レンゴー株式会社

レンゴー株式会社は、1909年に設立され、日本における段ボール産業のパイオニアとして知られています。主な事業は「製紙」「段ボール」「紙器」「軟包装」「重包装」「海外」の6つのコア事業で構成され、幅広いパッケージングソリューションを提供しています。2024年3月31日現在、売上高経常利益率は5.3％、D/Eレシオは1.0倍で、目標はそれぞれ6％以上、1.5倍以下です。企業の経営方針としては、持続可能な成長と企業価値の向上を目指し、株主やステークホルダーとの良好な関係を重視しています。また、環境経営にも力を入れ、全社的な取り組みを行っています。企業の透明性を確保するため、四半期ごとに財務情報を開示し、非財務情報も積極的に発信しています。

レンゴー株式会社の主要な経営指標は、売上高、経常利益、当期純利益、自己資本比率などが含まれます。2024年3月期の売上高は900,791百万円、経常利益は47,984百万円、当期純利益は33,025百万円でした。自己資本比率は36.3％、自己資本利益率は8.3％です。また、1株当たり純資産額は1,716.97円、1株当たり当期純利益は133.33円となっています。配当性向は40.7％で、従業員数は23,389名です。これらの指標は、企業の財務健全性や収益性を示す重要なデータであり、持続的な成長を目指す上での基盤となっています。

レンゴー株式会社は、主に「板紙・紙加工関連事業」「軟包装関連事業」「重包装関連事業」「海外関連事業」の4つのセグメントで事業を展開しています。板紙・紙加工関連事業では、国内における板紙、段ボール、段ボール箱、クラフトパルプの製造・販売を行っています。軟包装関連事業では、軟包装製品やセロファンの製造・販売を手掛けています。重包装関連事業は、重包装製品の製造・販売を行い、海外関連事業では、海外での板紙、段ボール、軟包装製品、不織布の製造・販売を行っています。さらに、その他の事業として、不織布や紙器機械の製造・販売、運送事業、保険代理業、リース業、不動産業も展開しています。これにより、幅広い包装ソリューションを提供し、顧客の多様なニーズに応えています。

レンゴー株式会社は、1909年に井上貞治郎が三盛舎として日本で初めて段ボール事業を創始しました。1920年には聯合紙器株式会社を設立し、1926年に本店を東京から大阪に移転しました。1936年には淀川工場を開設し、原紙から段ボールまでの一貫生産を開始しました。1949年には大阪証券取引所に上場し、1950年には東京証券取引所にも上場しました。1972年には社名を「聯合紙器株式会社」から「レンゴー株式会社」に変更し、1980年以降も新工場の開設や合併を進めました。2009年には創業100周年を迎え、2019年には創業110周年を祝いました。近年では、海外事業の拡大や新工場の開設を進め、持続的な成長を目指しています。

レンゴー株式会社の2024年3月31日現在の財務情報は以下の通りです。売上高は363,590百万円、売上原価は288,072百万円で、売上総利益は75,518百万円となっています。営業利益は24,128百万円、経常利益は28,305百万円です。当期純利益は25,980百万円で、自己資本比率は36.3％、D/Eレシオは1.0倍です。総資産は1,172,515百万円、純資産は438,978百万円です。現金及び現金同等物の期末残高は103,782百万円で、営業活動によるキャッシュ・フローは89,628百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは76,033百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは17,265百万円の増加となっています。これらの指標は、企業の財務健全性や収益性を示す重要なデータです。

レンゴー株式会社は、迅速かつ正確な情報開示を重視し、健全で透明性の高い経営を目指しています。「真理は現場にある」という理念のもと、権限の委譲と意思決定の迅速化を図り、コーポレートガバナンスの強化に努めています。基本方針として、株主の権利と平等性の確保、ステークホルダーとの適切な協働、透明性のある情報開示を掲げています。また、取締役会は持続的な成長と企業価値の向上を目指し、独立社外取締役の役割を重視しています。環境経営にも力を入れ、企業の社会的責任を果たすために、全社的な取り組みを行っています。これにより、株主や地域社会との良好な関係を築き、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

レンゴー株式会社では、リスクと機会を特定し、マネジメントシステムを通じて対応策を講じています。環境委員会とCSR委員会が中心となり、事業計画に関連するリスクを評価し、発生可能性や影響度に基づいて優先順位を付けています。具体的には、環境法規制や重要な環境側面を考慮し、リスクに対する対応策を検討しています。また、取締役会は特定されたリスクの認識を踏まえ、事業計画の遂行を監督しています。さらに、金融商品に関するリスク管理も行い、顧客の信用リスクや市場価格の変動リスクに対して与信管理や定期的な時価把握を実施しています。これにより、企業の持続可能な成長を支える体制を整えています。

レンゴー株式会社の2024年3月期の経営成績は、売上高900,791百万円、営業利益48,855百万円、経常利益47,984百万円、親会社株主に帰属する当期純利益33,025百万円となり、前年同期比でそれぞれ106.5％、188.2％、167.3％、161.7％の増加を記録しました。主な要因は、製品価格の改定と連結子会社の増加です。売上高経常利益率は5.3％で、目標を0.7ポイント下回りましたが、これは人件費の増加によるものです。セグメント別では、板紙・紙加工関連事業が増収増益を達成し、売上高510,945百万円、営業利益34,966百万円でした。軟包装関連事業も増収増益で、売上高121,278百万円、営業利益4,770百万円となりました。一方、重包装関連事業は減収減益となり、売上高44,348百万円、営業利益906百万円でした。全体として、経営成績は堅調に推移しています。

レンゴー株式会社の2024年3月31日現在の財政状態は、総資産が1,172,515百万円で、前年度末に比べ119,377百万円増加しました。負債は733,537百万円で、主に長短借入金や支払手形及び買掛金の増加によるもので、前年度末に比べ66,132百万円増加しました。純資産は438,978百万円で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や為替レートの変動による為替換算調整勘定の増加が影響しています。自己資本比率は36.3％で、前年度末に比べ0.9ポイント上昇しました。また、D/Eレシオは1.0倍で、目標の1.5倍以下を達成しています。これにより、企業の財務健全性が維持されていることが示されています。

レンゴー株式会社の2024年3月期におけるキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。現金及び現金同等物の期末残高は103,782百万円で、前年度末に比べ32,870百万円増加しました。営業活動によるキャッシュ・フローは89,628百万円で、前年同期比で43,562百万円の増加が見られました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益50,290百万円、減価償却費48,761百万円、法人税等の支払額8,479百万円です。投資活動によるキャッシュ・フローは76,033百万円の減少で、主に有形固定資産の取得による支出63,975百万円が影響しています。財務活動によるキャッシュ・フローは17,265百万円の増加で、長短借入金の純増額19,897百万円、社債の発行による収入20,000百万円が含まれています。これにより、資金調達の効率化と流動性の向上が図られています。

レンゴー株式会社は、サステナビリティを重要な経営課題と位置付け、気候変動や人権の尊重、従業員の健康・安全、公正な取引などに積極的に取り組んでいます。特に「エコチャレンジ2030」では、2030年度までに温室効果ガス排出量を2013年度比で46％削減する目標を掲げています。2023年度には、化石エネルギー起源のCO2排出量を14.5％削減しました。また、環境投資には700億円を計上し、再生可能エネルギーの導入や省エネルギー化を進めています。さらに、循環型社会の形成を目指し、古紙利用率の向上や水リスクの管理にも取り組んでいます。これらの活動を通じて、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しています。

レンゴー株式会社が認識している主な事業リスクには、製品需要や市況動向、原燃料価格の変動、自然災害、疫病、海外事業に伴うリスク、金利の変動、株価の変動、為替の変動などがあります。特に、景気後退による需要の減少や競争の激化は、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、安定した需要が見込まれる食品向けの受注を強化し、幅広い業種との取引関係を構築することでリスクを低減しています。また、原材料価格の変動に対しては、生産性向上や省エネルギー設備への投資を行い、コスト管理を徹底しています。自然災害や疫病の影響を受けた場合には、全国の製造拠点からの供給体制を整え、事業活動の中断を最小限に抑える努力をしています。これらのリスクに対して、適切な情報収集と共有を行い、迅速な対応を図っています。

レンゴー株式会社の2024年3月期における経営成績は、売上高900,791百万円、経常利益47,984百万円、当期純利益33,025百万円と前年同期比で増加しました。経済環境は物価上昇や円安の影響を受けつつも、新型コロナウイルスの影響が緩和され、人流の増加や設備投資の持ち直しが見られました。財政状態は、総資産1,172,515百万円、負債733,537百万円、純資産438,978百万円で、自己資本比率は36.3％に達しました。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが89,628百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが76,033百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローが17,265百万円の増加を記録しました。これにより、企業の財務健全性と流動性が維持されていることが示されています。

レンゴー株式会社は、資本の財源として銀行借入および社債発行を利用しています。2024年3月31日現在、現金及び現金同等物の期末残高は103,782百万円で、前年度末に比べ32,870百万円増加しました。営業活動によるキャッシュ・フローは89,628百万円で、前年同期比で43,562百万円の増加が見られました。投資活動によるキャッシュ・フローは76,033百万円の減少で、有形固定資産の取得による支出が63,975百万円を占めています。財務活動によるキャッシュ・フローは17,265百万円の増加で、長短借入金の純増額が19,897百万円、社債の発行による収入が20,000百万円です。さらに、キャッシュマネジメントサービスを導入し、グループ全体での資金活用を効率化し、有利子負債の削減と金融収支の改善を図っています。

レンゴー株式会社の経営成績に重要な影響を与える要因には、製品需要、市況動向、原燃料価格、自然災害、疫病、金利の変動、為替の変動などがあります。特に、国内の景気動向が板紙や段ボール製品の需要に大きく影響し、景気後退や競争の激化が経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。原材料である段ボール古紙の価格は、海外の需要動向に左右され、需給バランスの変動がコストに影響します。また、自然災害や疫病の影響で事業活動が中断するリスクも存在します。これらのリスクに対して、レンゴーは安定した需要が見込まれる食品向けの受注を強化し、幅広い業種との取引関係を構築することでリスクを低減しています。さらに、生産性向上や省エネルギー設備への投資を通じて、コスト競争力を強化し、経営成績の安定化を図っています。

レンゴー株式会社の経営者は、景気後退や競争の激化が経営成績に与える影響を認識し、安定した需要が見込まれる食品向けの受注を強化する方針を掲げています。また、特定業種における需要の減少に対しては、幅広い業種の取引先との良好な関係を構築し、提案型営業を推進することでリスクを最小化することを目指しています。原燃料価格の変動に対しては、生産性向上や省資源・省エネルギーに資する設備投資を行い、コスト競争力を強化しています。さらに、自然災害や疫病のリスクに対しては、製造拠点の分散化や事業継続計画を策定し、事業活動の中断を最小限に抑える努力をしています。今後は、海外事業の拡大やデジタル・トランスフォーメーションの推進を通じて、持続的な成長を図る方針です。

レンゴー株式会社は、2023年6月29日に取締役会の決議を経て、子会社であるサン・トックス株式会社を消滅会社、三井化学株式会社の子会社である三井化学東セロ株式会社を存続会社とする吸収合併を実施しました。この合併により、吸収合併の効力発生後にレンゴーが三井化学東セロ株式会社の株式を取得し、同社を子会社化することが決定されています。合併は2024年4月1日付で実施され、これにより事業の効率化やシナジー効果の創出が期待されています。詳細については、連結財務諸表等の注記事項に記載されています。

レンゴー株式会社では、地球環境に配慮した独創的で付加価値の高い新商品と新技術の開発を進めています。2024年度の研究開発費は総額2,175百万円で、主に板紙・紙加工関連事業、軟包装関連事業、重包装関連事業、海外関連事業に分かれています。板紙・紙加工関連事業では、CO2排出量削減に向けた段ボール貼合技術や接着剤の開発、デジタル印刷技術の研究を行っています。軟包装関連事業では、バイオマス原料を使用したフィルム製品の開発を進めています。重包装関連事業では、自動車市場向けの機能性フィルムや樹脂加工製品の開発が行われています。海外関連事業では、医薬品向け包装材料の研究が進められ、上市段階に入っています。これらの取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

レンゴー株式会社は、2024年度に総額73,833百万円の設備投資を実施しました。主な投資先は、板紙・紙加工関連事業での松山工場の移転先となる愛媛東温工場の建設や、維持・更新投資に31,925百万円を充てています。連結子会社では、板紙生産設備や段ボール生産設備に17,038百万円の投資が行われました。軟包装関連事業では、4,984百万円、重包装関連事業では1,820百万円の設備投資が実施されています。海外関連事業では、段ボールや軟包装製品の生産設備に17,062百万円の投資が行われました。資金は主に自己資金と借入金で賄われています。設備の状況としては、主要な設備は稼働中であり、現在休止中の設備はありません。

レンゴー株式会社の2024年3月31日現在の株式の状況は以下の通りです。発行済株式数は271,056,029株で、自己株式は23,355,661株です。株主資本は305,174百万円から331,801百万円に増加し、自己資本比率は36.3％に達しました。大株主には、日本マスタートラスト信託銀行が30,433千株（12.19％）、日本カストディ銀行が28,510千株（11.42％）を保有しています。配当政策としては、2024年度の1株当たり配当額は30円で、配当性向は40.7％です。また、株式報酬制度を導入しており、信託口が保有する当社株式に対する配当金も含まれています。これにより、株主還元を重視した経営を行っています。

レンゴー株式会社は、業績の動向や財務状況、今後の事業展開を総合的に考慮し、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としています。配当は年2回、中間配当と期末配当を取締役会の決議により実施します。2024年度の配当については、普通配当15円に創業115周年の記念配当3円を加えた18円の期末配当を決定しました。この結果、当年度の純資産配当率は1.9％となりました。また、毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことが定款に定められています。利益の一部は留保し、設備投資や新たな成長分野への研究開発、M&Aに活用する方針です。

レンゴー株式会社は、健全で透明性の高い経営を目指し、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。「真理は現場にある」という基本理念のもと、権限の委譲と意思決定の迅速化を図り、取締役会の機能を強化しています。株主の権利を尊重し、全ての株主が権利を適切に行使できる環境を整備することに取り組んでいます。また、社外取締役を含む多様な取締役構成を持ち、独立性を確保しています。監査役制度も整備されており、内部監査と外部監査の連携を強化しています。さらに、四半期ごとに財務情報を開示し、非財務情報も積極的に発信することで、企業経営の透明性を確保しています。これにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図っています。

レンゴー株式会社の役員は、代表取締役会長兼CEO1名、代表取締役社長兼COO1名、代表取締役（副社長執行役員）1名、その他取締役7名（うち社外取締役4名）で構成されています。取締役会は定例取締役会を9回開催し、重要事項の決定や業務執行の監督を行っています。取締役の出席状況は全員が100％出席しており、特に代表取締役会長兼CEOの大坪清氏、代表取締役社長兼COOの川本洋祐氏が全9回中9回出席しています。また、社外取締役は業務執行から独立した立場で、経営に幅広い見識を持つ方々が選任されています。監査役会は常勤監査役2名、社外監査役3名で構成され、実効的な監査を行う体制が整っています。

レンゴー株式会社の監査役会は、常勤監査役2名と社外監査役3名で構成されており、監査役会は年間10回開催されています。監査役の出席状況は、常勤監査役が全10回中100％出席しており、社外監査役も高い出席率を維持しています。内部監査は監査部が担当し、年間監査計画に基づいて会計処理や財産の正確性を確認しています。監査結果は、代表取締役や経理部門に報告され、改善指導事項についても情報共有が行われています。また、監査役会では定期的に業務報告が行われ、会計監査人とも情報共有を図り、監査の実効性と効率性を確保しています。これにより、企業のガバナンスの維持と向上が図られています。

レンゴー株式会社の役員の報酬は、株主総会で承認された報酬総額の範囲内で決定され、基本報酬、業績連動報酬、非金銭報酬から構成されています。2024年度の取締役（社外取締役を除く）の報酬等の総額は708百万円で、基本報酬453百万円、業績連動報酬113百万円、非金銭報酬141百万円となっています。監査役（社外監査役を除く）の報酬等は79百万円で、基本報酬66百万円、業績連動報酬12百万円です。社外役員の報酬は108百万円で、全額が基本報酬です。報酬の決定は、取締役会の諮問機関である報酬委員会の審議を経て行われ、業績連動報酬は主に営業利益や経常利益を基に算定されます。また、非金銭報酬は株式交付信託によるもので、対象取締役に付与されるポイントに基づいて株式が交付されます。

レンゴー株式会社の2024年3月31日現在の株式の保有状況は、発行済株式総数271,056,029株のうち、自己株式21,482,400株（7.92％）を保有しています。主要な株主には、三井住友信託銀行が保有する株式1,873,200株（議決権18,732個）が含まれています。また、相互保有株式として、㈱斎藤英次商店、㈱堺商店、大陽紙業㈱などがそれぞれ少数の株式を保有しています。これにより、取引先との良好な信頼関係を維持し、資金の安定調達を図ることを目的としています。株式の保有は、業務提携や取引拡大に向けた戦略的な取り組みの一環として位置付けられています。

レンゴー株式会社の経理状況は、連結財務諸表に基づいており、2024年度の連結貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書が作成されています。連結貸借対照表では、総資産が1,172,515百万円、負債が733,537百万円、純資産が438,978百万円で、自己資本比率は36.3％です。連結損益計算書では、売上高が900,791百万円、営業利益が48,855百万円、経常利益が47,984百万円、当期純利益が33,025百万円となっています。キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが89,628百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが76,033百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローが17,265百万円の増加を記録しています。これにより、企業の財務健全性と流動性が維持されていることが示されています。

レンゴー株式会社の連結財務諸表は、2024年3月31日現在の財政状態を示しています。連結貸借対照表では、総資産が1,172,515百万円、流動資産が484,196百万円、固定資産が688,319百万円です。流動資産の内訳には、現金及び預金117,588百万円、受取手形及び売掛金271,408百万円が含まれています。連結損益計算書では、売上高900,791百万円、営業利益48,855百万円、経常利益47,984百万円、当期純利益33,025百万円が報告されています。連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが89,628百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが76,033百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローが17,265百万円の増加を記録しています。これらの情報は、企業の財務健全性や経営成績を把握するための重要な指標となります。

レンゴー株式会社の報告セグメントは、「板紙・紙加工関連事業」「軟包装関連事業」「重包装関連事業」「海外関連事業」の4つで構成されています。2024年度の外部顧客への売上高は、板紙・紙加工関連事業が510,945百万円、軟包装関連事業が121,278百万円、重包装関連事業が44,348百万円、海外関連事業が189,177百万円で、合計865,749百万円となっています。セグメント利益は、板紙・紙加工関連事業が34,966百万円、軟包装関連事業が4,770百万円、重包装関連事業が906百万円、海外関連事業が6,781百万円で、合計47,425百万円です。セグメント資産は、板紙・紙加工関連事業が815,618百万円、軟包装関連事業が111,762百万円、重包装関連事業が52,714百万円、海外関連事業が305,046百万円で、合計1,285,142百万円となっています。これにより、各事業セグメントの業績を把握し、経営資源の配分を最適化することが可能となっています。

レンゴー株式会社の連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りや仮定が用いられています。特に重要な会計方針には、有価証券の評価基準、棚卸資産の評価方法、固定資産の減価償却方法が含まれます。例えば、固定資産は定率法で減価償却され、棚卸資産は移動平均法で評価されます。また、将来キャッシュ・フローの見積りには、事業計画に基づく仮定が織り込まれており、これらの仮定は不確実性を伴うため、実際の結果が見積りと異なる可能性があります。重要な会計上の見積りや仮定については、注記事項に詳細が記載されています。

レンゴー株式会社は、金融商品に対する取組み方針として、設備投資および投融資計画に基づいた資金計画を立案し、必要な長期資金を銀行借入または社債発行で調達しています。短期的な運転資金は銀行借入で調達し、一時的な余剰資金は安全性の高い金融資産で運用しています。デリバティブ取引は、金利変動リスクや為替相場変動リスクを回避するために利用され、投機目的の取引は行わない方針です。営業債権である受取手形および売掛金は顧客の信用リスクに晒されており、与信管理を通じてリスクを管理しています。また、投資有価証券は主に業務上の関係を有する企業の株式で、市場価格の変動リスクに晒されています。これらの金融商品は、月次の資金繰表を作成し、流動性リスクを管理しています。

レンゴー株式会社のリース取引については、2024年3月31日現在、リース取引の総額が重要性に乏しいため、詳細な注記は省略されています。リース資産は、連結貸借対照表において900百万円が計上されており、リース負債は4,761百万円となっています。リース取引は主に設備の使用に関連しており、運用リースとして扱われています。リース契約の内容は、契約期間や賃料の支払い条件に基づいており、リース資産の減価償却は通常の固定資産と同様に行われています。リース取引に関するリスクは、契約の履行に伴うものであり、経営上の重要な要素として認識されていますが、現時点ではその影響は軽微とされています。

レンゴー株式会社の有価証券関係について、2024年3月31日現在の連結貸借対照表における投資有価証券は、関連会社株式が7,815百万円、その他有価証券が99,243百万円で、合計107,058百万円となっています。これに対し、2023年3月31日には関連会社株式が6,866百万円、その他有価証券が87,329百万円でした。時価評価においては、上場株式は市場価格を基に評価され、関連会社株式は取得原価を超える評価損益が計上されています。特に、投資有価証券の評価損益は、時価が取得原価に比べて50％以上下落した場合に減損処理が行われます。また、社債や長期借入金の時価は、残存期間や信用リスクを考慮して算定されています。これにより、企業の資産状況を適切に反映させることが目指されています。

レンゴー株式会社は、収益認識に関して「収益認識に関する会計基準」（企業会計基準第29号）を適用しています。主な事業である板紙、段ボール、段ボール箱、軟包装等の製造・販売において、製品の引渡時点で顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断した場合に収益を認識します。収益は、値引きや割戻し等を控除した金額で測定され、製品の販売において代理人として関与する場合は、総額から仕入先に対する支払額を差し引いた純額で収益を認識します。また、原材料を支給し、加工後の製品を買い戻して第三者に販売する有償支給取引については、支給先から受け取る対価を収益として認識しません。約束された対価は、履行義務の充足時点から概ね3ヶ月で支払いを受け、対価の金額に重要な金融要素は含まれていません。

レンゴー株式会社の財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の作成において重要な情報を提供しています。注記事項には、セグメント情報、関連当事者情報、固定資産の減損損失、のれんの償却額、負ののれん発生益に関する情報が含まれています。特に、報告セグメントごとの売上高、利益、資産の金額の算定方法については、経理の状況における記載と同一であることが明記されています。また、税務上の繰越欠損金やその繰延税金資産の繰越期限別の金額も注記されており、税効果会計適用後の法人税等の負担率に関する情報も提供されています。これにより、投資家や利害関係者が企業の財務状況をより正確に理解できるようになっています。