株式会社テクノ菱和

株式会社テクノ菱和は、空調衛生設備技術を核とした設備工事の設計・施工を主な業務とし、子会社7社と共に事業を展開しています。2024年度の売上高は73,688百万円、経常利益は6,374百万円、当期純利益は4,506百万円を見込んでいます。従業員数は899人で、自己資本比率は64.5%です。主な事業内容には、空調衛生設備工事、電気設備工事、冷熱機器の販売、修理・サービス、リフォーム工事が含まれます。また、太陽光発電施設の建設や不動産賃貸事業も行っています。連結子会社には東京ダイヤエアコン㈱や菱和エアコン㈱などがあり、これらの企業が小型空調衛生設備工事を担当しています。テクノ菱和は、公共工事や民間企業の設備投資動向に影響を受けるため、経営戦略として「バランスのとれた受注の推進」を掲げています。

株式会社テクノ菱和の主要な経営指標は以下の通りです。2020年度から2024年度までの売上高は、2020年度の55,685百万円から2024年度には73,688百万円に増加し、約32.4%の成長を示しています。経常利益は、2020年度の4,208百万円から2024年度には6,374百万円に達し、約51.5%の増加です。当期純利益も2020年度の2,775百万円から2024年度には4,506百万円に増加し、約62.2%の成長を見せています。自己資本比率は64.9%から64.0%に若干の減少が見られますが、依然として高い水準を維持しています。1株当たりの純資産額は、2020年度の1,580.93円から2024年度には2,042.56円に増加しました。配当性向は27.1%から23.5%に減少していますが、安定した配当を継続しています。従業員数は725人から776人に増加し、企業の成長を支えています。

株式会社テクノ菱和は、空調衛生設備技術を中心に、設備工事の設計・施工を行っています。主な事業は以下の通りです。まず、空調衛生設備工事業では、大型工事を自社で行い、子会社4社が小型工事を担当しています。次に、電気設備工事業は子会社の松浦電機システム㈱が手掛けています。また、冷熱機器販売事業では、三菱重工業㈱の代理店として冷熱機器を仕入れ、子会社に販売しています。さらに、太陽光発電施設の建設や不動産賃貸事業も展開しており、子会社がそれぞれの事業を担当しています。これにより、テクノ菱和は多角的な事業展開を行い、安定した収益基盤を築いています。

株式会社テクノ菱和は、1949年12月23日に創業者近重八郎によって設立されました。当初は「レイト工業株式会社」として、三菱重工業の冷凍機を使用した冷蔵庫やショーケースの冷凍工事を主な業務としていました。1953年には社名を「菱和調温工業株式会社」に変更し、冷暖房空調設備や給排水衛生設備の設計・施工に進出しました。1966年には本社を東京に移転し、産業設備関連工事や海外工事分野への進出を図りました。1989年には現在の「株式会社テクノ菱和」に社名を変更し、トータル・クリーンエンジニアリングの提供を目指しています。これまでの沿革を通じて、同社は環境制御技術を駆使し、持続可能な社会の実現に貢献する企業として成長を続けています。

株式会社テクノ菱和の2024年度の財務情報は以下の通りです。売上高は73,688百万円、経常利益は6,374百万円、当期純利益は4,506百万円を見込んでいます。2023年度の当期純利益は2,275百万円で、前年からの増加が見られます。資産合計は67,111百万円、負債合計は27,042百万円、純資産は41,712百万円です。自己資本比率は約62.1%で、安定した財務基盤を示しています。現金及び現金同等物の期末残高は12,340百万円で、流動性も確保されています。配当金は783百万円で、配当性向は約27.1%です。これらの指標は、同社の健全な経営状態を反映しています。

株式会社テクノ菱和の経営方針は、「空気と水のテクノロジー」を通じて環境に優しい生活空間の創造を目指すことにあります。環境エンジニアリングを中核事業とし、顧客からの信頼を重視しています。また、人材の育成と教育を重視し、働きがいのある企業を築くことで社会に貢献することを目指しています。2024年度から2032年度までの新たな中長期経営ビジョン『TECHNO RYOWA 2032』を策定し、企業価値の向上に努めています。特に、人的資本や研究開発、デジタルトランスフォーメーション（DX）への投資を強化し、持続可能な社会の実現に向けたESG経営を推進しています。これにより、企業の成長と社会貢献を両立させることを目指しています。

株式会社テクノ菱和は、リスク管理のために社長直轄のリスク管理委員会を設置しています。この委員会では、事業継続リスクや環境リスクなどの様々なリスクを洗い出し、その影響度や頻度に基づいてリスク値を算出し、優先的に対応策を講じています。信用リスクについては、主要な取引先の状況を定期的に把握し、期日管理や残高管理を行うことで、回収懸念の早期把握を図っています。また、市場リスクに対しては、有価証券や投資有価証券の時価を定期的に把握し、保有状況を見直しています。流動性リスクについては、資金繰計画を作成し、手許流動性を月間決済必要資金の3か月分相当に維持することで管理しています。これにより、企業の安定性を確保し、リスクの最小化を図っています。

株式会社テクノ菱和の2024年度の経営成績は、売上高が73,688百万円、経常利益が6,374百万円、当期純利益が4,506百万円と見込まれています。これは前年からの大幅な増加を示しており、特に当期純利益は92.7%の増加となっています。売上高の増加は、医薬品・食品・電子デバイス関連の受注増加によるもので、工事粗利益率の改善や効率的な事業運営が寄与しています。全体として、競争環境の中で安定した成長を維持しており、今後もバランスの取れた受注活動を推進する方針です。

株式会社テクノ菱和の2024年度の財政状態は、資産合計が67,111百万円、負債合計が24,136百万円、純資産が42,974百万円となっています。純資産は前年から5,810百万円増加し、利益剰余金の増加が主な要因です。流動負債は23,095百万円、固定負債は3,946百万円で、流動性リスクに対してはコミットメントライン契約を締結し、迅速な資金調達が可能な体制を整えています。これにより、安定した財務基盤を維持しています。

株式会社テクノ菱和の2024年度におけるキャッシュ・フローの状況は、現金及び現金同等物の期末残高が8,847百万円で、前年度比で3,493百万円減少しました。営業活動によるキャッシュ・フローは1,453百万円の資金の減少となり、主な要因は売上債権の増加（10,972百万円）です。一方、仕入債務の増加（1,782百万円）や未払消費税等の増加（1,028百万円）が資金の増加要因となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは340百万円の減少で、投資有価証券の売却や保険積立金の解約による収入があったものの、無形固定資産の取得や定期預金の増加が影響しました。財務活動によるキャッシュ・フローは1,723百万円の減少で、自己株式の取得（1,000百万円）や配当金の支払（782百万円）が主な要因です。全体として、キャッシュ・フローは厳しい状況にありますが、資金調達のための対策も講じられています。

株式会社テクノ菱和は、「空気と水のテクノロジー」を通じて環境に優しい生活空間の創造を目指し、ESG経営を推進しています。サステナビリティに関する考え方は、経営理念とCSRの基本的な考え方に基づいており、社会の一員として空気調和衛生設備の設計、施工管理、保守メンテナンス、研究開発を通じてサステナブルな社会の実現に貢献しています。また、マテリアリティ（重要課題）を策定し、気候変動への取組みを含むESG経営を推進しています。具体的には、GHG排出量の削減や女性管理職比率の向上、男性社員の育児休業取得率100%を目指すなど、社会的責任を果たすための具体的な数値目標を設定しています。これにより、長期的な企業価値の向上とSDGsへの貢献を目指しています。

株式会社テクノ菱和は、事業活動において様々なリスクに直面しています。主なリスクには、施工中の人的災害や工事災害、設計変更による不採算工事の発生、取引先の信用リスク、そして気候変動リスクが含まれます。施工中の事故は工場の操業を止める可能性があり、保険に加入しているものの、損害賠償責任が発生するリスクがあります。また、設計変更や手直し工事により追加原価が発生し、利益が確保できなくなる恐れもあります。取引先の信用リスクについては、与信管理を徹底し、債権が回収不能とならないよう努めています。さらに、気候変動リスクに対しては、脱炭素社会への移行に対応するための組織を立ち上げ、温室効果ガスの削減を目指しています。これらのリスクに対して、適切な管理体制を整え、リスクの軽減に努めています。

株式会社テクノ菱和の経営者は、2024年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況について以下のように分析しています。日本経済は新型コロナウイルスの影響から回復しつつあるものの、円安や原材料価格の高騰が影響し、個人消費は低迷しています。建設業界は政府及び民間の投資が堅調であるものの、建設コストの上昇が影響しています。テクノ菱和は、医薬品や食品、電子デバイス関連の受注を中心にバランスの取れた受注活動を推進し、経営成績は売上高73,688百万円、経常利益6,374百万円、当期純利益4,506百万円と前年からの大幅な増加を見込んでいます。キャッシュ・フローについては、営業活動によるキャッシュ・フローが1,453百万円の減少となり、売上債権の増加が影響していますが、資金調達のための対策を講じています。全体として、競争環境に対応しつつ、持続可能な成長を目指しています。

株式会社テクノ菱和の資本の財源は、主に営業活動から生み出されるキャッシュ・フローと自己資金、さらに金融機関からの借入れによって構成されています。主要な資金需要は、工事施工に必要な材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費などの営業費用です。手元の運転資金は、地域別に設置された事業所や子会社の余剰資金を本社で一元管理し、資金効率の向上を図っています。また、突発的な資金需要に備え、コミットメントライン契約を締結し、迅速な資金調達が可能な体制を整えています。これにより、流動性リスクを管理し、安定した資金運用を実現しています。

株式会社テクノ菱和の経営成績に重要な影響を与える要因は、主に売上高の増加、工事粗利益率の改善、そして効率的な事業運営に関連しています。2024年度の売上高は73,688百万円、経常利益は6,374百万円、当期純利益は4,506百万円と見込まれており、前年からの大幅な増加が期待されています。特に、医薬品や食品、電子デバイス関連の受注増加が業績を押し上げています。また、働き方改革の取り組みにより、従業員の生産性向上が図られ、経営効率が改善されています。さらに、原材料価格の変動や施工中のリスク管理も重要な要因であり、これらに対する適切な対策が求められています。全体として、外部環境の変化に柔軟に対応し、持続可能な成長を目指す姿勢が経営成績に寄与しています。

株式会社テクノ菱和の経営者は、2024年度から2032年度までの新たな中長期経営ビジョン『TECHNO RYOWA 2032』を策定し、企業価値の向上に努めています。新型コロナウイルスや地政学リスクの影響を受けつつも、国内の設備投資意欲の高まりを背景に、当初の数値目標を達成しました。今後は人手不足が懸念される中で、人材への投資を強化し、新卒やキャリア採用を充実させる方針です。また、社内教育制度の見直しを進め、全社的な技術力の向上を目指します。さらに、デジタルトランスフォーメーション（DX）や働き方改革を深化させ、効率化を図るとともに、ESG経営を推進し持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。成長戦略としては、急な拡大を求めず、品質の高い仕事を積み上げていくことを重視しています。

株式会社テクノ菱和において、経営上の重要な契約等は特に存在しないとされています。これにより、特定の契約が経営成績や財政状態に重大な影響を与えることはないと認識されています。一般的に、同社は設備工事業において顧客との契約に基づき、履行義務を充足することにより収益を認識していますが、特に重要な契約は報告されていません。今後も、契約の管理や履行において適切な体制を維持し、安定した経営を目指す方針です。

株式会社テクノ菱和では、空調衛生設備工事に関連する研究開発活動を行っています。基本理念として「空気と水のテクノロジー」を掲げ、お客様のニーズに応える最適な環境システムの提供を目指しています。2024年度の研究開発費は344百万円で、主にクリーンルーム関連技術や静電気障害対策に注力しています。主な研究開発成果には、サブミクロン粒子の可視化技術、クリーンルーム環境測定システム、過酸化水素ガス発生装置の開発が含まれます。また、IoT関連技術やBIM関連技術の開発も進めており、建築設備の運転状況や環境データを管理するシステムの構築を目指しています。これにより、効率的な設備管理と省エネルギーの実現を図っています。

株式会社テクノ菱和の設備の状況について、2024年3月31日現在の主要な設備は以下の通りです。設備投資は特段行われておらず、重要な設備の除却や売却もありません。主要な設備の帳簿価額は、本社及び東京本店が1,196百万円、名古屋支店が410百万円、大阪支店が339百万円、東北支店が5百万円、九州支店が0百万円となっています。全体の設備の帳簿価額は1,955百万円で、土地や建物、機械、運搬具及び工具器具が含まれています。従業員数は本社で361人、名古屋支店で130人、大阪支店で147人、東北支店で41人、九州支店で42人です。これにより、同社は安定した業務運営を支えるための基盤を維持しています。

株式会社テクノ菱和の株式の状況について、2024年3月31日現在の情報は以下の通りです。発行済株式総数は22,888千株で、資本金は2,746百万円、資本剰余金は2,498百万円、利益剰余金は34,743百万円です。自己株式は998百万円で、株主資本合計は38,990百万円となっています。2024年度の当期純利益は4,506百万円で、剰余金の配当は783百万円です。また、自己株式の取得については、取締役会の決議に基づき、800,000株を1,000百万円で取得する計画があり、当事業年度において731,600株を999百万円で取得しました。これにより、株主還元を重視しつつ、企業価値の向上を図っています。

株式会社テクノ菱和の配当政策は、株主への利益還元を経営の最重要課題の一つと位置付けています。2024年度の期末配当は1株につき32円を予定しており、これにより年間配当金は1株につき48円となります。今後の方針としては、2024年度から2032年度の期間中において、年間配当金が前年度を下回らないことを基本とし、利益の成長に応じて増額する方針です。次期の配当は、1株につき4円増額し、年間52円（中間配当26円、期末配当26円）とする予定です。また、内部留保資金は長期的な観点から人材育成、研究開発、デジタルトランスフォーメーション（DX）推進及び設備投資に活用し、企業競争力の強化を図る方針です。さらに、同社は中間配当を行うことができる旨を定款に定めています。

株式会社テクノ菱和のコーポレート・ガバナンスは、経営の透明性と公正性を高めるために、取締役会を中心とした体制を整えています。取締役会は社外取締役4名を含む10名で構成され、業務執行に関する重要事項を審議し、決議します。取締役会は原則月1回開催され、必要に応じて随時開催されます。また、監査等委員会設置会社として、業務執行の監督機能を強化し、迅速な意思決定を図っています。役員報酬は業績連動型であり、株主との利益共有を促進する仕組みが導入されています。さらに、内部統制システムの整備やリスク管理体制の強化にも取り組んでおり、企業価値の向上を目指しています。これにより、持続可能な成長を実現するための基盤を築いています。

株式会社テクノ菱和の役員の状況について、2024年3月31日現在の情報は以下の通りです。役員は男性9名、女性1名で構成され、女性の比率は10.0%です。代表取締役会長は黒田英彦氏、代表取締役社長執行役員は加藤雅也氏です。取締役には専務執行役員や常務執行役員が含まれ、各役員はそれぞれの専門分野での経験を活かしています。取締役会は定期的に開催され、重要な業務に関する事項を審議し、決議しています。取締役の出席状況は高く、全員が出席することが多いです。また、指名・報酬諮問委員会も設置されており、役員報酬の見直しや取締役候補者の選任について審議されています。これにより、経営の透明性と効率性を確保し、企業価値の向上を図っています。

株式会社テクノ菱和の監査の状況について、2024年度の監査は有限責任監査法人トーマツが担当しています。監査等委員会は、監査法人の選定や評価を行い、監査の独立性や適正を確保する体制を整えています。監査等委員会は、取締役会や経営会議に出席し、業務執行状況を確認し、必要に応じて監査結果を報告しています。また、内部監査室は社長直属の独立した部門として、定期的に業務監査を実施し、年間93件のモニタリング監査を行いました。監査結果は四半期ごとに内部統制委員会に報告され、業務改善への提案が行われています。監査法人は、財務報告に係る内部統制が有効であると評価しており、監査の透明性と信頼性を確保しています。

株式会社テクノ菱和の役員の報酬等について、2024年度の報酬体系は業績連動型を基本としています。取締役の報酬は、月額報酬と業績連動報酬から構成されており、月額報酬は固定的な報酬として毎月一定額が支給されます。取締役賞与は業績に基づき支給され、支給基準は「役員報酬規程」に定められています。2024年度の取締役の金銭報酬の総額は162百万円で、内訳は固定報酬108百万円、業績連動報酬54百万円です。監査等委員である取締役の報酬は年額14百万円、社外役員は年額10百万円となっています。また、業績連動型株式報酬制度も導入されており、取締役等に対して中長期的な企業価値向上を目的とした株式報酬が支給されます。これにより、役員の業績向上に対する意識を高め、企業全体の成長を促進することを目指しています。

株式会社テクノ菱和の株式の保有状況について、2024年度の情報は以下の通りです。主要な保有株式には、イビデン㈱（49,915株）、㈱ヤクルト本社（83,517株）、㈱関電工（139,000株）、日本トランスシティ㈱（250,000株）などがあります。これらの株式は、設備工事業の取引先との関係維持・強化を目的として保有されており、企業価値向上に寄与すると判断されています。また、株式数の増加は、取引先持株会を通じた購入や株式分割によるものです。特に、㈱ヤクルト本社の株式は、2023年9月30日付で実施された株式分割により増加しました。全体として、同社は取引先との関係を強化し、安定した経営基盤を築くために株式を保有しています。

株式会社テクノ菱和の経理の状況について、2024年度の連結財務諸表は、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書を含み、すべての重要な点において適正に表示されています。監査法人による監査を受けており、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しています。経理部門は、各事業所からの報告を基に資金計画を作成し、流動性リスクを管理しています。また、営業債権の管理を徹底し、取引先の信用リスクを定期的に評価しています。さらに、資金調達に関しては、コミットメントライン契約を締結し、突発的な資金需要に備えています。これにより、安定した経理体制を維持し、企業の財務健全性を確保しています。

株式会社テクノ菱和の2024年度の連結財務諸表は、以下の主要な項目を含んでいます。連結貸借対照表では、流動資産が50,347百万円、固定資産が25,880百万円で、資産合計は76,227百万円となっています。負債合計は34,247百万円、純資産は41,980百万円で、自己資本比率は約55.0%です。連結損益計算書では、売上高が73,688百万円、経常利益が6,374百万円、当期純利益が4,506百万円と報告されています。連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが△1,453百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△250百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが1,723百万円となっています。これらの財務諸表は、有限責任監査法人トーマツによる監査を受けており、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しています。

株式会社テクノ菱和のセグメント情報について、2024年度の売上高は73,688百万円で、前年から20.7%の増加を示しています。主なセグメントは空調衛生設備工事業で、産業設備工事が46,553百万円（前年比26.5%増）、一般ビル設備工事が23,449百万円（前年比9.4%増）となっています。官公庁工事は10,243百万円（前年比6.5%増）、民間工事は59,758百万円（前年比23.0%増）です。電気設備工事業は2,519百万円（前年比30.9%増）、冷熱機器販売事業は1,065百万円（前年比35.9%増）となっています。その他の事業は101百万円（前年比2.0%増）で、全体として各セグメントが堅調に推移しています。これにより、同社は多様な事業展開を通じて安定した成長を実現しています。

株式会社テクノ菱和の重要な会計方針及び見積りに用いた仮定について、主に収益及び費用の計上基準が挙げられます。設備工事業においては、履行義務を充足するにつれて収益を認識する方法を適用しており、工事原価総額の見積りに基づいています。具体的には、工事の完成に要する総支出額を見積もり、工事部長の承認を受けた上で、期末までの支出額の割合を用いて収益を算定します。このため、工事契約ごとの工事原価総額の見積りが重要であり、資材価格や外注費の変動、仕様変更などの外部環境の影響を受けやすいです。これにより、実際の結果が見積りと異なる可能性があるため、経営者は過去の実績を考慮しつつ合理的な判断を行っています。

株式会社テクノ菱和の金融商品関係について、2024年度の状況は以下の通りです。当社は、必要な資金を金融機関からの借入れにより調達し、流動性を重視した短期運用を行っています。投機的なデリバティブ取引は行わない方針です。金融商品の内容としては、営業債権（受取手形・完成工事未収入金等）や電子記録債権があり、顧客の信用リスクに晒されています。これに対して、取引先ごとに期日管理及び残高管理を行い、信用状況を随時把握しています。また、有価証券及び投資有価証券は主に株式であり、市場価格の変動リスクに晒されていますが、定期的に時価の把握を行っています。2024年3月31日現在、投資有価証券の時価は10,705百万円で、前年度から増加しています。長期借入金は固定金利で調達しており、金利の変動リスクを軽減しています。

株式会社テクノ菱和のリース取引関係について、2024年度の状況は以下の通りです。ファイナンス・リース取引において、所有権移転外ファイナンス・リース取引は行っていません。リース資産の内容に該当する事項はなく、リース資産の減価償却方法は「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されています。リース取引は主に設備の使用に関連しており、リース契約に基づく支払義務が発生しますが、リース資産の所有権はリース会社に留まります。これにより、資産負担を軽減し、流動性を確保することが可能です。リース取引に関する詳細な情報は、今後の財務諸表において開示される予定です。

株式会社テクノ菱和の有価証券関係について、2024年3月31日現在の状況は以下の通りです。連結貸借対照表に計上されている投資有価証券の総額は10,705百万円で、内訳は株式が9,999百万円、債券が706百万円です。株式は市場価格を用いて評価され、活発な市場で取引されているため、レベル1の時価に分類されています。一方、債券は市場での取引頻度が低いため、レベル2に分類されています。2023年度には、投資有価証券の売却益が116百万円計上され、評価損は発生していません。また、非上場株式については649百万円が計上されており、これらは投資有価証券には含まれていません。全体として、同社は安定した資産運用を行い、企業価値の向上を図っています。

株式会社テクノ菱和の収益認識関係について、2024年度の収益認識は主に設備工事業において、履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法を適用しています。具体的には、工事契約ごとの工事原価総額を見積もり、工事の進捗に応じて収益を認識します。2024年度の完成工事高は72,521百万円で、そのうち56,805百万円がこの方法によって認識された収益です。履行義務の充足に関する進捗度は、期末までに発生した工事原価が工事契約ごとの工事原価総額に占める割合に基づいて測定されます。また、契約資産や契約負債の管理も行い、契約負債は収益の認識に伴い取り崩されます。これにより、収益認識の透明性と正確性を確保しています。

株式会社テクノ菱和の財務諸表に関する注記事項は、2024年度の連結財務諸表において重要な情報を提供しています。注記事項には、収益及び費用の計上基準、工事原価総額の見積り、退職給付に係る負債及び年金資産の状況、及び関連当事者情報が含まれています。特に、収益認識に関しては、履行義務を充足するにつれて収益を認識する方法が適用されており、工事契約ごとの工事原価総額の見積りが重要な要素となっています。また、退職給付に係る負債は、積立型制度と非積立制度に分かれており、年金資産の運用状況も注記されています。これらの情報は、投資家や利害関係者が企業の財務状況を理解するために重要です。