株式会社ワコールホールディングス

株式会社ワコールホールディングス（E00590）は、主にインナーウェアやアウターウェアを製造・販売する企業です。2023年度の売上収益は約13,346百万円、経常利益は9,111百万円、当期純利益は8,762百万円でした。資本金は13,260百万円で、発行済株式総数は68,589千株です。自己資本比率は83.6%で、安定した財務基盤を持っています。また、従業員数は94人で、企業の成長に向けた人材戦略を強化しています。特に、デジタルデータを基盤としたビジネスモデルの再構築や、個人情報保護の強化に注力しており、サステナビリティに関する取り組みも進めています。リスク管理体制も整備されており、企業倫理・リスク管理委員会を設置し、リスクの識別・評価・対策を行っています。

株式会社ワコールホールディングスの主要な経営指標は、2031年3月期において売上収益2,700億円、営業利益270億円（営業利益率10%）、ROE（自己資本利益率）10%を目指しています。海外事業の売上比率は40%で、グループ全体の売上高は3,400億円を見込んでいます。2023年度の実績では、売上収益は約13,346百万円、経常利益は9,111百万円、当期純利益は8,762百万円でした。自己資本比率は83.6%で、安定した財務基盤を維持しています。今後は国内市場のシェア回復や海外市場の拡大を図り、資本効率の向上を目指す戦略を推進しています。

株式会社ワコールホールディングスは、主にインナーウェア（ファンデーション、ランジェリー、ナイトウェア）、アウターウェア、スポーツウェア、その他の繊維製品を製造・販売しています。国内外に49社の子会社と8社の関連会社を持ち、製品は百貨店や量販店、直営店舗、Eコマースサイトを通じて消費者に供給されています。また、飲食、文化、サービス、内装工事などの事業も展開しています。国内事業は、㈱ワコールを中心に、製品の企画・デザイン、原材料調達、製品化を行い、海外事業は36社の子会社を通じて展開しています。特に、通信販売の強化を進めており、顧客ニーズに応じた多様な販売チャネルを確保しています。

株式会社ワコールホールディングスは、1946年に創業者の故塚本幸一が個人で和江商事を創業したことから始まりました。1949年に和江商事株式会社を設立し、1951年には本社を京都市に移転しました。1957年には商号をワコール株式会社に改称し、1964年には東京・大阪証券取引所に上場しました。1970年代には韓国、タイ、台湾に合弁会社を設立し、国際展開を進めました。1981年にはアメリカに現地法人を設立し、1983年には香港にも進出しました。これにより、ワコールは国内外での事業基盤を確立し、現在に至るまで成長を続けています。

株式会社ワコールホールディングスの2023年度の財務情報は以下の通りです。売上収益は約13,346百万円、経常利益は9,111百万円、当期純利益は8,762百万円でした。資産合計は154,073百万円、負債合計は35,763百万円、純資産は118,310百万円です。自己資本比率は83.6%で、安定した財務基盤を示しています。2024年度の予測では、営業活動によるキャッシュ・フローは11,291百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは14,048百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは△20,211百万円となっています。これにより、企業の成長戦略や資本効率の向上に向けた取り組みが期待されています。

株式会社ワコールホールディングスは、「VISION2030」の達成を目指し、収益力の改善と資本効率の向上を最優先課題としています。具体的には、ビジネスモデル改革を通じてサプライチェーンマネジメントの再構築やコスト構造の最適化を進め、基礎収益力の回復を図ります。また、デジタル技術を活用し、顧客ニーズに迅速に対応できる体制を整えています。さらに、成長投資を優先しつつ、株主還元を積極的に行う方針です。経営の基本方針としては、愛される商品を作り、時代の要求に応じた新製品を開発し、社員の成長を促進することを掲げています。これにより、持続的な企業価値の向上を目指します。

株式会社ワコールホールディングスは、リスク管理を重要な経営課題と位置付け、リスク管理統括責任者を代表取締役社長執行役員とし、企業倫理・リスク管理委員会を設置しています。この委員会は、リスクの識別・評価・対策を行い、リスク顕在化の可能性を低減する活動を推進しています。リスク管理体制は、リスク主管部署やリスク対応部会を含む多層的な構造を持ち、定期的にリスクのモニタリングを行っています。また、サステナビリティに関するリスクも評価し、取締役会に報告する仕組みを整えています。これにより、企業の持続的成長を支えるためのリスク管理が実施されています。

株式会社ワコールホールディングスの2023年度の経営成績は、売上収益188,592百万円、営業損失3,490百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失1,643百万円でした。2024年度の予測では、売上収益が187,208百万円に減少し、営業損失は9,503百万円に拡大する見込みです。売上原価は82,189百万円から83,123百万円に増加し、売上総利益は106,403百万円から104,085百万円に減少しました。特に、インナーウェアの販売が低迷し、国内市場では中価格帯商品の販売が苦戦しました。海外市場では、米国の個人消費は安定しているものの、仕入れ抑制が影響し、全体的に厳しい経営環境が続いています。

株式会社ワコールホールディングスの2024年3月31日時点の財政状態は、総資産が2,940億29百万円で、前年度比83億70百万円の増加を示しています。負債は788億87百万円で、前年度比67億10百万円の増加が見られます。親会社の所有者に帰属する持分は2,118億29百万円で、前年度比16億32百万円の増加となりました。親会社所有者帰属持分比率は72.0%で、前年度比1.6ポイントの減少です。また、現金及び現金同等物は335億47百万円で、前年度比67億66百万円の増加を記録しています。これにより、企業の流動性は改善されており、安定した財政基盤を維持しています。

株式会社ワコールホールディングスの2023年度のキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。営業活動によるキャッシュ・フローは、当期損失87億43百万円に対し、減価償却費や減損損失などの調整を加えた結果、112億91百万円の収入を記録しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、その他の金融資産の売却や償還により140億48百万円の収入となり、前期比で101億46百万円の増加が見られました。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得やリース負債の返済、配当金の支払いなどにより202億11百万円の支出がありました。全体として、現金及び現金同等物は335億47百万円に増加し、流動性が改善しています。

株式会社ワコールホールディングスは、気候変動や人権問題などの社会課題に対して「サステナビリティ経営」を推進しています。具体的には、「顧客への提供価値の最大化」、「従業員の成長と働きがいの高い組織の構築」、「地球環境の保全」、「すべての人が自分らしく活躍できる社会の実現」、「持続的成長のためのガバナンス強化」を重要課題として掲げています。2022年には「サステナビリティ委員会」を設置し、定期的に取締役会と連携しながら具体的な施策の立案や進捗状況のモニタリングを行っています。また、2030年に向けた環境目標として、自社排出量の実質ゼロや環境配慮型素材の使用比率を50%に引き上げることを目指しています。これにより、企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指しています。

株式会社ワコールホールディングスは、事業運営上のリスクを多岐にわたって認識し、管理しています。主なリスクには、情報システムの可用性障害、自然災害、サプライチェーンにおける人権問題、企業倫理・コンプライアンスのリスクが含まれます。情報システムの障害は、システム開発のミスや外部からの攻撃によって事業継続に影響を及ぼす可能性があります。自然災害では、地震や火災が事業所に被害を与えるリスクがあります。人権問題については、サプライチェーン内での労働環境が問題視されることがあります。これらのリスクに対して、企業倫理・リスク管理委員会を設置し、リスクの特定・評価・対策を行い、定期的にモニタリングを実施しています。具体的な対応策としては、BCP（事業継続計画）の策定や情報セキュリティの強化が挙げられます。

株式会社ワコールホールディングスの2023年度の経営成績は、売上収益188,592百万円、営業損失3,490百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失1,643百万円でした。2024年度の予測では、売上収益が187,208百万円に減少し、営業損失は9,503百万円に拡大する見込みです。財政状態については、総資産が2,940億29百万円、負債が788億87百万円、親会社の所有者に帰属する持分が2,118億29百万円で、親会社所有者帰属持分比率は72.0%です。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが11,291百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが14,048百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△20,211百万円となっています。経営者は、収益力の改善と資本効率の向上を最優先課題としており、今後の成長に向けた投資を重視しています。

株式会社ワコールホールディングスの資金の流動性は、主に営業活動による純現金収入に依存しています。この収入により、外部からの多額の借入やその他の資金調達手段に頼ることなく、大部分の運転資金の確保や設備投資、配当金の支払いが可能です。2024年3月31日現在、借入枠の合計は504億33百万円で、借入金の残高は88億55百万円です。主な残高は、当社が50億円、WACOAL INTERNATIONAL CORP.が31億80百万円、㈱トリーカが2億80百万円となっています。これらの借入枠はほとんどが自動的に更新され、現状更新を妨げる事象は発生していないと考えられています。また、資金需要に大きな季節変動はなく、子会社からの親会社への配当に係る規制も特にないとされています。

株式会社ワコールホールディングスの経営成績に重要な影響を与える要因として、国内外の市場競争の激化、消費者の価値観の変化、原材料価格の高騰、為替相場の変動が挙げられます。特に、競合他社や低価格品の増加により、ブランドの認知度や販売シェアが低下するリスクがあります。また、消費者の選別消費の高まりにより、中価格帯商品の販売が厳しくなっています。これに対処するため、ワコールは「顧客起点」を重視し、デジタル技術を活用したパーソナライズされた商品やサービスの提供を強化しています。さらに、ハイプレミアム市場やスポーツ市場への注力、ECチャネルの強化を進め、顧客との深い関係構築を目指しています。これらの取り組みにより、経営成績の改善を図る方針です。

株式会社ワコールホールディングスの経営者は、気候変動や人権問題などの社会課題が深刻化していることを認識し、これらの課題への取り組みを「成長機会」と捉えています。サステナビリティ経営を推進し、社会課題の解決と持続的成長の両立を目指しています。具体的には、2022年に設置した「サステナビリティ委員会」を通じて、重要な課題への対応を強化し、定期的に取締役会と連携して進捗をモニタリングしています。また、経営理念の実践者を増やし、従業員の成長を促進することも重要な課題としています。今後は、収益力の改善や資本効率の向上を図るため、中期経営計画のリバイズを実施し、事業戦略の見直しやマネジメント力の強化に取り組む方針です。

株式会社ワコールホールディングスにおいて、経営上の重要な契約等に関する該当事項はありません。これにより、特に重要な契約や合意が存在しないことが確認されています。企業は、日常的な業務運営に必要な契約を締結していますが、経営戦略や財務状況に重大な影響を与えるような特別な契約はないとされています。今後も、事業運営において必要な契約を適切に管理し、リスクを最小限に抑える方針を維持していくことが重要です。

株式会社ワコールホールディングスでは、人体と衣服の調和を実現するために、人間科学研究開発センターを中心に研究開発を行っています。1964年以降、日本人女性の体型調査を継続し、シルエット分析システムや三次元計測システムの導入を進めています。1995年から1998年には通産省プロジェクトに参加し、感覚生理研究を強化しました。2005年には、日常歩行をエクササイズに変えるスタイルサイエンス商品を開発し、新市場を創出しました。2020年には「重力によるバストの動きと皮膚研究」を発表し、関連商品を開発しました。2021年には「からだ文化研究プロジェクト」を発足し、2022年には「からだ文化シンポジウム」を開催しました。2023年度の研究開発費は370百万円で、今後も「美」「快適」「健康」の3領域を基軸に、顧客満足と企業価値の向上を目指した研究開発を推進します。

株式会社ワコールホールディングスの2023年度における設備投資の総額は3,381百万円で、主に子会社における情報システム投資や所有不動産の設備維持補修工事に充てられました。具体的には、国内ワコール事業に1,999百万円、海外ワコール事業に1,020百万円、ピーチ・ジョン事業に345百万円の投資が行われています。主要な設備の状況としては、本社（京都市南区）において管理業務設備が18,252百万円、機械装置が1,211百万円、土地が268,587㎡で、従業員数は98人です。また、国内子会社や海外子会社においても、各種設備が整備されており、全体として安定した生産体制を維持しています。設備の新設や除却に関する計画は特にありませんが、今後も必要に応じて設備の更新や改善を行う方針です。

株式会社ワコールホールディングスの2024年3月31日現在の株式の状況は以下の通りです。発行済株式総数は61,000,000株で、資本金は13,260百万円です。自己株式は5,931,669株で、自己株式の消却により発行済株式総数は減少しています。所有者別状況では、個人株主が約25.52%、金融機関が38.11%、外国法人等が10.29%を占めています。大株主には、日本マスタートラスト信託銀行が5,386千株（9.78%）、明治安田生命保険相互会社が3,050千株（5.54%）を保有しています。今後も株主還元を重視し、自己株式の取得や消却を通じて資本効率の向上を図る方針です。

株式会社ワコールホールディングスは、株主への利益配分に関して、収益力向上のための積極的な投資を通じて企業価値を高め、1株当たり当期純利益（EPS）の増加を図ることを基本方針としています。配当は、連結業績を考慮しつつ安定的に実施される方針です。剰余金の配当は、会社法第459条第1項に基づき、取締役会の決議によって行われ、中間配当及び期末配当の年2回実施が基本とされています。2023年度の期末配当金は1株当たり50円であり、中間配当金と合わせて年間配当金は1株当たり100円となります。内部留保金は、企業価値向上のための戦略的投資に活用され、将来の収益向上を通じて株主還元を図る方針です 。

株式会社ワコールホールディングスは、コーポレート・ガバナンスの基本方針として、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会などすべてのステークホルダーとの相互信頼関係を築くことを掲げています。企業経営の透明性を高め、公正性と独立性を確保するために、コーポレート・ガバナンス・ガイドラインを策定し、企業情報サイトに掲載しています。取締役会は、サステナビリティ委員会を設置し、環境問題や社会課題への対応を強化しています。2024年3月期には、取締役会が17回開催され、その中でサステナビリティ委員会が7回開催されました。これにより、温室効果ガス排出量の削減や責任ある調達活動の推進など、具体的な取り組みが進められています。企業の持続的成長を目指し、ガバナンス体制の強化に努めています。

株式会社ワコールホールディングスの役員は、男性10名、女性3名で構成されており、女性の比率は23.1%です。代表取締役社長執行役員の矢島昌明氏は、1984年に入社し、様々な役職を経て2023年6月から社長に就任しています。社外取締役には、経営者としての豊富な経験を持つ5名が選任されており、社外監査役は3名で、いずれも高い独立性を保持しています。取締役会は、法令や定款に基づく重要な業務に関する事項を審議し、2024年度には17回開催されました。役員の任期は2024年6月25日までで、役員の選任基準や独立性基準が定められています。これにより、透明性の高い経営を実現し、ステークホルダーとの信頼関係を築くことを目指しています。

株式会社ワコールホールディングスの監査体制は、常勤監査役2名と独立社外監査役3名の計5名で構成されており、監査役会は原則として月次で開催されています。2023年度には18回開催され、監査役は取締役会や重要な会議に出席し、業務の適正を確保するための監査を実施しています。監査役は、監査室からの報告を受け、内部統制の有効性や業務の適法性を評価しています。また、監査役は、監査計画に基づき、業務監査や内部統制監査を行い、必要に応じて外部アドバイザーを活用することもあります。監査役会は、監査報告書の作成や会計監査人の選任に関する事項を決定し、透明性の高い監査を実現しています。これにより、企業のガバナンス強化とリスク管理の向上を図っています。

株式会社ワコールホールディングスの役員報酬制度は、固定報酬である「基本報酬」と業績に連動する「業績賞与」、中長期インセンティブとしての「譲渡制限付株式報酬」によって構成されています。2023年度の役員報酬は、取締役（社外取締役を除く）に対して125百万円、監査役に対して40百万円、社外役員に対して64百万円が支払われました。基本報酬は、同一役位であれば同一報酬とし、外部機関による報酬調査を基に妥当性を検証しています。業績賞与は、連結営業利益の達成率に基づき決定され、株主総会で承認された後に支給されます。また、譲渡制限付株式報酬は、年額70百万円を上限としており、業績連動型譲渡制限付株式報酬も設定されています。これにより、役員の業績向上を促進し、企業価値の向上を図る方針です。

株式会社ワコールホールディングスの2024年3月31日現在の株式の保有状況は以下の通りです。発行済株式総数は61,000,000株で、自己株式は5,931,669株を保有しています。大株主には、日本マスタートラスト信託銀行が5,386千株（9.78%）、明治安田生命保険相互会社が3,050千株（5.54%）を保有しています。所有者別状況では、金融機関が38.11%、外国法人等が10.29%、個人その他が25.52%を占めています。また、自己株式の取得に関しては、2024年5月15日に取締役会で決議し、7,300,000株を上限に取得することが決定されています。これにより、株主還元の充実と資本効率の向上を図る方針です。

株式会社ワコールホールディングスの経理状況は、2023年度において連結財務諸表が適正に表示されていることが確認されています。監査法人による監査が行われ、財務諸表は一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠していると評価されています。2024年3月31日現在の総資産は2,940億29百万円で、前年度比83億70百万円の増加を示しています。負債は788億87百万円で、前年度比67億10百万円の増加が見られます。親会社の所有者に帰属する持分は2,118億29百万円で、前年度比16億32百万円の増加です。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが112億91百万円の収入を記録し、現金及び現金同等物は335億47百万円に増加しました。これにより、企業の財務基盤は安定しており、今後の成長に向けた基盤が整っています。

株式会社ワコールホールディングスの連結財務諸表は、2023年4月1日から2024年3月31日までの連結会計年度に基づいて作成されています。これらの財務諸表は、国際会計基準（IFRS）に準拠しており、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書が含まれています。2024年3月31日現在の総資産は2,940億29百万円で、負債は788億87百万円、親会社の所有者に帰属する持分は2,118億29百万円です。2023年度の売上収益は188,592百万円、営業損失は3,490百万円、当期損失は1,601百万円でした。これにより、企業の財務状況は安定しており、今後の成長に向けた基盤が整っています 。

株式会社ワコールホールディングスの報告セグメントは、ワコール事業（国内）、ワコール事業（海外）、ピーチ・ジョン事業の3つです。2024年度の売上収益は、ワコール事業（国内）が94,198百万円、ワコール事業（海外）が67,757百万円、ピーチ・ジョン事業が10,741百万円で、合計187,208百万円となりました。セグメント利益は、ワコール事業（国内）が△4,193百万円、ワコール事業（海外）が△5,145百万円、ピーチ・ジョン事業が△239百万円で、全体で△9,503百万円の損失を計上しています。セグメント資産は、ワコール事業（国内）が247,480百万円、ワコール事業（海外）が95,266百万円、ピーチ・ジョン事業が12,361百万円で、合計355,107百万円となっています。これにより、各セグメントの業績や資産状況が明確に示されています。

株式会社ワコールホールディングスの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されており、収益及び費用、資産及び負債の測定に関する経営者の見積り及び仮定を含んでいます。これらの見積りは過去の実績や合理的な判断に基づいていますが、将来の市場環境の変化により異なる結果となる可能性があります。特に、のれんの減損テストにおいては、資金生成単位の回収可能価額を算定するために、将来のキャッシュ・フローや割引率、成長率などの重要な仮定が設定されています。これらの仮定は、経営者の最善の見積りに基づいており、監査法人による評価も行われています。会計上の見積りは継続的に見直され、変更があった場合は将来に向かって適用されます。

株式会社ワコールホールディングスの金融商品に関する情報は、2024年3月31日現在の公正価値の測定に基づいています。金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定されるものと償却原価で測定されるものに分類されます。公正価値の測定は、レベル1（市場価格）、レベル2（観察可能なインプット）、レベル3（観察不能なインプット）に基づいて行われます。2024年度の金融資産の公正価値は、レベル1が47,239百万円、レベル2が0、レベル3が2,884百万円で、合計50,123百万円です。金融負債については、デリバティブが22百万円の公正価値で測定されています。金融資産の評価においては、上場株式は市場価格を用い、非上場株式は類似企業比較法などの適切な評価方法を用いています。これにより、企業の財務状況を正確に反映させることを目指しています。

株式会社ワコールホールディングスでは、リース取引に関して、使用権資産を原価モデルで測定し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失を控除した金額で評価しています。リース負債は、リース料の支払いに基づき調整され、条件変更があった場合には再測定が行われます。リース期間が12ヶ月以内の短期リースや原資産が少額のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、リース料を定額法で認識します。リース契約の貸手となる場合、リースはオペレーティング・リースまたはファイナンス・リースに分類され、ファイナンス・リース取引では正味リース投資未回収額を債権として計上します。オペレーティング・リース取引では、対象資産を連結財政状態計算書に計上し、受取リース料は定額法で収益として認識されます。

株式会社ワコールホールディングスの有価証券関係について、2024年3月31日現在の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される株式が1,963百万円、投資信託が236百万円、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される株式が47,893百万円となっています。合計で50,123百万円の金融資産が計上されています。金融負債に関しては、デリバティブが22百万円の公正価値で測定されています。市場価格のない株式については、移動平均法による原価法で評価され、その他の有価証券は期末決算日の市場価格に基づく時価法で評価されています。これにより、企業の財務状況を正確に反映させることを目指しています。

株式会社ワコールホールディングスでは、収益認識に関してIFRSに基づく5つのステップを適用しています。ステップ1では顧客との契約を識別し、ステップ2で契約における履行義務を特定します。ステップ3では取引価格を算定し、ステップ4でその取引価格を履行義務に配分します。最後に、ステップ5で履行義務が充足された時点で収益を認識します。収益は、取引価格から値引きやリベートを控除した金額で算定され、将来の返品については過去の実績を基に予測される返品を見積もり、収益から控除します。また、政府補助金は、補助金交付の条件を満たした時点で公正価値で認識され、資産の取得原価から控除されます。このように、収益認識は契約に基づく明確な基準に従って行われています。

株式会社ワコールホールディングスの財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表及び個別財務諸表において重要な情報を提供しています。注記事項には、会計方針、重要な見積り、リスク管理、セグメント情報、関連当事者取引、及び財務諸表の作成に関する基準が含まれています。特に、会計方針に関しては、IFRSに基づく収益認識、金融商品、リース取引、及び有価証券の評価方法が詳細に説明されています。また、重要な見積りに用いた仮定や、財務諸表の表示及び内容が適正であるかどうかの評価も行われています。これにより、投資家やステークホルダーに対して透明性の高い情報提供を実現し、企業の信頼性を向上させることを目指しています。