冨士ダイス株式会社

冨士ダイス株式会社は、主に超硬工具や金型を製造・販売する企業で、2024年3月期の売上高は14,809百万円、経常利益は859百万円、当期純利益は711百万円でした。資本金は164百万円で、発行済株式総数は20,000,000株です。自己資本比率は78.1%で、安定した財務基盤を持っています。従業員数は869名で、企業理念として「人間尊重、人間中心の経営」を掲げ、サステナビリティに取り組んでいます。具体的には、温室効果ガスの削減や資源のリサイクルを推進し、持続可能な社会の実現を目指しています。また、2024年7月には新規事業組織を発足し、M&Aや業務提携を通じて事業の拡大を図る方針です。

冨士ダイス株式会社の主要な経営指標は以下の通りです。2024年3月期の売上高は14,809百万円、経常利益は859百万円、当期純利益は711百万円でした。資本金は164百万円で、発行済株式総数は20,000,000株です。自己資本比率は78.1%、自己資本利益率は3.7%です。1株当たり純資産額は957.20円、1株当たり当期純利益は35.81円、配当性向は89.4%となっています。従業員数は869名で、最高株価は879円、最低株価は603円でした。これらの指標は、企業の収益性や安定性を示す重要なデータであり、今後の成長戦略においても重要な役割を果たします。

冨士ダイス株式会社は、超硬合金を用いた耐摩耗工具及びその素材である超硬合金チップの製造販売を主な事業としています。グループは、国内法人2社と海外法人5社から構成され、耐摩耗工具関連事業の単一セグメントで運営されています。超硬合金は、タングステンカーバイドとコバルトなどの金属を粉末状にし、焼き固めることで作られ、鋼よりも硬く、変形しにくい特性を持っています。主要製品には、ダイス、プラグ、冷間フォーミングロール、刃物類などがあり、これらは線材やパイプの生産、自動車部品の製造などに使用されます。また、研究開発にも力を入れ、新材料や高付加価値製品の開発を進めています。

冨士ダイス株式会社は、1949年6月に創業者新庄鷹義によって福岡県戸畑市で「冨士ダイス製作所」として設立されました。1953年12月には東京都大田区下丸子に東京工場を建設し、超硬耐摩耗工具の製造を本格的に開始しました。1956年4月に冨士ダイス株式会社に改組し、資本金は50万円でした。1957年3月には本店を東京都大田区に移転し、1960年には大阪営業所を開設しました。1960年12月には北九州市門司区に門司工場を建設し、1962年には名古屋営業所を開設しました。1963年8月には大阪府吹田市に大阪工場を建設し、1967年5月には和歌山県海南市に海南出張所を開設しました。これらの沿革を通じて、冨士ダイスは耐摩耗工具のリーディングカンパニーとして成長を続けています。

冨士ダイス株式会社の財務情報は以下の通りです。2024年3月31日現在、総資産は約13,048百万円で、流動資産は約13,048百万円、固定資産は約9,095百万円です。2024年3月期の売上高は14,809百万円、経常利益は859百万円、当期純利益は711百万円でした。自己資本比率は78.1%で、安定した財務基盤を示しています。資本金は164百万円、発行済株式総数は20,000,000株です。2024年3月期の配当金は634百万円で、配当性向は89.4%です。キャッシュフローにおいては、営業活動によるキャッシュフローは2,050百万円、投資活動によるキャッシュフローは-1,656百万円、財務活動によるキャッシュフローは-634百万円でした。これらの指標は、企業の健全性や成長性を示す重要なデータです。

冨士ダイス株式会社の経営方針は、「事業を通じて広く社会に貢献し、幸せな人を育てる」「人間尊重、人間中心の経営」を企業理念としています。安定的な成長を目指し、収益性を意識した経営を重視し、「売上高経常利益率」と「ROE（自己資本当期純利益率）」を重要な指標としています。中長期的には、自動車産業の変化に対応し、次世代自動車への拡販を成長戦略とし、AIやデジタルトランスフォーメーションの進展に対応する新事業の実現を目指しています。また、脱炭素・循環型社会への貢献を重視し、サステナビリティ経営を推進しています。これにより、企業価値の向上と持続可能な社会の発展に寄与することを目指しています。

冨士ダイス株式会社は、リスクマネジメント基本方針に基づき、適切なリスク管理体制を整備しています。リスクマネジメント委員会を設置し、各種事業リスクの情報収集と分析を行い、予防策や緊急時の対応策を整備しています。委員会は定期的に開催され、重要リスクの特定と評価を行い、リスクマップを作成します。万が一、企業の存続を脅かす事象が発生した場合には、代表取締役社長を本部長とする対策本部を速やかに設置し、組織的かつ的確に対応します。また、リスク管理体制は定期的に見直され、継続的な改善が図られています。これにより、企業の健全性を保ち、持続可能な成長を目指しています。

冨士ダイス株式会社の2024年3月期の経営成績は、売上高が14,809百万円、経常利益が859百万円、当期純利益が711百万円でした。過去5年間の売上高は、2020年3月期の15,708百万円から2024年3月期の14,809百万円へと推移し、2021年3月期には12,763百万円と減少しましたが、2022年3月期には14,715百万円に回復しました。経常利益は2020年3月期の991百万円から2024年3月期には859百万円に減少し、当期純利益も634百万円から711百万円へと変動しました。自己資本比率は78.1%で、安定した財務基盤を維持しています。これらの指標は、企業の収益性や成長性を示す重要なデータであり、今後の経営戦略に影響を与える要素となります。

冨士ダイス株式会社の財政状態は、2024年3月31日現在、総資産が26,138百万円で、前年度末の26,253百万円から114百万円減少しました。流動資産は15,024百万円、固定資産は11,114百万円です。負債は5,491百万円で、前年度末の5,860百万円から369百万円減少し、流動負債は3,871百万円、固定負債は1,619百万円となっています。純資産は20,647百万円で、前年度末の20,392百万円から254百万円増加しました。これは、当期純利益の計上により利益剰余金が709百万円増加したことが主な要因です。また、現金及び現金同等物は6,983百万円で、前年度末に比べ209百万円減少しました。これらの指標は、企業の財政的健全性を示す重要なデータです。

冨士ダイス株式会社の2024年3月期におけるキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が995百万円、減価償却費が988百万円、売上債権の減少が365百万円などにより、合計で2,050百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が1,718百万円、無形固定資産の取得による支出が125百万円、投資有価証券の売却による収入が131百万円などにより、1,656百万円の支出となりました。この結果、フリー・キャッシュ・フローは394百万円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額634百万円などにより651百万円の支出となりました。最終的に、現金及び現金同等物は6,983百万円となり、前年度末に比べ209百万円減少しました。

冨士ダイス株式会社は、「事業を通じて広く社会に貢献し、幸せな人を育てる」という企業理念のもと、サステナビリティ基本方針を策定しています。環境面では、温室効果ガスの削減や資源の有効利用を目指し、2030年度までに2018年度比で38%以上の削減を目標としています。また、超硬工具や金型のリサイクル強化を進め、循環型社会の実現に貢献しています。社会面では、全ての人々の人権を尊重し、多様性を活かした働き方を推進しています。ガバナンス面では、サステナビリティ推進室を設置し、経営層と連携して施策を推進しています。これらの取り組みを通じて、持続可能な社会の発展に寄与することを目指しています。

冨士ダイス株式会社が認識している事業等のリスクには、主に以下のようなものがあります。原材料であるタングステンカーバイドやコバルトの需給が逼迫し、原料相場が高騰した場合、または為替が大きく変動した場合、原材料費が上昇し、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、自然災害や社会的混乱（戦争、テロ、伝染病など）もリスク要因です。これらのリスクに対して、当社は原材料の在庫を保有し、調達連絡会を定期的に開催して情報共有や対応策を検討しています。また、CSR調査を通じて調達先のリスク管理も行っています。これにより、リスクの影響を最小限に抑える努力をしています。

冨士ダイス株式会社の2024年3月期における経営成績は、国内経済の回復傾向にある中で、ウクライナ情勢や物価上昇、円安などの影響を受け、依然として不透明な状況が続いています。売上高は14,809百万円、経常利益は859百万円、当期純利益は711百万円でした。営業活動によるキャッシュ・フローは2,050百万円で、前年の775百万円から大幅に改善しましたが、投資活動によるキャッシュ・フローは1,656百万円の支出となり、財務活動によるキャッシュ・フローも651百万円の支出でした。総資産は26,138百万円、自己資本比率は78.1%で、安定した財政基盤を維持しています。経営者は、今後も高品質・低コスト・短納期のサービス向上に努め、持続可能な成長を目指す方針を示しています。

冨士ダイス株式会社は、事業活動のための適切な資金確保と流動性の維持を重視しています。資本の財源としては、安定的な営業キャッシュ・フローの創出を最優先事項とし、運転資金や設備投資資金は主に手元のキャッシュと営業活動によるキャッシュ・フローで賄っています。また、将来必要な資金についても調達可能と考えています。さらに、コミットメントライン契約を10億円締結しており、自然災害等の緊急時にも流動性を担保できる体制を整えています。2024年3月31日現在、現金及び現金同等物は6,983百万円で、前年度末に比べ209百万円減少しましたが、流動資産は15,024百万円で安定した資金運用が行われています。

冨士ダイス株式会社の経営成績に重要な影響を与える要因として、原材料の価格変動、為替リスク、そして市場動向が挙げられます。特に、タングステンカーバイドやコバルトの需給が逼迫し、原材料費が高騰した場合、経営成績に直接的な影響を及ぼす可能性があります。また、円安が進行した場合も、輸入原材料のコストが上昇し、利益率が圧迫される恐れがあります。さらに、国内外の経済情勢や顧客の設備投資需要の変化も、売上高や受注に影響を与える要因です。これらのリスクに対して、当社は原材料の在庫管理や調達先の多様化、CSR調査を通じたリスク管理を行い、経営の安定性を確保する努力をしています。

冨士ダイス株式会社の経営者は、現在の経済環境における不透明さや市場の変化に対する問題認識を持っています。特に、ウクライナ情勢や資源価格の高騰、円安などが経営成績に影響を与える要因として挙げられています。今後の方針としては、「変化に対応できる企業体質への転換」を中期経営計画の基本コンセプトに掲げ、経営基盤の強化や生産性向上、海外事業の拡大、脱炭素社会への貢献、新事業の確立を成長戦略として持続的に取り組むことを目指しています。また、デジタル化の推進や人財育成にも力を入れ、顧客ニーズの把握や営業活動の強化を図る方針です。これにより、持続可能な成長を実現し、社会に貢献する企業を目指しています。

冨士ダイス株式会社の研究開発活動は、顧客のニーズに応える工具・金型材料の研究開発と加工技術の研究開発を中心に行われています。特に、粉末冶金技術を基軸とした超硬合金、セラミックス、機能性複合材料の研究開発に注力しています。また、超精密加工技術を用いて製品の加工精度向上や新たな加工方法の構築を目指しています。2024年3月期には、環境に配慮した省タングステン・コバルト材料の開発や、電気化学反応用電極材料の開発が進められました。これにより、次世代自動車や環境・エネルギー分野への参入を図り、当社グループの事業領域拡大を目指しています。研究開発に要した費用は314百万円であり、今後も新材料や加工技術の研究開発を進めていく方針です。

冨士ダイス株式会社の設備の状況について、2024年3月31日現在の設備投資は1,542百万円で、主に熊本製造所の冶金棟建設に関連する建物及び生産設備への投資が含まれています。主要な設備の帳簿価額は、郡山製造所が1,677百万円、岡山製造所が1,855百万円、熊本製造所が3,226百万円、本社が973百万円、秦野工場が1,360百万円となっています。特に熊本製造所は耐摩耗工具製造設備が充実しており、従業員数は194名です。また、国内外の子会社においても耐摩耗工具製造設備が整備されており、タイとインドネシアの工場でもそれぞれ203百万円と186百万円の設備が稼働しています。設備の維持管理には定期点検を行い、重要設備の管理体制を強化しています。

冨士ダイス株式会社の株式の状況は、2024年3月31日現在、発行済株式総数は20,000,000株で、資本金は164百万円です。自己株式は133,780株で、発行済株式に対する割合は約0.67%です。1株当たり純資産額は957.20円、1株当たり当期純利益は35.81円です。配当金は1株当たり32円で、配当性向は89.4%となっています。最高株価は879円、最低株価は603円で、株価収益率（PER）は19.2倍です。大株主には新庄美智子氏が1,815千株（9.13%）、冨士ダイス社員持株会が1,699千株（8.55%）を保有しています。これらの情報は、株主にとって重要な指標であり、企業の財務健全性や成長性を示すものです。

冨士ダイス株式会社は、株主に対して安定した配当を継続的に行うことを重要な経営課題としています。配当政策は、利益の状況や将来の事業展開を総合的に判断し、適切な利益配分を行うことを基本方針としています。現状では年1回の期末配当を実施しており、2024年3月期の配当は1株当たり32円（普通配当22円、記念配当10円）と決定されました。今後の配当については、「中期経営計画2026」の期間において、株主資本配当率（DOE）4%を目途にし、積極的な自己株式取得を通じて利益還元を行う方針です。また、内部留保資金は、経営環境の変化に対応する企業体質の強化や持続的成長のための設備投資、新事業への投資に充当される予定です。

冨士ダイス株式会社は、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な経営課題と位置付けています。企業理念として「事業を通じて広く社会に貢献し、幸せな人を育てる」を掲げ、株主や取引先、従業員、地域社会との良好な関係を築くことを目指しています。取締役会と監査役会を設置し、取締役は9名（うち社外取締役3名）、監査役は3名（うち社外監査役2名）で構成されています。また、指名・報酬委員会を設置し、取締役の人事や報酬に関する透明性を確保しています。内部監査室や会計監査人との連携を強化し、業務執行の監視機能を高めています。これにより、経営の効率性と透明性を維持し、長期的な企業価値の向上を図る体制を整えています。

冨士ダイス株式会社の役員は、男性11名、女性1名（女性比率8.3%）で構成されています。代表取締役社長は春田善和氏で、1987年に入社し、2024年1月に社長に就任しました。常務取締役には津田雅宣氏が海外事業本部長を務めています。取締役会は原則月1回開催され、重要な経営事項を審議しています。取締役の任期は2024年6月25日開催の定時株主総会終結時から2026年3月期に係る定時株主総会終結時までです。また、社外取締役は3名、社外監査役は2名であり、独立した立場で企業統治に貢献しています。役員の選任や報酬に関する事項は指名・報酬委員会で検討され、透明性のある運営が行われています。

冨士ダイス株式会社の監査は、監査役3名（常勤監査役1名、社外監査役2名）によって行われ、監査役会が定めた基準に従って実施されています。2024年度には監査役会を14回開催し、各監査役は全て出席しました。決議事項は24件、報告事項は27件、協議事項は2件で、主な内容には監査方針や監査計画、会計監査人の選解任、監査報告書の承認などが含まれます。また、内部監査室は専任者3名で構成され、内部監査計画を立案・実施し、内部統制の整備状況を監視しています。監査役、内部監査、会計監査人の三者は定期的に会合を持ち、情報共有や意見交換を行い、監査の有効性を高めています。

冨士ダイス株式会社の役員の報酬は、基本報酬、業績連動報酬、株式報酬の3つの要素で構成されています。2024年度の取締役（社外取締役を除く）の報酬総額は158百万円で、内訳は基本報酬115百万円、業績連動報酬21百万円、株式報酬22百万円です。監査役の報酬は13百万円で、全額が基本報酬となっています。役員の報酬は、株主総会の決議に基づき、業績や貢献度を考慮して決定されます。業績連動報酬は、連結経常利益の予算達成度に基づき、10%から150%の範囲で支給されます。また、譲渡制限付株式報酬制度を導入しており、取締役に対して年額50百万円以内で株式が交付されます。これにより、役員は株主と利益を共有し、企業価値向上に貢献する意欲を高めています。

冨士ダイス株式会社の株式の保有状況は、2024年3月31日現在、発行済株式総数は20,000,000株で、自己株式は133,700株（約0.67%）を保有しています。大株主には新庄美智子氏が1,815千株（9.13%）、冨士ダイス社員持株会が1,699千株（8.55%）、ＫＰ株式会社が1,630千株（8.20%）を保有しています。個人株主は5,951名で、全体の66.92%を占めています。議決権の状況では、自己株式を除く完全議決権株式は19,858,900株で、議決権の総数は198,589個です。株主の構成は多様であり、企業の安定性を示す要因となっています。また、当社は政策保有株式について、保有の意義や合理性を毎年検証し、必要に応じて見直しを行っています。

冨士ダイス株式会社の経理の状況は、2024年3月31日現在の連結財務諸表に基づいています。連結貸借対照表では、総資産が26,138百万円、負債が5,491百万円、純資産が20,647百万円となっています。連結損益計算書では、売上高が14,809百万円、経常利益が859百万円、当期純利益が711百万円です。キャッシュ・フロー計算書によると、営業活動によるキャッシュ・フローは2,050百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは-1,656百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは-651百万円でした。これにより、現金及び現金同等物は6,983百万円となり、前年度末に比べ209百万円減少しました。経理部門は、財務諸表の正確性を確保するため、内部統制の強化や監査法人との連携を重視しています。

冨士ダイス株式会社の連結財務諸表は、2024年3月31日現在の財務状況を示しています。連結貸借対照表では、総資産が26,138百万円、流動資産が15,024百万円、固定資産が11,114百万円となっています。負債は5,491百万円で、流動負債が3,871百万円、固定負債が1,619百万円です。純資産は20,647百万円で、前年同期比で254百万円増加しました。連結損益計算書では、売上高が14,809百万円、経常利益が859百万円、当期純利益が711百万円です。キャッシュ・フロー計算書によると、営業活動によるキャッシュ・フローは2,050百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは-1,656百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは-651百万円でした。これらのデータは、企業の財政状態や経営成績を把握するための重要な指標です。

冨士ダイス株式会社は、耐摩耗工具関連事業のみを行っており、単一セグメントの企業です。そのため、セグメント情報の詳細な記載は省略されています。2024年度の売上高は16,678百万円で、地域別の売上高は日本が13,556百万円、アジアが2,578百万円、その他が543百万円となっています。また、有形固定資産は日本で9,416百万円、アジアで830百万円、合計で10,246百万円です。主要な顧客への売上高が連結損益計算書の10％以上を占める相手先は存在しないため、顧客ごとの情報も記載されていません。これらの情報は、企業の事業構造を理解する上で重要な要素です。

冨士ダイス株式会社の連結財務諸表は、日本の一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用に影響を与える見積り及び仮定が用いられています。重要な会計上の見積りには、以下のものがあります。まず、仕掛品（完成粉末を除く）の評価は、個別法に基づく原価法を採用し、正味売却価額が取得原価を下回る場合には、正味売却価額をもって貸借対照表価額としています。次に、繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断され、収益力に基づく一時差異等の十分性が考慮されます。これらの見積り及び仮定は、将来の経済条件の変動により見直しが必要となる可能性があり、財務諸表に重要な影響を与えることがあります。

冨士ダイス株式会社の金融商品に関する状況は、主に超硬耐摩耗工具の製造販売事業を行うための資金調達と運用に関連しています。必要な資金は主に手元のキャッシュと営業活動によるキャッシュ・フローで賄われており、短期的な預金等を主とし、投機的な取引は行っていません。金融商品の内容としては、営業債権（受取手形、売掛金、電子記録債権）が顧客の信用リスクに晒されており、投資有価証券は主に取引先企業の株式で、市場価格の変動リスクがあります。2024年3月31日現在、時価で計上されている投資有価証券は205百万円で、全てレベル1の時価に分類されています。金融商品に係るリスク管理体制としては、信用リスクや市場リスクの管理が行われており、財務部が資金繰計画を作成・更新し、流動性リスクを管理しています。

冨士ダイス株式会社のリース取引は、主にファイナンス・リース取引に関連しています。所有権移転外ファイナンス・リース取引において、リース資産は主として全社で使用するパソコンや工具、器具及び備品で構成されています。リース資産の減価償却は、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によって行われています。リース債務は、主に設備投資に必要な資金の調達を目的としており、借入金の金利は主として固定金利です。これにより、安定した資金調達が可能となり、経営の安定性を確保しています。リース取引に関する情報は、財務諸表においても適切に開示されており、透明性のある運営が行われています。

冨士ダイス株式会社の有価証券関係について、2024年3月31日現在、投資有価証券は205百万円で、全てが株式で構成されています。これらの株式は、主に取引先企業との業務上の関係を有する企業のものであり、市場価格の変動リスクに晒されています。前年度の投資有価証券は268百万円で、時価評価に基づく減少が見られました。その他の有価証券として、譲渡性預金が1,000百万円計上されており、これらは短期的な流動性確保のために利用されています。また、連結貸借対照表に計上されている非上場株式は12百万円、出資金は5百万円です。これらの有価証券は、企業の資金運用や投資戦略において重要な役割を果たしています。

冨士ダイス株式会社の収益認識に関する方針は、顧客との契約に基づいています。主に超硬耐摩耗工具の製造・販売を行っており、製品の引渡時点で顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断しています。このため、製品の引渡時点で収益を認識します。収益は、顧客との契約において約束された対価から返品、値引き及び割戻し等を控除した金額で測定されます。2024年度の契約負債は期首残高が14百万円、期末残高が13百万円で、主に前受金に関するものです。契約負債の増減は、前受金の受取りと収益認識によって生じています。顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表の注記事項に記載されています。

冨士ダイス株式会社の財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の作成において重要な情報を提供しています。注記事項には、セグメント情報、関連情報、固定資産の減損損失、のれんの償却額、負ののれん発生益、関連当事者情報などが含まれています。特に、セグメント情報では、耐摩耗工具関連事業の売上高や地域別の売上高が示されており、企業の事業構造を理解するための基礎となります。また、関連情報では、取引先企業との関係や取引内容が記載され、透明性のある経営を実現しています。これらの注記事項は、投資家や利害関係者が企業の財務状況を正確に把握するために重要な役割を果たしています。