いちよし証券株式会社

いちよし証券株式会社は、東京都中央区に本社を置く金融・証券業を営む企業です。2024年3月期の連結経常利益は28億75百万円、連結当期純利益は19億29百万円でした。資本金は145億77百万円で、発行済株式総数は37,931千株です。自己資本比率は61.2%で、安定した財務基盤を持っています。配当政策は業績連動型で、2024年の年間配当金は34円（中間配当17円、期末配当17円）です。主な連結子会社には、いちよし経済研究所、いちよしアセットマネジメント株式会社、いちよしビジネスサービス株式会社などがあります。企業理念は「今までの日本にない証券会社をつくろう」であり、顧客本位のサービス提供を目指しています。

いちよし証券株式会社の主要な経営指標は、預り資産、コストカバー率、ROE（自己資本利益率）などです。2024年3月期の預り資産は2兆2,617億円で、前期比18.5%増加しました。コストカバー率は61.2%で、前期比7.7ポイントの改善が見られました。ROEは6.8%で、安定した収益性を示しています。中期経営計画「3・D」では、2026年3月末までに預り資産を3兆円に拡大し、コストカバー率を70%、ROEを10%に引き上げることを目指しています。これにより、PBR（株価純資産倍率）は1.2倍に達すると予測されています。

いちよし証券株式会社は、金融商品取引業を中核とする投資・金融サービス業を展開しています。具体的には、有価証券の売買やその委託の媒介、募集、売出し、私募の取扱いを行い、顧客の多様なニーズに応えるサービスを提供しています。主な連結子会社には、株式会社いちよし経済研究所（中小型成長企業のリサーチや投資助言）、いちよしアセットマネジメント株式会社（投資信託委託業や資産運用業）、いちよしビジネスサービス株式会社（事務代行や不動産関連業務）などがあります。これにより、顧客に対して包括的な金融サービスを提供し、業界内での競争力を高めています。

いちよし証券株式会社は、1944年5月29日に大阪市で設立されました。当初は三栄証券株式会社として資本金50万円でスタートし、1948年には証券取引法に基づく証券業者として登録されました。1949年には大阪証券取引所の正会員となり、1950年に一吉証券株式会社に商号を変更しました。1962年には一吉不動産株式会社を設立し、1971年には東京証券取引所の正会員となりました。1986年には資本金を35億45百万円に増資し、総合証券としての地位を確立しました。以降も、様々な企業との合併や新規設立を行い、現在の形に至っています。

いちよし証券株式会社の2024年3月期の財務情報は以下の通りです。営業収益は16,131百万円、経常利益は1,772百万円、当期純利益は1,929百万円でした。総資産は42,901百万円、負債合計は16,618百万円、純資産合計は26,282百万円です。自己資本比率は61.2%で、安定した財務基盤を示しています。現金及び現金同等物の期末残高は17,495百万円で、前年から増加しています。配当金は年間34円で、株主還元にも力を入れています。これらの指標は、企業の健全性と成長性を示す重要な要素です。

いちよし証券株式会社の経営方針は、「今までの日本にない証券会社をつくろう」という企業理念のもと、経営の公正性と透明性を高め、機動的かつ適切な意思決定を行うことにあります。特に、預り資産の拡大を最重要指標とし、持続的な成長を目指しています。また、指名委員会等設置会社の形態を採用し、執行役員制度を導入することで業務執行の迅速性と実効性を高めています。さらに、2026年3月末を目標にした中期経営計画「3・D」では、預り資産を3兆円に拡大し、コストカバー率70%、ROE10%を目指しています。これにより、顧客本位のサービスを提供し、信頼される企業であり続けることを目指しています。

いちよし証券株式会社は、リスク管理を重要視し、様々なリスクに対する管理体制を整備しています。信用リスクの管理には「リスク管理規程」と「信用リスク管理細則」を定め、与信先の信用力や事業内容を総合的に評価し、リスク分散を図っています。市場リスクについては、株価や金利、外国為替相場の変動を適切に認識し、リスク管理会議で状況を把握・確認しています。また、流動性リスクの管理では、資金繰り状況を把握し、金融情勢に応じた資金調達・運用を行っています。災害時には「BCP（事業継続計画）」を策定し、業務の継続を確保する体制を整えています。これにより、企業の安定性と持続可能な成長を目指しています。

いちよし証券株式会社の2024年3月期の経営成績は、純営業収益が187億98百万円で前期比13.1%増、経常利益は28億75百万円で同136.4%増となりました。営業収益の主な要因は、受入手数料の増加で、合計は183億72百万円（前期比13.3%増）でした。販売費・一般管理費は159億95百万円（同3.5%増）で、営業利益は28億3百万円（同140.4%増）となりました。また、当期末の預り資産は2兆2,617億円で前期比18.5%増加し、コストカバー率は61.2%（前期比7.7ポイント増）に達しました。これらの結果は、企業の成長と安定性を示す重要な指標となっています。

いちよし証券株式会社の2024年3月31日時点の財政状態は以下の通りです。資産は前期末に比べ39億76百万円（9.3%）増加し、466億47百万円となりました。これは、現金・預金が31億31百万円、募集等払込金が15億3百万円増加したことによります。負債は27億95百万円（18.8%）増加し、176億39百万円となりました。これは、預り金が27億57百万円増加したことが主な要因です。純資産は11億81百万円（4.2%）増加し、290億8百万円となりました。自己資本比率は62.1%（前期末は65.2%）で、自己資本規制比率は518.0%（前期は505.8%）です。これにより、企業の財政状態は安定していることが示されています。

いちよし証券株式会社の2024年3月期におけるキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益29億17百万円を計上し、預り金及び受入保証金の増加による25億87百万円の増加、募集等払込金の増加による15億3百万円の減少等により、合計37億93百万円（前期比21億84百万円の増加）となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得や無形固定資産の取得による支出があり、合計で△5億24百万円（前期比2億3百万円の減少）となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額11億45百万円等により、△11億37百万円（前期比16億81百万円の増加）となりました。これにより、当期末の現金及び現金同等物残高は174億95百万円となり、前期末に比べ21億31百万円の増加が見られました。

いちよし証券株式会社は、サステナブルな社会の実現に貢献するために「サステナビリティ基本方針」を策定し、取締役会の傘下に「サステナビリティ推進会議」を設置しています。この会議は、取組みの企画・実行・検証・改善を行い、執行役社長が議長を務めます。重要課題（マテリアリティ）として、社員の働きがいの向上や多様な働き方の実現、お客様のための資産形成支援を掲げています。また、気候変動への対応として、TCFD提言に基づく情報開示の拡充にも取り組んでおり、CO2排出量削減を目指しています。さらに、いちよしアセットマネジメントではESG関連のリサーチを活用し、SDGsに貢献する商品を運用しています。

いちよし証券株式会社が直面する主な事業リスクには、以下のようなものがあります。まず、金融商品取引業の収益変動リスクがあり、国内外の株式・債券相場が下落すると、売買委託手数料が減少する可能性があります。次に、市場リスクとして、株価、金利、外国為替相場の変動により、保有する有価証券の価格が変動し、損失が発生するリスクがあります。信用リスクも重要で、取引先の債務不履行により損失を被る可能性があります。流動性リスクは、資金調達面での制約が生じる可能性を含みます。さらに、事務リスクやシステムリスク、リーガルリスク、情報関連リスク、競争によるリスク、法制度の変更によるリスク、災害リスク、気候変動リスクも考慮されています。これらのリスクに対して、当社は適切な管理体制を整え、リスクの発生を回避し、発生時には迅速に対処する方針を採っています。

いちよし証券株式会社の2024年3月期における経営成績は、経済の緩やかな回復を背景に、営業収益が18,837百万円、経常利益が2,875百万円、当期純利益が1,929百万円（前期比154.5%増）となりました。資産は466億47百万円、負債は176億39百万円、純資産は290億8百万円で、自己資本比率は62.1%です。キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが37億93百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△5億24百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△11億37百万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は174億95百万円です。これらの結果は、企業の安定性と成長性を示しており、今後の持続的な成長に向けた基盤が整っています。

いちよし証券株式会社の資本の財源は、主に自己資本と外部からの資金調達によって構成されています。資金需要の主な要因は、信用取引貸付金の自己融資の増減、投信買付に伴う一時的な立替金、及び人件費や配当金、法人税等の納付による資金です。資金の流動性については、顧客の買付代金や売却代金の支払いに必要な流動性を確保することが重要です。具体的には、資金逼迫度を平常時、懸念時、危機時に区分し、日々の資金繰りを管理しています。これにより、金融情勢にかかわらず、安定した資金運用を実現しています。

いちよし証券株式会社の経営成績に重要な影響を与える要因として、主たる事業である金融商品取引業が挙げられます。この業務は、国内外の証券市場の変動に大きく影響されるため、経営成績に直接的な影響を及ぼします。特に、証券市場の動向や経済情勢の変化が、営業収益や利益に影響を与える要因となります。また、預り資産の増加は営業収益の増加と相関関係にあり、安定収益の源泉である投資信託やラップの拡大が、コストカバー率やROEの向上に寄与します。これらの要因を踏まえ、企業は中期経営計画「3・D」において、預り資産3兆円、コストカバー率70%、ROE10%を目指しています。

いちよし証券株式会社の経営者は、急速な環境変化に対応するため、2019年から20年振りの「改革の断行」を進めています。この改革は、最重要経営指標である「預り資産」の拡大を目指し、お客様本位の「ストック型ビジネスモデル」への転換を推進することを目的としています。具体的には、顧客のニーズに応じたオーダーメイドのポートフォリオ提案を行い、信頼関係を重視したサービスを提供しています。また、経営の基本方針として、クレドの徹底、収支構造の改善、コンプライアンスの実践、人材の育成を掲げています。中期経営計画「3・D」では、2026年3月末までに預り資産を3兆円に拡大し、コストカバー率70%、ROE10%を目指しています。

いちよし証券株式会社において、経営上の重要な契約等に関する該当事項はありません。これにより、特定の契約が経営成績や財務状況に重大な影響を与えることはないと認識されています。企業は、日常的な業務運営において必要な契約を締結していますが、特に重要な契約は存在しないため、経営の安定性が保たれています。今後も、適切な契約管理を行い、リスクを最小限に抑える方針を維持していくことが求められます。

いちよし証券株式会社は、主に人材育成を中心とした「研究開発活動」を行っています。具体的には、社員のスキル向上を目的とした社内研修や「自己成長プログラム」を設け、証券アナリストやCFPなどの資格取得を支援しています。また、他社へのトレーニー派遣を通じて、社員が得た知見や経験を社内に還元し、業務の効率化や改善に活かしています。さらに、顧客本位の「ストック型ビジネスモデル」を実現するため、アドバイザーの質の向上に努めています。これにより、企業の成長を支える人材の育成を重視し、持続的な競争力を確保することを目指しています。

いちよし証券株式会社では、2024年3月期において総額681百万円の設備投資を実施しました。主な設備投資には、店舗移転やレイアウト変更、IT基盤の整備が含まれています。具体的には、西宮支店の店舗移転に24百万円、本店のレイアウト変更に82百万円、IT基盤の整備に283百万円が投資されました。国内子会社でも、いちよしアセットマネジメント株式会社やいちよし経済研究所、いちよしビジネスサービス株式会社がそれぞれ本社移転を行い、合計で162百万円の設備投資が行われています。これにより、業務効率の向上と顧客サービスの強化を図っています。

いちよし証券株式会社の2024年3月31日時点の株式の状況は以下の通りです。発行済株式総数は37,931千株で、資本金は14,577百万円です。自己株式は4,090,909株で、全体の約10.8%を占めています。株主構成は、個人株主が66.34%、法人株主が33.66%であり、特に金融機関や外国法人が一定の割合を占めています。2024年度の配当金は34円で、配当性向は88.5%です。株価は、最高886円、最低566円で、株価収益率（PER）は22.1倍です。これらの指標は、企業の株式の流動性や投資家の関心を示す重要な要素となっています。

いちよし証券株式会社の配当政策は、業績連動型の配当方針を基本とし、配当性向をベースにした配当を行っています。具体的には、連結ベースでの配当性向（50%程度）と純資産配当率（DOE2%程度）を基準として、半期ごとに算出された金額のいずれか高いものを採用して配当金を決定します。2024年度の配当金は、中間配当17円、期末配当17円の年間34円とされ、配当性向は88.5%です。内部留保資金は今後の事業展開への備えとして活用される予定です。また、当社は中間配当を行うことができる旨を定款に定めています。

いちよし証券株式会社は、コーポレート・ガバナンスの強化を経営上の重要課題と位置付けています。「今までの日本にない証券会社をつくろう」という企業理念のもと、経営の公正性と透明性を高めるため、指名委員会等設置会社の形態を採用し、執行役員制度を導入しています。取締役会は、独立性を有する社外取締役を含む7名で構成され、業務執行の監督を行っています。また、監査委員会は独立性を有する監査委員3名によって構成され、業務執行の監査を実施しています。内部統制の整備・充実に向けては、内部統制委員会が設置され、全社的な管理体制の強化に努めています。これにより、企業価値の最大化を図りつつ、株主還元にも積極的に取り組んでいます。

いちよし証券株式会社の役員構成は、取締役会、執行役、執行役員から成り立っています。2024年6月25日現在、取締役は7名で、そのうち4名が社外取締役です。社外取締役には、五木田彬氏、真下陽子氏、平野英治氏、沼田優子氏が就任しており、それぞれ専門的な知識と経験を活かして経営への助言を行っています。執行役員制度は2009年に導入され、各部門の業務執行に専念する役員が配置されています。代表執行役社長は玉田弘文氏、代表執行役専務は山崎昇一氏です。役員の任期は2024年6月22日の取締役会での選任後から2025年3月期に係る定時株主総会終結後最初に開催される取締役会終結の時までとなっています。

いちよし証券株式会社の監査状況は、監査委員会による内部監査と会計監査人との連携を通じて、企業の内部統制や財務報告の信頼性を確保しています。監査委員会は、内部監査部門からの報告を受け、月に1回以上の会合を通じて監査結果を確認し、必要に応じて内部監査部門と情報共有を行っています。また、会計監査人からは年間監査計画の提出を受け、監査方針や重点監査項目についての報告を受けています。社外取締役は、財務及び会計に関する知見を持つメンバーが含まれており、経営監視機能の充実に寄与しています。これにより、企業の透明性と信頼性を高める取り組みが行われています。

いちよし証券株式会社の役員の報酬は、基本報酬、業績連動報酬、株式関連報酬、金銭以外の報酬から構成されています。基本報酬は、経済情勢や当社の状況、従業員の給与水準を考慮して設定され、業績連動報酬は連結経常利益や連結当期純利益に基づいて決定されます。2024年度の役員報酬の総額は、取締役（社外取締役を除く）が165百万円、社外取締役が91百万円となっています。業績連動報酬は、業績評価に基づき年2回支給され、赤字の場合は支給されません。報酬委員会が役員の報酬を審議・決定し、透明性のある報酬体系を維持しています。

いちよし証券株式会社の2024年3月31日時点の株式の保有状況は以下の通りです。発行済株式総数は37,931千株で、自己株式は4,090,909株（約10.8%）を保有しています。株主構成は、個人株主が66.34%、法人株主が33.66%で、特に金融機関や外国法人が一定の割合を占めています。所有者別状況では、金融機関が61,661株（16.27%）、金融商品取引業者が10,417株（2.75%）、その他法人が21,177株（5.59%）を保有しています。個人株主は378,975株（66.34%）を保有しており、全体の株式の大部分を占めています。これにより、企業の株式の流動性や投資家の関心が示されています。

いちよし証券株式会社の経理状況は、連結財務諸表の作成において「金融商品取引業等に関する内閣府令」及び「有価証券関連業経理の統一に関する規則」に準拠しています。2024年3月期の連結損益計算書では、営業収益が18,837百万円、経常利益が28,875百万円、当期純利益が19,290百万円（前期比154.5%増）となりました。資産は466億47百万円、負債は176億39百万円、純資産は290億8百万円で、自己資本比率は62.1%です。キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが37億93百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△5億24百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△11億37百万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は174億95百万円です。これにより、企業の財務状況は安定しており、持続的な成長が期待されています。

いちよし証券株式会社の連結財務諸表は、2023年4月1日から2024年3月31日までの連結会計年度に基づいて作成されています。連結貸借対照表では、流動資産が40,587百万円、固定資産が3,095百万円で、総資産は43,682百万円となっています。連結損益計算書では、営業収益が18,837百万円、経常利益が2,875百万円、当期純利益が1,929百万円です。連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが3,793百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△524百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△1,137百万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は17,495百万円です。これらの情報は、企業の財務状況を示す重要な指標となっています。

いちよし証券株式会社の報告セグメントは、「投資・金融サービス業」という単一セグメントであるため、セグメント情報の詳細な記載は省略されています。このセグメントは、主に金融商品取引業務を中心に展開されており、顧客へのサービス提供を通じて収益を上げています。営業収益の90%以上が国内顧客からのものであり、地域ごとの情報や主要な顧客に関する情報も記載されていません。これにより、企業の業務が特定のセグメントに集中していることが示されています。

いちよし証券株式会社の連結財務諸表作成においては、重要な会計方針と見積りが必要です。特に、以下の3つの要素が重要な影響を与えます。まず、固定資産の減損損失については、将来のキャッシュ・フローの算定に市場動向や経済情勢が影響し、営業収益が悪化する可能性があります。次に、繰延税金資産は、証券市場の変動により業績が大きく変動するため、安定的な課税所得の発生を予測することが困難です。最後に、賞与引当金は、従業員への賞与支払いに備えて所定の計算方法で算出されます。これらの見積りは不確実性を伴い、実際の結果が異なる場合があります。

いちよし証券株式会社は、金融商品取引業を中核とする投資・金融サービス業を展開しています。主な業務には、有価証券の売買、引受け、募集、私募の取扱いが含まれます。資金調達は主に自己資金と金融機関からの借入れによって行われ、資金運用は短期的な預金や貸付金、顧客の資金運用ニーズに応じたトレーディング業務を通じて行われています。デリバティブ取引は、顧客のリスクヘッジやトレーディング業務のリスク管理に利用され、投機的な取引は行っていません。保有する金融商品は、現金・預金、顧客分別金信託、商品有価証券、投資有価証券などであり、これらは発行体の信用リスクや市場価格の変動リスクに晒されています。

いちよし証券株式会社では、所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産について、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しています。この方法により、リース資産の減価償却が行われ、リース契約に基づく支払いは、リース期間中にわたって均等に費用計上されます。リース取引は、主にオフィス機器やIT関連設備に関連しており、業務運営に必要な資産を効率的に利用するための手段として位置付けられています。これにより、資本支出を抑えつつ、必要な設備を確保することが可能となっています。

いちよし証券株式会社の有価証券関係は、主に金融商品取引業に関連するもので、売買目的有価証券やその他有価証券が含まれます。2024年3月31日時点での有価証券の状況は、売買目的有価証券が評価差額として△0百万円、その他有価証券の連結貸借対照表計上額は1,342百万円で、取得原価は1,293百万円、差額は49百万円となっています。特に、株式や受益証券が含まれ、株式の評価差額は13百万円、受益証券は37百万円の評価益が計上されています。また、当連結会計年度中に売却したその他有価証券の売却額は4百万円で、売却益は2百万円でした。これにより、企業の資産運用の健全性が示されています。

いちよし証券株式会社では、顧客との契約から生じる収益を認識する際、契約に基づく履行義務の充足時点で収益を認識しています。具体的には、受入手数料、引受け・売出し手数料、募集・売出し手数料などが含まれます。受入手数料は、委託手数料や信託報酬などがあり、2024年度の受入手数料合計は18,372百万円でした。引受け・売出し手数料は、引受契約の条件が決定した時点で収益を認識し、募集・売出し手数料は申込完了時点で収益を認識します。これにより、収益認識の透明性と一貫性が確保されています。

いちよし証券株式会社の財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表作成のための基本的な事項を含んでいます。まず、連結の範囲に関する事項として、連結子会社は4社（いちよし経済研究所、いちよしアセットマネジメント、いちよしビジネスサービス、いちよしIFA）であり、全ての子会社の決算日は3月31日で一致しています。次に、会計方針に関する事項では、有価証券の評価基準や評価方法が明記されており、トレーディング目的の有価証券は時価評価が行われます。また、監査証明については、EY新日本有限責任監査法人による監査を受けており、財務諸表の適正性を確保するための取り組みも行っています。これにより、企業の財務情報の透明性と信頼性が高められています。