株式会社東北新社

株式会社東北新社は、映像文化の創造と発展を使命とする総合映像プロダクションです。2024年3月31日現在、従業員数は1,474人で、平均年齢は41.2歳、平均勤続年数は13.7年です。2023年度の売上高は30,356百万円、当期純利益は2,739百万円でした。主な事業セグメントは「広告プロダクション」、「コンテンツプロダクション」、「メディア」、「プロパティ」、「物販」の5つで、特に広告プロダクションではCM制作やセールスプロモーションを行っています。また、サステナビリティに関しては「人的資本の強化」を最重要課題とし、社員の働きやすい環境づくりに取り組んでいます。今後も企業価値向上に向けた施策を積極的に実施していく方針です。

株式会社東北新社の主要な経営指標は、2020年から2024年までの5年間にわたるデータに基づいています。2024年3月期の売上高は52,819百万円で、前期比5.5％減少しました。経常利益は2,214百万円で、54.1％の減少を記録しました。親会社株主に帰属する当期純利益は4,021百万円で、前期比28.3％増加しました。総資産額は97,871百万円、純資産額は82,419百万円で、自己資本比率は83.3％に達しています。また、1株当たり純資産額は1,814.81円、1株当たり当期純利益は89.47円です。これらの指標は、企業の財務健全性や収益性を示す重要な要素となっています。

株式会社東北新社は、広告プロダクション、コンテンツプロダクション、メディア、プロパティ、物販の5つのセグメントで構成されています。広告プロダクションでは、CM制作やセールスプロモーションを行い、顧客に対して効果的な広告を提供しています。コンテンツプロダクションでは、映画やテレビ番組の制作、日本語版制作を手掛けており、質の高い映像制作技術を活かしています。メディア部門では、BS・CSチャンネルの運営や番組販売を行い、視聴者に多様なコンテンツを提供しています。プロパティでは、映像コンテンツの共同企画や版権事業を展開し、物販部門では映像用メディアやインテリア商品の販売を行っています。これらの事業を通じて、社会に貢献し、持続的な成長を目指しています。

株式会社東北新社は、1961年4月に設立され、当初はテレビ映画の日本語版制作を開始しました。1962年には配給事業を行う株式会社国際テレビジョン企画を設立し、1964年にはCM制作事業を開始しました。1966年には株式会社新日本映画と合併し、商号を株式会社東北新社に変更しました。1972年には物販事業を開始し、1976年には国際テレビジョン企画を設立しました。1999年には複数の会社が合併し、現在の株式会社東北新社が誕生しました。その後も、米国に子会社を設立するなど、国内外での事業展開を進めています。近年では、映像コンテンツの制作やメディア事業を強化し、持続的な成長を目指しています。

株式会社東北新社の2024年3月期の財務情報は以下の通りです。売上高は52,819百万円、経常利益は2,214百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は4,021百万円でした。総資産は97,871百万円、負債合計は10,394百万円、純資産は66,003百万円で、自己資本比率は83.3％に達しています。1株当たり純資産は1,814.81円、1株当たり当期純利益は89.47円です。営業活動によるキャッシュ・フローは6,087百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは4,062百万円の増加を記録しました。財務活動によるキャッシュ・フローは2,173百万円の減少となりました。これらの指標は、企業の財務健全性や収益性を示す重要な要素です。

株式会社東北新社は、ハイクオリティな映像作品を制作し、社会に貢献することを使命としています。最も重要な資産は社員のクリエイティビティと映像技術であり、これを基に持続的な成長を目指しています。経営環境としては、インターネットの進化により映像コンテンツのニーズが高まる一方、従来のテレビメディアは縮小しています。2024年2月には中期経営計画を策定し、2029年までに「健全な収益性を伴った総合クリエイティブプロダクション」を目指すとしています。具体的には、構造改革、新たな収益基盤の確保、財務戦略の実行をテーマに約500億円を投資し、広告プロダクションやコンテンツ制作の強化を図ります。社員一人一人の能力を最大限に引き出し、企業価値の向上に努めています。

株式会社東北新社では、リスク管理体制を強化し、様々なリスクに対処しています。営業債権に関しては、取引先の信用リスクを管理するため、与信管理規程に従い、取引先ごとに期日や残高を管理しています。また、有価証券や投資有価証券は市場リスクや信用リスクに晒されており、定期的に時価や発行体の財務状況を把握し、保有状況を見直しています。流動性リスクに対しては、資金繰計画を作成し、短期借入金や長期借入金を管理しています。さらに、デリバティブ取引を利用して為替変動リスクをヘッジし、過大なリスクを負担しないよう努めています。内部監査室を設置し、業務の改善に向けた助言を行い、コンプライアンスの徹底を図っています。これにより、企業の持続的な成長を支えるリスク管理を実施しています。

株式会社東北新社の2024年3月期の経営成績は、売上高52,819百万円（前期比5.5％減）、営業利益2,678百万円（前期比36.3％減）、経常利益2,214百万円（前期比54.1％減）となりました。減収の主な要因は、コンテンツプロダクションの受注減少や音響字幕制作部門のストライキによる影響です。一方、特別利益としてスーパー事業の譲渡や不動産の売却があり、親会社株主に帰属する当期純利益は4,021百万円（前期比28.3％増）となりました。セグメント別では、広告プロダクションが売上高27,382百万円（前期比4.7％増）、営業利益2,337百万円（前期比15.5％増）と好調でしたが、コンテンツプロダクションは減収減益となりました。

株式会社東北新社の2024年3月31日現在の財政状態は以下の通りです。資産の総額は97,871百万円で、前年度末に比べ723百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が8,126百万円増加した一方で、受取手形や売掛金、契約資産が3,706百万円減少したことです。負債は15,451百万円で、前年度末に比べ3,749百万円減少しました。これは、買掛金の減少1,384百万円、短期借入金の減少700百万円、繰延税金負債の減少1,336百万円が影響しています。純資産は82,419百万円で、前年度末に比べ4,473百万円増加しました。利益剰余金が3,149百万円増加したことが主な要因です。これにより、企業の財政状態は健全であると評価されています。

株式会社東北新社の2024年3月期におけるキャッシュ・フローの状況は、現金及び現金同等物が43,343百万円となり、前年度末に比べ8,055百万円増加しました。営業活動によるキャッシュ・フローは6,087百万円の増加で、主な要因は税金等調整前当期純利益の計上（4,145百万円）や売上債権の減少（3,455百万円）です。投資活動によるキャッシュ・フローは4,062百万円の増加で、定期預金の払戻による収入（5,269百万円）や有形固定資産の売却による収入（3,330百万円）が寄与しました。一方、財務活動によるキャッシュ・フローは2,173百万円の減少で、配当金の支払（854百万円）や短期借入金の純減（700百万円）が影響しています。これにより、全体として健全なキャッシュ・フローを維持しています。

株式会社東北新社は、「映像文化の創造と発展」を使命とし、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを行っています。サステナビリティの最重要課題として「人的資本の強化」を位置付け、社員一人一人の能力を最大限に引き出す環境を整備しています。具体的には、育児休業取得率の向上を目指し、女性従業員の取得率を100％、男性従業員は15％以上を目標としています。また、管理職に占める女性の割合を20％にすることを目指しています。さらに、従業員支援プログラム（EAP）を導入し、社員やその家族の健康やメンタル面のサポートを行っています。これらの取り組みを通じて、企業文化の健全化と持続可能な社会の発展に貢献することを目指しています。

株式会社東北新社は、事業運営において様々なリスクを認識し、対策を講じています。主なリスクには、経済情勢の変動、広告プロダクションやコンテンツプロダクションに関するリスクが含まれます。特に、広告関連事業は景気の影響を受けやすく、クライアントの広告費が減少する可能性があります。これに対して、当社は多様な事業ポートフォリオを構築し、リスクを分散させています。また、映像コンテンツの市場環境が変化する中で、既存の制作手法に依存せず、新しいプラットフォームへの適応を進めています。さらに、法的規制や個人情報保護に関するリスクも重要であり、コンプライアンス体制を強化し、法令遵守を徹底しています。これらのリスクに対して、事前の調査やモニタリングを行い、適切な対応を図っています。

株式会社東北新社の2024年3月期における経営成績は、売上高52,819百万円（前期比5.5％減）、営業利益2,678百万円（前期比36.3％減）、経常利益2,214百万円（前期比54.1％減）となりました。減収の主な要因は、コンテンツプロダクションの受注減少や音響字幕制作部門のストライキによる影響です。一方、特別利益としてスーパー事業の譲渡や不動産の売却があり、親会社株主に帰属する当期純利益は4,021百万円（前期比28.3％増）となりました。財政状態は、資産総額97,871百万円、負債15,451百万円、純資産82,419百万円で、自己資本比率は83.3％です。キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが6,087百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが4,062百万円の増加を記録し、全体として健全な状況を維持しています。

株式会社東北新社の資本の財源は、主に自己資本から成り立っています。2024年3月31日現在、純資産は82,419百万円で、前年度比4,473百万円の増加を記録しました。資本剰余金は3,588百万円、利益剰余金は71,637百万円です。資金の流動性については、現金及び現金同等物が43,343百万円で、前年度末に比べ8,055百万円増加しました。主な資金需要は、CM制作費やオリジナルコンテンツの製作・購入、及び人件費などの支払いです。これらの資金需要に対応するため、貸付極度額15,000百万円の貸出コミットメント契約を締結しています。また、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は839百万円であり、流動性は良好な状態を維持しています。

株式会社東北新社の経営成績は、事業環境や顧客の支出動向、技術的優位性、競合状況など多くの要因に影響されます。特に、広告プロダクションやコンテンツプロダクションにおける受注状況が重要です。2024年3月期には、コンテンツプロダクションの受注減少や音響字幕制作部門のストライキが影響し、売上高は52,819百万円（前期比5.5％減）となりました。また、人件費や為替動向、金利水準も経営成績に影響を与えます。特に、広告関連事業は景気の影響を受けやすく、クライアントの広告費が減少すると業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。これらの要因を踏まえ、当社はリスクを分散させるために多様な事業ポートフォリオを構築し、クリエイティビティを高める努力を続けています。

株式会社東北新社の経営者は、2024年2月に策定した中期経営計画に基づき、2029年3月期に向けて「健全な収益性を伴った総合クリエイティブプロダクション」を目指しています。主な課題として、組織・人員の再編を通じた構造改革、新たな収益基盤の確保、財務・資本戦略の実行を挙げています。これにより、既存事業の成長力強化や収益力最大化を図り、約500億円を投資する計画です。広告プロダクションでは、デジタルメディアへの対応を強化し、コンテンツプロダクションでは質の高い映像制作を維持しつつ、新たな市場ニーズに応えることを目指しています。人的資本の強化も重視し、社員の能力を最大限に引き出す施策を実施しています。

株式会社東北新社は、2024年3月29日に株式会社ジャパネットホールディングスと基本合意書を締結し、2024年4月19日には同社及びその子会社である株式会社ジャパネットブロードキャスティングと株式会社スター・チャンネルの株式譲渡契約を締結しました。この契約は、当社の連結子会社である株式会社スター・チャンネルの全株式を譲渡するもので、メディア事業の再構築を目指す中で、事業規模の適正化を図ることが目的です。譲渡により、ジャパネットグループとの連携を強化し、持続的な成長を実現することを目指しています。このような重要な契約は、企業の戦略的な方向性に大きな影響を与えるものと位置付けられています。

株式会社東北新社は、映像制作における技術革新と新たなビジネスモデルの開発に注力しています。特に、広告プロダクションでは、従来のメディアに加え、SNSや動画配信などのデジタルメディアへの対応を強化し、統合的なプロモーションを提供することで、広告主のニーズに応えています。コンテンツプロダクションでは、質の高い映像制作技術を活かし、ドラマや映画などの大型案件の獲得を目指しています。また、音響字幕制作部門では、映像配信サービスやゲーム・アニメ市場の拡大を見据えた人材補強と営業強化を進めています。デジタルプロダクションでは、VFX技術を駆使した独自のプロダクションを目指し、技術力の向上に努めています。これらの取り組みを通じて、持続的な成長と市場シェアの拡大を図っています。

株式会社東北新社の2024年3月31日現在の設備状況は、設備投資総額637百万円であり、主な投資は広告プロダクション部門の123百万円、コンテンツプロダクション部門の266百万円、メディア部門の104百万円です。特に、コンテンツプロダクションでは、株式会社オムニバス・ジャパンの編集用設備取得に142百万円を投資しました。また、メディア事業部では放送設備の更新に52百万円を充てています。さらに、固定資産の売却により1,903百万円の売却益を計上しました。主要な設備には、東京都港区にある本社の制作設備やスタジオ設備、東京都世田谷区の等々力にある編集設備や送出設備が含まれています。これにより、映像制作の質を向上させ、競争力を強化しています。

株式会社東北新社の2024年3月31日現在の株式状況は、発行済株式総数が46,735,334株で、自己株式は1,786,929株を保有しています。株主資本は75,984百万円で、資本金は2,487百万円、資本剰余金は3,588百万円、利益剰余金は71,637百万円です。主要な株主には、植村久子氏（21.61％）、3D WH OPPORTUNITY MASTER OFC（18.37％）、植村綾氏（16.33％）が含まれています。また、2024年7月1日には株式分割を実施し、発行可能株式総数を219,348,000株に変更する予定です。これにより、株主の流動性を高め、投資家の関心を引くことを目指しています。

株式会社東北新社は、「中期経営計画」に基づき、5年間で約500億円のキャッシュを「構造改革」「M&A」「株主還元」にバランスよく活用する方針を掲げています。2024年度の配当については、従来の水準を上回る1株当たり78円の普通配当を実施し、配当性向は56.3％となりました。配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会で行われます。また、2024年6月27日に開催される定時株主総会において、取締役会の決議による四半期配当制度を導入することが決議される予定です。このように、株主還元を重視しつつ、企業の持続的成長を目指しています。

株式会社東北新社は、企業価値の向上と事業競争力の強化を目指し、コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。取締役会は、業務執行の意思決定機関として機能し、監査等委員会による監査機能の強化を行っています。内部統制の確保を重要な課題とし、社長直轄の内部監査室を設置し、業務の妥当性や法令遵守の状況を監査しています。また、透明性の向上を図るため、タイムリーかつ正確な経営情報の開示に努めています。取締役は15名以内で、うち監査等委員は5名以内とし、社外取締役を選任する方針を採用しています。これにより、経営の監視機能を強化し、企業の社会的責任を果たすことを目指しています。

株式会社東北新社の役員は、男性13名、女性2名で構成されており、女性の比率は13.3％です。代表取締役社長は小坂恵一氏で、1977年に入社し、2022年に社長に就任しました。取締役には沖山貴良氏、江草康二氏などが名を連ね、各々が豊富な経験を持っています。取締役会は年間18回開催され、全取締役が原則出席しています。役員報酬は、基本報酬と業績連動報酬から成り、業績向上を意識した報酬体系が採用されています。また、社外取締役は7名おり、経営の監視機能を強化する役割を果たしています。役員の選任や報酬に関する決定は、役員報酬委員会を通じて行われ、透明性のあるガバナンス体制を維持しています。

株式会社東北新社の監査体制は、監査等委員会、内部監査、会計監査の三者が連携して機能しています。監査等委員会は、社外取締役を含む3名で構成され、独立した立場から経営の監視を行っています。内部監査室は、業務の妥当性や法令遵守の状況を監査し、具体的な改善提案を行っています。会計監査は、有限責任監査法人トーマツが担当し、25年間の継続監査を行っています。監査等委員会は、四半期ごとに会計監査人から監査計画や結果の報告を受け、意見交換を実施しています。また、内部監査と会計監査の連携を強化するため、定期的な打合せを行い、監査の効率性を高めています。このように、透明性のある監査体制を構築し、企業の信頼性向上に努めています。

株式会社東北新社の役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬、非金銭報酬から構成されています。2024年度の役員報酬総額は524百万円で、内訳は基本報酬が515百万円、業績連動報酬が9百万円です。役員報酬の決定は、役員報酬委員会を通じて行われ、各役位や職責に応じた適正な水準が設定されています。業績連動報酬は、一定の業績指標に基づき、期末賞与として支給されます。また、非金銭報酬として譲渡制限付株式報酬があり、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして機能しています。取締役の個人別の報酬は、代表取締役社長に一任され、役員報酬委員会がその内容を審議します。

株式会社東北新社の2024年3月31日現在の株式の保有状況は、発行済株式総数が46,735,334株で、そのうち自己株式は1,786,929株を保有しています。自己株式の割合は約3.82％です。また、当事業年度においては82株を取得し、取得価額は91,938円でした。大株主には、3Dインベストメント・パートナーズ・プライベート・リミテッドが8,249,000株（17.65％）を保有しており、他にも主要株主として植村久子氏や植村綾氏が名を連ねています。議決権に関しては、普通株式の議決権は44,945,700個で、自己株式は議決権を持たないため、実質的な議決権は449,457個となります。このように、株式の保有状況は企業の資本構成や株主構成に大きな影響を与えています。

株式会社東北新社の経理状況は、連結財務諸表を基にした透明性の高い財務管理が行われています。2024年3月31日現在、連結貸借対照表の総資産は97,871百万円で、前年度比723百万円の増加を記録しました。主な資産の内訳は、現金及び預金が増加し、受取手形や売掛金が減少しています。負債は15,451百万円で、前年度比3,749百万円の減少が見られ、純資産は82,419百万円に達しています。経理部門は、内部統制システムを整備し、業務の妥当性や法令遵守の状況を監査しています。また、有限責任監査法人トーマツによる会計監査が25年間継続して行われており、経理部門と監査等委員会との定期的な打合せを通じて、内部統制の強化に努めています。

株式会社東北新社の2024年3月31日現在の連結財務諸表は、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書から構成されています。連結貸借対照表では、総資産が97,871百万円、負債が15,451百万円、純資産が82,419百万円で、自己資本比率は83.3％です。連結損益計算書では、売上高が52,819百万円、営業利益が2,678百万円、当期純利益が4,021百万円となっています。連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが6,087百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが4,062百万円の増加を記録しています。これらの財務諸表は、有限責任監査法人トーマツによる監査を受けており、適正に表示されていると認められています。

株式会社東北新社の2024年3月期のセグメント情報は、広告プロダクション、コンテンツプロダクション、メディア、プロパティ、物販の5つのセグメントに分かれています。広告プロダクションの売上高は27,202百万円（前年同期比4.8％増）、営業利益は2,337百万円（前年同期比15.5％増）でした。コンテンツプロダクションは9,684百万円（前年同期比6.7％減）、営業利益は564百万円（前年同期比64.2％減）と減少しました。メディア部門は10,888百万円（前年同期比7.6％減）、営業利益は1,399百万円（前年同期比21.2％減）でした。プロパティと物販はそれぞれ1,797百万円（前年同期比36.3％減）と3,246百万円（前年同期比34.7％減）となり、全体の売上高は52,819百万円（前年同期比5.5％減）でした。セグメント間取引消去後の営業利益は2,678百万円です。

株式会社東北新社の連結財務諸表作成にあたっては、重要な会計方針として、のれん及び顧客関連資産の評価が含まれています。のれんは、子会社化時における超過収益力を基に算定され、顧客関連資産は既存顧客との取引から生じる将来キャッシュ・フローの現在価値として認識されています。金額の算出に用いた主要な仮定としては、経営環境に著しい変化がないこと、事業計画が達成可能であること、顧客減少率に基づく将来キャッシュ・フローの見積もりが挙げられます。これらの仮定が見直される場合、翌連結会計年度において減損損失を計上する可能性があります。

株式会社東北新社では、金融商品に対する取組方針として、安全性を重視し、市場リスクが低い短期の預金等に限定した資金運用を行っています。資金調達は主に銀行借入によるもので、デリバティブ取引は外貨建営業債務の為替変動リスクをヘッジするために利用しています。営業債権である受取手形及び売掛金は、取引先の信用リスクに晒されており、与信管理規程に従って管理されています。また、有価証券及び投資有価証券は、主に取引先企業との業務や資本提携に関連する株式であり、市場リスクや発行体の信用リスクに晒されています。これらのリスクは定期的に評価され、取引先企業との関係を考慮して保有状況が見直されています。デリバティブ取引は、為替リスク管理方針に基づき、経理部が実行及び管理を行い、取引結果は担当取締役に報告されています。

株式会社東北新社のリース取引は、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に分かれています。ファイナンス・リース取引では、主にコンテンツプロダクションにおける編集用設備やソフトウェアがリース資産として使用されています。これらのリース資産は、連結財務諸表作成のための重要な減価償却資産として扱われ、減価償却の方法は会計方針に従っています。オペレーティング・リース取引においては、解約不能のものに係る未経過リース料が計上されており、2024年3月31日現在、1年内の未経過リース料は113百万円、1年超は207百万円で、合計321百万円となっています。これにより、リース取引は企業の資産運用やコスト管理において重要な役割を果たしています。

株式会社東北新社の2024年3月31日現在の有価証券関係は、連結貸借対照表において、株式が7,479百万円、債券は計上されていません。株式の取得原価は2,148百万円で、差額は5,330百万円となっています。その他の有価証券として73百万円が計上されており、これらは市場価格のない株式等を含んでいます。2024年度には、株式の売却が行われ、売却額は200百万円、売却益は150百万円でした。また、当年度には52百万円の減損処理が行われ、これはその他有価証券の株式に関連しています。減損処理は、期末時価が取得原価に比べ50％以上下落した場合に実施されます。これにより、企業の資産管理とリスク管理が強化されています。

株式会社東北新社の収益認識に関する方針は、顧客との契約から生じる収益を主な事業ごとに以下のように定めています。広告プロダクションでは、制作したCMを顧客に引き渡し、検収を受けた時点で収益を認識します。コンテンツプロダクションでは、映画や番組制作物を顧客に引き渡し、検収を受けた時点で収益を認識します。メディア部門では、BS・CSチャンネルの運営会社への番組販売や役務提供が完了した時点で収益を認識します。プロパティ部門では、映像コンテンツのライセンス供与を行い、顧客に対して使用を許諾する時点で収益を認識します。また、在庫リスクを負わない取引については、代理人としての立場から純額を収益として認識します。物販部門では、商品を顧客に引き渡した時点で収益を認識します。

株式会社東北新社の財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の作成において重要な情報を提供しています。注記事項には、連結の範囲、重要な会計方針、収益認識、リース取引、金融商品、及び有価証券に関する情報が含まれています。特に、連結子会社の数は18社であり、前年度に比べて1社が清算されたことが記載されています。また、収益認識に関しては、顧客との契約から生じる収益の計上基準が明示されています。リース取引に関する注記では、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースの区分が示され、リース資産の減価償却方法についても言及されています。これらの注記事項は、投資家や利害関係者が企業の財務状況を理解するための重要な情報源となっています。