いすゞ自動車株式会社

いすゞ自動車株式会社は、主に自動車の製造・販売を行う企業で、特にトラックやバスの分野で強みを持っています。2022年度の連結売上高は約2兆円で、営業利益は約1,000億円に達しました。企業の成長を支えるため、持続可能な開発目標（SDGs）に基づいた環境対策や、デジタル技術の導入を進めています。また、グローバル市場への展開を強化し、特にアジア地域でのシェア拡大を目指しています。企業のコーポレート・ガバナンス体制も整備されており、取締役会や監査等委員会を設置し、透明性のある経営を実現しています。今後も、顧客のニーズに応える製品開発と、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを続けていく方針です。

いすゞ自動車株式会社の主要な経営指標は、2024年3月期において以下の通りです。売上高は33,867億円、営業利益は2,931億円、経常利益は3,130億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,764億円となり、全ての指標で前年を上回る結果となりました。特に営業利益は前年度比15.6％増加しました。また、自己資本比率は58.3％、ROE（自己資本利益率）は12.7％で、資本効率の向上が見られます。配当性向は40.0％で、株主還元にも力を入れています。これらの指標は、持続可能な成長を目指す中期経営計画の成果を反映しています。

いすゞ自動車株式会社は、自動車及び部品、産業用エンジンの製造・販売を主な事業内容としています。グループは124社の子会社と41社の関連会社で構成されており、大型トラックやバス、小型トラックを中心に商用車（CV）や軽商用車（LCV）の製造・販売を行っています。生産は国内外で行われ、特に日本、アジア、米国の3極体制でエンジンを生産しています。国内では、中央官庁や大口需要者に対して直接販売を行い、その他の需要者には販売会社を通じて販売しています。海外市場では、グループ企業の販売網やゼネラルモーターズのネットワークを活用して販売を展開しています。また、物流サービスなど関連事業も展開し、顧客のニーズに応えています。

いすゞ自動車株式会社の2024年3月期の財務情報は以下の通りです。売上高は1,138,033百万円、営業利益は131,604百万円、当期純利益は151,743百万円です。資産合計は3,263,001百万円、負債合計は675,736百万円、純資産合計は1,510,232百万円となっています。流動資産は536,324百万円、固定資産は1,085,219百万円です。特に、現金及び預金は400,786百万円、売掛金は217,323百万円、在庫は43,760百万円です。負債の部では、流動負債が469,736百万円、固定負債が205,999百万円です。これらの指標は、企業の健全な財務基盤を示しており、今後の成長に向けた基盤を築いています。

いすゞ自動車株式会社は、企業価値の持続的な向上を目指し、事業継続と将来成長に必要な投資を優先的に実行しています。2030年度には売上高6兆円、営業利益率10％以上を目指す中期経営計画「ISUZU Transformation - Growth to 2030」を策定しました。前中期経営計画では、売上高3兆3,867億円、営業利益率8.7％、ROE12.7％を達成し、設備投資及びR&Dに6,369億円を投資しました。株主還元としては、配当累計1,829億円、自己株式取得500億円を実施し、財務健全性を維持しています。今後も、成長投資と株主還元を両立させ、持続的成長を実現する方針です。

いすゞ自動車株式会社は、リスク管理体制を強化するために「グループCRMオフィサー」を設置し、リスクの特定・評価を行っています。リスク管理は、3線防御体制に基づき、各部門長がリスクオーナーとして業務を執行し、リスクマネジメント部が全体の管理を行います。定期的に「リスク管理確認会議」を開催し、リスクの進捗状況を把握し、必要に応じて経営会議や取締役会に報告します。また、重大なインシデントが発生した場合には、迅速に対応チームを組成し、影響を最小化するための対策を講じます。気候変動や人材確保などのリスクも重点的に管理し、持続可能な経営を目指しています。

いすゞ自動車株式会社の2024年3月期の経営成績は、売上高33,867億円、営業利益2,931億円、経常利益3,130億円、親会社株主に帰属する当期純利益1,764億円となり、全ての項目で前年を上回る過去最高を記録しました。特に営業利益は前年度比15.6％増加しました。国内市場では、部品不足の改善により販売台数が増加し、海外市場では円安の影響や価格改定が寄与しました。ROEは12.7％で、中期目標の12.5％を上回りました。配当性向は40.0％で、年間92円の配当を実施し、株主還元にも注力しています。これらの成果は、価格対応や原価低減活動の効果を反映しています。

いすゞ自動車株式会社の2024年3月期末の財政状態は、総資産が前年度比2,162億円増加し、3兆2,630億円となりました。負債は674億円増加し、1兆6,040億円に達しました。一方、純資産は1,488億円増加し、1兆6,590億円となっています。流動負債は968,832百万円、固定負債は567,712百万円で、流動資産は1兆1,000億円を超えています。これにより、企業の財務基盤は強化され、安定した経営が維持されています。特に、自己資本比率は高く、健全な財政状態を示しています。今後も持続可能な成長を目指し、資金調達や運用の効率化を図る方針です。

いすゞ自動車株式会社の2024年3月期におけるキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが2,986億円で、前年同期比31.5％増加しました。投資活動では1,551億円を使用し、財務活動では1,450億円を使用しました。これにより、現金及び現金同等物は前年度末比205億円増加し、3,849億円となりました。フリーキャッシュ・フローは1,435億円の資金流入を記録しました。営業活動による資金獲得は、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上により実現しましたが、仕入債務の減少や法人税の支払いが資金流出要因となりました。投資活動では固定資産の取得が主な支出要因であり、財務活動では借入金の増加が見られました。

いすゞ自動車株式会社は、サステナビリティを経営の重要な柱と位置づけ、2023年に策定した「ISUZU ID」に基づき、顧客満足度、地球への配慮、働きがい、社会への影響力の4つの分野でのNo.1を目指しています。気候変動への対応を最重要課題とし、2050年までに温室効果ガスの排出ゼロを目指す「いすゞ環境長期ビジョン2050」を策定しました。また、サステナビリティ委員会を設置し、定期的に気候変動リスクや人権・多様性への対応を審議しています。具体的な取組としては、カーボンニュートラルソリューションの提供や、人的資本経営の進化を進め、従業員の成長を促す新しい人事制度を2024年4月から導入予定です。これにより、持続可能な成長を実現することを目指しています。

いすゞ自動車株式会社は、経営及び事業を取り巻く環境の変化に対応するため、リスク管理体制を強化しています。「グループCRMオフィサー」を設置し、リスクマネジメント部を通じて各部門のリスクを分析し、経営に影響を及ぼす「グループ重点リスク」を特定しています。これに基づき、リスク低減のための予防的取組を策定・実行し、進捗状況を定期的に経営会議や取締役会に報告します。また、インシデント発生時には迅速な対応を行い、危機管理を徹底しています。自然災害や人為的災害、サプライチェーンの混乱、地政学リスクなど多様なリスクが存在し、これらが顕在化した場合、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

いすゞ自動車株式会社の2024年3月期における経営成績は、売上高33,867億円、営業利益2,931億円、経常利益3,130億円、親会社株主に帰属する当期純利益1,764億円と、全ての項目で過去最高を記録しました。特に、国内市場では部品不足の改善により販売台数が増加し、海外市場では円安の影響が寄与しました。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが2,986億円、投資活動によるキャッシュ・フローが1,551億円、財務活動によるキャッシュ・フローが1,450億円で、現金及び現金同等物は3,849億円に増加しました。これにより、企業の財務基盤は強化され、持続可能な成長に向けた基盤が整いました。

いすゞ自動車株式会社は、資本の財源として主に営業活動から得られるキャッシュ・フローを活用しています。2024年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは2,986億円で、前年同期比31.5％増加しました。資金需要は、製品製造のための材料・部品の購入費、製造費用、運転資金及び設備投資資金が主な要素です。資金調達については、運転資金は短期借入金で調達し、設備投資資金は自己資金を基本としています。また、主要銀行とのコミットメントライン契約を締結しており、流動性の確保に努めています。2024年3月期末の現金及び現金同等物は3,849億円で、流動性は良好な状態を維持しています。

いすゞ自動車株式会社の経営成績に重要な影響を与える要因として、主に以下の点が挙げられます。まず、海外市場におけるインフレーションや金利上昇が車両販売台数に影響を及ぼし、これが売上高に反映されます。2024年3月期の売上高は33,867億円で、前年同期比6.0％増加しましたが、これは円安の進行や価格改定、国内での部品不足の改善によるものです。また、営業利益は2,931億円で、前年度比15.6％増加しましたが、資材費の変動が減益要因となりました。さらに、為替変動や原材料価格の高騰、競争環境の激化も業績に影響を与える要因です。これらの要因を総合的に管理し、持続的な成長を目指すことが求められています。

いすゞ自動車株式会社の経営者は、急速に変化する事業環境において、社会課題の解決が企業の存在意義であると認識しています。この認識のもと、2023年5月に新たな経営理念「ISUZU ID」を策定しました。この理念は、地球の「運ぶ」を創造し、カーボンニュートラルへの対応や進化する物流への貢献を目指しています。また、将来像として「安心×斬新」を掲げ、イノベーションリーダーを目指す方針です。具体的には、2024年4月から新しい人事制度を導入し、従業員の専門性強化と挑戦を後押しする体制を整備します。これにより、従業員の成長を促進し、企業全体の競争力を高めることを目指しています。

いすゞ自動車株式会社は、経営上の重要な契約として以下のものがあります。2004年8月に日野自動車株式会社との間で締結した株主間協定書では、両社の共同出資により設立したジェイ・バス株式会社とその100％子会社であるいすゞバス製造株式会社、日野車体工業株式会社の3社が合併し、バスの開発及び生産に関する事業を統合することが合意されました。2014年10月には三菱商事株式会社との基本覚書を締結し、タイにおける協業の最適化を目指しました。さらに、2020年10月にはスウェーデンのAB Volvo社との協業基本契約を結び、協業分野及び意思決定の枠組みについて合意しました。これらの契約は、いすゞの事業戦略において重要な役割を果たしています。

いすゞ自動車株式会社は、社会的使命として脱炭素社会や新たな物流社会の実現に貢献するため、研究開発活動を推進しています。「中期経営計画2024」に基づき、カーボンニュートラル戦略や進化する物流への貢献を目指し、2030年までに総額1兆円規模の研究開発・設備投資を行う計画です。2024年度には小型トラック「エルフ」の新モデルを投入し、ドライバー不足に対応した設計を採用しました。また、中型トラック「フォワード」のフルモデルチェンジを実施し、安全装備を強化しました。自動運転技術の開発も進めており、2024年には路線バス向けの自動運転システムの開発を開始する予定です。研究開発費は2024年度に1,239億円を計上し、持続可能な成長を目指しています。

いすゞ自動車株式会社の2024年度の設備投資は、総額1,286億円を計上しました。主な投資先は、日本、米国、アセアン地域におけるサプライチェーンの強化や販売機能の向上、サービスインフラ網の整備です。主要な設備としては、栃木工場（エンジン・部品製造）、藤沢工場（トラック総組立・部品製造）、北海道苫小牧市のエンジン製造設備、勇払郡むかわ町の総合試験設備などがあります。これらの設備は、製造能力の向上や品質管理の強化に寄与しています。今後の計画として、栃木工場におけるエンジン機械加工・組立設備の新設や、藤沢工場でのトラック・エンジン生産設備の改修が予定されています。これにより、持続可能な生産体制を確立し、競争力を高めることを目指しています。

いすゞ自動車株式会社の2024年3月31日現在の株式の状況は、発行済株式総数が777,442,069株で、自己株式は2,264,274株となっています。自己株式の取得は、2023年11月10日の取締役会決議に基づき、2024年4月26日に26,568,600株の自己株式を消却する予定です。大株主の状況では、日本マスタートラスト信託銀行が13.54％、三菱商事株式会社が8.47％、伊藤忠自動車投資合同会社が7.05％の株式を保有しています。株主資本は1,163,027百万円で、資本金は40,644百万円、利益剰余金は1,132,211百万円です。配当金は2024年度において、1株当たり92円を予定しており、株主還元にも注力しています。

いすゞ自動車株式会社の配当政策は、株主への利益配分を実施するため、成長投資資金の確保と財務健全性の維持を目的としています。内部留保の充実と株主価値重視とのバランスを考慮し、毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことが定款に定められています。2024年度の配当金は、中間配当が1株あたり43円、期末配当が49円で、合計92円を予定しています。配当の決定機関は、期末配当が株主総会、中間配当が取締役会です。また、内部留保資金は今後の成長に向けた投資資金や株主還元に充当される予定です。

いすゞ自動車株式会社は、コーポレート・ガバナンスの重要性を認識し、企業価値の向上を目指して体制を整備しています。監査等委員会設置会社として、取締役会と監査等委員会を設置し、業務執行の監督と監査を行っています。取締役会は原則毎月定例会議を開催し、重要な意思決定を行います。また、経営会議や各種諮問機関を通じて、経営方針や施策の審議を行っています。重要な監査項目には、ESGに関する整備状況やリスク管理体制の運用状況が含まれ、常勤監査等委員は業務執行状況の聴取や重要書類の閲覧を通じて監査を実施しています。これにより、透明性のある経営を実現し、ステークホルダーとの信頼関係を構築しています。

いすゞ自動車株式会社の役員は、男性12名、女性2名で構成されており、女性の比率は14.3％です。代表取締役会長兼CEOの片山正則氏は、1978年に入社し、2007年から取締役を務めています。取締役社長COOの南真介氏は、1983年に入社し、2023年から社長に就任しました。常勤監査等委員には、社外取締役の進藤哲彦氏、宮崎健司氏、渡邉正夫氏、藤森正之氏が含まれ、監査等委員会は定期的に開催されています。監査等委員会の委員長は穴山眞氏で、社外取締役が多数を占めており、独立性が確保されています。役員の任期は、取締役は1年、監査等委員は2年で、役員報酬や指名に関する事項は指名・報酬委員会で審議されています。

いすゞ自動車株式会社の監査の状況は、監査等委員会、監査部、会計監査人が連携し、年間計画や監査結果報告を通じて相互の情報交換を行っています。監査等委員会は5名の取締役で構成され、そのうち3名は社外取締役です。常勤監査等委員の穴山眞氏は金融・企業財務の専門性を持ち、他の常勤監査等委員も豊富な経験を有しています。監査等委員会では、監査の方針や計画の決定、監査実施状況の報告、会計監査人の評価を行い、重要監査項目としてESGや品質管理、リスク管理体制の整備状況などを検討しています。また、内部監査部門は国内外の監査を行い、監査の充実を図っています。

いすゞ自動車株式会社の役員報酬は、取締役（監査等委員を除く）に対して年額1,100百万円以内、監査等委員に対して年額200百万円以内と定められています。2024年度の報酬は、基本報酬、賞与、業績連動型株式報酬を含み、取締役の報酬は基本報酬364百万円、賞与179百万円、業績連動型株式報酬222百万円となっています。社外取締役は年額110百万円以内で、賞与は支給対象外です。業績連動型株式報酬は、連結売上高や営業利益、ROEなどの業績指標に基づき、原則3事業年度ごとに3,500百万円を上限に設定されています。役員退職慰労金制度は2005年に廃止され、在任期間に応じた退職慰労金が支給されることが決議されています。

いすゞ自動車株式会社の2024年3月31日現在の株式の保有状況は、発行済株式総数が777,442,069株で、自己株式は26,606,851株です。大株主には、日本マスタートラスト信託銀行が13.54％、三菱商事が8.47％、伊藤忠自動車投資合同会社が7.05％の株式を保有しています。個人株主は約100,960名で、全体の約12.92％を占めています。金融機関や法人株主も多く、特に金融機関は全体の約29.53％を占めています。自己株式の消却が予定されており、2024年4月26日に26,568,600株の自己株式を消却する計画です。これにより、発行済株式総数は750,873,469株に減少する見込みです。

いすゞ自動車株式会社の経理の状況は、2024年度の連結財務諸表に基づいています。総資産は前年度比2,162億円増加し、3兆2,630億円となりました。主な要因は、投資有価証券が647億円、棚卸資産が583億円、有形固定資産が400億円増加したことです。負債は674億円増加し、1兆6,040億円に達しました。特に、有利子負債が437億円、未払費用が248億円増加しました。純資産は1兆6,590億円で、親会社株主に帰属する当期純利益1,764億円が計上され、剰余金の配当669億円及び自己株式の取得500億円が影響しました。経理部門は、財務諸表の正確性を確保するため、監査法人による監査を受けており、適正な財務報告が行われています。

いすゞ自動車株式会社の連結財務諸表は、2024年3月31日現在の財政状態を示しています。総資産は3兆2,630億円で、前年度比2,162億円の増加が見られました。負債は1兆6,040億円で674億円増加し、純資産は1兆6,590億円で1,488億円の増加となっています。連結損益計算書では、売上高が33,867億円、営業利益が2,931億円、経常利益が3,130億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,764億円で、全て前年を上回る結果となりました。キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが2,986億円、投資活動によるキャッシュ・フローが1,551億円、財務活動によるキャッシュ・フローが1,450億円で、現金及び現金同等物は3,849億円に増加しました。これらのデータは、いすゞ自動車の健全な財務状況を示しています。

いすゞ自動車株式会社は、自動車及び部品並びに産業用エンジンの製造・販売を主な事業とする単一セグメントであるため、詳細なセグメント情報の記載は省略されています。2024年度の外部顧客への売上高は、合計3,386,676百万円であり、内訳は大型・中型商用車（806,137百万円）、小型商用車（728,630百万円）、軽商用車（995,310百万円）、エンジン（114,561百万円）、その他（742,038百万円）となっています。地域別の売上高は、日本が1,108,903百万円、タイが472,361百万円、その他が1,805,412百万円です。また、有形固定資産は日本が795,302百万円、タイが98,746百万円、その他が81,644百万円となっています。

いすゞ自動車株式会社の連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。経営陣は、資産、負債、収益及び費用に影響を与える判断や見積りを行いますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、当初の見積りとは異なる場合があります。特に、貸倒引当金やリコール等に関連する債務の見積りが重要です。リコール等に関連する債務は、見積り対象台数と台当たり市場措置額を基に算出され、これには主務官庁への届出等に基づく台数や無償補修作業の実施率が考慮されます。また、有形固定資産の減損に関しては、使用価値の見積りに将来の販売見通しや割引率が重要な仮定として用いられています。これらの見積りは経営者の判断を必要とし、実際の結果が見積りから乖離する可能性があります。

いすゞ自動車株式会社の金融商品に関する状況は、2024年3月31日現在の連結貸借対照表に基づいています。時価で計上されている金融商品には、投資有価証券が194,274百万円、デリバティブ取引が負債として1,156百万円が含まれています。金融商品の時価は、観察可能な市場価格に基づくレベル1、レベル2のインプットを用いて算定され、観察できないインプットを用いるレベル3も存在します。2024年度の投資有価証券は、レベル1が193,267百万円、レベル3が1,007百万円です。また、リース債権及びリース投資資産は222,270百万円で、主に顧客の信用リスクに晒されています。資金調達は主に銀行からの借入及び社債の発行を行い、デリバティブ取引を用いて市場価格の変動リスクを回避しています。

いすゞ自動車株式会社のリース取引に関する状況は、2024年度の連結財務諸表に基づいています。ファイナンス・リース取引では、主に自動車事業における工具器具備品及び機械装置がリース資産として計上されています。リース資産の減価償却は、リース期間を耐用年数とした定額法で行われています。2024年度のリース資産は1,563百万円、リース債務は13,473百万円となっています。また、オペレーティング・リース取引においては、解約不能のものに係る未経過リース料が62,261百万円で、1年以内が21,094百万円、1年超が41,167百万円です。これらのリース取引は、IFRS第16号及び米国会計基準ASU第2016-2に基づき、連結貸借対照表に資産及び負債を計上しています。

いすゞ自動車株式会社の有価証券に関する状況は、2024年3月31日現在の連結財務諸表に基づいています。投資有価証券は194,274百万円で、内訳はレベル1が193,267百万円、レベル3が1,007百万円です。前年度の投資有価証券は137,800百万円で、レベル1が136,906百万円、レベル3が894百万円でした。売却した有価証券の合計は5,650百万円で、売却益は2,564百万円、売却損は22百万円です。また、減損処理を行った有価証券は前年度に152百万円の減損処理があり、当年度は行っていません。これらの有価証券は、主に上場株式及び非上場株式で構成されており、時価の算定には市場価格や純資産価値が用いられています。

いすゞ自動車株式会社の収益認識に関する方針は、顧客との契約から生じる収益を明確に区分して表示することにあります。2024年度より、収益の分解情報を「大型・中型CV」「小型CV」「LCV」「産業用エンジン」「その他」の区分に変更しました。前年度の収益は、国内で大型・中型車が332,066百万円、小型車が116,163百万円、海外では401,702百万円の大型・中型車、526,744百万円の小型車が計上され、合計で3,195,537百万円の収益を認識しました。国内向けの販売は、顧客が製品に対する支配を獲得した時点で収益を認識し、海外向けは製品を船積みした時点で収益を認識します。このように、収益認識の基準を明確にし、透明性のある財務報告を行っています。

いすゞ自動車株式会社の財務諸表に関する注記事項は、2024年度の連結財務諸表に基づいています。注記事項には、重要な会計方針、見積りに用いた仮定、収益認識、リース取引、金融商品、有価証券、及び市場措置に関連する債務などが含まれています。特に、収益認識に関しては、顧客との契約から生じる収益を明確に区分し、売上高の計上基準を定めています。また、リース取引においては、ファイナンス・リース及びオペレーティング・リースの区分が明確にされ、リース資産及びリース債務が適切に計上されています。さらに、金融商品に関する注記では、投資有価証券の時価評価や減損処理の基準が示されています。これらの注記事項は、財務諸表の透明性を高め、ステークホルダーに対する情報提供を充実させる役割を果たしています。