ヤスハラケミカル株式会社

ヤスハラケミカル株式会社は、主にテルペン化学製品、ホットメルト接着剤、ラミネート品を製造・販売しています。2023年3月期の売上高は11,883百万円で、2024年3月期には13,192百万円に増加する見込みです。経常利益は625百万円から1,173百万円に成長し、当期純損益は669百万円から583百万円に減少しました。総資産は28,666百万円から27,223百万円に減少し、自己資本比率は73.09%です。従業員数は232人で、平均年間給与は6,784,142円です。配当は1株当たり12円で、配当性向は19.51%です。企業の基本理念は「自然の恵みと科学技術を融合させる独創企業」とし、環境に優しい製品の提供を目指しています。

ヤスハラケミカル株式会社の主要な経営指標は以下の通りです。2023年3月期の売上高は13,192百万円で、前年同期比11.0%増加しました。経常利益は1,173百万円で87.6%の増加、営業利益は681百万円で227.7%増加しました。一方、当期純利益は583百万円で12.9%減少しました。自己資本比率は73.09%で、安定した財務基盤を維持しています。資本金は1,789百万円、発行済株式総数は10,839千株です。1株当たりの純資産額は2,157.15円、配当は1株当たり12円で配当性向は19.51%です。これらの指標は、企業の成長性や安定性を示す重要な要素となっています。

ヤスハラケミカル株式会社は、テルペン化学製品、ホットメルト接着剤、ラミネート品の製造・販売を行っています。具体的には、テルペン樹脂やテルペンフェノール樹脂などの接着用樹脂、オレンジ油やテレピン油などの化成品を提供しています。また、食品用のホットメルト型接着剤や光沢化工紙用のラミネートフィルムも製造しています。これらの製品は、自動車や電子材料、環境関連分野など多岐にわたる用途に使用されており、特にテルペン化学製品は前年同期比で11.5%の増加を記録しました。企業は高付加価値市場への展開やグローバル化を進め、環境に配慮した製品開発にも注力しています。

ヤスハラケミカル株式会社は、1959年2月に安原油脂工業株式会社として設立されました。設立当初の資本金は300万円で、本社は広島県府中市に置かれました。1960年には鹿児島県に川内工場を新設し、1961年には福山工場を開設しました。1989年には社名をヤスハラケミカル株式会社に変更し、1995年には広島証券取引所に上場しました。2000年には東京証券取引所市場第二部に上場し、2022年にはスタンダード市場に移行しました。近年では、福山工場の拡張や新規設備の導入を進め、研究開発にも注力しています。これらの沿革は、企業の成長と変革を示す重要な歴史的背景となっています。

ヤスハラケミカル株式会社の財務情報は以下の通りです。2023年3月期の売上高は11,883百万円から13,192百万円に増加し、営業利益は207百万円から681百万円に成長しました。経常利益は1,047百万円から1,567百万円に増加し、当期純利益は583百万円です。総資産は28,666百万円から27,223百万円に減少し、自己資本比率は73.09%です。負債合計は9,116百万円から7,326百万円に減少しました。キャッシュフローにおいては、営業活動によるキャッシュフローは767百万円、投資活動によるキャッシュフローは76百万円、財務活動によるキャッシュフローは△2,197百万円となっています。これらの指標は、企業の財務健全性や成長性を示す重要な要素です。

ヤスハラケミカル株式会社は、「自然の恵みと科学技術を融合させる独創企業」として、産業と生活の向上を目指しています。基本理念のもと、テルペン化学の技術を活かし、高品質で高付加価値の製品を安定的に供給することで、社会の発展に貢献することを目指しています。近年の厳しい経営環境においては、輸入品との競争や環境問題への対応が求められています。特に、再生可能なテルペンを原料とした製品は、環境に優しく、企業の重要な戦略アイテムと位置付けられています。今後は、環境・エネルギー関連分野やライフサイエンス分野への展開を進め、グローバル化や高付加価値市場への進出を図る方針です。また、内部統制や品質管理の強化にも取り組み、持続可能な成長を目指しています。

ヤスハラケミカル株式会社は、リスク管理体制を整備し、様々なリスクに対処しています。主なリスクには、原材料調達の難化、為替相場の変動、信用リスク、流動性リスクなどがあります。特に、テルペン類の全量を輸入に依存しており、国際市況や為替の変動が財務状態に影響を与える可能性があります。信用リスクについては、営業部が主要取引先の状況を定期的にモニタリングし、回収懸念を早期に把握しています。また、流動性リスクは、経理部が資金繰計画を作成・更新することで管理されています。さらに、自然災害や事故に対する危機管理規程を定め、不測の事態に備えた体制を構築しています。これにより、企業の持続可能な成長を支えるリスク管理を実施しています。

ヤスハラケミカル株式会社の2023年3月期の経営成績は、売上高が前年度比1,309百万円増の13,192百万円（前年同期比11.0%増）となりました。これは、自動車用品用途の改質・粘着・接着用樹脂や電子材料分野の化成品が好調だったためです。営業利益は681百万円で、前年同期比473百万円増（同227.7%増）となり、テルペン化学製品の売上数量増加が寄与しました。経常利益は1,173百万円で、前年同期比547百万円増（同87.6%増）となり、為替差益が主な要因です。しかし、当期純利益は583百万円で、前年同期比86百万円減（同12.9%減）となり、ホットメルト事業の減損損失が影響しました。全体として、経営成績は堅調に推移しましたが、外部環境の影響も受けています。

ヤスハラケミカル株式会社の財政状態は、2023年3月期末において、総資産が27,223百万円で前年度比1,443百万円減少しました。これは、建設仮勘定や仕掛品、売掛金が増加した一方で、現金及び預金、機械及び装置、原材料及び貯蔵品、製品、投資有価証券が減少したためです。負債は7,326百万円で、前年度比1,790百万円減少しました。主な要因は、未払金や未払法人税等の増加に対し、長期借入金や役員退職慰労引当金の減少です。純資産は19,897百万円で、前年度比346百万円増加しました。これは、自己株式の取得による減少と利益剰余金の増加によるものです。全体として、企業は安定した財政基盤を維持しています。

ヤスハラケミカル株式会社の2023年3月期におけるキャッシュ・フローの状況は、営業活動及び投資活動による資金の増加があった一方で、財務活動による資金の使用があったため、現金及び現金同等物は前年度末に比べ1,111百万円減少し、期末残高は5,265百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは767百万円の獲得で、前年同期は908百万円の使用でした。これは、税引前当期純利益の計上や減価償却費の増加が寄与しました。投資活動によるキャッシュ・フローは76百万円の獲得で、前年同期は328百万円の使用でした。財務活動によるキャッシュ・フローは2,197百万円の使用で、主に長期借入金の返済や自己株式の取得によるものでした。これにより、企業は安定した資金運用を維持しています。

ヤスハラケミカル株式会社は、テルペン化学の技術を活かし、自然界の無限の可能性を引き出すことで、社会の発展や便利で心豊かな暮らしを持続することがサステナビリティに繋がると考えています。具体的には、環境に優しい天然素材を使用した製品の開発・提供を行い、資源調達から製造、流通、販売に至るまで環境への配慮を徹底しています。ISO9001およびISO14001の認証を取得し、環境・品質管理の強化に努めています。また、高付加価値市場への展開やグローバル化を進め、持続可能な成長を目指しています。さらに、女性管理職比率20%の達成を目指し、人材育成にも力を入れています。これらの取り組みを通じて、企業の社会的責任を果たし、持続可能な社会の実現に貢献しています。

ヤスハラケミカル株式会社は、事業運営におけるリスクを以下のように認識し、管理体制を整えています。主なリスクには、原材料の調達難、為替相場の変動、重大な事故や災害、製品の品質問題、訴訟リスクなどがあります。特に、テルペン類は全量を輸入に依存しており、国際市況や為替の変動が財務状態に影響を与える可能性があります。また、製品の安定供給責任を果たすため、相当量のテルペン類を備蓄することが重要です。さらに、製造物責任賠償保険を利用し、品質維持に努めていますが、予期せぬ欠陥が発生した場合には、全ての損失を補填できないリスクも存在します。これらのリスクに対して、危機管理規程を定め、適切な対応を行う体制を構築しています。

ヤスハラケミカル株式会社の2023年3月期における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況は、経済活動の正常化が進む中で、依然として厳しい環境に直面しています。売上高は13,192百万円で前年同期比11.0%増加しましたが、ホットメルト事業の減損損失が影響し、当期純利益は583百万円に減少しました。総資産は27,223百万円で、負債は7,326百万円、純資産は19,897百万円となり、自己資本比率は73.09%を維持しています。キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが767百万円の獲得、投資活動によるキャッシュ・フローが76百万円の獲得、財務活動によるキャッシュ・フローは2,197百万円の使用となり、現金及び現金同等物は5,265百万円に減少しました。これらの結果を踏まえ、企業は市場ニーズの変化に対応し、収益性の向上を図る必要があります。

ヤスハラケミカル株式会社は、事業運営に必要な資金の流動性向上と資金源の安定的確保を基本方針としています。運転資金の主な需要は、原材料の購入費用、製造費用、販売費及び一般管理費などの営業費用です。短期運転資金は自己資金と金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達には固定金利の長期借入を利用しています。2023年3月期末の有利子負債残高は4,866百万円で、現金及び現金同等物の残高は5,265百万円です。これにより、企業は流動性リスクを管理し、安定した資金運用を維持しています。また、ROA（総資産利益率）の向上を目指し、長期的な目標値を4%に設定していますが、当期のROAは2.1%で前年同期比0.4ポイント減少しました。引き続き、資金の流動性と効率的な運用を図る方針です。

ヤスハラケミカル株式会社の経営成績に重要な影響を与える要因として、主に以下の点が挙げられます。まず、売上高は前年同期比11.0%増の13,192百万円となり、自動車用品用途の改質・粘着・接着用樹脂や電子材料分野の化成品の好調が寄与しました。営業利益は681百万円で227.7%増加し、テルペン化学製品の売上数量増加が主な要因です。しかし、当期純利益は583百万円で12.9%減少し、ホットメルト事業における減損損失が影響しました。また、為替相場の変動や原材料価格の高騰も経営成績に影響を与える要因です。特に、テルペン類の全量を輸入に依存しているため、国際市況や為替の変動が財務状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。これらの要因を踏まえ、企業は市場ニーズの変化に柔軟に対応し、収益性の向上を図る必要があります。

ヤスハラケミカル株式会社の経営者は、ウクライナや中東情勢によるエネルギー価格の高騰や為替の変動が、今後の経営環境に厳しい影響を与えると認識しています。このような状況下で、企業は高付加価値製品の研究・開発に注力し、新規市場の開拓や既存取引先との関係強化を進める方針です。また、生産効率の向上や業務の合理化を図り、収益性の改善に全社を挙げて取り組むことが重要とされています。人材育成も重要課題とし、社員の知識・技術の向上を通じて業務効率化を推進し、意識改革にも取り組む方針です。さらに、外的要因や競合の変化に対応する力を高めることが求められています。経営上の目標としては、ROA（総資産利益率）を重視し、長期的な目標値を4%に設定しています。

ヤスハラケミカル株式会社は、経営上の重要な契約として、顧客との販売契約や原材料供給契約を挙げています。これらの契約は、製品の安定供給や収益の確保に直結しており、特にテルペン類の全量を輸入に依存しているため、国際市況や為替相場の変動が影響を与える可能性があります。また、顧客との契約から生じる債権は、期末残高で2,754百万円に達し、契約負債は5百万円となっています。これにより、企業は顧客との関係を強化し、安定した収益基盤を築くことを目指しています。さらに、役員等賠償責任保険契約を締結しており、役員が職務の執行に関して責任を負う場合の損害を填補する体制を整えています。これらの契約は、企業のリスク管理や財務安定性に寄与しています。

ヤスハラケミカル株式会社は、天然物由来のテルペンを活かした高付加価値分野の創造を目指し、研究開発活動に注力しています。2023年度の研究開発費用は340百万円で、主にテルペン化学製品とホットメルト接着剤に関連する活動に投資されています。テルペン化学製品では、顧客のニーズに応じた樹脂の開発や、電子材料、環境、モビリティ関連分野への展開を進めています。また、既存製品の改良を行い、テルペンの性能を活かしたニッチ市場への進出を図っています。ホットメルト接着剤においては、食品容器規制に適応した製品の開発や、高機能添加剤を配合した接着剤の市場展開を行っています。環境配慮型接着剤の開発も進めており、脱溶剤やVOC削減を目指した新たな用途探求に取り組んでいます。

ヤスハラケミカル株式会社は、急速な技術革新や販売競争の激化に対応するため、2023年度に764百万円の設備投資を実施しました。テルペン化学製品に関連する福山工場では、化成品製造設備の取得に429百万円を投資し、安定的な生産と収益改善を図っています。また、本社では業務合理化のために基幹システムの更新に281百万円を投資しました。主要な設備としては、福山工場のテルペン化学製品製造設備が874百万円、新居浜工場のテルペン化学製品製造設備が157百万円、鵜飼工場のホットメルト接着剤製造設備が1百万円となっています。設備の新設や除却等の計画は特にありませんが、今後も市場のニーズに応じた設備投資を検討していく方針です。

ヤスハラケミカル株式会社の株式の状況は、2024年3月31日現在、発行済株式総数は10,839,663株で、資本金は1,789百万円です。自己株式は1,615,800株（発行済株式の14.91%）を保有しており、これにより資本効率の向上を図っています。株主構成は、個人株主が61.90%、法人株主が38.10%を占めており、主要株主にはワイエス興産有限会社（13.41%）や安原禎二氏（12.86%）が含まれています。配当は1株当たり12円で、配当性向は19.51%です。株主総会では、自己株式の取得に関する決議が行われ、2024年2月には500,000株の取得が決定されました。これにより、企業は株主還元を重視しつつ、資本政策の柔軟性を確保しています。

ヤスハラケミカル株式会社は、株主への利益還元を経営の最重要政策として位置付けています。配当は中間配当と期末配当の年2回行うことを基本方針としており、配当の決定機関は中間配当が取締役会、期末配当が株主総会です。2023年度の配当は1株当たり12円（中間配当6円、期末配当6円）とし、配当性向は19.5%となりました。内部留保資金は、今後の経営環境の変化に対応するため、コスト競争力を高める研究開発投資やグローバル化を図るための有効投資に充てる方針です。また、取締役会の決議により毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めています。これにより、株主への機動的な利益還元を実現しています。

ヤスハラケミカル株式会社は、企業価値の最大化を目指し、経営判断の迅速化と効率化を進めています。コーポレート・ガバナンスの基本方針として、経営の透明性を重視し、経営チェック機能の充実や適時適切な情報開示を重要課題としています。2016年には監査等委員会設置会社に移行し、社外取締役が過半数を占める監査等委員会が業務執行の適法性と妥当性を監査・監督しています。役員報酬は業績に連動した形で設定されており、株主の利益と一致するよう配慮されています。また、コンプライアンスの強化にも努めており、法令遵守や企業倫理の向上を図っています。これにより、ステークホルダーの期待に応える透明性の高い経営体制を構築しています。

ヤスハラケミカル株式会社の役員は、取締役社長の安原禎二をはじめ、経営統括本部長の原田桂子、生産本部長の栗本倫行など、計7名で構成されています。役員のうち、女性の比率は14.3%で、原田桂子が唯一の女性役員です。取締役は、社外取締役2名を含む監査等委員会を設置しており、監査等委員は中居英尚（常勤）、神原宏尚、前岡大の3名です。社外取締役は、企業法務に精通した神原宏尚と、税理士の前岡大が務めており、客観的な視点から業務執行の監視や助言を行っています。取締役会は年14回開催され、経営に関する重要事項を決議し、業務執行状況を報告受けています。役員の任期は1年で、2024年6月の株主総会で新たに選任される予定です。

ヤスハラケミカル株式会社では、監査等委員会が設置されており、監査等委員は毎月開催される取締役会に出席し、必要に応じて意見を述べています。監査等委員会は、会計監査人との意見交換を随時行い、監査体制が十分に機能していると認識しています。内部監査は監査室が担当し、全ての部門を対象とした年度内部監査計画を策定し、取締役会及び監査等委員会の承認を受けて実施しています。監査結果は社長に報告され、改善事項の指導が行われ、進捗状況も報告されます。また、監査等委員会は内部統制の整備運用状況の確認及び改善を求めており、監査等委員の法定の員数を欠く場合に備え、補欠の監査等委員を選任する準備も整えています。これにより、監査の実効性を高め、企業の透明性を確保しています。

ヤスハラケミカル株式会社の役員の報酬は、取締役及び監査等委員である取締役の個人別の報酬等の内容に基づき決定されています。2023年度の役員報酬は、取締役（監査等委員を除く。）に対して130百万円、監査等委員に対して16百万円、社外取締役（監査等委員）に対して7百万円となっています。報酬は基本報酬、業績連動報酬、役員退職慰労金の3種類で構成されており、役位、職責、在任年数に応じて他社水準や当社の業績を考慮して決定されます。特に、監督機能を担う社外取締役については、月例の固定報酬のみが支給されます。また、役員退職慰労引当金の当事業年度増加額は、取締役（監査等委員である取締役を除く。）に対して20百万円、監査等委員である取締役に対して1百万円が計上されています。これにより、役員の報酬は企業の業績と連動し、適正な水準が維持されています。

ヤスハラケミカル株式会社の株式の保有状況は、2024年3月31日現在、発行済株式総数は10,839,663株です。自己株式は1,615,800株（発行済株式の14.91%）を保有しており、これにより資本効率の向上を図っています。株主構成は、個人株主が61.90%、法人株主が38.10%を占めており、主要株主にはワイエス興産有限会社（13.41%）や安原禎二氏（12.86%）が含まれています。株式の保有目的は、長期的な取引関係の維持・強化を通じて企業価値の向上に寄与することとされています。また、非上場株式の保有もあり、4銘柄の非上場株式を保有しています。これにより、企業は安定した資本基盤を維持し、事業の持続的な成長を支えています。

ヤスハラケミカル株式会社の経理の状況は、2023年度の財務諸表に基づいています。貸借対照表では、総資産が27,223百万円、負債が7,326百万円、純資産が19,897百万円となっています。損益計算書では、売上高が13,192百万円、営業利益681百万円、経常利益1,173百万円、当期純利益583百万円を記録しました。キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが767百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが76百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△2,197百万円となり、期末の現金及び現金同等物は5,265百万円です。経理部門は、各部署からの報告や入出金予測に基づき資金繰計画を作成・更新し、流動性リスクを管理しています。また、重要な会計上の見積りとして、棚卸資産の評価や固定資産の評価、退職給付引当金などが挙げられます。これにより、企業の財務状況を適切に把握し、経営判断に活かしています。

ヤスハラケミカル株式会社は、子会社を持たないため、連結財務諸表を作成していません。したがって、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載されていません。財務諸表は、単体の財務状況を基に作成されており、2023年度の売上高は13,192百万円、営業利益681百万円、経常利益1,173百万円、当期純利益583百万円となっています。資産合計は27,223百万円で、負債は7,326百万円、純資産は19,897百万円です。監査は有限責任監査法人トーマツによって行われ、財務諸表の適正性が確認されています。企業は、財務諸表等の適正性を確保するため、会計基準の変更に適切に対応できる体制を整備しています。

ヤスハラケミカル株式会社の報告セグメントは、「テルペン化学製品事業」、「ホットメルト接着剤事業」、「ラミネート品事業」の3つで構成されています。2023年度の外部顧客への売上高は、テルペン化学製品が9,842百万円、ホットメルト接着剤が2,853百万円、ラミネート品が497百万円で、合計13,192百万円となりました。セグメント利益は、テルペン化学製品が1,632百万円、ホットメルト接着剤が△59百万円、ラミネート品が△5百万円で、全体のセグメント利益は1,567百万円です。セグメント資産は、テルペン化学製品が17,386百万円、ホットメルト接着剤が1,355百万円、ラミネート品が299百万円で、合計19,040百万円です。これにより、各セグメントの業績を把握し、経営資源の配分を最適化することが可能となっています。

ヤスハラケミカル株式会社の財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。重要な会計方針として、棚卸資産の評価、固定資産の評価、退職給付引当金、税効果会計、貸倒引当金などが挙げられます。棚卸資産の評価では、製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品の貸借対照表価額は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定されています。正味売却価額の見積りには不確実性があり、見積りの見直しが必要となった場合、翌事業年度の財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。また、固定資産の評価においては、減損の兆候を識別した場合、割引前将来キャッシュ・フローを見積り、帳簿価額を回収可能価額まで減額することが求められます。これらの見積りに用いた仮定には不確実性があり、状況変化が生じた場合には財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

ヤスハラケミカル株式会社は、金融商品に対する取組方針として、設備投資計画に基づき必要な資金を主に銀行借入で調達しています。一時的な余剰資金は流動性の高い金融資産で運用し、短期的な運転資金は銀行借入で調達しています。デリバティブ取引は行わず、営業債権である売掛金は顧客の信用リスクに晒されています。また、外貨建ての営業債権は為替の変動リスクに影響を受けます。投資有価証券は業務上の関係を有する企業の株式や債券であり、市場価格の変動リスクがあります。借入金は短期借入金が営業取引に、長期借入金が設備投資に使用されています。信用リスクや市場リスク、流動性リスクの管理体制を整え、各部署からの報告に基づき資金繰計画を作成・更新しています。

ヤスハラケミカル株式会社は、リース取引に関して、主に設備のリースを利用しています。リース取引は、資金調達の手段として活用されており、特に生産設備やオフィス機器の導入において、初期投資を抑えることが可能です。リース契約は、通常の運用に必要な設備を長期的に使用するためのものであり、契約期間中は定期的なリース料の支払いが求められます。リース取引に伴うリスクとしては、契約満了時の設備の返却や、契約条件の変更に伴うコストの変動が挙げられます。リース資産は、貸借対照表において適切に評価され、リース負債として計上されます。これにより、企業は資金の流動性を確保しつつ、必要な設備を効率的に運用することが可能となっています。

ヤスハラケミカル株式会社の有価証券関係について、2024年3月31日現在の貸借対照表計上額は1,440百万円で、取得原価は1,088百万円、差額は351百万円となっています。具体的には、株式が447百万円（取得原価140百万円、差額307百万円）、社債が506百万円（取得原価451百万円、差額54百万円）、その他が129百万円（取得原価116百万円、差額13百万円）です。また、前事業年度（2023年3月31日）では、貸借対照表計上額が1,557百万円、取得原価が1,316百万円、差額が240百万円でした。特に、株式は472百万円（取得原価157百万円、差額315百万円）であり、社債は675百万円（取得原価701百万円、差額△25百万円）でした。これにより、企業は投資有価証券の管理を行い、時価の変動に対するリスクを把握しています。

ヤスハラケミカル株式会社は、顧客との契約に基づいて収益を認識しています。具体的には、製品を顧客に引き渡すことを履行義務として識別し、顧客が当該製品に対する支配を獲得したと認める時点で収益を認識します。国内取引においては、出荷から納品までの期間が数日間であるため、出荷時点で収益を認識する代替的な取扱いを適用しています。2023年度の顧客との契約から生じた債権は期末残高で2,754百万円、契約負債は5百万円となっています。これにより、顧客との契約から生じる収益の認識が適切に行われ、財務諸表に反映されています。

ヤスハラケミカル株式会社の財務諸表に関する注記事項は、主に重要な会計方針、会計上の見積り、セグメント情報、関連情報などが含まれています。重要な会計方針としては、棚卸資産の評価基準、固定資産の評価、退職給付引当金、税効果会計、貸倒引当金などが挙げられます。特に、棚卸資産の評価は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法で算定され、正味売却価額の見積りには不確実性が伴います。また、セグメント情報では、テルペン化学製品事業、ホットメルト接着剤事業、ラミネート品事業の売上高や利益が示されており、報告セグメントごとの業績を把握することができます。これらの注記事項は、財務諸表の理解を深めるために重要な情報を提供しています。