昭和鉄工株式会社

昭和鉄工株式会社は、140年以上の歴史を持つ企業で、熱技術とモノづくりを基盤にした製品・サービスを展開しています。2023年度から2025年度にかけての中期経営計画では、連結売上高145億円、連結営業利益7億6千5百万円、営業利益率5.3％を目指しています。主な事業セグメントは、機器装置事業、素形材加工事業、サービスエンジニアリング事業で、2023年度の生産実績は合計13,504百万円、前年同期比で6.2％の増加を記録しました。特に、サービスエンジニアリング事業は前年同期比で16.1％の成長を見せています。また、労働環境の改善にも取り組んでおり、管理職に占める女性労働者の割合は4.9％、男性の育児休業取得率は100％を達成しています。企業の基本方針は「誠実を造り、誠実を売り、誠実をサービスする」であり、社会貢献や顧客満足を重視しています。

昭和鉄工株式会社の2024年3月期の主要な経営指標は以下の通りです。売上高は13,515百万円で、計画比4.0％の増加を達成しました。経常利益は832百万円で、計画比28.0％の増加です。親会社株主に帰属する当期純利益は1,048百万円で、計画比29.5％の増加を記録しました。自己資本利益率（ROE）は14.6％に達し、前年同期比で大幅な改善が見られました。過去5年間の売上高は、2020年3月期の12,042百万円から2024年3月期の13,515百万円へと増加し、経常利益も389百万円から832百万円に成長しています。これらの指標は、企業の持続的な成長と収益性の向上を示しています。

昭和鉄工株式会社は、空調機器、熱源機器、環境製品、橋の欄干製品、液晶表示製造用熱処理炉装置、各種鋳物製品などの製造販売を行っています。主な事業は以下の3つのセグメントに分かれています。まず、機器装置事業では、ファンコイルユニットやエアハンドリングユニットなどの空調機器、業務用エコキュート、ボイラー、ヒーター、バーナーなどの熱源機器を製造・販売しています。次に、素形材加工事業では、橋の欄干や防護柵などの景観製品、ダクタイル鋳鉄や合金特殊鋳造製品を扱っています。最後に、サービスエンジニアリング事業では、空調設備や給排水衛生設備の工事請負、販売、メンテナンス、取替工事を行っています。これにより、顧客の多様なニーズに応える製品とサービスを提供しています。

昭和鉄工株式会社の歴史は1883年10月に始まり、斎藤一が福岡市で医療器械の製造販売を目的に斎藤製作所を開業しました。1890年には蒸気暖房装置の製造販売を開始し、ボイラーメーカーとしての基礎を築きました。1933年4月には株式会社斎藤製作所を設立し、1934年12月に社名を「昭和鉄工株式会社」に変更しました。1937年には福岡県糟屋郡に工場を建設し、本社を移転しました。1959年にはアサヒ不動産株式会社を設立し、1960年には東京製作所を設立して放熱器の製造を開始しました。1975年には宇美工場を新設し、ファンコイルユニットやエアハンドリングユニットの製造を開始しました。これらの歴史的な出来事は、企業の成長と発展を支える重要なステップとなっています。

昭和鉄工株式会社の2024年3月31日現在の財務情報は以下の通りです。資産合計は199億5,600万円で、前年度比で43億2,100万円の増加が見られました。主な要因は、現金及び預金が8億9,200万円、電子記録債権が6億2,400万円、投資有価証券が26億7,400万円増加したことです。負債合計は111億7,700万円で、前年度比11億7,600万円の増加があり、主に繰延税金負債の増加によるものです。純資産は87億7,900万円で、前年度比31億4,400万円の増加があり、利益剰余金やその他有価証券評価差額金の増加が寄与しています。営業活動によるキャッシュ・フローは797百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは281百万円のプラスとなっています。これらの指標は、企業の健全な財務状態を示しています。

昭和鉄工株式会社は、140年以上の歴史を持ち、熱技術とモノづくりを基盤にした製品・サービスを展開しています。経営の基本方針は「誠実を造り、誠実を売り、誠実をサービスする」であり、社会の公器としての役割を果たすことを重視しています。ミッションは「情熱技術で、ミライをカタチに。」であり、社員の誇りと幸せ、顧客の満足と信頼、社会への貢献、適正利益の追求を目指しています。具体的な行動指針としては、誠実さ、謙虚さ、信念を貫くこと、情熱と好奇心を持って学び続けること、創造と挑戦を通じて価値を見出すことが挙げられます。また、2023年度から2025年度にかけての中期経営計画では、連結売上高145億円、連結営業利益7億6千5百万円、営業利益率5.3％を目指しています。これにより、持続可能な成長を実現し、社会に貢献する企業を目指しています。

昭和鉄工株式会社は、全社的なリスク管理体制を構築しており、代表取締役社長直轄の内部監査室が中心となってリスクの識別と評価を行っています。リスク管理は、事業部門や管理部門、各社内委員会が連携して実施され、気候変動や多様性に関するリスクも含まれています。信用リスクについては、売上債権管理規程に基づき、取引先の状況を定期的にモニタリングし、回収懸念を早期に把握することに努めています。また、市場リスクに対しては、投資有価証券の時価や発行会社の財務状況を定期的に確認し、流動性リスクについては、資金繰計画を作成・更新し、手許流動性を連結売上高の2か月分相当維持することを目指しています。これにより、企業の持続可能な成長を支えるリスク管理を実施しています。

昭和鉄工株式会社の2024年3月期の経営成績は、売上高が135億1千5百万円で前年同期比12.2％増、営業利益は6億6千2百万円となり、前年は営業損失でした。経常利益は8億3千2百万円で前年同期比1,369.7％の増加を記録しました。親会社株主に帰属する当期純利益は10億4千8百万円で、前年同期比1,228.9％の増加です。特に、機器装置事業とサービスエンジニアリング事業が好調で、機器装置事業の売上高は73億4千1百万円（前年同期比8.9％増）、サービスエンジニアリング事業は39億1千7百万円（前年同期比16.1％増）となりました。これにより、企業の持続的な成長が示されています。

昭和鉄工株式会社の2024年3月31日現在の財政状態は以下の通りです。資産合計は199億5,600万円で、前年度比43億2,100万円の増加がありました。主な要因は、現金及び預金が8億9,200万円、電子記録債権が6億2,400万円、投資有価証券が26億7,400万円増加したことです。負債合計は111億7,700万円で、前年度比11億7,600万円の増加があり、主に繰延税金負債の増加によるものです。純資産は87億7,900万円で、前年度比31億4,400万円の増加があり、利益剰余金やその他有価証券評価差額金の増加が寄与しています。これにより、企業の財政状態は健全であり、持続的な成長が期待されます。

昭和鉄工株式会社の2024年3月期におけるキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前年度末より8億9千2百万円増加し、32億4千3百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは7億9千7百万円のプラスで、前年同期は2億5千6百万円の支出でした。これは、税金等調整前当期純利益が11億5千7百万円であったことが主な要因です。投資活動によるキャッシュ・フローは2億8千1百万円のプラスで、前年同期は1千9百万円の支出でした。これは、投資有価証券の売却による収入が3億9千3百万円あったためです。財務活動によるキャッシュ・フローは1億8千6百万円の支出で、前年同期と同額でした。これにより、全体として健全なキャッシュ・フローの状況が維持されています。

昭和鉄工株式会社は、事業運営においていくつかのリスクを抱えています。まず、保有資産リスクとして、長期保有目的で有価証券を保有しているため、株価の変動が業績に悪影響を及ぼす可能性があります。次に、中国向け事業展開において、景気悪化や顧客の経営環境の変化が影響し、債権回収リスクが高まる可能性があります。また、棚卸資産の収益性が低下した場合、簿価切下げが必要となり、財政状態に影響を与えることがあります。さらに、業績は季節的変動に影響されやすく、上期と下期で売上高や利益が偏重する傾向があります。研究開発に関しては、限られた経営資源の中で市場ニーズに合った製品を開発する必要があり、失敗した場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。人材確保や育成も重要なリスクであり、優秀な人材が確保できない場合、長期的な成長に影響を与える可能性があります。

昭和鉄工株式会社の2024年3月期における経営成績は、売上高が135億1千5百万円で前年同期比12.2％増、営業利益は6億6千2百万円となり、前年は営業損失でした。経常利益は8億3千2百万円で前年同期比1,369.7％の増加を記録しました。親会社株主に帰属する当期純利益は10億4千8百万円で、前年同期比1,228.9％の増加です。財政状態については、資産合計が199億5,600万円、負債合計が111億7,700万円、純資産が87億7,900万円となり、健全な財務基盤を維持しています。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが797百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが281百万円のプラスとなり、全体として良好な流動性を確保しています。これらの結果は、企業の持続的な成長を示しています。

昭和鉄工株式会社は、運転資金の需要として原材料の仕入れ、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用が主な要素となっています。投資目的の資金需要は設備投資によるもので、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達には自己資金及び金融機関からの短期借入、長期借入を利用しています。2024年3月31日現在、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は35億4千5百万円、現金及び現金同等物の残高は32億4千3百万円となっています。これにより、資金の流動性は良好であり、安定した運営が可能です。

昭和鉄工株式会社の経営成績に重要な影響を与える要因は、主に市場環境、原材料価格、顧客の設備投資意欲、及び為替相場の変動です。2024年3月期において、売上高は135億1千5百万円で前年同期比12.2％増となり、これは旺盛な建設投資やコロナ禍からの回復によるものです。また、売上総利益は33億5百万円で、前年同期比33.8％増、売上総利益率は24.5％に達しました。原材料価格の高騰に対しては、適正な売価設定や製造工程の見直しを行い、コスト管理を徹底しています。さらに、海外市場への展開も影響を与えており、中国市場の景気動向が特に重要です。これらの要因を踏まえ、経営者は持続的な成長を目指し、データドリブン経営や人財戦略の強化に取り組んでいます。

昭和鉄工株式会社の経営者は、現在の経営環境において直面する課題を認識し、持続的な成長を目指す方針を掲げています。特に、デジタル化や環境規制の変化に対応するため、データドリブン経営を推進し、業務の効率化と顧客ニーズへの迅速な対応を重視しています。中期経営計画「人財戦略・事業戦略を一貫させた強い昭和鉄工で持続的社会への一翼を担おう！」を策定し、2025年度には連結売上高145億円、連結営業利益7億6千5百万円を目指しています。また、組織風土改革や自律人財の育成を進め、「人」で勝てる現場力の向上を図る方針です。これにより、社員の誇りと幸せ、顧客の満足と信頼、社会への貢献を実現し、適正利益の追求を目指しています。

昭和鉄工株式会社における経営上の重要な契約は、主に以下の2つの契約です。まず、技術援助契約として、韓国のKC Innovation Co., Ltd.との間で熱処理炉に関する技術的情報の供与が行われており、契約は2015年9月以降、1年毎に自動更新されています。次に、生産委託契約も同じくKC Innovation Co., Ltd.との間で、熱処理炉のOEM生産が行われており、こちらも2013年9月以降、1年毎に自動更新されています。これらの契約は、企業の技術力向上や生産能力の拡大に寄与しており、経営戦略の重要な一部を形成しています。

昭和鉄工株式会社は、独創技術の開発を基本理念として、新材料の開発から製品開発、さらには生産技術の開発に至るまで、積極的な研究開発活動を行っています。各事業部門の技術担当部門がそれぞれの特徴ある製品開発を展開し、独自の生産技術を駆使して市場に個性ある製品を提供しています。また、外部研究所との共同開発も継続して行っています。2024年度には、機器装置事業において給湯器や外気処理機の改良を行い、研究開発費の総額は62百万円に達しました。これにより、顧客のニーズに応える新製品の開発を進め、競争力を高めています。

昭和鉄工株式会社の設備の状況は、2024年3月31日現在で以下の通りです。当社グループでは、「成長分野への経営資源の集中」を基本戦略とし、全体で344百万円の設備投資を実施しました。セグメント別の設備投資額は、機器装置事業が193百万円、素形材加工事業が143百万円、サービスエンジニアリング事業が7百万円です。主な設備投資内容には、宇美工場のパンチレーザー複合加工機（1億1千万円）、古賀工場の縦型レーザー加工機（5千1百万円）、縦型マシニングセンター（4千7百万円）が含まれます。主要な設備の帳簿価額は、本社・宇美工場が1,673百万円、古賀工場が1,293百万円、札幌工場が152百万円となっています。設備の新設や改修に関しては、今後1年間の生産計画や需要予測を考慮し、9億7千万円の投資が予定されています。

昭和鉄工株式会社の2024年3月31日現在の株式の状況は以下の通りです。発行済株式総数は897,000株で、自己株式は73,063株となっています。自己株式の増加は、単元未満株式の買取によるもので、136株の増加がありました。大株主には、株式会社福岡銀行（38,000株、4.69％）、株式会社西日本シティ銀行（38,000株、4.67％）、株式会社北九州銀行（35,000株、4.33％）が含まれています。配当政策としては、安定的な配当の継続を重視し、2023年6月28日の定時株主総会で普通株式に対して1株当たり50円の配当を決議しました。今後も企業業績を勘案し、配当を行う方針です。

昭和鉄工株式会社は、株主への安定的な配当の継続を最重要課題と位置づけています。企業業績を勘案し、配当を行うことを基本としており、今後の競争激化に耐えうるための経営効率化や新製品開発に備えるための内部留保の充実も考慮しています。剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本方針としており、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会で決定されます。2024年度の剰余金の配当は、普通株式に対して1株140円（普通配当50円、特別配当50円、創業140周年記念配当40円）を実施することが決定されました。これにより、株主への利益還元を図っています。

昭和鉄工株式会社は、経営の透明性及び効率性を高め、企業価値の向上と社会に対する責任を果たすことを重要課題としています。監査役設置会社の形態を採用し、取締役会は取締役5名（うち社外取締役2名）、監査役会は監査役3名（うち社外監査役2名）で構成されています。取締役会は原則として毎月1回開催され、迅速な意思決定を図っています。また、取締役の任期は1年とし、経営責任を明確にしています。内部監査室が設置され、業務の適正性や効率性を監査し、経営の健全性を確保しています。さらに、役員報酬は業績連動型であり、業績指標に基づいて決定されるため、経営者の責任感を高める仕組みが整っています。

昭和鉄工株式会社の役員は、男性8名、女性0名で構成されており、役員のうち女性の比率は0％です。代表取締役社長は日野宏昭氏で、1961年生まれ、1983年に入社し、2023年4月から現職に就任しています。取締役には、井上敏氏（常務執行役員）、尾島孝則氏（上級執行役員）、執行貴洋氏（上級執行役員）などが含まれています。監査役には、伊達正治氏（常勤監査役）、吉田泰彦氏（社外監査役）、本田隆茂氏（社外監査役）がいます。取締役会は2024年度に13回開催され、出席率は日野社長が100％、井上常務が100％、尾島上級執行役員が100％など、全体的に高い出席率を維持しています。また、役員報酬委員会も設置されており、独立社外取締役が半数以上を占める構成となっています。

昭和鉄工株式会社の監査体制は、監査役3名（うち社外監査役2名）で構成されており、社外監査役は金融機関の役員経験者で、財務及び会計に関する知見を有しています。監査役会は定期的に開催され、監査役は取締役会への出席や代表取締役との意見交換を行い、業務執行の監視を行っています。監査役会の出席率は、常勤監査役の伊達正治氏が100％、社外監査役の吉田泰彦氏が78％、本田隆茂氏が100％です。また、内部監査室が設置され、業務プロセスの適正性や内部統制の有効性を監査し、監査結果は代表取締役社長に報告されます。監査法人による外部監査も行われており、財務諸表が公正妥当であることが確認されています。これにより、企業の透明性と信頼性が確保されています。

昭和鉄工株式会社の役員の報酬等は、取締役と監査役に分かれています。2024年度の取締役の報酬総額は76百万円で、内訳は固定報酬62百万円、業績連動報酬13百万円です。監査役の報酬は10百万円で、全額が固定報酬となっています。役員報酬は、業績連動型の要素を取り入れ、企業の成長を促す仕組みが整っています。業績連動報酬の算定基準は、中期経営計画に基づく連結数値目標に連動しており、2024年度の実績は売上高13,515百万円、営業利益662百万円、営業利益率4.9％でした。役員報酬の決定は、役員報酬委員会が審議し、取締役会が最終決定を行うプロセスを経ています。これにより、透明性と公正性が確保されています。

昭和鉄工株式会社の2024年3月31日現在の株式の保有状況は以下の通りです。発行済株式総数は897,000株で、自己株式は73,063株となっています。自己株式の保有割合は約8.14％です。2024年度においては、45株の自己株式を取得し、総額100,500円で処理されています。株主の中には、株式会社福岡銀行や株式会社西日本シティ銀行などが含まれ、安定的な取引関係の維持を目的とした保有が行われています。また、当社は政策保有株式として、取引関係の維持や業務提携を目的とした株式を保有しており、経営戦略の一環としてその保有の合理性を検証しています。

昭和鉄工株式会社の経理の状況は、2024年度において連結財務諸表を基にした健全な財務管理が行われています。売上高は135億1千5百万円で前年同期比12.2％増、経常利益は832百万円で前年同期比28.0％増、親会社株主に帰属する当期純利益は1,048百万円で29.5％の増加を記録しました。これにより、自己資本利益率（ROE）は14.6％に達し、前年同期比で改善が見られました。重要な会計上の見積りとしては、売上債権の回収可能性や在庫の評価が挙げられ、経営者の判断が重要な影響を及ぼしています。また、資金の流動性を確保するため、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達も行っています。これにより、安定した経営基盤が維持されています。

昭和鉄工株式会社の2024年度の連結財務諸表は、以下の主要な数値を示しています。連結貸借対照表では、資産合計が199億5,600万円、負債合計が111億7,700万円、純資産が87億7,900万円となっています。流動資産は100億3,300万円、固定資産は99億2,200万円です。連結損益計算書では、売上高が135億1千5百万円、営業利益が6億6千2百万円、経常利益が8億3千2百万円、当期純利益が10億4千8百万円です。連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが797百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが281百万円のプラス、財務活動によるキャッシュ・フローが186百万円のマイナスとなっています。これらの数値は、企業の健全な財務状態と持続的な成長を示しています。

昭和鉄工株式会社の報告セグメントは、機器装置事業、素形材加工事業、サービスエンジニアリング事業の3つに分かれています。2024年度の売上高は、機器装置事業が73億4千1百万円、素形材加工事業が22億5千5百万円、サービスエンジニアリング事業が39億1千7百万円で、合計は135億1千5百万円となりました。地域別の売上高は、日本が123億2千万円、アジア（中国、台湾、韓国）が11億9千3百万円、その他が1百万円です。主要顧客には東テク株式会社があり、売上高は18億2千2百万円です。セグメント間の内部取引は相殺消去されており、各セグメントの利益は営業利益ベースで算出されています。これにより、各事業の業績を明確に把握し、経営資源の配分を最適化しています。

昭和鉄工株式会社の連結財務諸表作成において、重要な会計方針としては、貸倒引当金の計上基準が挙げられます。2024年度の貸倒引当金は19百万円で、前年度の22百万円から減少しています。特に、サーモデバイス事業部の海外向け債権（547百万円）については、取引先の財政状態に基づく支払能力を個別に評価しています。評価に用いる主要な仮定としては、液晶パネルの市場予測や価格動向、取引先の財政状態が考慮されています。これにより、将来の回収可能性に影響を与える要因を適切に反映させることが求められます。経営者は、これらの見積り及び仮定が将来の財務諸表に与える影響を常に見直し、必要に応じて調整を行う方針です。

昭和鉄工株式会社は、金融商品に対して慎重な取組方針を採用しています。主に空調機器や熱源機器の製造販売に必要な資金を金融機関からの借入で調達し、一時的な余資は銀行預金や安全性の高い債券に限定して運用しています。2024年3月31日現在、現金及び現金同等物は3,243百万円で、前年同期の2,351百万円から増加しました。金融商品の内容としては、営業債権（受取手形、売掛金、電子記録債権）や投資有価証券が含まれ、顧客の信用リスクや市場価格の変動リスクに晒されています。リスク管理体制としては、売上債権管理規程に基づき、取引先の状況を定期的にモニタリングし、流動性リスクを管理するために資金繰計画を作成・更新しています。これにより、企業の財務の健全性を維持しています。

昭和鉄工株式会社のリース取引は、主にファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に分かれています。ファイナンス・リース取引では、主として機器装置事業における生産設備がリース資産として使用されており、リース資産の減価償却はリース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法で行われています。2024年度のリース資産の帳簿価額は208百万円です。一方、オペレーティング・リース取引においては、解約不能のものに係る未経過リース料は2024年度には発生していません。これにより、リース取引は企業の資金調達手段として重要な役割を果たしています 。

昭和鉄工株式会社の有価証券関係について、2024年3月31日現在の連結貸借対照表における投資有価証券の計上額は6,045百万円で、取得原価は1,307百万円、差額は4,738百万円となっています。これに対し、前年度の計上額は3,302百万円で、取得原価は1,375百万円、差額は1,995百万円でした。市場価格のない非上場株式は78百万円で、これらは「その他有価証券」に含まれています。また、売却した有価証券に関しては、韓国のKC Innovation Co., Ltd.株式の売却が行われ、これにより収益が得られています。これらの有価証券は、企業の資産運用の一環として重要な役割を果たしています。

昭和鉄工株式会社の財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項を含んでいます。注記事項には、連結の範囲、重要な会計方針、及び見積りに用いた仮定が記載されています。特に、貸倒引当金の計上基準や、サーモデバイス事業部の海外向け債権の評価方法について詳細が述べられています。また、顧客との契約から生じる収益の認識基準や、履行義務の充足に関する情報も含まれています。これにより、財務諸表の透明性が高まり、投資家や利害関係者に対して企業の財務状況を正確に伝えることが可能となっています。