日本信号株式会社

日本信号株式会社は、主に「交通運輸インフラ事業」と「ICTソリューション事業」の2つのセグメントで構成されています。2023年度の売上高は、国内が87,988百万円、アジアが10,262百万円、その他が285百万円で、合計98,536百万円に達しました。特に、交通運輸インフラ事業は鉄道信号保安設備機器や道路交通安全システムの製造・販売を行い、ICTソリューション事業はAFC機器や駐車場機器の提供を行っています。連結財務諸表によると、2024年3月31日時点での総資産は145,370百万円、純資産は80,060百万円です。また、2023年度の当期純利益は5,626百万円で、1株当たりの配当額は31円です。企業の成長を支えるため、優秀な人材の採用と育成に力を入れています。

日本信号株式会社の主要な経営指標は、2020年から2024年にかけての連結経営指標に基づいています。2024年3月期の売上高は98,536百万円で、前期比15.3％増加しました。経常利益は7,893百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は5,346百万円で、いずれも前年より増加しています。総資産は165,295百万円、純資産は96,821百万円に達し、自己資本比率は58.6％です。1株当たりの純資産額は1,552.35円、1株当たりの当期純利益は85.71円です。営業活動によるキャッシュ・フローは6,771百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは-2,982百万円でした。これらの指標は、企業の健全な財務状態を示しており、持続的な成長を支える基盤となっています。

日本信号株式会社は、鉄道信号や道路交通信号などの公共性の高い事業を展開しています。主な事業は「交通運輸インフラ事業」と「ICTソリューション事業」の2つに分かれています。交通運輸インフラ事業では、列車集中制御装置（CTC）や自動列車制御装置（ATC）などの運行管理装置を製造・販売し、国内外の鉄道インフラを支えています。また、スマートモビリティ分野では、交通管制システムや道路交通情報提供システムを通じて交通事故の減少や渋滞緩和に貢献しています。ICTソリューション事業では、自動改札機や自動券売機を含む駅務ネットワークシステムを提供し、駅務の自動化を進めています。さらに、3D距離画像センサなどの新技術を活用した製品開発にも取り組んでいます。

日本信号株式会社は、1928年12月に設立されました。当初は電気信号や機械信号、分岐器などの信号保安装置の製造販売を目的としていました。1937年には埼玉県浦和市に与野工場を開設し、信号保安装置の製造を開始しました。1949年には東京証券取引所に上場し、1950年には大阪工場を開設しました。1961年には工事部門を分離し、日信電気工事株式会社を設立しました。1962年には機械信号や分岐器部門を分離し、日信工業株式会社を設立しました。1989年には技術研究センターを新設し、2001年には埼玉県久喜市に研究開発センターを設立しました。これらの歴史を通じて、日本信号は交通インフラの発展に寄与してきました。

日本信号株式会社の財務情報は、2024年3月31日現在の連結貸借対照表に基づいています。総資産は165,295百万円、負債は65,310百万円、純資産は80,060百万円です。2024年度の売上高は77,494百万円、営業利益は2,852百万円、当期純利益は5,626百万円に達しました。営業活動によるキャッシュ・フローは6,771百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは-2,982百万円でした。負債の内訳としては、短期借入金が18,700百万円、支払手形及び買掛金が13,397百万円です。自己資本比率は約48.4％で、安定した財務基盤を維持しています。これらの指標は、企業の成長と持続可能性を示す重要な要素となっています。

日本信号株式会社は、長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」を基に、デジタル技術の進化に対応した新しいビジネスモデルの構築を目指しています。2024年度からは中期経営計画「Realize-EV100」をスタートし、連結売上高1,500億円、ROE10.0％以上、ROIC9.0％以上を目指します。重点課題として、新事業の開発や国際事業の拡大、製造プロセスの効率化を掲げています。また、脱炭素化やESG経営の推進にも力を入れ、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。人材育成にも注力し、次世代リーダーの育成や多様な働き方の推進を行っています。これらの方針を通じて、企業価値の向上を図ります。

日本信号株式会社では、経営資源の毀損を最小化し、持続的な成長を維持するために、リスク管理規程を制定しています。リスク管理を統括するために、代表取締役を委員長とするリスク管理委員会を設置し、定期的にリスク認識と分析・評価を実施しています。リスク管理の基本目的は、コンプライアンスを含むあらゆるリスクによる損失の予防・低減、及び緊急時の迅速な復旧を可能にすることです。行動指針としては、人命の安全を最優先にし、経営資源に被害が生じた場合は迅速な復旧を図ることが求められています。また、気候関連リスクや情報システムセキュリティリスクにも対応し、全社的な視点でリスク管理活動を推進しています。

日本信号株式会社の2024年度の経営成績は、売上高98,536百万円（前期比15.3％増）、営業利益6,824百万円（前期比33.5％増）、経常利益7,893百万円（前期比33.4％増）、親会社株主に帰属する当期純利益5,346百万円（前期比31.2％増）となりました。受注高は138,566百万円（前期比39.9％増）で、特に交通運輸インフラ事業においては、国内外での鉄道信号システムの需要が増加しました。ICTソリューション事業でも、国内のAFC機器の更新需要が寄与しました。これらの成績は、長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」に基づく戦略的な取り組みの成果を反映しています。今後も新事業や国際事業の拡大を目指し、持続的な成長を図っていく方針です。

日本信号株式会社の2024年3月31日現在の財政状態は、総資産165,295百万円、負債68,473百万円、純資産96,821百万円です。総資産は、契約資産の増加5,756百万円や投資有価証券の増加4,471百万円、現金及び預金の増加3,395百万円などにより、前年度比で19,276百万円増加しました。負債は、契約負債の増加3,788百万円や支払手形及び買掛金の増加2,310百万円などにより、前年度比で11,805百万円増加しました。純資産は、当期純利益5,346百万円の計上やその他有価証券評価差額金の増加3,474百万円により、前年度比で7,470百万円増加しました。現金及び現金同等物の残高は11,760百万円で、前年度比3,395百万円の増加となっています。

日本信号株式会社の2024年度のキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益8,047百万円の計上や仕入債務の増加4,154百万円、契約負債の増加3,788百万円により、6,771百万円の資金の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入1,687百万円があったものの、有形・無形固定資産の取得による支出3,913百万円により、2,982百万円の資金の減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる資金の増加1,104百万円があったものの、配当金の支払による支出1,681百万円により、338百万円の資金の減少となりました。最終的に、現金及び現金同等物の残高は11,760百万円となり、前年度比で3,395百万円の増加となりました。

日本信号株式会社は、交通インフラという公共性の高い事業に従事する企業として、持続可能な開発目標（SDGs）に基づいた取り組みを行っています。具体的には、環境負荷の低減や災害に強いインフラづくり、安全な街づくりに貢献するための研究開発を進めています。また、地域社会とのパートナーシップを強化するため、教育、文化、福祉、環境保全に関する社会貢献活動を積極的に実施しています。さらに、企業の成長を促進するために、多様な働き方を支援し、従業員がいきいきと働ける環境を整備しています。長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」では、リスク管理とガバナンスの一環としてサステナビリティへの取り組みを強化し、気候変動への対応も推進しています。

日本信号株式会社は、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクを以下のように認識しています。まず、経済や市場に基づくリスクとして、国内鉄道事業者の設備投資や公共投資の減少が挙げられます。感染症や自然災害により輸送量が減少すると、これらの投資が縮小し、業績に重大な影響を与える可能性があります。また、製品の特性に基づくリスクとして、鉄道信号や交通信号システムの故障が公共交通に深刻な影響を及ぼす恐れがあります。競合による価格競争の激化や、原材料の価格高騰もリスク要因です。さらに、自然災害や新型感染症の影響により、事業の継続が困難になるリスクも存在します。これらのリスクに対して、事業継続計画（BCP）を策定し、従業員の安全確保と事業の継続を図っています。

日本信号株式会社の2024年度の経営成績は、売上高98,536百万円（前期比15.3％増）、営業利益6,824百万円（前期比33.5％増）、経常利益7,893百万円（前期比33.4％増）、親会社株主に帰属する当期純利益5,346百万円（前期比31.2％増）となりました。経済環境は不透明ですが、国内のインバウンド消費の回復が寄与しています。財政状態は、総資産165,295百万円、負債68,473百万円、純資産96,821百万円で、自己資本比率は58.6％です。キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが6,771百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが-2,982百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが-338百万円となり、現金及び現金同等物の残高は11,760百万円です。これらの結果は、長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」に基づく戦略的な取り組みの成果を反映しています。

日本信号株式会社の資本の財源及び資金の流動性については、運転資金及び設備投資資金を内部資金または借入により調達しています。特に、運転資金は短期借入金を利用しており、期限は1年以内です。2024年3月31日現在、短期借入金は18,700百万円で、流動負債の一部を構成しています。企業は健全な財政状態を維持しており、営業活動からのキャッシュ・フローを生み出す能力により、将来必要な運転資金及び設備資金を調達することが可能と考えています。また、現金及び現金同等物の残高は11,760百万円で、前年度比で3,395百万円の増加が見られます。これにより、資金の流動性は良好であり、安定した運営が期待されています。

日本信号株式会社の経営成績に重要な影響を与える要因として、主に以下のリスクが挙げられます。まず、経済や市場に基づくリスクとして、国内鉄道事業者の設備投資や公共投資の減少が影響します。感染症や自然災害により輸送量が減少すると、これらの投資が縮小し、経営成績に重大な影響を与える可能性があります。また、製品の特性に基づくリスクとして、鉄道信号や交通信号システムの故障が公共交通に深刻な影響を及ぼす恐れがあります。競合による価格競争の激化や、原材料の価格高騰もリスク要因です。さらに、自然災害や新型感染症の影響により、事業の継続が困難になるリスクも存在します。これらの要因を踏まえ、企業はリスク管理を強化し、持続的な成長を目指しています。

日本信号株式会社の経営者は、急激に変化する経営環境に対して、長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」を策定し、デジタル技術の進化や社会的課題に対応する新しいビジネスモデルの構築を目指しています。2024年度からは中期経営計画「Realize-EV100」を開始し、連結売上高1,500億円、ROE10.0％以上、ROIC9.0％以上を目指す方針です。重点課題として、新事業・新商材の開発、国際事業の拡大、ものづくりの効率化を掲げています。また、脱炭素化やESG経営の推進にも注力し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。経営者は、これらの施策を通じて企業価値の向上を図り、株主や地域社会に対する責任を果たすことを認識しています。

日本信号株式会社は、主に交通運輸インフラ事業及びICTソリューション事業に関連する重要な契約を締結しています。特に、鉄道信号システムや交通信号システムの設計・製造・保守に関する契約が多く、これらは公共交通機関や地方自治体との長期的な取引関係に基づいています。また、海外市場においても、特注品の販売や工事契約に関する重要な契約が存在し、これらは連結売上高の約9.3％を占めています。契約の履行にあたっては、工事原価の見積もりや進捗管理が重要であり、特に海外案件では政治的リスクや市場の変動が影響を及ぼす可能性があります。これらの契約は、企業の収益基盤を支える重要な要素となっています。

日本信号株式会社の研究開発活動は、各事業部門において次世代商品開発を中心に行われています。具体的には、自動運転、オペレーション＆メンテナンス、ロボット、セキュリティ機器、センシング機器などの開発が進められています。また、研究開発室では、産学連携を通じて中長期的な視点での基盤技術強化を目指し、センシング技術、無線＆ネットワーク技術、AI・画像解析技術の研究も行っています。2024年度の研究開発費は、交通運輸インフラ事業で1,672百万円、ICTソリューション事業で1,283百万円となっており、次世代列車制御システムやクラウド型駐車場運営システムなどが開発されています。これにより、企業の競争力を高め、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

日本信号株式会社の設備の状況について、2024年3月31日現在のデータを基に以下の通りまとめます。全社での設備投資は、無形固定資産を含め総額4,300百万円を実施しました。交通運輸インフラ事業では、久喜事業所を中心に試験・測定機器や型類に2,287百万円の投資を行い、ICTソリューション事業では宇都宮事業所において1,064百万円の投資が行われました。また、全社共通で948百万円の事務効率化のための設備投資も実施されています。主要な設備としては、久喜事業所の鉄道信号・道路交通安全システム等の製造設備が1,220百万円、宇都宮事業所のAFC・パーキングシステム等の製造設備が546百万円となっています。なお、重要な設備の除却や売却は行われていません。

日本信号株式会社の株式の状況について、2024年3月31日現在のデータを基に以下の通りまとめます。発行済株式総数は68,339,704株で、自己株式は5,968,300株（約8.73％）を保有しています。大株主には、日本マスタートラスト信託銀行株式会社（信託口）が6,527千株（10.47％）、富国生命保険相互会社が4,793千株（7.68％）、日本信号グループ社員持株会が4,056千株（6.50％）などが含まれています。議決権の状況では、完全議決権株式が62,332,400株、単元未満株式が39,004株となっています。株主の構成は、個人株主が大半を占めており、全体の約37.14％を占めています。株式の流動性は良好で、安定した資本構成を維持しています。

日本信号株式会社は、長期的な視野に立った安定的な収益構造と経営基盤の確立を目指し、株主に対して安定的な配当の継続と業績に応じた利益還元を基本方針としています。具体的には、連結配当性向を30%以上、下限指標としてDOE（配当利回り）2.0%を目指しています。2024年度の期末配当は1株当たり24円、これに先立つ中間配当7円を加えた年間配当は1株当たり31円となります。配当の決定は取締役会で行われ、中間配当と期末配当の年二回の配当を基本としています。また、会社法に基づき中間配当を行うことができる旨を定款に定めています。

日本信号株式会社は、全てのステークホルダーを重視した経営を行い、社会に貢献することをコーポレートガバナンスの基本としています。2023年6月23日の株主総会で、監査役会設置会社から社外取締役が過半数を占める監査等委員会設置会社へ移行しました。これにより、取締役会のモニタリング機能を強化し、透明性の高い経営を実現しています。また、執行役員制を導入し、迅速な意思決定を可能にしています。内部監査と監査等委員会は、定期的に情報交換を行い、リスクアプローチ視点での監査を実施しています。これにより、企業価値の向上とガバナンスの強化を図っています。

日本信号株式会社の役員は、男性9名、女性2名の計11名で構成されており、女性の比率は18.2％です。代表取締役社長は塚本英彦氏で、1982年に入社し、様々な役職を経て現在の地位に就いています。取締役には、藤原健氏、久保昌宏氏、坂井正善氏、平野和浩氏が含まれ、各自が異なる事業部門を担当しています。また、社外取締役は5名おり、そのうち3名が監査等委員です。社外取締役の井上由里子氏は知的財産権の専門家であり、企業法務やデータガバナンスに関する助言を行っています。取締役会は年13回開催され、重要事項の審議を行い、指名・報酬諮問委員会も設置されており、役員の指名や報酬に関する議論を行っています。

日本信号株式会社の監査の状況について、監査等委員会は太陽有限責任監査法人と連携し、定期的に監査計画や監査報酬案についての説明を受けています。監査は年に数回行われ、各四半期のレビュー結果や監査状況について意見交換が行われます。内部監査は社長直轄の内部統制監査室が実施し、業務執行状況の妥当性、効率性、遵法性等を評価しています。内部監査の結果は、代表取締役社長及び常勤監査等委員に報告され、内部統制の整備と運用状況についても評価が行われます。監査等委員会は、内部監査部門との情報共有を通じて、リスクアプローチ視点での監査を実施し、企業の透明性と信頼性を高める取り組みを行っています。

日本信号株式会社の役員の報酬は、固定報酬と業績連動報酬から構成されています。取締役（監査等委員である取締役を除く。）の報酬は、中長期の企業価値向上及び短期の業績目標達成に向けた健全なインセンティブとなるように決定されます。2023年6月23日の株主総会で、役員報酬の上限は年額500百万円（うち社外取締役分が36百万円以内）と定められました。業績連動報酬は、当期連結経常利益を業績指標として、取締役及び執行役員の2.0～2.5％が支給されます。2024年度の連結経常利益は7,893百万円で、目標値6,800百万円を上回りました。監査等委員である取締役の報酬は年額84百万円以内で、固定報酬のみが支給されます。また、役員は毎月、役員持株会を通じて当社株式を購入し、株主の視点を意識した経営を行っています。

日本信号株式会社の株式の保有状況について、2024年度のデータを基に以下の通りまとめます。主要な保有株式には、京成電鉄（199,179株）、九州旅客鉄道（330,000株）、三菱UFJフィナンシャル・グループ（709,000株）、東京建物（350,181株）などがあります。これらの株式は、鉄道信号システムやAFCシステムの取引維持強化を目的に保有されており、特に京成電鉄や九州旅客鉄道とは新製品の共同開発を行っています。また、亜力電機股份有限公司の株式（7,368,745株）は、台湾でのビジネス拡大を目的に保有されています。全体として、株式の保有は中長期的な企業価値向上に寄与するものと判断されています。

日本信号株式会社の経理の状況について、2024年度の連結財務諸表に基づくデータを以下に示します。総資産は165,295百万円で、前年度比19,276百万円の増加が見られます。主な要因としては、契約資産の増加5,756百万円、投資有価証券の時価上昇による増加4,471百万円、現金及び預金の増加3,395百万円などがあります。負債は68,473百万円で、契約負債の増加3,788百万円や支払手形及び買掛金の増加2,310百万円が影響しています。純資産は96,821百万円で、親会社株主に帰属する当期純利益5,346百万円の計上が寄与しました。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが6,771百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが-2,982百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが-338百万円となり、現金及び現金同等物の残高は11,760百万円に達しました。

日本信号株式会社の連結財務諸表は、2024年3月31日現在のデータに基づいて作成されています。連結貸借対照表では、総資産が165,295百万円、負債が68,473百万円、純資産が96,821百万円となっています。流動資産は110,641百万円で、現金及び預金が11,803百万円、売掛金が31,955百万円、契約資産が39,871百万円です。固定資産は54,654百万円で、有形固定資産が17,125百万円です。連結損益計算書では、売上高が98,536百万円、営業利益が6,824百万円、経常利益が7,893百万円、当期純利益が5,346百万円となっています。連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが6,771百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが-2,982百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが-338百万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は11,760百万円です。

日本信号株式会社の事業は、「交通運輸インフラ事業」と「ICTソリューション事業」の2つの報告セグメントから構成されています。2024年度の生産実績は、交通運輸インフラ事業が54,283百万円（前年比115.2％）、ICTソリューション事業が44,842百万円（前年比116.2％）で、合計99,126百万円（前年比115.7％）となりました。受注実績では、交通運輸インフラ事業が83,002百万円（前年比134.6％）、ICTソリューション事業が55,564百万円（前年比148.6％）で、合計138,566百万円（前年比139.9％）です。販売実績は、交通運輸インフラ事業が53,936百万円（前年比114.7％）、ICTソリューション事業が44,600百万円（前年比116.1％）で、合計98,536百万円（前年比115.3％）となっています。これらのデータは、各セグメントの成長を示しており、今後の事業展開においても重要な指標となります。

日本信号株式会社の重要な会計方針及び見積りに用いた仮定について、主に工事原価総額の見積りが挙げられます。工事原価総額は、受注案件ごとに作業内容や工数を考慮して策定され、当初見積り以降に生じた作業工程の遅れや環境変化に応じて見直しが必要です。特に海外案件では、契約金額が多額で工期が長期にわたるため、経済・市場の動向、政治的リスク、気候変動リスクが影響し、見積りには不確実性が伴います。また、受注損失引当金については、損失の発生が見込まれる案件に対して合理的に見積もった金額を計上しています。これらの見積りは、実際の結果と異なる可能性があるため、慎重な管理が求められます。

日本信号株式会社は、金融商品に対する取組方針として、設備投資計画に基づき必要な資金を主に金融機関からの借入で調達しています。一時的な余資は流動性の高い金融資産で運用し、短期的な運転資金は銀行借入により調達しています。営業債権である受取手形や売掛金は顧客の信用リスクに晒されており、与信管理を実施し、取引先ごとの期日管理や残高管理を行っています。また、外貨建ての営業債権には為替変動リスクが伴います。投資有価証券は主に業務上の関係を有する企業の株式であり、市場価格の変動リスクに晒されていますが、定期的に時価を把握しています。2024年3月31日現在、長期借入は実施しておらず、短期借入金は営業取引に係る一時的な運転資金調達に利用されています。

日本信号株式会社のリース取引関係について、2024年3月31日現在のデータを以下に示します。オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料は、1年内が112百万円、1年超が144百万円で、合計257百万円となっています。前年度の合計298百万円から減少しています。リース資産は、所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るもので、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法で減価償却されています。リース取引は、主に設備の使用に関連しており、資金調達の一環として活用されています。これにより、資産の効率的な利用が図られています。

日本信号株式会社の有価証券関係について、2024年3月31日現在のデータを以下に示します。連結貸借対照表に計上されている投資有価証券は、25,251百万円で、全てが時価評価されています。これに対し、前年度の計上額は20,237百万円でした。具体的には、上場株式は相場価格を用いて評価され、活発な市場で取引されているため、その時価はレベル1の時価に分類されています。また、非上場株式や匿名組合出資金などの市場価格のない金融商品は、連結貸借対照表計上額が4,333百万円で、これには非連結子会社及び関連会社株式が含まれています。これらの有価証券は、企業の資産運用や投資戦略において重要な役割を果たしています。

日本信号株式会社の収益認識関係について、顧客との契約から生じる収益は、主に「交通運輸インフラ事業」と「ICTソリューション事業」の2つの報告セグメントに分かれています。収益は、履行義務の充足に基づき認識され、特に工事契約においては進捗度に応じて収益を計上します。具体的には、工事原価が予想される工事原価総額に占める割合に基づいて進捗度を測定し、収益を認識します。また、顧客への役務提供が均等である保守契約については、契約期間にわたり定額で収益を認識します。2024年度末時点での未充足の履行義務に配分した取引価格は、交通運輸インフラ事業が55,088百万円、ICTソリューション事業が16,105百万円で、合計71,193百万円となっています。

日本信号株式会社の財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の作成において重要な情報を提供しています。注記事項には、連結の範囲、持分法の適用、受注損失引当金、履行義務に基づく売上高の計上基準などが含まれています。特に、受注損失引当金は、過去の実績を基に将来の損失を見積もり、計上されています。2024年度の受注損失引当金は719百万円で、前年度の742百万円から減少しています。また、履行義務を充足するにつれて計上される売上高は、国内が18,407百万円、海外が9,133百万円で、合計27,541百万円となっています。これらの注記事項は、投資家や利害関係者に対して企業の財務状況を理解するための重要な情報源となります。