東亞テクノガス株式会社

東亞合成株式会社は、化学製品の製造・販売を行う企業で、主に以下の4つの事業を展開しています。まず、ポリマー・オリゴマー事業では、アクリルポリマーや高分子凝集剤、光硬化型樹脂を提供しています。次に、接着材料事業では、プラスチックや金属、木材などの接着に使用される高機能接着剤を製造し、特に「アロンアルフア」や「クレイジーグルー」として知られる瞬間接着剤が有名です。さらに、高機能材料事業では、無機機能材料やセルロースナノファイバー（CNF）を扱い、環境アメニティや電子材料に貢献しています。最後に、樹脂加工製品事業では、建築・土木関連の製品を提供し、様々な産業のニーズに応えています。これらの事業を通じて、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを行っています。

東亞合成株式会社の経営理念は、「快適な生活環境作りに貢献する、社会的に有用で安全な製品、サービスを開発、提供し、持続可能な社会の発展に貢献する」ことです。この理念のもと、企業は顧客や社会の未来を見据え、化学事業を通じて新しい価値の創造と提供に挑戦し続けることを目指しています。また、すべての人々の人権を尊重し、国内外の法令を遵守することを重視しています。さらに、環境問題に自主的に取り組み、地域社会に密着した貢献を行うことも方針の一つです。これにより、社会から信頼される企業として、顧客や社会にとってなくてはならない存在となることを目指しています。

東亞合成株式会社は、1933年に福澤桃介によって名古屋で設立された矢作工業株式会社が起源です。1942年には電力事業が国家管理となり、矢作工業株式会社（二次）として再設立されました。1944年には昭和曹達株式会社、北海曹達株式会社、レーヨン曹達株式会社の3社を吸収合併し、「東亞合成化学工業株式会社」と改名され、これが創立とされています。1957年には徳島に新工場を開設し、1960年には日本初のアクリル酸エステルの企業化に成功しました。1963年には瞬間接着剤「アロンアルフア」の生産を開始し、1971年には家庭用「アロンアルフア」を発売しました。1994年には社名を「東亞合成株式会社」に変更し、創立50周年を迎えました。以降も海外展開を進め、1999年にはシンガポールに生産設備を完成させるなど、国際的な成長を続けています。

東亞合成株式会社は、幅広い商品とサービスを提供しています。主な製品には、瞬間接着剤「アロンアルフア」があり、これはプラスチック、金属、木材などの接着に使用され、家庭用から工業用まで多様なニーズに応えています。また、光硬化型樹脂「アロニックス」は、紫外線を照射することで硬化する特性を持ち、液晶パネルのコーティングや接着剤、インキ・塗料などに利用されています。さらに、無機機能材料や高純度無機製品も取り扱い、特に半導体や電子材料に不可欠な素材として重要な役割を果たしています。加えて、環境保全に寄与する製品として、廃水処理用の高分子凝集剤「アロンフロック」や、抗菌・消臭機能を持つ無機系添加剤も展開しています。これらの製品は、様々な産業での使用が期待されています。

東亞合成株式会社は、国内外に多くの事業所とグループ会社を持っています。国内では、名古屋本社を中心に、徳島、東京、高岡などに拠点を展開しています。海外では、1990年に米国ボーデン社と合弁で設立した「Toagosei America Inc.」をはじめ、シンガポール、台湾、中国（珠海、張家港）、タイなどに製造・販売拠点を持ち、アジア市場への展開を進めています。特に、シンガポールにはアクリル酸およびアクリル酸エステルの製造プラントがあり、1999年から商業運転を開始しています。また、東亞合成グループには、化学品の製造販売を行う「東亞合成（珠海）有限公司」や「台湾東亞合成股份有限公司」など、多数の関連会社が存在し、グローバルなネットワークを構築しています。