株式会社阿波銀行

株式会社阿波銀行は、徳島県徳島市に本店を置く金融機関で、主に銀行業務とリース業務を展開しています。2023年度の経常収益は88,081百万円で、銀行業からの収益が72,824百万円、リース業からの収益が15,257百万円を占めています。セグメント利益は15,428百万円で、資産は3,850,329百万円、負債は3,571,566百万円です。また、従業員数は1,290人で、自己資本比率は約8.28%です。企業の成長を支えるため、人的資本経営を強化し、多様な人材が活躍できる環境を整備しています。特に、2024年4月には人事制度を改定し、ダイバーシティ・エクイティ＆インクルージョン（DE&I）を推進しています。

株式会社阿波銀行の主要な経営指標は以下の通りです。2024年3月期の修正OHRは64.60%で、目標の60%未満には達しませんでした。コア業務純益ROAは0.40%で、目標の0.48%を下回りました。当期純利益は112億円で、目標の120億円には届きませんでしたが、前年度比で10億円の増益です。ROEは3.78%で、目標の4.20%を下回っています。株主還元率は40.38%で、目標の40%をわずかに上回りました。ESG投融資残高は1,034億円、女性役付者比率は26.8%です。これらの指標は、企業の収益性や効率性、社会的責任を示す重要なデータです。

株式会社阿波銀行は、銀行業務を中心に、リース業務などの金融サービスを提供しています。グループは、当行と連結子会社7社、非連結子会社3社、関連会社2社で構成されています。銀行業務では、預金、貸出、有価証券投資、為替業務を行い、105の支店を通じて地域に幅広い金融商品を提供しています。また、信用保証業務やクレジットカード業務、経営コンサルティング業務も展開しています。リース業務は、連結子会社の阿波銀リース株式会社が担当しています。さらに、環境や地域社会の課題解決に向けた「ESG投融資方針」を定め、持続可能な社会の実現に貢献しています。

株式会社阿波銀行は、1896年6月に株式会社阿波商業銀行として設立されました。1928年には株式会社徳島銀行の営業権を譲受し、1934年には株式会社二木銀行を買収合併しました。1943年には株式会社阿波貯蓄銀行を吸収合併し、1960年には外国為替業務を開始しました。1964年に行名を株式会社阿波銀行に変更し、1973年には東京・大阪両証券取引所市場第二部に上場しました。1974年には阿波銀リース株式会社を設立し、翌年には市場第一部に上場しました。1975年には全店オンラインシステムを稼働させ、1994年には信託業務を開始しました。近年では、2022年に東京証券取引所のプライム市場に移行し、2023年には阿波銀キャピタル株式会社を設立しました。

株式会社阿波銀行の2024年3月期の財務情報は以下の通りです。経常収益は88,081百万円で、前年の76,107百万円から増加しました。経常利益は15,428百万円で、前年の16,624百万円から減少しています。当期純利益は10,207百万円で、前年の11,263百万円から減少しました。資産合計は3,850,329百万円、負債合計は3,571,566百万円です。自己資本比率は約8.28%で、安定した財務基盤を維持しています。現金及び現金同等物の期末残高は376,132百万円で、前年の456,494百万円から減少しています。これらの指標は、企業の収益性や財務健全性を示す重要なデータです。

株式会社阿波銀行は、1896年の創業以来「堅実経営」を基本理念とし、経営方針として「信用の重視」「地域への貢献」「お客さま第一」「人材の育成」「進取の精神」の5項目を掲げています。特に「永代取引」を重視し、世代を超えた長期的な関係を築くことを目指しています。2023年度からは「永代取引によるお客さま感動満足の創造と豊かな地域社会の実現」をパーパスとして設定し、地域経済の発展や人材育成、気候変動への対応を重要課題として取り組んでいます。また、経営計画「Growing beyond 130th」を策定し、持続可能な地域社会の実現に向けた施策を推進しています。人材の育成と活躍を重視し、ダイバーシティの推進や働き方改革にも力を入れています。

株式会社阿波銀行は、統合的リスク管理態勢を整備し、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスクを管理しています。リスク管理の基本方針として、経営体力の範囲内で適正な市場リスクを取り、収益の安定的向上を図ることを掲げています。具体的には、リスク統括部が全体のリスクを監視し、定期的に経営陣に報告します。市場リスクの管理には、バリュー・アット・リスク（VaR）法を用い、金利リスクや為替リスクを統合的に管理しています。2023年度末の市場リスク量は76,579百万円で、前年の68,301百万円から増加しています。また、気候変動リスクについてもシナリオ分析を行い、適切な管理体制を構築しています。

株式会社阿波銀行の2024年3月期の経営成績は以下の通りです。経常収益は88,081百万円で、前年の76,107百万円から増加しましたが、経常利益は15,428百万円で前年の16,624百万円から減少しました。当期純利益は112億円で、前年の120億円を下回りましたが、前年より10億円の増益です。修正OHRは64.60%で、目標の60%未満には達しませんでした。コア業務純益ROAは0.40%で、目標の0.48%を下回りました。株主還元率は40.38%で、目標の40%をわずかに上回りました。これらの指標は、企業の収益性や効率性を示す重要なデータであり、今後の改善に向けた取り組みが求められています。

株式会社阿波銀行の2024年3月31日時点の財政状態は以下の通りです。資産合計は3,850,329百万円で、前年の3,750,000百万円から増加しました。負債合計は3,571,566百万円で、前年の3,500,000百万円から増加しています。自己資本は278,763百万円で、自己資本比率は約8.28%です。破産更生債権及びこれらに準ずる債権は17,500百万円、危険債権は24,756百万円、三月以上延滞債権は807百万円、貸出条件緩和債権は4,720百万円となっています。これらの指標は、企業の財務健全性やリスク管理の状況を示す重要なデータです。

株式会社阿波銀行の2024年3月期のキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。営業活動によるキャッシュ・フローは、貸出金の増加や預金の減少により、31,464百万円のマイナスとなりました。前年と比較して290,291百万円の改善が見られました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が売却及び償還による収入を上回り、44,644百万円のマイナスとなりました。前年と比較して137,894百万円の減少です。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いなどにより4,254百万円のマイナスです。これにより、現金及び現金同等物は803億62百万円減少し、3,761億32百万円となりました。安定した資金調達を維持しつつ、流動性の確保に努めています。

株式会社阿波銀行は、サステナビリティを企業経営の根幹と位置付け、「あわぎんSDGs取組方針」を制定し、地域とお客さまの持続可能性を高める取組みを強化しています。経営計画「Growing beyond 130th」では、地域経済の発展、長寿化社会への対応、人材育成、気候変動への対応を重要課題として掲げています。特に、人的資本・多様性の育成に注力し、全役職員が「永代取引」の理念を共有し、お客さまに最善のサービスを提供することを目指しています。また、サステナビリティ関連のリスクや機会の識別・評価を行い、経営戦略に反映させています。取締役会では、SDGsの取組状況や気候変動リスクの管理について定期的に報告し、経営陣が適切に関与しています。

株式会社阿波銀行が認識している主要な事業リスクには、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、気候変動に関するリスク、巨大災害等のリスク、感染症に関するリスク、システムリスクなどがあります。信用リスクは、景気動向や不動産価格の変動により不良債権が増加する可能性があります。市場リスクは金利や為替レートの変動による資金利益の縮小を引き起こす可能性があります。流動性リスクは資金調達と運用のミスマッチから生じ、資金繰りの逼迫を招く恐れがあります。気候変動リスクは、自然災害による設備への被害や融資先の経営悪化を引き起こす可能性があります。これらのリスクに対して、当行は業務継続計画やリスク管理体制を整備し、発生の回避及び発生時の対応に努めています。

株式会社阿波銀行の2023年度の経営成績は、国内経済の緩やかな回復を背景に、設備投資の増加や個人消費の堅調さが見られました。経常収益は前年から減少し、606億28百万円となりましたが、経常利益は164億31百万円に増加しました。営業活動によるキャッシュ・フローは、貸出金の増加と預金の減少により314億64百万円のマイナスとなりましたが、前年と比較して290億円の改善が見られました。投資活動によるキャッシュ・フローは446億44百万円のマイナスで、前年よりも減少しました。財務活動によるキャッシュ・フローは42億54百万円のマイナスで、安定した資金調達を維持しつつ、流動性の確保に努めています。全体として、経営者は今後の不確実性に対して慎重な姿勢を保ちつつ、持続可能な成長を目指しています。

株式会社阿波銀行は、資本の財源として主にお客さまからの預金を利用しています。2024年度には、法人預金や公金預金が減少したものの、個人預金は堅調に推移し、安定した資金調達を維持しています。今後もお客さまの資金繰り支援や新たな資金需要に対応するため、流動性及び自己資本の確保に努める方針です。店舗新築や事務機器の新設に53億円の資本的支出を予定しており、その資金は自己資金で賄う計画です。また、株主への利益還元を重視し、配当金の支払いについては、親会社株主に帰属する当期純利益の40％以上を目指しています。安定した資金調達と計画的な資金運用により、資金の流動性は安定して推移しています。

株式会社阿波銀行の経営成績に重要な影響を与える要因には、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、法的リスク、人的リスク、地域経済動向などがあります。信用リスクは、景気動向や不動産価格の変動により不良債権が増加する可能性があり、これが経営成績に直接的な影響を及ぼします。市場リスクは金利や為替レートの変動による資金利益の縮小を引き起こす可能性があります。流動性リスクは資金調達と運用のミスマッチから生じ、資金繰りの逼迫を招く恐れがあります。また、法的リスクや人的リスクは、コンプライアンスの徹底や職員の適切な評価に関連し、企業の信用や業務運営に影響を与えます。これらのリスクに対して、当行はリスク管理体制を強化し、経営計画に基づいた対応策を講じています。

株式会社阿波銀行の経営者は、地域経済の発展や持続可能な社会の実現に向けた重要課題を認識しています。特に「永代取引」を通じてお客さまとの長期的な関係を築くことが重要であり、人的資本の育成と多様性の推進がその基盤とされています。経営計画「Growing beyond 130th」では、地域経済の発展、長寿化社会への対応、人材育成、気候変動への対応を重点テーマとして掲げています。今後は、デジタル化やDX推進を通じてお客さまのニーズに応え、持続可能な成長を目指す方針です。また、経営基盤の強化を図り、リスク管理やコンプライアンスの徹底を進めることで、安定した経営を実現することを目指しています。

株式会社阿波銀行において、経営上の重要な契約等に関する事項は特にありません。これにより、特定の契約が経営成績や財務状況に重大な影響を与えることはないと認識されています。今後も、顧客との関係を重視し、必要に応じて契約の見直しや新たな契約の締結を行い、安定した経営基盤を維持する方針です。また、リスク管理やコンプライアンスの強化を図り、持続可能な成長を目指していく考えです。

株式会社阿波銀行は、研究開発活動を通じて、金融サービスの質を向上させることを目指しています。特に、デジタル化やデータ分析を活用した新たな金融商品やサービスの開発に注力しています。具体的には、顧客ニーズに応じた商品提案や、地域のデジタル化支援を行うためのDX戦略を推進しています。また、人的資本の育成にも力を入れ、専門的な研修制度を設けており、職員が即戦力として活躍できるようなスキル向上を図っています。これにより、当行独自のビジネスモデルを強化し、企業価値の向上を目指しています。さらに、サステナビリティに関連する取り組みとして、環境保全活動や地域貢献活動も積極的に行っています。

株式会社阿波銀行及びその連結子会社では、投資効率を重視し、緊急を要する設備投資を優先的に実施しています。2024年度の設備投資総額は19億円で、主に銀行業の店舗関係において新たな支店の開設や既存支店の移転・改築を行いました。具体的には、大阪支店京阪出張所を京阪法人営業部として開設し、松山支店今治出張所を今治法人営業部として新設しました。また、無形固定資産としてソフトウエアに11億円の投資を行い、業務の効率化を図っています。主要な設備の状況として、店舗や事務センターが中心であり、土地や建物の帳簿価額は合計で約18,047百万円です。今後もお客さまの利便性向上を目指し、計画的な設備投資を継続していく方針です。

株式会社阿波銀行の株式の状況は、2024年3月31日現在で以下の通りです。発行済株式総数は40,112千株で、自己株式は283千株です。資本金は23,452百万円、資本剰余金は20,106百万円、利益剰余金は197,890百万円、自己株式を除く株主資本合計は238,908百万円です。株主構成は、個人株主が約28.20%、法人株主が約71.80%を占めています。大株主には、地域経済に貢献する企業が多く、当行との取引状況を考慮して株式を保有しています。また、自己株式の取得については、取締役会の決議に基づき、2023年11月から2024年3月にかけて実施される予定です。これにより、株主還元を強化し、企業価値の向上を図る方針です。

株式会社阿波銀行は、株主への利益還元を重要な経営課題として認識し、安定的かつ積極的な利益還元を基本方針としています。この方針のもと、配当と自己株式取得額を合わせた株主還元率を、親会社株主に帰属する当期純利益の40％以上とすることを目標としています。配当は中間配当と期末配当の年2回を基本としており、2023年度の期末配当は1株につき40円、年間配当は中間配当35円と合わせて75円となりました。配当の決定は取締役会で行われ、内部留保の充実を図りつつ、株主のニーズに応えるための有効投資や効率的資金運用による収益力の向上を目指しています。

株式会社阿波銀行は、行是「堅実経営」のもと、効率性と健全性に優れた信頼される銀行を目指し、良質なコーポレート・ガバナンスの確立を重要な経営課題と位置づけています。監査等委員会設置会社として、監査等委員である取締役に議決権を付与し、取締役会の監督機能を強化しています。また、コーポレートガバナンス・ガイドラインを制定し、株主の権利・平等性の確保、ステークホルダーとの関係、適切な情報開示と透明性の確保を行動の指針としています。定時株主総会の開催日や関連日程を適切に設定し、招集通知の早期発送を実施することで、株主との建設的な対話を促進しています。これにより、企業価値の向上を図るとともに、持続可能な成長を目指しています。

株式会社阿波銀行の役員は、男性13名、女性2名で構成されており、女性の比率は13.3%です。取締役会長（代表取締役）は長岡奨氏、取締役頭取（代表取締役）は福永丈久氏が務めています。常務取締役は4名おり、各役員は銀行業務において豊富な経験を有しています。社外取締役は5名で、監査等委員としても活動しており、独立した立場から経営監督機能を果たしています。役員の出席状況は高く、取締役会は年間12回開催され、全役員が出席率100%を達成しています。社外取締役は、金融、法律、会計等の専門知識を持ち、監査等委員会の活動を通じて企業の透明性と信頼性を高める役割を果たしています。

株式会社阿波銀行の監査は、監査等委員会を中心に実施されています。監査等委員会は年間14回開催され、出席率は高く、社外取締役が多数を占めています。監査法人による連結財務諸表の監査は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して行われ、財務諸表が適正に表示されていることが確認されています。監査手続きには、内部統制の評価や債務者区分の判定に関する実証手続が含まれ、特に貸倒引当金の見積りの合理性が重点的に検討されています。また、監査等委員会は、取締役の職務執行状況や内部統制システムの運用状況を監視し、経営計画の取組状況についても重点的な監査を実施しています。これにより、企業の透明性と信頼性を高めることを目指しています。

株式会社阿波銀行の役員報酬は、「基本報酬」、「賞与」、「業績連動型株式報酬」の3つの要素で構成されています。基本報酬は、役位ごとに決定された支給倍率に連結実力コア業務純益を基に算出され、役位の高さに応じてより高い責任を求める仕組みです。賞与は、親会社株主に帰属する当期純利益に基づき、役位別支給倍率を用いて算出されます。2023年度の役員報酬の総額は、取締役（監査等委員を除く）で299百万円、監査等委員で40百万円、社外役員で35百万円となっています。また、業績連動型株式報酬制度も導入されており、役員の中長期的な業績向上を目指しています。報酬の決定は株主総会での決議に基づき、アドバイザリー委員会の協議を経て取締役会で決定されます。

株式会社阿波銀行の株式の保有状況は、2024年3月31日現在で以下の通りです。発行済株式総数は41,040,000株で、自己株式は644,300株を保有しています。主要な保有株式には、大塚ホールディングス株式会社、住友林業株式会社、住友不動産株式会社、森永乳業株式会社などがあり、これらの株式は地域経済の発展や取引関係の強化を目的として保有されています。特に、住友不動産株式会社の株式は、取引先との長期的な関係構築のために保有目的を変更し、株式数が増加しました。また、保有する株式の貸借対照表計上額は、上場株式が102,056百万円、非上場株式が5,842百万円となっています。これにより、当行は地域経済への貢献を重視しつつ、安定した資産運用を図っています。

株式会社阿波銀行の経理の状況は、連結財務諸表を基にした透明性の高い財務管理が行われています。2024年度の連結貸借対照表では、資産合計が3,850,329百万円、負債合計が3,571,566百万円、自己資本が278,763百万円となっています。連結損益計算書では、経常収益が88,081百万円、当期純利益が10,207百万円で、前年と比較して安定した収益を確保しています。また、キャッシュ・フロー計算書においては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなったものの、前年よりも改善が見られました。重要な会計方針としては、貸倒引当金の計上基準が適正であると認識されており、経営陣は財務状況の健全性を維持するための施策を講じています。これにより、安定した経営基盤を確保し、株主への利益還元を重視しています。

株式会社阿波銀行の連結財務諸表は、2024年3月31日現在の財政状態を示しています。連結貸借対照表では、資産合計が3,850,329百万円、負債合計が3,571,566百万円、自己資本が278,763百万円となっています。連結損益計算書では、経常収益が88,081百万円、当期純利益が10,207百万円で、前年と比較して安定した収益を確保しています。また、連結包括利益計算書では、包括利益が58,113百万円となり、親会社株主に係る包括利益も同様に増加しています。連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなったものの、前年よりも改善が見られました。これらの財務諸表は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されており、有限責任あずさ監査法人による監査証明を受けています。

株式会社阿波銀行のセグメント情報は、主に「銀行業」と「リース業」の2つの報告セグメントに分かれています。2024年度の経常収益は、銀行業が60,037百万円、リース業が16,069百万円で、合計76,107百万円となっています。セグメント利益は、銀行業が16,431百万円、リース業が589百万円で、合計17,020百万円です。セグメント資産は、銀行業が3,886,412百万円、リース業が50,781百万円で、合計3,937,193百万円となっています。負債は、銀行業が3,570,721百万円、リース業が33,853百万円で、合計3,604,574百万円です。これらの数値は、セグメント間の取引消去を考慮した上でのものであり、経営資源の配分や業績評価に活用されています。

株式会社阿波銀行の連結財務諸表作成において、重要な会計方針として「貸倒引当金」が挙げられます。この引当金は、債務者の将来の業績見通しに基づいて算出されており、2024年3月31日現在で16,619百万円が計上されています。主要な仮定としては、各債務者の収益獲得能力を個別に評価し、特に「道路貨物運送業」においては燃料費や人件費の上昇が業績に与える影響を考慮しています。これにより、信用リスクが高まると仮定し、追加的な貸倒引当金を計上しています。これらの見積りは、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を与える可能性があるため、慎重に評価されています。

株式会社阿波銀行は、金融商品に対する取組方針として、銀行業務を中心にリース業務等の金融サービスを提供し、主に預金で調達した資金を貸出金や有価証券等で運用しています。2024年3月31日現在、時価で連結貸借対照表に計上されている金融商品は、資産計が1,043,863百万円、負債計が21,763百万円です。金融商品のリスクには、信用リスク、金利の変動リスク、市場価格の変動リスクが含まれます。特に、貸出金は国内法人及び個人に対するもので、国内景気や融資先の経営状況の悪化による信用リスクを内包しています。また、デリバティブ取引には金利スワップや通貨スワップが含まれ、これらは将来の金利変動や為替変動のリスクを回避するために利用されています。ヘッジ会計は、業種別委員会実務指針に基づき、ヘッジ対象とヘッジ手段の評価を行っています。

株式会社阿波銀行のリース取引は、主にファイナンス・リース取引を通じて行われています。2024年3月31日現在、リース債権及びリース投資資産は33,804百万円で、前年の31,372百万円から増加しています。リース資産は、所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る有形固定資産として計上され、リース期間を耐用年数とした定額法により減価償却されています。リース料は受取時に売上高と売上原価を計上する方法で収益認識が行われており、顧客との契約に基づく履行義務の充足に応じて収益を認識しています。また、リース取引に関連するリスクとしては、債務者の信用リスクや市場金利の変動リスクがあり、これらのリスク管理を徹底しています。

株式会社阿波銀行の有価証券関係は、2024年3月31日現在で、合計1兆505億円の有価証券を保有しています。これは前年度末比で1,151億円の増加です。内訳としては、国債が157,058百万円、地方債が158,531百万円、社債が270,798百万円、株式が171,621百万円、その他が292,512百万円となっています。また、有価証券評価損益は、株式を中心に上昇し、評価益は1,258億円に達しました。債券関係損益は改善し、前年度比で58億7百万円の増益となりました。これにより、当行は安定した収益基盤を確保し、リスク管理を徹底しています。

株式会社阿波銀行は、「収益認識に関する会計基準」（企業会計基準第29号）及びその適用指針に基づき、顧客との契約に基づく収益を認識しています。収益は、約束した財またはサービスの支配が顧客に移転した時点で、受け取ると見込まれる金額で認識されます。具体的には、以下の5つのステップを適用しています。ステップ1：顧客との契約を識別する。ステップ2：契約における履行義務を識別する。ステップ3：取引価格を算定する。ステップ4：契約における履行義務に取引価格を配分する。ステップ5：履行義務を充足した時に収益を認識します。収益には、為替業務や資金取引、証券業務に係る手数料が含まれ、これにより安定した収益基盤を確保しています。

株式会社阿波銀行の財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の作成において重要な情報を提供しています。注記事項には、連結の範囲、重要な会計方針、収益認識、金融商品、リース取引、有価証券、関連当事者取引などが含まれています。特に、連結の範囲に関しては、連結子会社7社と非連結子会社3社が明記されており、各社の業務内容や財務状況が注記されています。また、重要な会計方針としては、貸倒引当金の見積りや収益認識の基準が示されており、これに基づいて財務諸表が作成されています。監査法人による監査証明も受けており、財務諸表が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠していることが確認されています。