三菱電機株式会社

三菱電機株式会社は、東京都千代田区に本社を置く大手電機メーカーです。企業理念は「たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献する」ことです。2023年度の売上高は約5兆円で、従業員数は約149,000人です。主な事業セグメントには、インフラ、産業・モビリティ、ライフビジネス、セミコンダクターなどがあり、特にインフラ事業は960,915百万円の売上を記録しました。また、サステナビリティの実現に向けて、環境、社会、ガバナンスの強化を図り、リスク管理や透明性の高い情報開示を推進しています。2024年には自動車機器事業の分社化を予定しており、企業の成長戦略を進めています。

三菱電機株式会社の主要な経営指標は以下の通りです。2024年3月期の売上高は約5兆2,579億円で、前年度比2,542億円の増加を記録しました。営業利益は3,285億円、税引前当期純利益は3,658億円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,849億円となっています。自己資本比率は50.8%で、ROE（自己資本利益率）は8.2%に達しました。また、1株当たりの配当額は50円で、配当性向は35.9%です。従業員数は約36,520人で、安定した経営基盤を維持しています。これらの指標は、企業の収益性や資本効率を示す重要なデータです。

三菱電機株式会社は、インフラ、インダストリー・モビリティ、ライフ、ビジネス・プラットフォーム、セミコンダクター・デバイスの6つのセグメントで事業を展開しています。2023年度の売上高は約5兆円で、主な製品には電力機器、産業機器、家庭用電気機器、自動車機器などが含まれます。特にインフラ事業では960,915百万円の売上を記録し、鉄道や電力関連の機器を提供しています。また、セミコンダクター事業では234,477百万円の売上を上げ、半導体デバイスの製造・販売を行っています。さらに、グローバルに展開しており、海外市場でも積極的に事業を展開しています。

三菱電機株式会社は、1921年に三菱造船株式会社の電機製作所を継承し、神戸で創立されました。初期には変圧器や電動機を製造し、1923年には長崎工場を新設しました。1940年代には大阪工場や福山工場を設立し、事業を拡大しました。1990年代には、米国と欧州に研究開発拠点を設立し、国際的な事業展開を強化しました。2000年代には、IT関連事業を加速するための組織再編を行い、2003年にはコーポレートガバナンス改革を実施しました。近年では、2021年から信頼回復に向けた3つの改革（品質風土、組織風土、ガバナンス）に取り組んでいます。これにより、企業の透明性と信頼性を高めることを目指しています。

三菱電機株式会社の財務情報は以下の通りです。2024年3月31日現在、売上高は約5兆2,579億円、営業利益は3,285億円、当期純利益は2,849億円です。ROE（自己資本利益率）は8.2%、借入金比率は3.9%で、安定した財務基盤を示しています。現金及び現金同等物の期末残高は7,653億円で、社債、借入金及びリース負債の合計は3,946億円です。営業活動によるキャッシュ・フローは415,479百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは94,119百万円の支出となっています。これらの指標は、企業の健全性や成長性を示す重要なデータです。

三菱電機株式会社の経営方針は、「たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献する」という企業理念に基づいています。この理念の下、成長性、収益性・効率性、健全性の3つの視点からバランス経営を推進し、社会課題の解決を重視しています。特に、ROICを活用した資産効率の向上を目指し、重点成長事業への投資を加速させる一方で、収益性が見込まれない事業からは撤退や売却を検討します。また、サステナビリティの実現に向けて、カーボンニュートラルや循環型経済の推進に注力し、人的資本の最大化を図る新しい人事制度を導入しています。これにより、企業価値の持続的向上を目指しています。

三菱電機株式会社は、リスク管理を総合的に行うための体制を整えています。気候変動を含む地球環境リスクは、各事業部門が主体的にリスクを洗い出し、評価・管理を行います。リスクマネジメント担当執行役（CRO）の指導のもと、コーポレート部門が専門知識に基づいてリスクを選別し、法務・リスクマネジメント統括部がその結果を集約します。リスク・コンプライアンス委員会では、経営層とともにリスクの影響を評価し、適切な対策を講じます。また、経済安全保障や技術革新に伴う新たなリスクにも柔軟に対応し、サステナビリティを重視した内部統制システムを強化しています。これにより、事業遂行に伴うリスクを適切に管理し、持続可能な成長を目指しています。

三菱電機株式会社の2024年度の経営成績は、売上高52,579億円、営業利益3,285億円、税引前当期純利益3,658億円、親会社株主に帰属する当期純利益2,849億円となり、いずれも前年度比で増加しました。特に売上高は、為替円安の影響や価格転嫁の効果により、前年度比2,542億円の増加を記録しました。部門別では、ライフ部門やインフラ部門が好調で、特にビルシステム事業や電力システム事業が成長しました。一方、インダストリー・モビリティ部門では一部減少が見られましたが、自動車機器事業は増加しました。全体として、経営体制の強化とポートフォリオ戦略の加速が功を奏し、収益力の最大化に寄与しています。

三菱電機株式会社の財政状態は、2024年3月31日現在、流動負債186,304百万円、非流動負債214,454百万円、合計400,758百万円となっています。前年度と比較して、流動負債は34,606百万円増加し、非流動負債は28,484百万円減少しました。借入金残高は2,412億円で、借入金比率は3.9%と前年度比0.6ポイント減少しています。親会社株主に帰属する持分は3兆7,393億円で、持分比率は60.6%に達しました。未使用のコミットメントライン残高は112,300百万円で、短期資金の調達が可能です。財務戦略としては、資産の効率化や資金の有効活用に取り組んでいます。

三菱電機株式会社の2024年度のキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。営業活動によるキャッシュ・フローは415,479百万円の収入となり、当期純利益の増加や棚卸資産への支出の減少が寄与しました。投資活動によるキャッシュ・フローは94,119百万円の支出で、有価証券等の売却収入が増加したものの、取得の増加が影響しました。フリー・キャッシュ・フローは3,213億円の収入となりましたが、財務活動によるキャッシュ・フローは2,401億円の支出となり、自己株式の取得や短期借入金の調達の減少が影響しました。結果として、現金及び現金同等物の期末残高は7,653億円となり、前年度比で1,195億円の増加を記録しました。

三菱電機株式会社は、サステナビリティを経営の根幹に位置づけ、社会課題の解決を通じて持続可能な社会の実現を目指しています。具体的には、「事業を通じた社会課題解決」と「持続的成長を支える経営基盤強化」の2つの面から5つの重要課題（マテリアリティ）を特定し、これに基づく取組みを推進しています。特に、カーボンニュートラルの実現を目指し、2050年までにバリューチェーン全体での温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目標としています。また、サステナビリティ委員会を設置し、経営レベルでの取組みを強化しています。これにより、透明性の高い情報開示を行い、ステークホルダーとのコミュニケーションを重視しています。企業理念に基づき、持続可能な成長を追求し、社会的価値と経済的価値の両立を図っています。

三菱電機株式会社は、事業運営におけるリスクを多角的に評価し、管理しています。主なリスクには、気候変動に関連する移行リスクと物理的リスク、感染症や大規模災害による事業中断リスク、製品やサービスの品質に関するリスク、金融市場の変動リスクが含まれます。特に、気候変動リスクは脱炭素社会への移行に伴うコスト増加や収益減少を招く可能性があり、これに対してはTCFD提言に基づくリスク管理を強化しています。また、感染症や自然災害に対しては全社緊急対策室を設置し、事業継続計画（BCP）を策定しています。製品品質に関しては、品質保証体制を強化し、コンプライアンス違反のリスクを低減するための内部統制システムを構築しています。これらのリスクに対する適切な管理を通じて、持続可能な成長を目指しています。

三菱電機株式会社の経営者は、2024年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローについて以下のように分析しています。売上高は52,579億円で、前年度比2,542億円の増加を記録しました。営業利益は3,285億円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,849億円となり、いずれも増加しています。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが415,479百万円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローは94,119百万円の支出でした。フリー・キャッシュ・フローは3,213億円の収入となり、現金及び現金同等物の期末残高は7,653億円に達しました。経営者は、成長投資を最優先としつつ、資本効率の向上を図る方針を示しており、自己資金の活用を重視しつつ、必要に応じて機動的な資金調達を行うとしています。

三菱電機株式会社は、健全な財務体質を維持するために、業績向上による資金収支の改善や棚卸資産の縮減、売掛債権の回収促進を通じて資産の効率化に取り組んでいます。2025年度に向けた中期経営計画では、成長投資を最優先とし、利益成長を通じた株主還元強化を図る資本政策を実行しています。設備投資やM&Aに必要な資金は、営業活動から創出されたキャッシュ・フローを活用し、必要に応じて金融機関から機動的に資金調達を行います。また、2023年12月には初のグリーンボンドを発行し、環境課題の解決に貢献する事業の資金調達を行いました。2024年3月31日現在、現金及び現金同等物の残高は7,653億円、社債、借入金及びリース負債の合計は3,946億円です。

三菱電機株式会社の経営成績に重要な影響を与える要因として、地政学的リスク、為替変動、原材料価格の変動、そして市場の需要動向が挙げられます。特に、ウクライナ情勢や米中対立などの地政学的リスクは、社会・経済・政治的な不安定要因となり、企業の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、円安の影響により輸出競争力が向上する一方で、輸入コストの増加が利益を圧迫する要因ともなります。原材料価格の変動は、製品の製造コストに直接的な影響を与え、価格転嫁の難易度を高めることがあります。さらに、各事業セグメントにおける需要の変動も重要で、特に自動車機器事業や空調・家電事業の需要が業績に大きな影響を与えています。これらの要因を総合的に分析し、経営戦略を柔軟に見直すことが求められています。

三菱電機株式会社の経営者は、収益性と資産効率の向上を重視し、ROICを活用した事業運営を進める方針を示しています。重点成長事業には生産体制の強化やM&Aを通じた積極的な投資を行い、収益性が見込まれない事業については撤退や売却を検討します。また、グローバルなエンジニアリングチェーンとサプライチェーンの最適化を図り、経営環境の変化に柔軟に対応するオペレーションを徹底します。人的資本の最大化に向けて新しい人事制度を導入し、従業員の成長を促進します。さらに、サステナビリティ経営を推進し、カーボンニュートラルや循環型経済の実現に向けた具体的な目標を設定しています。これにより、持続可能な成長を目指し、社会課題の解決に貢献する企業を目指しています。

三菱電機株式会社は、経営上の重要な契約としていくつかの技術供与契約を締結しています。例えば、Access Advance LLCとの間で動画圧縮技術規格必須特許の実施許諾契約を2016年5月23日に締結し、特許の最終消滅日まで有効です。また、三菱電機コンシューマー・プロダクツ(タイ)社とのルームエアコン・パッケージエアコン製造技術使用許諾契約は1990年6月1日に締結され、自動延長されています。さらに、2023年には自動車機器事業を吸収分割する契約を締結し、2024年4月1日を効力発生日としています。これにより、各事業の特性に見合った施策を実施し、収益性・資産効率の向上を図ることを目指しています。これらの契約は、企業の競争力を維持・強化するために重要な役割を果たしています。

三菱電機株式会社は、2024年度に向けて2,218億円の研究開発費を投資し、持続可能な社会の実現に貢献する技術の開発を進めています。主な研究開発成果には、スマート工場ソリューション「kizkia-Meter」や、脱炭素社会に貢献する自動車向け半導体モジュール「J3シリーズ」があります。また、AI技術を活用した外観検査ソフトウェア「MELSOFT VIXIO」や、無人自動運転移動サービス車両の運行開始など、先進的な技術の実証も行っています。さらに、再生可能エネルギーの利用拡大を図るエネルギー・マネジメント・システムの開発や、CO2の回収・貯留・有効利用に関する研究も進めています。これらの活動を通じて、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを強化し、社会課題の解決に寄与することを目指しています。

三菱電機株式会社の設備の状況は、2024年度末において、総額962,608百万円の有形固定資産を保有しています。主な設備は、インフラ部門が144,598百万円、インダストリー・モビリティ部門が199,538百万円、ライフ部門が293,452百万円、ビジネス・プラットフォーム部門が24,791百万円、セミコンダクター・デバイス部門が99,253百万円となっています。設備投資は、2023年度において229,941百万円を計上し、特にライフ部門やインダストリー・モビリティ部門での増産を目的とした投資が行われました。今後1年間の設備投資計画は290,000百万円で、インフラ部門に60,000百万円、インダストリー・モビリティ部門に62,000百万円、ライフ部門に71,000百万円を予定しています。設備の新設や拡充は、事業環境の変化を注視しながら進められます。

三菱電機株式会社の株式の状況は、2024年3月31日現在、発行済株式数は2,147,201,551株で、全て普通株式です。発行可能株式総数は8,000,000,000株で、自己株式は58,928,148株となっています。2024年5月31日には34,000,000株の自己株式を消却し、発行済株式数が減少しました。株主構成は、政府・地方公共団体、金融機関、外国法人等、個人など多岐にわたり、特に個人・その他が44.10%を占めています。議決権は全ての発行済株式に付与されており、単元株式数は100株です。株式の流動性を確保するため、東京証券取引所のプライム市場に上場しており、株主還元策として配当政策も実施しています。

三菱電機株式会社の配当政策は、企業価値の向上を目指し、当該年度の収益状況に応じた利益配分と内部留保の充実を基本方針としています。原則として、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行う方針です。2023年度の配当は、期末配当金を1株当たり30円、中間配当金を1株当たり20円とし、年間配当金は1株当たり50円となりました。配当金の決定は取締役会で行われ、2023年10月31日には中間配当金として42,009百万円、2024年5月9日には期末配当金として62,702百万円が決議されました。このように、配当政策は株主利益の向上を図るための重要な施策として位置づけられています。

三菱電機株式会社は、コーポレート・ガバナンスを企業の持続的成長の基盤と位置づけ、社会、顧客、株主、従業員などのステークホルダーの期待に応える体制を構築しています。指名委員会等設置会社として、経営の監督機能を取締役会が担い、執行役が経営の執行機能を担当する体制を採用しています。これにより、経営の透明性と機動性を高め、迅速な意思決定を可能にしています。また、サステナビリティの取組みを重視し、社会課題の解決に貢献することを目指しています。特に、品質不適切行為の再発防止に向けたガバナンス改革を進めており、外部の視点を取り入れた内部統制の強化に取り組んでいます。これらの施策を通じて、企業価値の向上を図ることを基本方針としています。

三菱電機株式会社の役員は、男性17名、女性2名で構成されており、女性の比率は11%です。取締役会は14回開催され、社外取締役の出席率は100%を維持しています。監査委員会は14回開催され、監査委員長を含む全ての監査委員が出席率100%を達成しました。取締役の中には、社外取締役として小坂達朗氏、柳弘之氏、江川雅子氏、松山遙氏、皆川邦仁氏、ピーターD.ピーダーセン氏が含まれています。監査委員会は、執行役会議等の重要な会議に出席し、内部監査や法務・リスクマネジメントに関する報告を受けるなど、企業の透明性とガバナンスの強化に努めています。役員の選任や報酬に関する方針は、指名委員会や報酬委員会で決定され、透明性のあるプロセスが確保されています。

三菱電機株式会社の監査は、独立した監査法人によって実施されており、2024年度の財務諸表監査においては、監査法人が公正妥当な基準に基づいて監査を行ったと認められています。監査の主要な検討事項として、社会システム事業、電力システム事業及び防衛・宇宙システム事業における工事請負契約の総費用の見積りの合理性が挙げられています。内部監査部門は、経営の効率化やリスク管理の強化を目的とし、約60名の専属人員を配置して内部監査を実施しています。また、監査委員会は財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視し、監査法人との連携を強化しています。監査結果は、経営者及び監査委員会に報告され、透明性の高い監査体制が確立されています。

三菱電機株式会社の役員の報酬等は、2023年度において取締役2名、社外取締役9名、執行役14名に対して支給されました。取締役の報酬総額は96百万円、社外取締役は151百万円、執行役は1,604百万円で、内訳は基本報酬598百万円、業績連動賞与440百万円、業績連動型株式報酬395百万円、退任慰労金169百万円となっています。業績連動賞与は2023年4月から2024年3月を対象とし、2024年6月に支給される予定です。また、役員報酬BIP（Board Incentive Plan）信託を通じて、業績に基づく株式報酬が交付される仕組みを採用しています。報酬委員会は役員報酬の決定に関与し、社外取締役が過半数を占める体制で透明性を確保しています。

三菱電機株式会社の株式の保有状況は、2024年3月31日現在、自己名義で57,120,800株を保有しており、発行済株式総数に対する割合は2.66%です。また、役員報酬BIP信託口が保有する当社株式は1,807,321株で、これも自己株式として処理されています。株式の保有目的は、取引関係の維持・強化を目的としたものであり、特に退職給付信託に拠出された株式については、議決権行使の指図権限を有しています。株式数は、持株会を通じた定期購入や株式分割により増加しています。これにより、企業の持続的な成長と株主との価値共有を図ることを目指しています。

三菱電機株式会社の連結財務諸表は、2024年度において国際会計基準（IFRS）に準拠して作成されています。連結損益計算書では、売上高が5,257,914百万円、営業利益が328,525百万円、当期純利益が296,945百万円となっています。また、連結財政状態計算書では、流動資産が3,625,236百万円、非流動資産が1,646,000百万円、総資産は5,271,236百万円に達しています。連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが415,479百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが94,119百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが119,568百万円の支出となっています。これらの財務諸表は、企業の経営成績や財政状態を示す重要な資料であり、監査法人による監査を受けています 。

三菱電機株式会社の事業は、インフラ、インダストリー・モビリティ、ライフ、ビジネス・プラットフォーム、セミコンダクター・デバイス、その他の6つのセグメントで構成されています。2023年度の売上高は、インフラが960,915百万円、インダストリー・モビリティが1,643,445百万円、ライフが1,928,001百万円、ビジネス・プラットフォームが75,335百万円、セミコンダクター・デバイスが234,477百万円となっています。特にインフラセグメントは、電力機器や交通機器、防衛関連機器の需要が高まり、安定した成長を見せています。また、インダストリー・モビリティセグメントでは、FA機器や自動車機器の需要が増加し、ライフセグメントでは空調機器の販売が好調です。これらのセグメントは、製品の種類や性質、製造方法、販売市場の類似性に基づいて分類されており、経営資源の配分や業績評価に活用されています。

三菱電機株式会社の連結財務諸表は、IFRSに基づいて作成されており、経営者は資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行っています。重要な会計上の見積りには、有形固定資産、のれん及び無形資産の回収可能価額、繰延税金資産の回収可能性、確定給付制度債務の測定、引当金の認識及び測定、履行義務を充足する契約における見積総費用、金融商品の公正価値が含まれます。これらの見積りは継続的に見直され、実際の業績は見積りとは異なる場合があります。特に、工事請負契約における見積総費用は、契約内容や過去の実績に基づいて算定され、進捗度に応じて収益を計上しています。これにより、財務諸表の信頼性を確保しています。

三菱電機株式会社の金融商品関係は、2024年3月31日現在、金融資産と金融負債が含まれています。金融資産は、株式及び出資金が280,326百万円、未収入金が41,156百万円、リース債権が14,341百万円、貸付金が1,162百万円、デリバティブ資産が2,291百万円、負債性金融商品が802百万円となっています。これらの金融資産は、当期純利益を通じて公正価値で測定されるものと、償却原価で測定されるものに分類されています。また、金融商品に関するリスク管理として、金利リスクや信用リスクの管理が行われており、特に金利リスクについては、固定金利での調達を通じてエクスポージャーを限定しています。信用リスクについては、顧客の財務状況を定期的にモニタリングし、与信限度額を設定することでリスクの低減を図っています。

三菱電機株式会社は、リース取引において、リース期間が12ヵ月以内に終了するリース及び原資産が少額であるリースを除く全てのリースについて、原資産を使用する権利である使用権資産とリース料の支払義務であるリース負債をそれぞれ認識しています。使用権資産は取得原価で当初測定し、減価償却は耐用年数とリース期間のいずれか短い年数にわたって行います。2024年度のリース負債に係る金利費用は1,491百万円、短期リースに係る費用は9,663百万円、少額資産のリースに係る費用は8,284百万円となっています。リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、2024年度において80,356百万円です。これにより、資産の効率的な利用とコスト管理を図っています。

三菱電機株式会社の有価証券関係は、2024年3月31日現在、子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額がそれぞれ1,147百万円、15,793百万円となっています。時価は子会社株式が5,898百万円、関連会社株式が69,086百万円で、差額はそれぞれ4,751百万円、53,293百万円です。また、主に取引関係の維持・強化を目的として保有している資本性金融商品は、305,987百万円から280,326百万円に減少しました。特に、ルネサスエレクトロニクス株式会社の株式は売却され、その他の包括利益を通じて公正価値で測定されています。これにより、企業の資産効率を高め、安定した収益基盤を確保することを目指しています。

三菱電機株式会社は、収益認識に関してIFRS第15号に基づく5ステップアプローチを採用しています。具体的には、顧客との契約を識別し、契約における履行義務を特定、取引価格を算定し、履行義務に応じて収益を認識します。家庭電器や半導体、産業用機器などの大量生産製品は、顧客が製品を受け入れた時点で収益を計上します。一部の製品は、顧客による最終的な動作確認が完了した時点で収益を認識します。保守契約に関しては、契約期間にわたり収益を計上し、特定の工事請負契約では進捗度に応じて収益を認識します。進捗度が測定できない場合は、原価回収基準を適用し、見積総費用の見直しを継続的に行っています。これにより、収益を正確に反映した財務報告を実現しています。

三菱電機株式会社の財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の作成において重要な会計方針や見積りに関する情報を提供しています。特に、会計方針の適用においては、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断や見積りが求められます。重要な会計上の見積りには、有形固定資産、のれん及び無形資産の回収可能価額、繰延税金資産の回収可能性、確定給付制度債務の測定、引当金の認識及び測定、履行義務を充足する契約における見積総費用、金融商品の公正価値が含まれます。これらの見積りは継続的に見直され、実際の業績は見積りとは異なる場合があります。また、未適用の新会計基準についても言及されており、将来的な影響が検討されています。これにより、財務諸表の透明性と信頼性が確保されています。