ネポン株式会社

ネポン株式会社は、創業者の理念に基づき「みんなが豊かな生活に」「世界に二つとない商品を開発しよう」をモットーに、健全な事業活動を通じて社会の発展に貢献しています。主に施設園芸業界において、農業用暖房機を展開し、IoT技術を活用した「アグリネット」などのサービスを提供しています。2023年度の連結財務諸表によると、総資産は69億4百万円で、前年度比で3億1千6百万円減少しました。流動負債は前年度比で1億4百万円減少し、固定負債も2億2千9百万円減少しました。純資産は1千7百万円増加し、その他有価証券評価差額金が1千5百万円増加しました。経営環境は高齢化に伴う小規模農家の減少が見られる一方で、法人の農業参入が増加しており、業界の大規模化が進んでいます。

ネポン株式会社の主要な経営指標は、過去5年間の推移を示しています。2024年3月期の売上高は77億4千万円で、前年同期比2.7%減少しました。経常利益は8千2百万円で、前年同期比79.3%減、親会社株主に帰属する当期純利益は6千4百万円で、前年同期比77.2%減少しました。包括利益は7千5百万円で、前年同期比73.9%減少しています。総資産は69億4百万円、純資産は26億2千7百万円で、自己資本比率は38.1%に達しています。1株当たりの純資産は2,743.71円、1株当たりの当期純利益は67.86円です。営業活動によるキャッシュ・フローは2億1千7百万円のプラスで、投資活動によるキャッシュ・フローは2千1百万円のマイナスでした。これらの指標は、企業の財務健全性や収益性を示す重要なデータです。

ネポン株式会社は、熱機器および衛生機器の製造販売を行っており、関連する付帯工事の設計施工やアフターサービスも提供しています。主な事業は熱機器事業と衛生機器事業に分かれています。熱機器事業では、施設園芸用の温風暖房機やヒートポンプ、温水ボイラなどを製造・販売しており、農業ICTクラウドサービス「Chabu-Dai」も展開しています。衛生機器事業では、ビルや工場向けの温風暖房機や業務用温水ボイラを提供しています。特に、施設園芸用の新型温風暖房機は通信機能を搭載し、遠隔操作やモニタリングが可能です。これにより、農業の効率化と省力化を実現しています。また、環境への配慮から、CO2排出量削減に向けたハイブリッド暖房システムの開発にも取り組んでいます。

ネポン株式会社は1948年6月に熱ポンプ工業株式会社として設立され、熱ポンプ設備を完成させました。1951年には熱ポンプ式冷暖房設備を施工し、建設業界に進出。1953年には油焚温風暖房機を完成させ、1960年には横浜工場を開設しました。1964年には大阪営業所を開設し、農業用暖房機「ハウスカオンキ」を発売。1969年には社名を現在のネポン株式会社に改称し、東京証券取引所市場第二部に上場しました。1976年には資本金が5億142万4千円に達し、1980年には札幌ネポン販売株式会社を設立。2000年にはネポンパーテック株式会社を設立し、2012年からは農業ICTクラウドサービス事業を本格化させました。近年では、スマート農業や脱炭素に向けた取り組みを強化しています。

ネポン株式会社の2024年3月期の連結財務情報は以下の通りです。売上高は77億7千万円、売上原価は49億8千万円で、売上総利益は27億8千万円となりました。営業利益は3億4千9百万円、経常利益は7億3千9百万円、当期純利益は2億8千8百万円です。総資産は69億4百万円、負債は41億6千万円、純資産は27億8千万円で、自己資本比率は38.1%です。キャッシュフローは営業活動によるキャッシュ・フローが2億1千7百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが27億4千2百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが38億1千5百万円のプラスとなっています。これらの指標は、企業の財務健全性や収益性を示す重要なデータです。

ネポン株式会社の経営方針は、創業者の理念に基づき「みんなが豊かな生活に」「世界に二つとない商品を開発しよう」をモットーにしています。健全な事業活動を通じて人を大切にし、優れた製品と質の高いサービスを提供することで社会の発展に貢献することを企業理念としています。全てのステークホルダーにとって価値ある企業であるために、経営の効率化と収益性の向上を目指し、新分野や新事業への展開を図っています。また、顧客志向を重視し、「お客様の声を起点に農と住の明日を創造する会社」を目指しています。経営環境としては、高齢化に伴う小規模農家の減少と法人の農業参入の増加が見られ、施設園芸の大規模化が進んでいます。2050年までのCO2ゼロエミッションを目指す中で、持続可能な事業運営を目指しています。

ネポン株式会社は、リスク管理体制を強化するために「CR管理規程」を策定し、リスク回避と発生の予防、事後対応に重点を置いています。リスク管理は「CR委員会」と「経営会議」によって行われ、法令遵守や製造物責任に関する事項が検討されます。危機発生時には「危機管理対策室」が招集され、迅速な対応が可能です。また、信用リスクや市場リスク、流動性リスクの管理も行っており、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングしています。特に、エネルギー情勢への依存度や競争激化、社会情勢の変化に対するリスクを認識し、電気を動力とするヒートポンプの生産・販売を推進することでリスク分散を図っています。これにより、持続可能な事業運営を目指しています。

ネポン株式会社の2024年3月期の経営成績は、総売上高が77億7千4百万円で前年同期比2.7%減少しました。営業利益は3千4百万円で前年同期比91.0%減、経常利益は8千2百万円で79.3%減、親会社株主に帰属する当期純利益は6千4百万円で77.2%減少しました。主力の熱機器事業は、通信機能付き新型温風暖房機の本格稼働に伴い、売上高が72億8千6百万円で1.7%減少しました。衛生機器事業は、簡易水洗便器市場の縮小により4億5千9百万円で8.0%減少し、その他事業は農産物販売の減少により2千9百万円で64.7%減少しました。営業活動によるキャッシュ・フローは2億1千7百万円のプラスとなり、現金及び現金同等物の残高は4億5千5百万円となりました。

ネポン株式会社の2024年3月期の財政状態は、流動資産が49億2千6百万円、固定資産が21億5千万円で、総資産は69億4百万円となりました。流動資産は前年に比べて2億9千2百万円減少し、売上債権や棚卸資産が減少したことが影響しています。流動負債は41億6千万円で、短期借入金が2億円増加しましたが、仕入債務が減少したため、全体として1億4百万円の減少となりました。固定負債は13億8千9百万円で、退職給付に係る負債が増加したものの、長期借入金が減少したため、全体で2億2千9百万円の減少となりました。純資産は26億2千7百万円で、前年に比べて1千7百万円増加しました。これにより、自己資本比率は38.1%となり、財務の健全性が維持されています。

ネポン株式会社の2024年3月期のキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。営業活動によるキャッシュ・フローは2億1千7百万円のプラスで、前年同期は1千万円のマイナスでした。主な要因は、税金等調整前当期純利益が7千9百万円、売上債権の減少が2億1千8百万円です。投資活動によるキャッシュ・フローは2千1百万円のマイナスで、前年同期は2億7千4百万円のマイナスでした。主な要因は、有形固定資産の取得による支出が8千5百万円、無形固定資産の取得による支出が7千4百万円、保険積立金の満期・解約による収入が1億4千4百万円です。財務活動によるキャッシュ・フローは2億4百万円のマイナスで、前年同期は3億8千1百万円のプラスでした。短期借入れによる収入が6億円、短期借入金の返済による支出が4億円です。これにより、現金及び現金同等物の当連結会計年度末の残高は4億5千5百万円となりました。

ネポン株式会社は「みんなが豊かな生活に」という企業理念のもと、気候変動への取り組みを重視しています。特に、温室効果ガスの一因である二酸化炭素（CO2）排出量の削減を最大の課題とし、化石燃料を使用しない暖房機の開発・販売に取り組んでいます。この取り組みは、農林水産省の「みどりの食糧システム戦略」にも貢献するものです。具体的には、2025年までにヒートポンプの販売台数を112.1%増加させ、2030年までにCO2排出量を10.6%削減する目標を設定しています。また、女性の活躍を促進するため、女性社員の採用比率を40%以上にすることを目指し、働きやすい職場環境の整備にも力を入れています。これらの取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

ネポン株式会社が認識している主要なリスクは以下の通りです。まず、エネルギー情勢への依存度が高く、熱機器事業の温風暖房機は石油に依存しているため、原油価格の変動が設備投資意欲に影響を与える可能性があります。このリスクに対しては、電気を動力とするヒートポンプの生産・販売を推進し、リスク分散を図っています。次に、競争激化による価格競争があり、異業種からの参入が収益に影響を及ぼす可能性があります。これに対しては、アグリネットの推進などで特定の事業収益に依存しない体制を構築しています。また、国内農業人口の減少や高齢化、自然災害による影響も懸念されており、これらが業績に影響を与える可能性があります。さらに、下水道の普及による簡易水洗便器市場の縮小もリスク要因です。これらのリスクに対して、異なる業界への技術転用や新たな事業基盤の獲得を進めています。

ネポン株式会社の2024年3月期における経営成績は、総売上高が77億7千4百万円で前年同期比2.7%減少しました。営業利益は3千4百万円で91.0%減、経常利益は8千2百万円で79.3%減、親会社株主に帰属する当期純利益は6千4百万円で77.2%減少しました。経営環境は新型コロナウイルスの影響から回復しつつあるものの、円安やエネルギー価格の高止まりが影響を及ぼしています。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが2億1千7百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが2千1百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが2億4百万円のマイナスとなりました。これにより、現金及び現金同等物の残高は4億5千5百万円となりました。財政状態は流動資産が49億2千6百万円、固定資産が21億5千万円で、総資産は69億4百万円です。

ネポン株式会社は、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用と金融機関からの借入を行っています。2024年3月期の流動資産は49億2千6百万円、流動負債は41億6千万円で、流動比率は118.5%となり、短期的な資金繰りは良好です。特に、現金及び預金は5億2千2百万円で、受取手形や売掛金も含めた流動資産の構成が安定しています。資金需要は主に製品製造のための材料や部品の購入、設備投資に関連しており、在庫金額の抑制を図ることで資金負担を軽減しています。また、営業活動によるキャッシュ・フローは2億1千7百万円のプラスで、将来必要な運転資金や設備投資資金を調達するための基盤が整っています。

ネポン株式会社の経営成績に重要な影響を与える要因として、主にエネルギー情勢、競争環境、社会情勢が挙げられます。特に、熱機器事業は石油に依存しており、原油価格の変動が設備投資意欲に影響を与える可能性があります。円安進行による輸入製品の仕入れ価格上昇も、売上原価を押し上げ、営業利益を圧迫しています。また、2023年7月に上市した新型温風暖房機のソフトウェアバージョンアップに伴い、対応に時間を要したことが売上高の減少を招きました。さらに、国内農業人口の減少や高齢化、自然災害の影響も業績に影響を及ぼす要因です。これらの要因を踏まえ、リスク分散や新製品開発を進めることで、持続可能な成長を目指しています。

ネポン株式会社の経営者は、現在の経営環境における課題を認識し、以下の方針を掲げています。まず、最適なIoT製品を開発する体制の強化が必要であり、特に農業ICTクラウドサービスにおいては他社との競争が激化しているため、迅速な製品開発が求められています。次に、脱炭素に向けた暖房機等の開発体制を強化し、化石燃料に依存しないエネルギー源の利用を進めることが重要です。また、人財の育成も重視しており、全従業員への経営理念の徹底やスキルアップを図ることで、組織全体の体質改善を目指しています。経営上の目標としては、売上高や営業利益率、自己資本比率を指標とし、これらの達成状況を客観的に評価することが重要とされています。これらの施策を通じて、持続可能な成長を実現することを目指しています。

ネポン株式会社において、経営上の重要な契約等に関する該当事項はありません。これにより、特定の契約が経営成績や財政状態に重大な影響を与える可能性は低いと考えられます。企業は、通常の事業運営において必要な契約を締結していますが、特に重要な契約は存在しないため、経営の安定性が保たれています。今後も、事業環境の変化に応じて適切な契約を締結し、リスク管理を徹底する方針です。

ネポン株式会社は、地球規模の気候変動問題に対応するため、研究開発活動を強化しています。特に「スマート農業」と「脱炭素」の実現に向けた取り組みが進められています。具体的には、農業用ICTクラウドサービス「アグリネット」の通信速度やデータ容量を向上させるため、4G通信回線を利用した新しい通信装置の開発を行っています。また、農業用プラットフォーム「Chabu-Dai」の機能拡張も進め、地方自治体での採用が進んでいます。脱炭素に向けては、電気エネルギーを使用したヒートポンプを併用したハイブリッド運転制御システムの開発を行い、CO2排出量の削減を目指しています。2024年4月には、環境負荷の低減を図るための基盤確立事業として認定される予定です。2024年度の研究開発費は751百万円で、持続可能な農業の実現に向けた技術開発が進められています。

ネポン株式会社の2024年3月31日現在の設備状況は以下の通りです。当連結会計年度における設備投資総額は176百万円で、主に熱機器事業における生産設備への投資が行われました。主要な設備として、厚木工場（神奈川県厚木市）には、熱機器事業、衛生機器事業、その他事業の全製品生産設備があり、帳簿価額は1,151,082千円です。具体的には、建物及び構築物635,919千円、機械装置及び運搬具148,979千円、土地169,066㎡が含まれています。また、新潟営業所（新潟県新潟市西区）には事務所があり、帳簿価額は60,004千円です。設備の新設や除却等の計画は特にありませんが、今後も生産効率の向上を目指した設備投資を継続していく方針です。

ネポン株式会社の2024年3月31日現在の株式の状況は以下の通りです。発行済株式総数は962,948株で、自己株式は5,400株を保有しています。株主構成は、個人株主が約51.4%を占め、その他法人や金融機関が残りを保有しています。大株主には、佐藤商事株式会社が120千株（12.53%）、ネポン共栄会が76千株（7.95%）、福田晴久氏が64千株（6.72%）が含まれています。議決権の状況では、発行済株式に対する議決権の総数は9,535個で、自己株式を除いた議決権の行使が可能です。株主総会決議による自己株式の取得は行われておらず、取締役会決議による取得もありません。今後も株主還元を重視し、安定した配当政策を維持する方針です。

ネポン株式会社の配当政策は、予測不能な経済環境においても安定的な配当水準を維持することを基本方針としています。具体的には、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行う方針であり、期末配当は株主総会で、中間配当は取締役会で決定されます。定款には、取締役会の決議により毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨が定められています。2024年度の配当金は、普通配当として1株当たり30円を予定しており、内部留保資金は人的投資や設備投資、社内体制の整備に有効に活用する方針です。これにより、株主への適時適正な利益還元を図りつつ、企業体質の強化を目指しています。

ネポン株式会社のコーポレート・ガバナンスは、経営の迅速な意思決定と透明性・公正性の向上を目指しています。具体的には、株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人を設置し、経営会議や内部監査室、コンプライアンスリスク管理委員会（CR委員会）を通じて、相互チェックの体制を構築しています。取締役は5名（うち社外取締役1名）、監査役は3名（うち社外監査役2名）で、監査役は会計監査人や内部監査室と連携し、十分な監査体制を確保しています。また、適時・適切な情報開示を行い、社内体制の強化に努めています。これにより、企業の持続可能な成長を支えるガバナンス体制を確立しています。

ネポン株式会社の役員は、取締役会に社外取締役1名を含む計5名（全員男性）で構成されています。取締役会は原則毎月1回開催され、2023年度には15回の会議が行われました。出席状況は、代表取締役社長の福田晴久氏が全会議に出席し、他の取締役も高い出席率を維持しています。役員の中には、営業サービス本部長の川本武史氏や、監査役の刈込修一氏などが含まれています。監査役会は11回開催され、監査役全員が出席しています。役員の選任や報酬に関する決定は取締役会で行われ、社外役員は独立性を重視して選任されています。役員の報酬は、業績に基づく報酬体系が採用されており、透明性のある運営が図られています。

ネポン株式会社の監査の状況は、財務報告の透明性と信頼性を確保するために重要な役割を果たしています。監査法人は、2024年3月31日現在の連結財務諸表に対して監査を実施し、全ての重要な点において適正に表示されていると認めています。監査は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して行われ、監査人は独立した立場から意見を表明しています。監査上の主要な検討事項には、繰延税金資産の回収可能性の評価が含まれ、経営者の判断が重要な影響を及ぼすことが指摘されています。また、内部統制の有効性についても評価され、経営者は財務報告に係る内部統制を整備し運用する責任があります。監査役及び監査役会は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視する役割を担っています。

ネポン株式会社の役員の報酬は、株主総会の決議に基づき、取締役及び監査役それぞれの報酬等の限度額を設定しています。取締役の報酬限度額は年額250,000千円以内、監査役の報酬限度額は年額20,000千円以内です。2024年度の役員報酬は、取締役が84,130千円、監査役が4,200千円、社外役員が5,160千円となっています。役員の報酬は、業績や経営内容、役員本人の成果・責任等を考慮して決定され、取締役会の決議により個人別の報酬が決定されます。また、役員退職慰労引当金の繰入額は、取締役4名で3,666千円、監査役1名で500千円、社外役員3名で530千円となっています。報酬の決定にあたっては、取締役社長に個人別の報酬等の決定権限が委任されており、適正性を確保するために社内稟議を経て確認されています。

ネポン株式会社の2024年3月31日現在の株式の保有状況は以下の通りです。発行済株式総数は962,948株で、自己株式は5,400株を保有しています。普通株式の議決権は9,535個で、自己株式を除いた議決権の行使が可能です。株主構成は、個人株主が約51.4%を占め、その他法人や金融機関が残りを保有しています。大株主には、佐藤商事株式会社が120千株（12.53%）、ネポン共栄会が76千株（7.95%）、福田晴久氏が64千株（6.72%）が含まれています。自己株式の取得に関しては、株主総会や取締役会の決議による取得は行われておらず、当事業年度においては30株を取得しています。これにより、株主還元を重視しつつ、企業の安定性を維持する方針です。

ネポン株式会社の経理の状況は、事業活動に必要な資金を安定的に確保するために、内部資金の活用と金融機関からの借入を行っています。資金需要の主なものは、製品製造のための材料や部品の購入、設備投資によるものであり、在庫金額の抑制を図ることで資金負担を軽減しています。また、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことにより、将来必要な運転資金や設備投資資金を調達する考えです。連結財務諸表は、日本の一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており、重要な会計方針や見積りについては過去の実績や状況に応じて合理的な判断が行われていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は異なる場合があります。

ネポン株式会社の連結財務諸表は、2024年3月31日現在の財政状態を示しています。連結貸借対照表によると、流動資産は49億8千9百万円、固定資産は21億5千万円で、総資産は69億4百万円です。流動負債は41億6千万円、純資産は26億2千7百万円で、自己資本比率は38.1%です。連結損益計算書では、売上高が77億7千4百万円、営業利益は3千4百万円、経常利益は8千2百万円、当期純利益は6千4百万円となっています。また、連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが2億1千7百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが2千1百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが2億4百万円のマイナスとなっています。これらの情報は、企業の財務健全性や収益性を示す重要なデータです。

ネポン株式会社のセグメント情報は、主に「熱機器事業」と「衛生機器事業」の2つの報告セグメントに分かれています。2024年度の外部顧客への売上高は、熱機器事業が7,286,102千円、衛生機器事業が459,114千円で、合計7,745,216千円となりました。前年同期比では、熱機器事業が1.7%減、衛生機器事業が8.0%減少しています。また、その他事業からの売上高は29,114千円で、合計は7,774,331千円です。セグメント利益は、熱機器事業が1,451,798千円、衛生機器事業が148,924千円で、全体の利益は1,451,798千円となっています。セグメント間の内部売上高はなく、全社費用は1,378,605千円です。これにより、連結財務諸表の営業利益は34,909千円となりました。

ネポン株式会社の連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。重要な会計方針としては、収益認識、棚卸資産の評価、固定資産の減価償却方法などが含まれます。特に、繰延税金資産の回収可能性に関する見積りは、中期計画に基づく課税所得見込額を限度としており、将来の減算一時差異及び加算一時差異の解消見込年度を考慮して計上されています。これらの見積りは過去の実績や経営環境に基づいて判断されますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は異なる可能性があります。また、会計方針の変更はなく、表示方法の変更としては、重要性が増した「保険返戻金」を独立掲記することとし、前年度の財務諸表の組替えを行っています。

ネポン株式会社の金融商品関係は、主に現金及び預金、受取手形及び売掛金、電子記録債権、投資有価証券などで構成されています。2024年3月31日現在、現金及び預金は528,451千円、受取手形及び売掛金は2,155,325千円、電子記録債権は660,521千円で、合計は3,344,298千円です。投資有価証券は75,844千円で、全てレベル1の時価で評価されています。金融商品に対する取り組み方針としては、設備投資計画に基づき必要な資金を調達し、短期的な運転資金は銀行借入で賄っています。信用リスクや市場リスク、流動性リスクの管理体制も整備されており、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、資金繰計画を作成・更新することでリスクを管理しています。

ネポン株式会社のリース取引関係は、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に分かれています。ファイナンス・リース取引では、所有権移転外のファイナンス・リースとして社用車（車両運搬具）を利用しており、リース資産の減価償却は定額法を採用しています。オペレーティング・リース取引においては、解約不能のものに係る未経過リース料があり、2024年3月31日現在、1年内の未経過リース料は4,371千円、1年超は9,252千円で、合計は13,623千円となっています。これにより、リース取引は企業の資金調達手段として重要な役割を果たしています。

ネポン株式会社の有価証券関係は、主に投資有価証券で構成されています。2024年3月31日現在、連結貸借対照表に計上されている投資有価証券の額は75,844千円で、時価も同額となっています。これに対し、前年度の投資有価証券は58,269千円でした。市場価格のない株式等については、非上場株式が14,942千円で計上されています。評価基準としては、その他有価証券は時価法を採用し、評価差額は純資産直入法により処理されています。投資有価証券の保有状況は、定期的に時価や発行体の財務状況を把握し、保有状況を見直すことでリスク管理を行っています。これにより、企業の資産の健全性を維持し、安定した経営基盤を確保しています。

ネポン株式会社の収益認識に関する方針は、顧客との契約から生じる収益を適切に認識することに重点を置いています。請負工事契約においては、履行義務の充足に係る進捗度を見積もり、進捗度に基づいて収益を一定の期間にわたり認識します。期間がごく短い工事を除き、工事完了時に収益を認識することもあります。また、商品や製品の国内販売に関しては、出荷時に顧客に支配が移転される場合に収益を認識します。2024年度の収益は、熱機器事業で2,999,584千円、衛生機器事業で391,739千円、その他事業で27,795千円となり、合計で3,419,119千円の売上高を計上しています。これにより、収益認識の透明性と一貫性を確保し、適正な財務報告を行っています。

ネポン株式会社の財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の作成において重要な情報を提供しています。注記事項には、連結の範囲、持分法の適用、連結子会社の事業年度、及び重要な会計方針が含まれています。連結子会社はNEPON(Thailand) Co., Ltd.であり、決算日は12月31日です。また、重要な会計方針としては、収益認識、棚卸資産の評価、固定資産の減価償却方法が挙げられます。特に、収益認識に関しては、顧客との契約に基づき、履行義務の充足に応じて収益を認識する方針が採用されています。さらに、財務諸表の表示方法に関する変更があった場合には、前年度の財務諸表の組替えが行われ、透明性が確保されています。