株式会社豊和銀行

株式会社豊和銀行は、大分県に本店を置く地方銀行で、地域の中小企業や小規模事業者を支援することを主な役割としています。2023年度の経常収益は10,465百万円で、前年度の9,886百万円から増加しました。貸出業務からの収益は8,032百万円、その他の業務からは1,080百万円を計上しています。また、当行は「共通価値の創造」をビジネスモデルの根幹に据え、地域のサステナビリティの維持・改善に貢献することを目指しています。経営改善支援や事業再生支援にも力を入れており、地域経済の活性化に寄与しています。さらに、取締役会は3年ごとに中長期の経営方針を策定し、金融機能の強化を図っています。

株式会社豊和銀行の主要な経営指標は、2023年度において以下のように推移しています。経常収益は10,465百万円で、前年度の9,886百万円から増加しました。経常利益は1,456百万円から682百万円に減少し、当期純利益は1,302百万円から877百万円に減少しました。資本金は13,495百万円、発行済株式総数は普通株式5,944千株、優先株式6,399千株です。総資産は620,810百万円、預金残高は568,868百万円、貸出金残高は422,506百万円です。中小規模事業者向け貸出残高は2,997億円で、総資産に対する比率は48.29%です。経営改善支援先数は取引先企業総数に対して3.60%を占めています。これらの指標は、地域経済の活性化に向けた取り組みの一環として重要な役割を果たしています。

株式会社豊和銀行は、1949年12月22日に大豊殖産無尽株式会社として設立されました。1953年1月26日には相互銀行法の施行に伴い、株式会社豊和相互銀行に商号変更し、同年9月16日に本店を大分市に移転しました。1963年7月1日には日本銀行との当座預金取引を開始し、1974年2月12日に現在の本店所在地に移転しました。1977年には第1次オンラインサービスを開始し、1983年には国債窓口販売業務を開始しました。1989年2月1日には株式会社豊和銀行に商号変更し、1990年12月12日に福岡証券取引所に上場しました。その後も、インターネットバンキングや保険の窓口販売など、様々なサービスを展開し続けています。最近では、2024年2月にF種優先株式の発行を行い、資金調達を図りました。

株式会社豊和銀行の2023年度の財務情報は以下の通りです。経常収益は10,465百万円で、前年度の9,886百万円から増加しました。経常利益は682百万円、当期純利益は877百万円です。総資産は620,810百万円、負債は588,642百万円、純資産は32,158百万円です。預金残高は568,868百万円、貸出金残高は422,506百万円です。資金運用収益は8,204百万円、資金調達費用は45百万円でした。営業活動によるキャッシュ・フローは△24,760百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは433百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは△451百万円です。これらの指標は、地域経済の活性化に向けた取り組みの成果を示しています。

株式会社豊和銀行の経営方針は、地域経済の活性化と地域貢献に強く取り組むことを基本としています。経営理念として「貢献」「お客様第一主義」「挑戦と変革」を掲げ、地元大分にとって不可欠な地域銀行を目指しています。2022年9月に発表した「経営強化計画」では、コア業務純益や業務粗利益経費率の改善を目指し、中小企業向けの貸出残高や経営改善支援先数の増加を目標にしています。2023年度はコア業務純益の目標達成が見込まれていますが、他の指標は未達成の見込みです。特に、経営改善を必要とするお客様に対しては、「Vサポート」「経営改善応援ファンド」「資金繰り安定化ファンド」の3つの支援スキームを中心に、全行を挙げて取り組んでいます。

株式会社豊和銀行では、リスク管理を重要視しており、信用リスク、金利リスク、流動性リスクなどを統合的に管理しています。信用リスクについては、「クレジットポリシー」や「信用リスク管理規程」に基づき、与信ポートフォリオのリスクを定量・定性の両面から把握し、特にリスクの高い与信先については重点的に管理を行っています。市場リスクは、金利や株式市場の変動による収益や価格の変動リスクを適時に計測し、管理しています。流動性リスクについては、資金調達に関するリスクを重要視し、資金繰り予想を行い、月次でリスク管理協議会に報告する体制を整えています。また、業務継続計画（BCP）を策定し、緊急時の業務再開に備えた体制も確立しています。

株式会社豊和銀行の2023年度の経営成績は以下の通りです。預金は前年度末比64億77百万円増加し、5,688億68百万円となりました。貸出金は、個人ローンが28億59百万円減少したものの、中小企業向けの事業性貸出が60億43百万円増加し、合計で4,225億6百万円となりました。経常収益は、貸出金利息や株式等の売却益の増加により、前年度比5億78百万円増加の1,046億5百万円となりました。一方、経常費用は13億53百万円増加し、978億3百万円となりました。その結果、経常利益は前年度比7億74百万円減少の68億2百万円、当期純利益は4億25百万円減少の87億7百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは56億96百万円のマイナス、投資活動によるキャッシュ・フローは13億1百万円のプラス、財務活動によるキャッシュ・フローは30億81百万円のプラスでした。

株式会社豊和銀行の財政状態は、2023年度において以下のように推移しています。預金は個人預金・法人預金ともに増加し、前年度末比64億77百万円増加の5,688億68百万円となりました。貸出金は、個人ローンが28億59百万円減少したものの、中小企業向けの事業性貸出が60億43百万円増加し、合計で4,225億6百万円となりました。有価証券は前年度末比7億16百万円減少し、1,080億49百万円となりました。金融再生法開示債権は226億33百万円で、金融再生法開示債権比率は5.31%に上昇しました。これらの指標は、地域経済の活性化に向けた取り組みの一環として重要な役割を果たしています。

株式会社豊和銀行の2023年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。営業活動によるキャッシュ・フローは、借用金の減少等により56億96百万円のマイナスとなりました。これは前年度の247億60百万円のマイナスから改善されています。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却による収入等により13億1百万円のプラスとなり、前年度の4億33百万円のプラスから増加しました。財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入等により30億81百万円のプラスとなり、前年度の4億51百万円のマイナスから大きく改善されました。これにより、現金及び現金同等物は前年度末比13億14百万円減少し、775億77百万円となりました。全体として、キャッシュ・フローの改善が見られ、特に財務活動においては大きなプラスを記録しています。

株式会社豊和銀行は、地域の中小企業や小規模事業者を支えることを通じて、地域のサステナビリティの維持・改善を最大の役割と考えています。具体的には、金融仲介機能の発揮に努めるとともに、本業支援や経営改善支援、事業再生支援に全行を挙げて取り組んでいます。これにより、地域のサステナビリティを向上させると同時に、当行の収益性や健全性の向上にも寄与する「共通価値の創造」をビジネスモデルの根幹に据えています。経営強化計画を策定し、達成すべき目標として中小企業向け貸出残高や経営改善支援先数の比率を定め、定期的に進捗を報告しています。また、人的資本の育成にも力を入れ、行員のスキル向上や多様性の確保を図っています。これらの取り組みを通じて、地域経済の発展に貢献することを目指しています。

株式会社豊和銀行が直面する事業等のリスクには、以下のようなものがあります。まず、信用リスクとして、地域依存度の特殊性が挙げられます。大分県を主要な営業基盤としているため、地域経済の変動に大きな影響を受ける可能性があります。また、貸出先の多くが中小企業や個人であり、景気変動の影響を受けやすく、業種別貸出の状況も建設業や不動産業に偏っているため、これらの業種の不況が業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。さらに、自然災害や感染症の流行、規制変更、格付けの引き下げ、オペレーショナルリスク（事務リスクやシステムリスク）なども考慮する必要があります。これらのリスクは、業績や財務状況に直接的な影響を及ぼす可能性があるため、継続的なリスク管理が求められています。

株式会社豊和銀行の経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下の通りです。財政状態では、預金が前年度末比64億77百万円増加し、5,688億68百万円となりました。貸出金は中小企業向けの事業性貸出が増加し、4,225億6百万円に達しましたが、個人ローンは減少しました。経営成績では、経常収益が前年度比5億78百万円増加の1,046億5百万円となり、経常利益は682百万円、当期純利益は877百万円となりました。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローは56億96百万円のマイナス、投資活動によるキャッシュ・フローは13億1百万円のプラス、財務活動によるキャッシュ・フローは30億81百万円のプラスとなり、現金及び現金同等物は775億77百万円となりました。経営者は地域経済の活性化に向けた取り組みを強化し、特に中小企業への支援を重視しています。

株式会社豊和銀行の資本の財源は主に預金から調達されており、資金の大部分を預金で賄っています。調達した資金は貸出金や有価証券、預け金等で運用され、運用差益が重要な利益源となっています。2023年度の資金運用収益は前年度比70百万円増加し、8,204百万円に達しました。資金調達費用は58百万円から45百万円に減少しました。今後は貸出金の増加に注力し、着実な預金の増加を目指す方針です。また、流動性リスク管理規程に基づき、資金繰り予想を行い、資金調達の流動性を確保しています。これにより、業績や財務状況に悪影響を及ぼすリスクを軽減することを目指しています。

株式会社豊和銀行の経営成績に重要な影響を与える要因には、地域経済の動向、貸出先の特性、及び市場環境が含まれます。特に、大分県を主要な営業基盤としているため、地域経済の変動が直接的な影響を及ぼします。中小企業や個人を主な貸出先としているため、景気の低迷や雇用環境の悪化が続くと、不良債権や与信関係費用が増加するリスクがあります。また、建設業や不動産業に対する貸出が多く、これらの業種の不況が業績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、エネルギー価格の高騰や人手不足などの外部要因も、経営成績に影響を与える重要な要素です。これらの要因を踏まえ、経営者はリスク管理を強化し、地域経済の活性化に向けた取り組みを進めています。

株式会社豊和銀行の経営者は、地域経済の厳しい状況を認識しており、特に中小企業や小規模事業者への支援が重要であると考えています。エネルギー価格の高騰や人手不足、少子高齢化などの課題が影響を及ぼしており、これらの問題に対処するために、経営改善支援に全力を尽くす方針です。具体的には、「Vサポート」や「経営改善応援ファンド」、「資金繰り安定化ファンド」といった支援スキームを通じて、お客様の経営課題を解決する取り組みを強化しています。また、2024年2月にはF種優先株式の発行を行い、資金調達を図ることで、経営基盤の強化を目指しています。これにより、地域の中小企業に対する金融仲介機能を発揮し、持続的な成長を実現することを目指しています。

株式会社豊和銀行において、経営上の重要な契約等に関しては、特に該当事項はありません。これにより、特定の契約が経営成績や財政状態に重大な影響を与えることはないと認識されています。今後も、経営の透明性を確保し、必要に応じて契約内容の見直しや新たな契約の締結を行う方針です。経営者は、地域経済の活性化に向けた取り組みを進める中で、契約の重要性を認識し、適切なリスク管理を行うことが求められています。

株式会社豊和銀行において、研究開発活動に関する具体的な取組は行われていません。金融業界における競争が激化する中、当行は主に営業基盤の拡充や中小企業・個人への特化を進めており、業務の効率化や省力化に重点を置いた設備投資を行っています。今後も、地域のニーズに応じたサービスの提供を通じて、顧客満足度の向上を図る方針です。したがって、研究開発に関する具体的なプロジェクトや活動は現在のところ存在しないと認識されています。

株式会社豊和銀行は、2023年度において総額597百万円の設備投資を実施しました。この投資は、ATMの更改、オートキャッシャーの購入・改造、店舗の移転などに充てられています。主要な設備の状況として、2024年3月31日現在、本店を含む68店舗の土地の帳簿価額は40,599百万円、建物は4,311百万円、動産は428百万円、ソフトウェアは157百万円となっています。福岡支店の土地は1,193百万円、熊本支店は45百万円、社宅は2,329百万円です。全体として、当行の主要な設備は店舗が中心であり、効率的な業務運営を支えるための基盤が整っています。今後も、業務の合理化・省力化を図るための設備投資を継続していく方針です。

株式会社豊和銀行の株式の状況は、2024年3月31日現在で以下の通りです。発行済株式総数は普通株式が約1,000万株、優先株式が複数種類存在します。特に、B種優先株式は30,000株が発行され、全てが特定の法人に所有されています。D種優先株式は16,000株が発行され、こちらも全てが特定の法人に所有されています。E種優先株式は、209名の株主が所有し、合計で約7,996単元が存在します。普通株式の所有者は、個人及び法人が含まれ、特に大株主には株式会社西日本シティ銀行が26.97%の株式を保有しています。自己株式は630,200株で、これには個人その他に493単元が含まれています。株主構成は多様であり、安定した株主基盤を形成しています。

株式会社豊和銀行の配当政策は、経営の健全性を維持しつつ、収益力の強化を図ることを基本方針としています。内部留保の蓄積に努めながら、安定かつ適切な配当を行うことを目指しています。また、国の資本参加を受けているため、配当以外の利益の社外流出を抑制する方針です。配当は年2回の剰余金の配当を行い、中間配当は2006年3月期以降実施していません。2023年度の配当は、普通株式が1株当たり10円、B種優先株式が8円、D種優先株式が118円40銭、E種優先株式が200円、F種優先株式が26円36銭となっています。配当の決定機関は、期末配当が株主総会、中間配当が取締役会です。これにより、地域経済の発展に貢献することを目指しています。

株式会社豊和銀行のコーポレート・ガバナンスは、地域金融機関としての公共的・社会的役割を重視し、経営理念及び企業倫理の遵守を基本としています。経営の透明性を確保し、迅速な意思決定を行うための体制を整備しています。取締役会は、経営強化計画を策定し、毎月その進捗を確認・分析しています。また、監査等委員会を設置し、内部統制システムの監視・検証を行っています。役員の報酬は業績に連動し、株主の利益を考慮した形で設定されています。これにより、ステークホルダーに対する責任を果たしつつ、持続可能な成長を目指しています。

株式会社豊和銀行の役員は、男性11名、女性1名で構成されており、女性の比率は8.3%です。代表取締役頭取の権藤淳氏は1952年生まれで、2009年に当行に入行し、2012年から現職を務めています。取締役専務の牧野郡二氏は1959年生まれで、1981年に入行し、2022年から専務取締役を務めています。常務取締役の渡部悌史氏は1959年生まれで、1984年に入行し、2019年から常務取締役を務めています。取締役はそれぞれの専門分野で豊富な経験を持ち、経営の透明性と効率性を確保するために、定期的に取締役会を開催し、経営方針や重要な計画について議論しています。役員の株式保有状況は、権藤氏が18,300株、牧野氏が6,000株、渡部氏が6,600株を保有しています。

株式会社豊和銀行の監査の状況は、監査等委員会を設置し、内部統制の監視・検証を行っています。監査等委員会は、監査方針や監査計画の策定、監査職務の分担、監査スケジュールの決定を行い、定期的に取締役会に出席して意見を述べています。2023年度には、利益計画の進捗状況や不祥事件の未然防止に向けた取り組み、信用コストの抑制状況などが重点監査項目として設定されました。また、会計監査人の選任や報酬に関する議案も監査等委員会で検討され、監査法人の評価も行われています。監査法人は、財務報告に係る内部統制が有効であると評価し、監査証明を行っています。これにより、経営の透明性と信頼性を確保する体制が整っています。

株式会社豊和銀行の役員の報酬等は、取締役（監査等委員を除く）の報酬体系が持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けた健全なインセンティブとして機能するように設定されています。2023年6月29日に開催された定時株主総会では、取締役（監査等委員を除く）の金銭報酬の総額を年額120百万円以内（うち社外取締役分は年額6百万円以内）と定め、監査等委員である取締役の金銭報酬の総額を年額30百万円以内としました。役員の報酬は基本報酬（固定報酬）と賞与から構成され、基本報酬は職務内容や業務実績を考慮して決定されます。なお、2003年度以降、役員賞与の支給は見送られています。役員区分ごとの報酬等の総額は、取締役（監査等委員及び社外取締役を除く）が84百万円、監査等委員が8百万円、監査役が2百万円、社外役員が15百万円となっています。

株式会社豊和銀行の株式の保有状況は、2024年3月31日現在で以下の通りです。普通株式の発行済株式総数は約6,000万株で、そのうち自己株式は49,300株（0.82%）を保有しています。B種優先株式は30,000株が全て特定の法人に所有されており、D種優先株式は16,000株が同様に特定の法人に所有されています。E種優先株式は、209名の株主が所有し、合計で7,996単元が存在します。これにより、当行の株主構成は多様であり、安定した株主基盤を形成しています。株主の中には、個人及び法人が含まれ、特に大株主には株式会社西日本シティ銀行が存在します。これらの情報は、当行の経営の透明性を示す重要な要素となっています。

株式会社豊和銀行の経理の状況は、2023年度において財務諸表が適正に作成されていることが確認されています。財務諸表は、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書から構成され、一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいています。監査法人による監査が行われ、財務諸表が全ての重要な点において適正に表示されているとの意見が示されています。特に、資金運用収益は貸出金利息や有価証券利息配当金の増加により前年度比70百万円増加し、経常収益は前年度比5億78百万円増加の1,046億5百万円となりました。経常費用は前年度比13億53百万円増加し、経常利益は682百万円、当期純利益は877百万円となっています。これにより、経理の透明性と信頼性が確保されています。

株式会社豊和銀行は、連結財務諸表を作成していません。これは、子会社の資産、売上高、損益、利益剰余金及びキャッシュ・フローその他の項目が、当企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する合理的な判断を妨げない程度に重要性が乏しいとされているためです。したがって、連結財務諸表の作成は行わず、単体の財務諸表に基づいて経営状況を報告しています。財務諸表は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されており、監査法人による監査証明を受けています。これにより、透明性のある財務報告が行われています。

株式会社豊和銀行は、銀行業の単一セグメントであるため、セグメント情報の詳細な記載は省略されています。2023年度の外部顧客に対する経常収益は、貸出業務が8,032百万円、有価証券投資業務が1,080百万円、その他が1,352百万円で、合計で10,465百万円となっています。特に、外部顧客に対する経常収益の90%以上が本邦の顧客からのものであり、地域に密着した金融サービスを提供しています。また、有形固定資産も全て本邦に所在しており、地域経済に貢献する体制が整っています。主要な顧客に対する経常収益が損益計算書の経常収益の10%以上を占めるものはなく、特定の顧客に依存しない安定した収益基盤を確保しています。

株式会社豊和銀行の財務諸表は、一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。重要な会計方針として、貸倒引当金の計上が挙げられます。2024年3月31日現在、貸倒引当金は4,440百万円で、前年度の4,886百万円から減少しています。貸倒引当金の算出方法は、債務者の返済状況や財務内容、業績に基づく将来の業績見通しを考慮しており、特に債務者区分の判定が重要な要素となります。将来の業績見通しには不確実性が伴い、経営環境の変化や債務者の事業戦略の成否が影響を与えるため、見積りの妥当性が重要視されています。これにより、貸倒引当金の計上が翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。

株式会社豊和銀行は、預金業務、貸出業務、有価証券投資業務、内国為替業務などを中心に金融サービスを提供しています。主な金融資産には、国内の事業者及び個人に対する貸出金、国債、社債、株式、投資信託等の有価証券が含まれ、海外有価証券は保有していません。これらの金融資産は、経済環境の変化や貸出先の信用力低下による信用リスク、金利や株価の変動による市場リスク、流動性の低下による市場流動性リスクにさらされています。また、金融負債には預金や借入金が含まれ、これらも市場リスクや流動性リスクに影響を受けます。リスク管理体制としては、取締役会を上位機関とし、ALM（資産負債管理）を通じてリスクを統合的に管理しています。

株式会社豊和銀行におけるリース取引は、主にファイナンス・リース取引として行われています。所有権移転外ファイナンス・リース取引においては、リース資産としてATMや車両が含まれています。リース資産の減価償却は、重要な会計方針に基づき、固定資産の減価償却方法に従って行われています。リース取引は、資産の効率的な利用を促進し、資金の流動性を高める役割を果たしています。リース契約の内容や条件は、取締役会での審議を経て決定され、経済合理性が検証されています。これにより、リース取引が当行の経営戦略に適合していることが確認されています。

株式会社豊和銀行の有価証券関係は、2024年3月31日現在、時価で貸借対照表に計上されている金融商品が106,823百万円となっています。具体的には、国債・地方債等が55,615百万円、社債が36,379百万円、株式が4,790百万円、その他が10,037百万円です。これらの有価証券は、活発な市場における無調整の相場価格を利用して評価され、レベル1及びレベル2の時価に分類されています。特に、国債や上場株式はレベル1に、地方債や社債はレベル2に分類されます。また、評価差額は純資産に直入法で処理されており、減損処理は行われていません。これにより、当行の有価証券は安定した収益源として機能しています。

株式会社豊和銀行の収益認識に関する方針は、顧客との契約から生じる収益を主な基準としており、金融サービスに係る役務の提供を行った時点で収益を認識します。2023年度の顧客との契約から生じる経常収益は1,199百万円で、前年度の1,178百万円から増加しました。具体的には、役務取引等収益が1,185百万円、預金・貸出業務が428百万円、為替業務が360百万円、保険窓販業務が134百万円、投信窓販業務が156百万円となっています。これにより、当行は顧客に対して提供したサービスに基づく収益を適切に認識し、透明性のある財務報告を行っています。また、収益認識に関する会計基準（企業会計基準第29号）を適用し、収益の計上基準を明確にしています。

株式会社豊和銀行の財務諸表に関する注記事項は、以下の重要な会計方針に基づいています。まず、商品有価証券の評価基準は時価法を採用しており、売却原価は主として移動平均法により算定されています。また、有価証券の評価基準は、子会社株式及び関連会社株式については移動平均法による原価法、その他有価証券については時価法を適用しています。評価差額は純資産直入法により処理され、特に市場価格のない株式等については移動平均法による原価法が用いられています。さらに、財務諸表は「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」に基づいて作成されており、監査法人による監査証明を受けています。これにより、財務諸表の適正性が確保されています。