福留ハム株式会社

福留ハム株式会社は、2024年3月期の売上高が251億9300万円で、前期比で1.2%の増加を見せました。しかし、経常損失は40億5000万円で、前年よりも悪化しています。自己資本比率は17.5%で、前期比1.3%の改善が見られました。従業員数は349名で、安定した経営基盤を維持しています。企業は「成長戦略構築」と「収益体質改善」を最重要課題としており、競争力の強化や生産性向上に取り組んでいます。今後も資金調達を行い、運転資金や投資資金の確保に努める方針です。

福留ハム株式会社の主要な経営指標は、売上高経常利益率と自己資本比率です。2024年3月期の売上高経常利益率は△1.6%で、前期比0.2%の減少を示しています。これは厳しい経営環境による経常損失が影響しています。一方、自己資本比率は17.5%で、前期比1.3%の改善が見られました。企業は、売上高経常利益率5%と自己資本比率50%を経営目標として掲げ、これらの指標の向上に努めています。これらの指標は、企業の安定的かつ継続的な成長を重視するための重要な指標と位置付けられています。

福留ハム株式会社は、食肉及び食肉製品の加工・販売を主な業務とする企業です。グループは、福留ハム株式会社と原料供給を目的とする2つの子会社で構成されています。主な事業は「加工食品事業」と「食肉事業」の2つに分かれています。加工食品事業では、ハム、プレスハム、ソーセージ、惣菜などを製造・販売しており、食肉事業では食肉及び食肉包装加工製品を扱っています。2024年3月期の外部顧客への売上高は、加工食品事業が108億8百万円、食肉事業が143億85百万円で、合計で251億93百万円となりました。

福留ハム株式会社は、1948年3月に初代取締役社長中島治が広島市福島町で食肉加工品の製造販売を目的に福留ハム製造所を創設したことから始まりました。1958年3月に株式会社に改組し、福留ハム株式会社を設立しました。1962年には小倉工場を新設し、同年9月に福留食品工業株式会社に吸収合併され、商号を福留ハム株式会社に変更しました。以降、広島工場や熊本工場、関東工場などを新設し、1990年には東京証券取引所市場第二部に上場しました。2000年には東京証券取引所市場第二部に上場し、2022年には㈱佐賀福留を吸収合併しました。これまでの歴史を通じて、企業は成長を続けています。

福留ハム株式会社の2024年3月期の財務情報は以下の通りです。売上高は251億9300万円で、前期比1.2%の増加を示しましたが、経常損失は40億5000万円で前年より悪化しています。純資産は235億6000万円、総資産は135億6700万円で、自己資本比率は17.4%に改善しました。親会社株主に帰属する当期純利益は1億500万円で、前年の親会社株主に帰属する当期純損失11億9400万円から回復しました。従業員数は349名で、安定した経営基盤を維持しています。企業は今後も収益体質の改善に努める方針です。

福留ハム株式会社の経営方針は「お客様第一」を基本理念とし、「安心・安全・美味しさ・お役立ち」を追求しています。高付加価値の製品を提供し、顧客のニーズに応えることで社会に貢献することを目指しています。具体的には、ハムやソーセージの分野で新商品開発や既存商品の改良を行い、消費者から選ばれ続ける商品作りに取り組んでいます。また、生産性向上や営業力強化を通じて販売量の拡大を図り、業務改革やシステム化を推進して収益構造の改善に努めています。さらに、企業理念の再構築と組織改編を行い、組織力の強化を図っています。これらの取り組みを通じて、企業価値の向上と持続可能な成長を目指しています。

福留ハム株式会社は、事業を取り巻く様々なリスクに対して的確な管理を行うため、「福留ハム・リスクマネジメント・アクション委員会（FRA）」を設立しています。この委員会は社長が責任者となり、感染症対策、事故対策、災害対策、製品事故対策、法令違反対策、社員の不正対策、環境汚染対策、インフラ対策の8つのリスクを管理しています。リスクの内容は取締役会に報告され、気候変動によるリスクも全社的なリスク管理プロセスに統合されています。また、自然災害や新型コロナウイルス感染症に対する対策も講じており、発生時には迅速に対応する体制を整えています。

福留ハム株式会社の2024年3月期の経営成績は、売上高が251億9300万円で、前年同期の248億9500万円から増加しました。しかし、営業損失は4億1900万円、経常損失は4億400万円と、前年よりも悪化しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益を計上したことにより1億500万円となり、前年の親会社株主に帰属する当期純損失11億9400万円から回復しました。セグメント別では、加工食品事業の売上高は108億800万円（前年同期107億7500万円）、食肉事業は143億8500万円（前年同期141億2000万円）で、両事業とも前年を上回る結果となりました。全体として、厳しい経営環境の中での成長を目指しています。

福留ハム株式会社の2024年3月期の財政状態は、資産合計が135億6700万円で、前期比1億3900万円の減少を示しました。流動資産は68億6300万円で、前期比7億1600万円の増加があり、主に現金及び預金の増加が寄与しています。一方、固定資産は67億400万円で、前期比8億5500万円の減少が見られ、建物や土地、投資有価証券の減少が影響しています。負債合計は111億9800万円で、前期比2億8100万円の減少、流動負債は75億2900万円で1億4200万円の増加がありました。純資産は23億5600万円で、自己資本比率は17.4%に改善しています。企業は安定した財政基盤を維持しつつ、今後の成長に向けた資金調達を行う方針です。

福留ハム株式会社の2024年3月期のキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。営業活動によるキャッシュ・フローは1億78百万円の資金使用で、前年の49百万円の資金使用から悪化しました。主な要因は、税金等調整前当期純利益1億79百万円、減価償却費4億40百万円、売上債権の増加3億41百万円、仕入債権の増加1億28百万円、投資有価証券売却益5億91百万円です。投資活動によるキャッシュ・フローは9億9百万円の資金獲得で、前年の2億78百万円の資金使用から改善しました。財務活動によるキャッシュ・フローは3億66百万円の資金使用で、主に長期借入金の返済による支出が影響しています。全体として、現金及び現金同等物の期末残高は2,149百万円となりました。

福留ハム株式会社は、持続可能な社会の実現を目指し、2021年に「昴ESG」を制定しました。企業理念に基づき、自然の恵みに感謝し、社会規範を遵守しながら食文化の創造に取り組んでいます。具体的な取り組みとして、環境負荷の低減を目指し、主要3工場の廃棄物排出量や水使用量の削減に努めています。また、地域社会への貢献として、子ども食堂への商品の提供を行い、健康と安全を守ることを優先しています。ガバナンス面では、コンプライアンス委員会や内部統制委員会を設立し、透明性のある経営を実現するための体制を整えています。これらの取り組みを通じて、企業価値の向上と持続可能な成長を目指しています。

福留ハム株式会社が認識している主な事業リスクは以下の通りです。まず、市況変動のリスクとして、食肉や加工食品の原材料が国内外から調達されているため、家畜の疫病や輸入制限による仕入数量の制限、価格の上昇が懸念されます。次に、自然災害リスクがあり、地震や台風による生産・物流拠点への影響が考えられます。新型コロナウイルス感染症の影響もリスク要因であり、変異株の発生による事業活動の停止が懸念されています。また、商品の安全性に関するリスクもあり、異物混入や品質問題が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して、福留ハムはリスク管理体制を整備し、適切な対策を講じています。

福留ハム株式会社の2024年3月期における経営成績は、売上高が251億9300万円で前年同期比1.2%の増加を示しましたが、営業損失は4億1900万円、経常損失は4億400万円と厳しい結果となりました。自己資本比率は17.5%に改善し、利益剰余金の増加が寄与しています。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローは1億78百万円の資金使用、投資活動によるキャッシュ・フローは9億9百万円の資金獲得、財務活動によるキャッシュ・フローは3億66百万円の資金使用となりました。企業は運転資金の流動性を確保し、安定した経営基盤を維持するための資金調達を行っています。全体として、厳しい経営環境の中での成長を目指し、収益構造の改善に取り組んでいます。

福留ハム株式会社は、運転資金の需要として商品及び原材料の仕入れ、製造費、販売費、一般管理費などが挙げられます。投資目的の資金需要は主に設備投資によるものです。企業は、事業運営に必要な資金の流動性と資金源を安定的に確保し、収益構造を確立することを基本方針としています。短期運転資金は自己資金と金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達は金融機関からの長期借入を利用しています。これにより、安定した経営基盤を維持し、持続可能な成長を目指しています。

福留ハム株式会社の経営成績に重要な影響を与える要因は、主に外部環境の変化と内部施策の実施に関連しています。2024年3月期は、コロナ禍からの回復に伴う消費者の行動変化や、原材料費、エネルギーコストの高騰が影響を及ぼしました。特に、消費者の低価格志向が強く、競合他社との価格競争が激化しています。このような厳しい経営環境の中で、企業は「商品の競争力強化」、「営業力強化による販路拡大」、「業務の見直しによる収益構造改革」の三つの重点施策に取り組んでいます。これにより、売上高は251億9300万円に達し、前年同期比で増加しましたが、営業損失は4億1900万円、経常損失は4億400万円と厳しい結果となりました。これらの要因を踏まえ、企業は持続可能な成長を目指し、収益体質の改善に努めています。

福留ハム株式会社の経営者は、国際情勢の不安定化や原材料価格の高騰、消費者の節約志向の高まりなど、厳しい経営環境を認識しています。このような状況下で、企業は「成長戦略構築」と「収益体質改善」を最重要課題として掲げ、以下の四つの方針に取り組むことを決定しました。第一に、ハムソーセージやデリカ商品の競争力を強化し、新商品開発や既存商品のブラッシュアップを行います。第二に、生産性向上と営業力強化を図り、販売量の拡大を目指します。第三に、業務改革とシステム化を推進し、収益構造の改革に努めます。最後に、企業理念を再構築し、組織力を強化することで、持続可能な成長を目指します。これらの取り組みを通じて、企業価値の向上を図り、消費者から選ばれ続ける企業を目指しています。

福留ハム株式会社において、経営上の重要な契約等は特に存在しないとされています。企業は、取引金融機関との当座貸越契約を締結しており、運転資金の効率的な調達を行っています。具体的には、取引銀行7行と契約を結び、当事業年度末における当座貸越契約の未実行残高は2,592百万円となっています。また、剰余金の配当等については、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨を定款に定めており、機動的な資本政策を行うことを目的としています。これにより、企業は柔軟な経営を維持しています。

福留ハム株式会社の研究開発活動は、開発アカデミーを中心に行われており、「食品の特性と安心・安全・美味しさを追求し、健康と感動と笑顔のある楽しい食生活を演出する」という経営方針に基づいています。2024年3月期の研究開発費は197百万円で、主に加工食品事業に関連する研究活動に充てられています。具体的には、豚肉のあらびき感にこだわった「あらびきKING」シリーズの活性化を狙い、トリプルペッパーを使用した新商品を発売しました。また、デリカテッセン分野では、国産原料を使用したハンバーグのリニューアルや、おつまみ商材の拡充にも取り組んでいます。これらの活動を通じて、消費者のニーズに応える商品開発を進め、売上拡大を目指しています。

福留ハム株式会社の設備の状況について、2024年3月期の設備投資は総額392百万円であり、主に生産性向上や設備の維持更新を目的とした投資が行われました。加工食品事業においては、広島工場や熊本工場で359百万円の設備投資が実施され、食肉事業では建物の改修工事に12百万円が投じられました。また、全社的には空調設備の更新に20百万円の投資が行われています。重要な設備の除却や売却はなく、特に旧関東工場の土地・建物等が652百万円で売却されました。設備の維持管理と更新を通じて、企業は生産能力の向上を図っています。

福留ハム株式会社の株式の状況について、2024年3月31日現在、発行済株式総数は3,400,000株で、全て普通株式です。自己株式は63,432株で、実質的な保有株式数は63,232株となっています。大株主には、株式会社福留興産が652千株（19.55%）、福栄会が335千株（10.06%）を保有しており、個人株主が66.91%を占めています。株主数は5,885人で、個人株主が大半を占めています。株価は最高2,221円、最低1,467円で、株価収益率は33.2倍です。配当は行われておらず、経営基盤の安定を重視した方針が取られています。

福留ハム株式会社の配当政策は、強固な経営基盤に基づく安定的な配当の継続を基本方針としています。剰余金の配当は、期末配当の年1回を基本としており、配当の決定機関は取締役会です。また、中間配当を行うことができる旨を定款に定めています。2024年3月期においては、黒字化を達成しましたが、経営環境が依然として厳しいため、慎重な財務管理が求められています。原材料価格やエネルギーコストの高騰、人件費や物流費の上昇などの影響を考慮し、将来の事業継続のために財務基盤の安定化を最優先課題とし、無配とする方針が取られています。

福留ハム株式会社のコーポレート・ガバナンスの基本的な考え方は、企業価値を高め、株主、消費者、地域社会から支持される信頼される企業経営を実現することです。2003年に「コンプライアンス委員会」を設置し、法令遵守とリスクマネジメントの体制を強化しています。2023年6月には監査等委員会設置会社に移行し、取締役会の監視機能を強化しました。取締役会は毎月定期的に開催され、経営成績や重要事項についての意思決定を行っています。また、監査等委員会は会計監査人や内部監査部門と連携し、監査の実効性を確保しています。これにより、透明性のある経営を実現し、持続可能な成長を目指しています。

福留ハム株式会社の役員の状況について、2024年6月25日現在、役員は男性7名、女性0名で構成されています。代表取締役会長は中島修治氏、代表取締役社長は福原治彦氏です。取締役会は、取締役6名と監査等委員である取締役3名で構成され、社外取締役として池村和朗氏と近藤敏博氏が選任されています。社外取締役は、法律や財務に関する豊富な知識と経験を持ち、特別な利害関係はありません。役員の任期は2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会終結の時までであり、役員の報酬は職務や業績に応じて決定されています。取締役会は毎月定期的に開催され、経営に関する重要事項の意思決定を行っています。

福留ハム株式会社の監査の状況について、2023年6月23日に監査等委員会設置会社に移行しました。監査等委員会は、取締役3名（うち社外取締役2名）で構成され、年次の監査計画に基づく監査を実施しています。監査等委員会は、取締役会や執行役員経営会議などの重要な会議に出席し、取締役の職務執行に対して独立した立場から意見を述べています。内部監査は社長直轄の検査部が担当し、監査結果は代表取締役及び監査等委員会に報告されます。また、会計監査人との連携を強化し、監査の実効性を高めています。監査法人は有限責任監査法人トーマツで、監査報酬は監査証明業務に基づくもので、前年度は29百万円、当年度は30百万円となっています。

福留ハム株式会社の役員の報酬等は、職務や職責に応じた月額固定報酬と業績に基づく役員賞与で構成されています。2023年6月23日の株主総会において、取締役の報酬限度額は月額12百万円、監査等委員である取締役の報酬限度額は月額4百万円と決議されました。2024年3月期の役員報酬の総額は、取締役が71百万円、監査等委員が5百万円、監査役が3百万円、社外役員が8百万円となっています。役員賞与の支出は、親会社株主に帰属する当期純利益の増減に基づいて評価され、具体的な目標値は設定されていません。役員退職慰労金制度は2023年6月23日をもって廃止され、役員の報酬等の決定は取締役会及び監査等委員会によって行われています。

福留ハム株式会社の株式の保有状況について、2024年3月31日現在、発行済株式総数は3,400,000株で、自己株式は63,432株です。大株主には、株式会社福留興産が652千株（19.55%）、福栄会が335千株（10.06%）を保有しています。個人株主は66.91%を占め、株主数は5,885人です。所有者別状況では、金融機関が6名、その他法人が93名、個人株主が5,776名となっています。自己株式は、株主名簿上は当社名義ですが、実質的には63,232株が保有されています。これにより、企業は安定した株主構成を維持し、経営の透明性を確保しています。

福留ハム株式会社の経理の状況について、2024年3月期の連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。資産合計は135億6700万円で、前期比1億3900万円の減少が見られました。流動資産は68億6300万円で、現金及び預金の増加が寄与していますが、固定資産は67億400万円で減少しています。負債合計は111億9800万円で、流動負債は75億2900万円、固定負債は36億6900万円です。自己資本比率は17.5%に改善し、親会社株主に帰属する当期純利益は1億500万円となりました。経理部門は、財務報告の正確性を確保し、内部統制の強化に努めています。

福留ハム株式会社の連結財務諸表は、2023年4月1日から2024年3月31日までの連結会計年度に基づいて作成されています。監査は有限責任監査法人トーマツによって行われ、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書が含まれています。2024年3月31日現在の資産合計は135億6700万円で、流動資産は68億6300万円、固定資産は67億0400万円です。売上高は251億9300万円、経常損失は40億5000万円となっています。企業は、連結財務諸表の適正性を確保するために、会計基準の変更に対応できる体制を整備し、各種セミナーにも参加しています。

福留ハム株式会社の報告セグメントは「加工食品事業」と「食肉事業」の2つです。2024年3月期の外部顧客への売上高は、加工食品事業が10,808百万円、食肉事業が14,385百万円で、合計25,193百万円となりました。セグメント利益は、加工食品事業が244百万円、食肉事業が△118百万円で、全体では126百万円の利益を計上しています。セグメント資産は、加工食品事業が5,647百万円、食肉事業が3,045百万円で、合計8,692百万円です。これにより、企業は各事業の収益性を把握し、経営資源の配分を最適化するための基礎データを得ています。

福留ハム株式会社の連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定が用いられていますが、これらの数値は実際の結果と異なる可能性があります。重要な会計上の見積りには、減損損失の認識に関する将来キャッシュ・フローの見積りが含まれます。具体的には、事業計画に基づく数値を外部要因や内部情報と整合的に修正し、資産グループの使用状況や合理的な使用計画を考慮して見積もります。これには、販売単価や数量、経費見込金額等の仮定が含まれ、将来の不確実な経済条件の変動により見直しが必要となる場合があります。

福留ハム株式会社の金融商品に関する取組方針は、資金運用を主に自己資金の範囲内での短期的な預金及び取引先の株式等に限定しています。資金調達は主に銀行等金融機関からの借入によって行われています。営業債権である受取手形及び売掛金は顧客の信用リスクに晒されており、与信管理規程に基づいて管理されています。投資有価証券は主に取引先の株式であり、市場価格の変動リスクがありますが、上場株式については四半期ごとに時価を把握しています。また、借入金の使途は運転資金及び設備投資資金であり、流動性リスクに対しては資金繰計画を作成・更新することで管理しています。

福留ハム株式会社のリース取引関係について、ファイナンス・リース取引では、主に営業車両や基幹システムのソフトウェアがリース資産として使用されています。リース資産の減価償却は、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法で行われています。また、オペレーティング・リース取引においては、解約不能のものに係る未経過リース料が計上されており、2024年3月31日現在、1年内の未経過リース料は71百万円、1年超は129百万円で、合計201百万円となっています。これにより、企業はリース取引を通じて資産の効率的な運用を図っています。

福留ハム株式会社の有価証券関係について、2024年3月31日現在、投資有価証券の連結貸借対照表計上額は1,809百万円で、主に取引先の株式が含まれています。これに対し、取得原価は1,050百万円で、差額は758百万円となっています。前年度の計上額は1,948百万円で、取得原価は1,177百万円でした。2024年3月期中には、9銘柄の株式を時価731百万円で売却し、591百万円の売却益を計上しました。また、減損処理を行った有価証券はなく、投資有価証券の市場価格の変動リスクに対しては、四半期ごとに時価を把握し、適切なリスク管理を行っています。

福留ハム株式会社の収益認識に関する方針は、顧客との契約から生じる収益を、製品を顧客に引き渡した時点で認識することに基づいています。2024年3月期の収益は、加工食品事業からのハム・ソーセージが9,234百万円、加工食品が1,517百万円、食肉事業からの収益が14,369百万円で、合計25,193百万円となりました。取引の対価は、商品の引き渡し後、概ね2か月以内に受領されます。また、リベートを付して販売する場合、契約において約束した対価からリベートの見積額を控除した金額で収益を認識します。このように、収益認識は顧客との契約に基づき、明確な基準に従って行われています。

福留ハム株式会社の財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の適正性を確保するための特段の取組みや重要な会計方針、見積りに用いた仮定、収益認識関係、リース取引関係などが含まれています。具体的には、連結財務諸表は一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されており、監査法人による監査を受けています。また、重要な会計上の見積りとして、有形固定資産の減損や税効果会計の適用に関する情報が記載されています。さらに、収益認識に関しては、顧客との契約に基づく収益の認識方法が明示されており、リース取引に関する詳細も記載されています。これにより、財務諸表利用者は企業の財務状況をより正確に理解することができます。