山一金属株式会社

山一金属株式会社は、アルミ缶とアルミラミネート箔のリサイクル事業を主な業務としています。特に、使用済みアルミ缶のリサイクルにおいては、年間約30億本を処理し、30年以上の実績を持っています。リサイクルプロセスでは、アルミ缶を破砕し、鉄や銅などの不純物を取り除いた後、ペレット化する独自の乾燥精錬法を用いています。この方法は、直接アルミを溶解する方法に比べて高い歩留まりを実現しています。また、アルミラミネート箔のリサイクルにおいても、環境に配慮した技術を導入し、ダイオキシンなどの有害物質を適切に処理しています。これまでに、約5万トン以上のアルミを再生しており、環境保全活動にも積極的に取り組んでいます。

山一金属株式会社の経営理念は「資源を有効活用し、環境と調和する」ことです。企業は生き物であり、環境問題は切り離せない重要な課題と考えています。地球や自然を守り、有限な金属資源を浪費しないよう努めることが使命です。また、社会や地域に貢献し、共存を目指す姿勢を大切にしています。21世紀の循環型社会を実現するためには、一企業の努力だけでは不十分であり、自治体や企業と連携して環境計画を立案し、システムづくりに取り組んでいます。さらに、日本の工業発展に寄与し、次世代に技術革新をつなげることも目指しています。これらの理念を基に、持続可能な開発に向けた取り組みを続けています。

山一金属株式会社は、昭和28年に静岡県三島市で非鉄問屋業を個人創業しました。昭和36年には法人化し、昭和43年に株式会社に組織変更しました。昭和57年には静岡県駿東郡長泉町に移転し、昭和60年からは使用済みアルミ缶やアルミラミネート箔のリサイクルを開始しました。平成8年には通商産業省から「廃棄物用途開発・拡大等実施事業」の実施事業者に選定され、アルミ箔からの再資源化技術研究に取り組みました。平成18年には生産設備を増強し、アルミペレットの製造数量を月3000トンに達成しました。さらに、平成27年には製造数量を4000トンに増加させ、ISO14001認証も取得しました。2021年には設立60周年を迎え、新たなシンボルマークを刷新し、地域と地球環境への貢献を強化する決意を表明しました。

山一金属株式会社は、主にアルミ缶とアルミラミネート箔のリサイクルを行っています。特に「溶かさないインゴットを作ろう」という理念のもと、使用済みアルミ缶のリサイクルフローから溶解工程を省き、低コストで高品質な製品「山一タブレット」を開発しました。使用済みアルミ缶の表面塗装を焙焼し、ラミネートアルミ箔の樹脂分を助燃剤として活用することで、重油の使用量を削減し、エネルギー効率の良い「CAN TO CAN リサイクル」を実現しています。具体的には、3004系と5000系の再生塊（RSI）やタブレットを製造しており、3004系ペレットの1次歩留まりは98%以上です。これにより、国内大手圧延メーカーを中心に、アルミ缶の胴体材や蓋材の原料として広く利用されています。

山一金属株式会社は、静岡県駿東郡長泉町に本社を構えています。設立以来、アルミ缶とアルミラミネート箔のリサイクル事業を中心に展開しており、全国の問屋や行政から使用済みアルミ缶を毎月購入しています。また、グループ会社として、UACJとの合弁会社を設立し、福井県坂井市に新たなUBC処理工場を建設中です。この工場は2025年4月の稼働開始を目指しており、使用済みアルミ缶の水平リサイクルを促進することを目的としています。山一金属は、持続可能な開発に向けた取り組みを強化し、地域社会や環境への貢献を目指しています。