松井建設株式会社

当社グループは、主に建設工事の請負事業と不動産事業を展開しています。2022年度の連結売上高は前年度比9.4%増の969億69百万円で、建設事業の完成工事高は946億26百万円、利益は74.1%減の6億4百万円でした。不動産事業は23億42百万円の売上高で、利益は18.4%減の6億25百万円となっています。資産合計は775億64百万円、負債は299億45百万円で、純資産は利益剰余金の減少を受けているものの、全体としては安定した財務基盤を維持しています。今後はデジタル社会への対応やカーボンニュートラルへの取り組みを進め、持続可能な成長を目指します。

当社の主要な経営指標は以下の通りです。2023年度の連結売上高は969億69百万円で、前年度比9.4%増加しました。しかし、営業利益は2億64百万円で、前年度比88.3%減少しました。経常利益も7億67百万円で、同71.6%減少しています。親会社株主に帰属する当期純利益は11億61百万円で、31.8%の減少となりました。建設事業の完成工事高は946億26百万円で、11.2%の増加ですが、利益率の低下によりセグメント利益は6億4百万円と74.1%減少しました。不動産事業の売上高は23億42百万円で、34.5%の減少です。2024年度の基本数値目標は、売上高900億円、営業利益30億円を設定しています。

当社グループは、建設工事の請負事業と不動産事業を主な業務として展開しています。建設事業は、当社と連結子会社の松井リフォーム株式会社が行い、建築工事の一部を発注しています。不動産事業では、土地や建物の売買、賃貸住宅や貸事務所の運営を行っています。また、関連会社のいなぎ文化センターサービス株式会社は、公共施設の建設や運営を行うPFI事業を展開しています。これにより、当社は多様な事業を通じて安定した収益基盤を確保し、地域社会に貢献しています。

当社は1586年に創業し、初代の角右衛門が前田利長公の命を受けて越中守山城の普請に従事しました。その後、代々神社や仏閣の造営を行い、1922年に15代松井角平が家業を継承し、一般建築に業種を拡張しました。1923年に本拠を東京に移し、1939年に株式会社松井組を設立、1948年に社名を松井建設株式会社に改称しました。以降、1949年に建設業法による建設大臣登録を完了し、1955年には大阪支店と名古屋支店を開設、1961年には東京証券取引所市場第二部に上場しました。1966年には市場第一部に指定替えされ、現在に至るまで、地域社会に貢献し続けています。

当社の財務情報は以下の通りです。2023年度の連結売上高は969億69百万円で、前年度比9.4%増加しましたが、営業利益は2億64百万円で88.3%減少しました。経常利益は7億67百万円で71.6%減少し、親会社株主に帰属する当期純利益は11億61百万円で31.8%減少しました。資産合計は775億64百万円で9.2%増加し、負債合計は299億45百万円で11.5%増加しました。純資産は476億19百万円で7.8%増加し、自己資本比率は61.4%となりました。キャッシュ・フローは営業活動による資金が161億90百万円減少し、投資活動による資金は18百万円減少、財務活動による資金は38億4百万円増加しました。これにより、現金及び現金同等物の期末残高は85億96百万円となりました。

当社の経営方針は「会社を磨き、新たなステージへ」とし、持続的成長の実現、本業の磨きこみ、450周年に向けた基盤拡充を柱にしています。2024年度の基本数値目標として、売上高900億円、営業利益30億円を設定し、配当性向は40%程度を目指します。また、2022-2024年度の投資計画は80億円です。具体的な施策としては、安定した工事量の確保、工事品質の向上、社寺建築技術の継承、不動産事業の拡充、企業体質の強化、社会的信頼の向上を掲げています。これにより、顧客満足度を高め、持続可能な成長を目指します。

当社グループでは、気候変動を含むサステナビリティに関するリスクの特定と対策をサステナビリティ委員会が統括しています。気候変動リスクはシナリオ分析を通じて評価され、取締役会に報告されます。特定されたリスクは、経営会議を通じて各部門やグループ会社に指示され、モニタリングが行われます。主なリスクには、受注価格競争、取引先の信用リスク、建設資材価格の高騰、製品の欠陥リスク、工事施工中の事故、法的規制、大規模自然災害などがあります。これらのリスクに対しては、未然防止や損失の最小化に努めています。また、内部監査やコンプライアンス体制の強化を通じて、企業活動の健全性を確保しています。

当社の経営成績は、2023年度において連結売上高が前年度比9.4%増の969億69百万円となりました。しかし、営業利益は88.3%減の2億64百万円、経常利益は71.6%減の7億67百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は31.8%減の11億61百万円となり、利益面では厳しい状況が続いています。建設事業の完成工事高は11.2%増の946億26百万円でしたが、完成工事利益率の低下によりセグメント利益は74.1%減の6億4百万円となりました。不動産事業は、開発型不動産売上の減少により34.5%減の23億42百万円となり、セグメント利益は18.4%減の6億25百万円でした。全体として、経営環境は厳しいものの、売上高は増加していますが、利益の確保が課題となっています。

当社の財政状態は、2023年度末において資産合計が775億64百万円で前年度比9.2%増加しました。負債合計は299億45百万円で11.5%増加し、短期借入金が50億円増加したことが影響しています。純資産合計は476億19百万円で7.8%増加し、自己資本比率は61.4%となりましたが、前年度比0.8ポイントの低下が見られます。キャッシュ・フローの状況では、営業活動による資金が161億90百万円減少し、投資活動による資金も18百万円減少しましたが、財務活動による資金は38億4百万円増加しました。これにより、現金及び現金同等物の期末残高は85億96百万円となり、前年度末から124億3百万円の減少がありました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが161億90百万円の減少となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益16億97百万円を計上したものの、売上債権の増加や未成工事受入金の減少、未払消費税等の減少、未収入金の増加により156億60百万円の減少が影響しています。投資活動によるキャッシュ・フローは18百万円の減少で、有価証券の売却及び償還による収入が18億28百万円増加した一方、有形固定資産の取得による支出が6億40百万円、投資有価証券の取得による支出が8億73百万円減少しました。財務活動によるキャッシュ・フローは38億4百万円の増加で、短期借入金が50億円増加したことが主な要因です。これにより、現金及び現金同等物の期末残高は85億96百万円となり、前年度末から124億3百万円減少しました。

当社グループは、サステナビリティを重視し、気候変動への対応を含む具体的な取組みを進めています。まず、安定した工事量と収益源の確保を目指し、顧客の掘り起こしや新規顧客の開拓に努めています。また、工事品質の向上とコストの低減を図るため、新技術の開発や伝統技術の継承にも力を入れています。さらに、不動産事業の拡充や企業体質の強化、財務の健全化を進め、社会的信頼の向上を目指しています。具体的には、サステナビリティ委員会を設置し、年1回の会議で気候関連課題への対応を審議し、経営計画に反映させています。中期経営計画では、カーボンニュートラルの達成を目指し、2030年までにCO2排出量を2013年度比40%削減する目標を設定しています。

当社グループが直面する事業等のリスクには、以下のようなものがあります。まず、受注価格競争リスクがあり、過当競争によって受注価格が低下する可能性があります。次に、取引先の信用リスクがあり、発注者が支払不能に陥ると経営成績に影響を及ぼします。また、建設資材価格の高騰リスクもあり、契約時の価格に反映できない場合、利益が圧迫される恐れがあります。製品の欠陥リスクも存在し、瑕疵担保責任や製造物責任による損害賠償が発生する可能性があります。さらに、工事施工中の事故リスクや法的規制の変更、自然災害による影響も考慮する必要があります。これらのリスクに対しては、未然防止策や対応策を講じ、経営の安定性を確保する努力をしています。

当社グループの経営成績は、2023年度において連結売上高が前年度比9.4%増の969億69百万円となりましたが、営業利益は88.3%減の2億64百万円、経常利益は71.6%減の7億67百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は31.8%減の11億61百万円と、利益面では厳しい結果となりました。財政状態は、資産合計が775億64百万円で前年度比9.2%増加し、負債合計は299億45百万円で11.5%増加しました。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが161億90百万円減少し、投資活動によるキャッシュ・フローも18百万円減少しましたが、財務活動によるキャッシュ・フローは38億4百万円増加しました。これにより、現金及び現金同等物の期末残高は85億96百万円となり、前年度末から124億3百万円の減少が見られました。全体として、経営環境は厳しいものの、売上高の増加が見られた一方で、利益の確保が大きな課題となっています。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金の主な要素は工事施工に伴う材料費や外注費等の営業費用であり、これらは主に手元のキャッシュ及び営業活動によるキャッシュ・フローで賄っています。また、安定的かつ機動的な資金調達基盤を確保するため、取引銀行5行と総額60億円のコミットライン契約を結んでいます。2023年度の営業活動によるキャッシュ・フローは161億90百万円の減少となり、主な要因は売上債権の増加や未成工事受入金の減少などです。投資活動によるキャッシュ・フローは18百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは38億4百万円の増加となりました。これにより、現金及び現金同等物の期末残高は85億96百万円となり、前年度末から124億3百万円減少しました。

当社の経営成績に重要な影響を与える要因は、主に以下のリスクに起因しています。まず、受注価格競争リスクがあり、過当競争により受注価格が低下する可能性があります。次に、取引先の信用リスクがあり、発注者が支払不能に陥ると経営成績に影響を及ぼします。また、建設資材価格の高騰リスクも存在し、契約時の価格に反映できない場合、利益が圧迫される恐れがあります。製品の欠陥リスクや工事施工中の事故リスクも考慮する必要があります。さらに、法的規制の変更や自然災害の影響も経営成績に大きな影響を与える要因です。これらのリスクを適切に管理し、経営成績の安定を図ることが求められています。

当社グループの経営者は、2023年度の経営成績において売上高が前年度比9.4%増の969億69百万円となった一方で、営業利益が88.3%減の2億64百万円、経常利益が71.6%減の7億67百万円と、利益面での厳しい状況を認識しています。今後の方針としては、持続的成長の実現を目指し、デジタル社会への対応やカーボンニュートラルへの取り組み、働き方改革を進めることが挙げられています。また、本業の磨きこみとして、社寺技術の維持発展や受注力強化、安全対策の徹底を図り、顧客満足度を向上させることを目指しています。さらに、450周年に向けた基盤拡充として、コンプライアンス意識の向上や人材育成、不動産事業の拡充を進め、企業体質の強化と財務の健全化を図る方針です。

当社グループにおいて、経営上の重要な契約等に関する特記事項はありません。主な契約としては、建設事業における長期の工事契約や不動産事業における賃貸借契約、設計・監理業務委託契約が含まれます。これらの契約は、履行義務の充足に基づいて収益を認識しており、特に工事契約においては進捗度に応じた収益認識が行われています。今後も契約の履行にあたり、適切な管理と監視を行い、経営の安定性を確保していく方針です。

当社グループでは、研究開発活動に特化した具体的な取り組みは記載されていませんが、工事品質の向上とコストの低減を目指し、新技術・新工法の開発や伝統技術の研鑽に努めています。また、社寺建築技術の継承を重要な社会的使命と位置づけ、これに関連する技術の向上を図っています。さらに、不動産事業の拡充を通じて安定した収益源の確保を目指し、計画的な事業拡大を進めています。企業体質の強化や財務の健全化も重要な方針として掲げており、これらの活動を通じて持続可能な成長を実現することを目指しています。

当社グループの設備の状況について、2023年度に実施した設備投資の総額は833百万円であり、主に自己資金で賄っています。設備投資の内訳は、建設事業が562百万円、不動産事業が60百万円、全社共通が209百万円となっています。主な投資内容には、東京機材センターの改修に138百万円、宮城県仙台市の土地取得に144百万円、DX推進に向けた関連機器の取得に101百万円が含まれています。主要な設備の状況としては、本社の帳簿価額が2,071百万円、東京支店が1,479百万円、東北支店が379百万円など、各支店の設備が整備されています。これにより、業務の効率化と生産性向上を図っています。

当社の株式の状況について、2024年3月31日現在の発行済株式総数は30,580,000株で、自己株式は1,585,439株となっています。自己株式の取得は、2023年2月14日の取締役会決議に基づき345,700株、2024年2月13日の取締役会決議に基づき126,300株が行われました。配当金については、2023年6月29日の定時株主総会で普通株式に対し14.50円、2023年11月13日の取締役会で13.00円の配当が決議されています。大株主の状況では、日本マスタートラスト信託銀行が7.24%、光通信株式会社が4.50%、株式会社みずほ銀行が4.49%の株式を保有しています。これにより、株主構成は多様化しており、安定した経営基盤を形成しています。

当社は、今後の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、株主還元強化として連結配当性向50％程度を目安とする安定した配当を継続することを基本方針としています。また、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本的な方針としており、期末配当は株主総会で、中間配当は取締役会で決定されます。2023年度の剰余金の配当については、1株当たり26円（うち中間配当13円）を実施することが決定されました。内部留保金は経営基盤の充実のための原資とし、将来の利益に貢献し、株主への安定的な配当を目指しています。

当社は「信用日本一」を社是とし、法と社会倫理に基づいて行動することを基本方針としています。コーポレート・ガバナンスの充実を図るため、取締役会には社外取締役を選任し、経営の透明性と公正性を確保しています。また、監査役会を設置し、独立性の高い社外監査役による監査を実施し、経営の実効性を高めています。リスク管理や内部統制システムの整備を通じて、企業行動憲章やコンプライアンス行動指針に基づいた健全な経営を推進しています。これにより、ステークホルダーとの信頼関係を構築し、中長期的な企業価値の向上を目指しています。

当社の役員は、取締役9名、監査役3名で構成されています。取締役には社外取締役が3名おり、経営の監視機能の客観性と中立性を確保しています。社外取締役の鈴木裕子は弁護士としての専門知識を持ち、森田裕三は金融機関での豊富な経験を有しています。藤野秀吉は税務に関する専門知識を持ち、独立性をもって経営の監視を行っています。常勤監査役には大井川清が就任しており、長年の経験を活かして監査業務を行っています。役員の任期は2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までであり、監査役の任期はそれぞれ異なります。役員の選任は、会社法及び東京証券取引所の基準に基づいて行われています。

当社は監査役会設置会社であり、監査役会は社外監査役2名を含む3名で構成されています。監査役会は原則として毎月1回開催され、監査に関する報告や協議、決議を行っています。監査役全員が取締役会に出席し、議事運営や決議内容を監査し、必要に応じて意見を表明しています。常勤監査役は、代表取締役社長との定期的な面談を行い、意見交換を実施するほか、取締役会以外の重要な会議にも出席しています。また、会計監査人との連携を強化し、監査の実効性を高めるため、年6回の情報交換を行っています。監査法人は、内部統制の評価や工事原価の見積りの妥当性を検討し、監査意見を形成しています。全体として、監査体制は有効に機能しており、監査品質に問題はないと判断されています。

当社の役員の報酬等は、取締役報酬が固定報酬70％、業績連動報酬30％の割合で構成されています。報酬の算定は、代表取締役社長が本人を除く取締役に対し、経営能力やリスク管理能力、リーダーシップ等の定性的評価を行い、特別人事委員会で協議・決定されます。取締役の報酬等の総額は年額250百万円以内、監査役の報酬等は年額40百万円以内と定められています。2023年度の取締役報酬は142百万円、監査役報酬は11百万円で、社外取締役及び社外監査役の報酬は固定報酬に一本化されています。役員ごとの連結報酬等の総額は1億円以上の者はいないため、個別の記載はありません。

当社の株式の保有状況について、2024年3月31日現在、自己株式は1,585,400株で、発行済株式総数の5.18%を占めています。自己株式の取得は、取締役会の決議に基づき行われており、2023年度には345,700株を取得しました。保有株式の目的は、資本コストを考慮し、配当や取引額、経営戦略上の重要性を総合的に判断して保有しています。また、取引先との関係強化や情報取得のために、特定の企業の株式も保有しています。具体的には、㈱七十七銀行、ＳＯＭＰＯホールディングス㈱、㈱中村屋などの株式を保有しており、これらは当社の事業活動の円滑化に寄与しています。

当社の経理の状況について、2023年度の連結財務諸表は、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書を含み、全ての重要な点において適正に表示されています。連結売上高は969億69百万円で、前年度比9.4%増加しましたが、営業利益は88.3%減の2億64百万円、経常利益は71.6%減の7億67百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は31.8%減の11億61百万円となりました。資産合計は775億64百万円、負債合計は299億45百万円で、自己資本比率は61.4%です。経理部門は、適切な内部統制を維持し、財務報告の正確性を確保するために、定期的な監査を実施しています。これにより、経営の透明性と信頼性を高めています。

当社の連結財務諸表は、2024年3月31日現在の連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書を含みます。2023年度の連結売上高は969億69百万円で、前年度比9.4%増加しましたが、営業利益は88.3%減の2億64百万円、経常利益は71.6%減の7億67百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は31.8%減の11億61百万円となりました。資産合計は775億64百万円、負債合計は299億45百万円で、自己資本比率は61.4%です。監査はEY新日本有限責任監査法人によって行われ、適正性が確認されています。これにより、当社の財務状況は透明性が高く、信頼性のあるものとされています。

当社グループの報告セグメントは「建設事業」と「不動産事業等」の2つです。2023年度の建設事業の売上高は85,086百万円で、完成工事高は946億26百万円、セグメント利益は2億332百万円でした。一方、不動産事業等の売上高は23億42百万円で、セグメント利益は6億25百万円となりました。全体の売上高は前年度比9.4%増の969億69百万円で、セグメント間の内部売上高は968百万円でした。セグメント資産は建設事業が365億70百万円、不動産事業等が135億64百万円で、合計775億64百万円となっています。これにより、各セグメントの経営成績は明確に把握され、経営資源の配分や業績評価に活用されています。

当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。収益の認識は、工事契約に基づく履行義務の充足に基づき、進捗度に応じて行われます。進捗度は、各報告期間の期末日までに発生した工事原価が予想される工事原価の総額に占める割合に基づいて測定されます。工事原価総額の見積りには、施工条件、資機材価格、作業効率などの主要な仮定が含まれ、経済環境を考慮して適時・適切に見積もられています。また、工事損失引当金は、将来の損失に備えるために計上され、損失見込額は工事収益総額から工事原価総額を差し引いて算出されます。これらの見積りには不確実性が伴い、実際の結果が異なる可能性があります。

当社グループは、主に建設工事の請負事業や不動産事業を行うにあたり、必要な短期的運転資金を銀行からの借り入れで調達しています。一時的な余資については、安全性の高い金融資産で運用し、投機的なデリバティブ取引は行わない方針です。金融商品の内容としては、営業債権である受取手形・完成工事未収入金等が顧客の信用リスクに晒されており、与信管理基準に従って管理されています。有価証券は格付けの高い金融資産のみを対象としており、信用リスクは僅少です。2024年3月31日現在、連結貸借対照表に計上されている金融商品は、株式が12,716百万円、国債が437百万円で、時価はそれぞれ同額となっています。

当社グループのリース取引関係について、ファイナンス・リース取引は主に不動産事業における太陽光発電設備に関連しています。所有権移転外ファイナンス・リース取引として、リース資産は有形固定資産に分類され、減価償却は連結財務諸表作成のための基本的な方法に従って行われています。オペレーティング・リース取引に関しては、解約不能のものに係る未経過リース料が計上されており、2024年3月31日現在、1年内の未経過リース料は176百万円、1年超は2,588百万円で、合計2,764百万円となっています。これにより、リース取引は当社の資産運用や収益認識において重要な役割を果たしています。

当社の有価証券関係について、2024年3月31日現在、連結貸借対照表に計上されている有価証券及び投資有価証券の時価は13,154百万円で、内訳は株式が12,716百万円、国債が437百万円です。これらの有価証券は、活発な市場で取引されているため、時価はレベル1に分類されています。前年度の有価証券及び投資有価証券の時価は9,953百万円であり、前年からの増加が見られます。また、投資信託の連結貸借対照表計上額は330百万円で、時価は含まれていません。市場価格のない株式等は、子会社株式及び関連会社株式として計上されており、2024年度の計上額は69百万円です。これにより、当社は安定した資産運用を行い、信用リスクを低減しています。

当社グループの収益認識は、主に工事契約に基づいて行われています。収益は履行義務の充足に基づき認識され、進捗度は各報告期間の期末日までに発生した工事原価が予想される工事原価の総額に占める割合に基づいて測定されます。2023年度の売上高96,969百万円のうち、完成工事高は92,449百万円で、全体の95.3%を占めています。工事原価の見積りには、施工条件や資機材価格、作業効率などの仮定が含まれ、これらは経済環境を考慮して適時に見積もられます。また、不動産賃貸契約や設計・監理業務委託契約においても、履行義務の充足に基づいて収益を認識しています。これにより、当社は透明性のある収益認識を実現しています。

当社の財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の作成において重要な情報を提供しています。注記事項には、連結の範囲、持分法の適用に関する事項、会計方針、重要な資産の評価基準、収益認識に関する情報が含まれています。特に、収益認識に関しては、顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報が記載されており、履行義務の充足とキャッシュ・フローとの関係が明示されています。また、工事損失引当金の計上に関する重要な会計上の見積りや仮定についても詳細に説明されています。これにより、投資家や利害関係者は当社の財務状況をより正確に理解することができます。