に関する会計基準を適用し、合理的な見積りを行うことが求められています 。

株式会社駒井ハルテックの財務諸表に関する注記事項は、重要な会計方針や見積りに関する情報を含んでいます。2023年度の連結財務諸表では、履行義務を充足するにつれて認識した収益として完成工事高が50,439百万円、繰延税金資産が949百万円とされています。固定資産の減損については、当年度の減損損失は計上されていません。重要な会計上の見積りに関しては、収益認識や繰延税金資産の回収可能性、固定資産の減損に関する情報が記載されており、これらの見積りは将来の実際の結果と異なる可能性があります。また、顧客との契約から生じる収益の詳細や、売上原価に含まれる工事損失引当金繰入額についても注記されています。これにより、財務諸表の透明性と信頼性が確保されています。