日本ダイニーマ株式会社

東洋紡は、主にフィルム、ライフサイエンス、環境・機能材、機能繊維の4つの事業分野で展開しています。フィルム事業では、液晶偏光子用やディスプレー用の工業用フィルム、食品包装を中心とした多機能包装用フィルムを提供し、国内でトップクラスのシェアを誇ります。ライフサイエンス事業では、臨床検査用の原料酵素や診断試薬、透析膜などの医療関連製品を展開しています。また、環境・機能材事業では、リチウムイオンバッテリーの性能向上に寄与する製品を開発し、機能繊維事業では、衣料品のアップサイクルやエアバッグ用基布の技術開発に取り組んでいます。これらの事業を通じて、社会課題の解決に貢献しています。

東洋紡グループは、「素材＋サイエンスで人と地球に求められるソリューションを創造し続けるグループ」を目指しています。この理念のもと、持続可能な社会の実現に貢献し、高い倫理観と社会的良識を持って行動することを重視しています。具体的には、安全で豊かな未来を創造する製品やサービスを提供し、持続可能な経済成長と社会的課題の解決に寄与します。また、企業行動憲章に基づき、正しい競争や責任ある調達を行い、社会との健全な関係を保つことを目指しています。さらに、サステナブル・ビジョン2030を策定し、企業理念を基にしたアクションプランを示し、経営戦略とサステナビリティを統合することに注力しています。

東洋紡の歴史は1882年に遡ります。当初は大阪紡績会社として設立され、1883年に綿紡績の操業を開始しました。1914年には大阪紡績株式会社と三重紡績株式会社が合併し、東洋紡績株式会社が誕生しました。1934年には敦賀工場が操業を開始し、1940年には犬山工場が稼働を始めました。1966年には呉羽紡績株式会社と合併し、ナイロン事業に進出しました。1970年代にはプラスチック事業やバイオ事業にも本格的に進出し、1980年代には医薬品事業や高強力ポリエチレン繊維の生産を開始しました。2012年には社名を東洋紡株式会社に変更し、近年ではサステナビリティに向けた取り組みを強化しています。2023年には東京証券取引所のプライム市場に移行しました。

東洋紡は多岐にわたる商品とサービスを提供しています。主な製品には、エアバッグ用基布や機能繊維、衣料用繊維、ファインケミカル製品が含まれます。特にエアバッグ用基布は、タイ、中国、米国の3極体制で生産され、グローバルに展開されています。また、スポーツやインナー、ユニフォーム用の繊維も手掛けており、これらは東南アジア、中国、インドなどで生産されています。さらに、環境に配慮した製品として、コンクリート用養生マットや接着・コーティング剤も提供しています。これらの製品は、品質と安全性を重視し、顧客のニーズに応えるために開発されています。

東洋紡は、日本国内外に多くの事業所とグループ会社を持っています。主な事業所には、敦賀事業所（敦賀繊維、つるがフイルム、敦賀機能材などの工場）、岩国事業所（岩国繊維、岩国ポリマーなどの工場）、富山事業所（入善、井波、庄川の紡織加工工場）があります。また、グループ会社には、東洋紡エンジニアリング株式会社、東洋紡せんい株式会社、東洋紡テクノサービス株式会社などがあり、それぞれが異なる分野で事業を展開しています。これにより、東洋紡は多様な製品とサービスを提供し、グローバルな市場での競争力を高めています。