松本油脂製薬株式会社

松本油脂製薬株式会社は、界面活性剤を中心とした研究開発型企業で、主に繊維産業向けの製品を提供しています。2023年度の売上高は41,526百万円で、前年の39,627百万円から増加しました。セグメント別では、陰イオン界面活性剤が3,532百万円、非イオン界面活性剤が24,098百万円、陽・両性イオン界面活性剤が839百万円、高分子・無機製品等が13,056百万円を占めています。セグメント利益は8,767百万円で、前年の7,938百万円から増加しています。資産は88,743百万円、負債は14,174百万円です。従業員数は331名で、企業の成長性と収益性の向上を目指しています。また、ISO9001及びISO14001に基づく品質保証体制を整えています。

松本油脂製薬株式会社の主要な経営指標は、2020年から2024年にかけての推移が示されています。売上高は2020年の31,393百万円から2024年には41,526百万円に増加し、経常利益も5,448百万円から10,733百万円に成長しました。親会社株主に帰属する当期純利益は3,888百万円から7,504百万円に増加しています。自己資本比率は84.8%から82.0%に減少しましたが、依然として高い水準を維持しています。1株当たり当期純利益は1,201.59円から2,586.38円に増加し、株価収益率は7.75倍から6.88倍に変動しました。営業活動によるキャッシュ・フローは3,923百万円から7,374百万円に増加し、企業の健全性を示しています。

松本油脂製薬株式会社は、界面活性剤を中心とした製造・販売を行う企業で、グループには連結子会社2社（株式会社マツモトユシ・インドネシア、立松化工股份有限公司）と持分法適用関連会社1社（日本クエーカー・ケミカル株式会社）が含まれています。主な事業は界面活性剤の製造で、鉄鋼金属工業用や製缶工業用の製品を提供しています。また、繊維工業用の界面活性剤を製造し、インドネシアや台湾以外の国へも販売しています。さらに、合成糊料や合成樹脂製マイクロスフェアーなどの製品も手掛けており、技術開発力を活かして多様な産業分野への市場開拓に努めています。ISO9001及びISO14001に基づく品質保証体制を整え、顧客のニーズに応える製品を提供しています。

松本油脂製薬株式会社は、1926年に大阪市で創業し、1939年に資本金10万円で法人化されました。1941年には東京と名古屋に出張所を設置し、1942年から切削油や防錆洗浄油の製造を開始しました。1946年には商工省から加工油脂生産工場の認定を受け、1948年に本社を現在の大阪府八尾市に移転しました。1952年には非イオンおよび陽イオン界面活性剤の製造を開始し、1969年には台湾に合弁会社を設立しました。1970年には米国クエーカー・ケミカル社との合弁会社を設立し、1974年には研究ビルを新設しました。2004年にはジャスダック証券取引所に上場し、2013年には東京証券取引所に移行しました。これまでの歴史を通じて、界面活性剤の製造と販売を中心に事業を展開し、技術革新を続けています。

松本油脂製薬株式会社の2023年度の財務情報は以下の通りです。売上高は41,526百万円で、前年の39,627百万円から増加しました。営業利益は8,758百万円、経常利益は10,733百万円で、いずれも前年を上回っています。純資産は75,337百万円で、自己資本比率は82.0%を維持しています。流動資産は63,334百万円、固定資産は21,536百万円で、総資産は89,512百万円です。負債合計は14,175百万円で、前年の12,719百万円から増加しています。キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローが7,374百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは17,870百万円の減少となりました。配当金の支払額は991百万円です。これらの指標は、企業の安定性と成長性を示しています。

松本油脂製薬株式会社は、界面活性剤の技術を中核に据えた研究開発型企業として、従業員の約3割が研究開発に従事しています。規模の拡大よりも、グローバル経済に対応できる「より強い」「より利益率の高い」企業を目指しています。成長性と収益性の向上を目標に、売上高及び営業利益率を継続的に高めることを重視し、株主利益の増大を図るために1株当たり当期純利益も重要な指標としています。中長期的には、界面活性剤分野だけでなく高分子分野でも独自の技術開発を進め、新しい分野での技術開発を図ります。また、海外市場では中国やアジア圏でのシェア拡大を重点課題とし、法令遵守や企業倫理の浸透、環境マネジメントの推進にも力を入れています。コーポレート・ガバナンスの強化を図り、迅速かつ適切な経営判断を行う体制を整えています。

松本油脂製薬株式会社では、取締役会が監督するリスク管理体制を整備し、「リスク管理規程」に基づいてリスクを一元管理しています。リスクの種類に応じて管掌役員と所管部門を明確にし、経営層への迅速な情報伝達を実現しています。特に、サステナビリティに関するリスクについては、管理部がグループ全体を統括し、環境リスクや経済損失をもたらす可能性のあるリスクを識別・管理しています。また、公害対策委員会が環境面のリスクを検討し、管理部と情報共有を行い、リスク項目の洗い出しを進めています。これにより、企業の持続可能な成長を支えるためのリスク軽減策を講じています。

松本油脂製薬株式会社の2023年度の経営成績は、売上高41,526百万円（前年同期比4.8％増）、営業利益8,758百万円（前年同期比12.6％増）、経常利益10,733百万円（前年同期比13.3％増）、親会社株主に帰属する当期純利益7,504百万円（前年同期比3.6％増）となりました。売上高営業利益率は21.1％に達し、前年より1.5ポイントの改善が見られました。円安の影響で為替差益も1,269百万円計上され、経常利益の増加に寄与しました。日本国内では、外部顧客に対する売上高が38,911百万円（前年同期比0.2％増）で、セグメント利益は8,454百万円（前年同期比7.4％増）となりました。全体として、安定した成長を維持しつつ、経営基盤の強化に努めています。

松本油脂製薬株式会社の2023年度の財政状態は、総資産が89,512百万円で前年度比13.0％増加しました。流動資産は66,438百万円（7.5％増）、固定資産は23,074百万円（32.6％増）となっています。流動負債は11,497百万円（5.3％増）、固定負債は2,677百万円（49.0％増）で、負債合計は14,175百万円（11.4％増）です。純資産合計は75,337百万円（13.3％増）で、自己資本比率は82.0％に達しました。これは、利益剰余金が6,488百万円、その他有価証券評価差額金が2,040百万円増加したことによるものです。1株当たり純資産額は25,283円56銭に増加し、安定した財政基盤を示しています。これらの指標は、企業の高い安定性を示すものと考えられます。

松本油脂製薬株式会社の2023年度のキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。営業活動によるキャッシュ・フローは7,374百万円の増加で、前年の5,419百万円から改善しました。主な収入は、税金等調整前当期純利益10,733百万円、減価償却費962百万円、棚卸資産の減少531百万円です。一方、支出は法人税等の支払額3,119百万円、為替差益1,100百万円、売上債権の増加400百万円、仕入債務の減少373百万円がありました。投資活動によるキャッシュ・フローは17,870百万円の減少で、主な支出は有価証券の取得による支出15,000百万円、投資有価証券の取得による支出2,125百万円です。財務活動によるキャッシュ・フローは1,020百万円の減少で、主な支出は配当金の支払額991百万円です。最終的に、現金及び現金同等物は35,549百万円となり、前年末比で10,328百万円減少しました。

松本油脂製薬株式会社は、サステナビリティを企業の重要な戦略と位置づけ、コーポレート・ガバナンス体制の下で透明な運営を行っています。環境分野は公害対策委員会が担当し、人的資本は管理部が管理しています。人材の多様性を重視し、女性や外国人の管理職登用を進めています。また、従業員の健康増進を目的とした育児休業の取得推進にも取り組んでいます。環境への取り組みとしては、環境マネジメントシステムの認証を取得し、環境負荷の低減を目指しています。リスク管理体制を整備し、環境リスクや社会的信頼の低下を防ぐための活動を行っています。これらの取り組みは、企業価値の向上と株主の利益確保につながると考えています。

松本油脂製薬株式会社が認識している事業等のリスクには、主に以下のものがあります。まず、為替レートの変動リスクがあり、特に海外売上高の多くが米ドル建取引であるため、売上債権に対して為替リスクが存在します。次に、原材料価格の市場変動リスクがあり、原油価格の変動が直接的に影響を及ぼします。さらに、新型コロナウイルス感染症などの感染症リスクもあり、従業員や取引先の安全確保が最優先とされています。これに加え、株価の下落リスクもあり、保有する投資有価証券の時価が帳簿価額を下回る場合、評価損の計上が必要となります。これらのリスクに対して、同社はリスク管理体制を整備し、迅速かつ的確な対応を行うことを目指しています。

松本油脂製薬株式会社の2023年度の経営成績は、国内経済の回復基調に支えられ、売上高41,526百万円、経常利益10,733百万円、親会社株主に帰属する当期純利益7,504百万円を達成しました。特に、営業活動によるキャッシュ・フローは7,374百万円の増加を記録し、安定した収益基盤を示しています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは17,870百万円の減少となり、有価証券の取得が主な要因です。財政状態は総資産89,512百万円、自己資本比率82.0%を維持し、安定性が高いことが確認されました。経営者は、今後の経済環境の不確実性を考慮しつつ、持続的な成長を目指す方針を示しています。

松本油脂製薬株式会社の資本の財源は、主に自己資本から成り立っており、2023年度の自己資本比率は82.0%で、安定した財政基盤を示しています。流動資産は66,438百万円で、現金及び預金が27,764百万円、預け金が6,063百万円と、流動性が高い状況です。流動負債は11,497百万円で、流動資産に対する流動負債の比率は約17.3%と、健全な水準を維持しています。固定資産は23,074百万円で、長期的な投資に対する資金の流動性も確保されています。資金需要は主に製品製造のための材料費や労務費、設備投資に充てられ、営業活動によるキャッシュ・フローを基本に資金を賄う方針です。これにより、安定した資金運用が可能となっています。

松本油脂製薬株式会社の経営成績に重要な影響を与える要因として、主に以下の点が挙げられます。まず、国内外の経済環境の変化が影響を及ぼします。特に、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され、消費活動が活発化したことが業績の回復に寄与しました。しかし、円安や原材料価格の高騰、地政学リスクの長期化など、外部要因も無視できません。これに対し、同社は高品質で価格競争力のある製品の開発を進め、新規顧客の開拓に努めています。2023年度の売上高は41,526百万円（前年同期比4.8％増）、営業利益は8,758百万円（同12.6％増）となり、為替差益も経常利益の増加に寄与しました。これらの要因が相まって、経営成績の向上が実現しています。

松本油脂製薬株式会社の経営者は、安定的かつ持続的な企業価値の向上を最優先課題と認識しています。特に、法令遵守や企業倫理の浸透を重視し、社会的責任への取り組みを強化しています。今後は、界面活性剤メーカーとしての技術力を活かし、高品質な製品の提供を続けるとともに、顧客の多様なニーズに応える新たな市場の開拓に注力します。また、環境マネジメントの推進やリスク管理体制の充実を図り、持続可能な成長を目指します。取締役の任期を1年とし、迅速な意思決定を行うことで、変化する経営環境に柔軟に対応する方針です。これらの取り組みは、企業価値の向上と株主の共同利益の確保につながると考えています。

松本油脂製薬株式会社において、経営上の重要な契約等に関する事項は特に存在しないとされています。これにより、特定の契約が経営成績や財政状態に重大な影響を与えることはないと認識されています。企業は、通常の営業活動に基づく契約を通じて、製品の販売やサービスの提供を行っており、これらの契約は一般的な商取引に該当します。したがって、特別な契約や合意が経営上の重要な要素として挙げられることはありません。今後も、安定した取引関係を維持し、顧客との信頼関係を深めることが重要な方針とされています。

松本油脂製薬株式会社では、界面活性剤の研究で培った界面化学の技術と高分子化学の技術を基礎に、新素材や新用途の研究開発を行っています。主に繊維工業と非繊維工業の2つの分野に分かれ、繊維工業では、糸から織物や編物に加工される工程において、原糸油剤や繊維加工薬剤の開発に注力しています。具体的には、不織布用油剤、炭素繊維用油剤、スパンデックス用油剤などの開発が進められています。非繊維工業では、高分子分野において熱膨張性マイクロカプセルの開発や、香粧品分野での新規界面活性剤の開発が行われています。2023年度の研究開発費は803百万円であり、これにより新製品の開発や技術革新が促進されています。研究開発活動は日本国内で行われており、企業の競争力を高める重要な要素と位置づけられています。

松本油脂製薬株式会社の2023年度の設備状況は、主に本社工場及び静岡工場における生産設備の更新と増設に関連しています。設備投資総額は1,621百万円で、前年同期比163.1%の増加を記録しました。日本国内での設備投資は1,599百万円（前年同期比184.2%増）、アジア地域では22百万円（前年同期比58.3%減）となっています。主要な設備の帳簿価額は、本社工場が1,527百万円、静岡工場が4,511百万円、大阪工場が256百万円です。現在、休止中の主要な設備はなく、全ての設備が稼働しています。今後も生産能力の向上を目指し、設備の更新や新設を計画しています。

松本油脂製薬株式会社の2024年3月31日現在の株式の状況は、発行済株式数が4,512,651株で、自己株式は1,611,228株です。自己株式の増加は、公開買付けによるもので、333,600株が取得されました。株主構成は、個人株主が約52.78%、法人株主が約47.22%を占めており、特に金融機関やその他法人が多くの株式を保有しています。1株当たり純資産額は25,283円56銭で、前年の22,294円84銭から増加しています。配当金は、2023年6月28日の定時株主総会で1株あたり350円の配当が決議され、総額1,015百万円が支払われる予定です。これにより、株主への利益還元を重視した経営方針が示されています。

松本油脂製薬株式会社の配当政策は、業績の伸びに応じて株主利益の増大を図ることを基本方針としています。剰余金の配当は、期末配当の年1回を基本としており、その決定は株主総会で行われます。また、取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨が定款に定められています。2023年度の期末配当金は1株あたり400円とされ、配当性向は15.8%となりました。内部留保資金については、企業体質の強化と将来の事業展開に備えるために活用されます。これにより、株主への利益還元と企業の持続的成長を両立させる方針が示されています。

松本油脂製薬株式会社は、コーポレート・ガバナンスの基本を法に則った透明な運営とし、経営方針の具現化を目指しています。取締役会は3名以上15名以内で構成され、取締役の選任は株主の議決権の過半数で決定されます。取締役の任期は1年とし、迅速な意思決定を可能にしています。また、コンプライアンスを重視し、企業倫理の浸透を図るための体制を整えています。監査役会は独立した立場で業務の監査を行い、内部監査部門も設置されています。これにより、経営の透明性と信頼性を高め、株主やステークホルダーの利益を最大化することを目指しています。今後も、持続可能な成長を支えるためのガバナンス体制の強化に努めていく方針です。

松本油脂製薬株式会社の役員は、男性10名、女性0名で構成されており、女性の比率は0%です。代表取締役社長の木村直樹氏は1948年生まれで、1971年に株式会社朝日新聞社に入社し、1978年に当社に入社しました。現在、社長としての役割を果たしています。専務取締役の藤井修治氏は1958年生まれで、2024年には代表取締役専務に就任予定です。常務取締役には川原廣治氏が就任しており、営業本部長兼輸出部長を務めています。取締役には社外取締役も含まれ、辻卓史氏と谷所敬氏がその役割を担っています。監査役には、叶智加羅氏と西本清一氏が社外監査役として選任されています。役員の任期は2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会終結の時までとなっています。

松本油脂製薬株式会社の監査状況は、外部監査法人による監査が行われており、2023年度の財務諸表に対して監査が実施されました。監査法人は、財務諸表が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠していると認め、全ての重要な点において適正に表示されているとの意見を表明しています。監査役会は14回開催され、常勤監査役が重要な会議に出席し、業務執行状況を把握しています。また、内部監査室が設置され、監査事項ごとに適任者からなるチームが編成され、内部統制の有効性を評価しています。監査役及び監査役会は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視し、適切な監査手続を実施しています。これにより、企業の透明性と信頼性が確保されています。

松本油脂製薬株式会社の役員の報酬は、取締役及び監査役に対して、取締役の年間報酬総額の上限を375百万円、監査役の年間報酬総額の上限を75百万円として、1991年の株主総会で決議されています。2023年度の役員報酬は、取締役が143百万円、監査役が14百万円、社外役員が36百万円となっています。報酬は固定報酬制で、業績連動報酬は設定されていません。個人別の報酬額は、取締役会の決議に基づき、代表取締役社長が委任を受けて決定しています。役員の報酬は、企業価値の持続的な向上を図るため、役位や職責、在任年数に応じて適正な水準で設定されています。また、使用人兼務役員の給与は33百万円で、3名が対象となっています。

松本油脂製薬株式会社の株式の保有状況は、2024年3月31日現在、発行済株式数は4,512,651株で、自己株式は1,611,228株です。株主構成は、個人株主が約52.78%、法人株主が約47.22%を占めています。大株主には、三菱UFJフィナンシャル・グループが1,380,527株、日本触媒が141,000株、信越化学工業が52,500株を保有しています。これらの株式は、取引関係の維持・強化を目的として保有されており、長期的な信頼関係に基づく取引が行われています。株式の保有は、企業の成長戦略において重要な役割を果たしており、取締役会での定期的な検証を通じて保有の適否が確認されています。

松本油脂製薬株式会社の経理状況は、2023年度の連結財務諸表に基づいています。連結貸借対照表では、総資産が89,512百万円、流動資産が66,438百万円、固定資産が23,074百万円となっています。負債合計は14,175百万円で、自己資本比率は82.0%を維持しています。連結損益計算書では、売上高が41,526百万円、営業利益が8,758百万円、経常利益が10,733百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が7,504百万円となっています。キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが7,374百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが17,870百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローが1,020百万円の減少となっています。これらの指標は、企業の財務健全性と経営成績を示す重要な要素です。

松本油脂製薬株式会社の連結財務諸表は、2024年3月31日現在のデータに基づいています。連結貸借対照表では、総資産が89,512百万円、流動資産が66,438百万円、固定資産が23,074百万円となっています。流動資産の内訳には、現金及び預金が29,993百万円、受取手形及び売掛金が9,434百万円、商品及び製品が3,012百万円が含まれています。負債合計は14,175百万円で、自己資本比率は82.0%を維持しています。連結損益計算書では、売上高が41,526百万円、営業利益が8,758百万円、経常利益が10,733百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が7,504百万円となっています。これらの指標は、企業の財務健全性と経営成績を示す重要な要素であり、監査法人による監査を受けて適正性が確認されています 。

松本油脂製薬株式会社の報告セグメントは「日本」と「アジア」の2つに分かれています。2023年度の売上高は、陰イオン界面活性剤が3,532百万円、非イオン界面活性剤が24,098百万円、陽・両性イオン界面活性剤が839百万円、高分子・無機製品等が13,056百万円となり、合計で41,526百万円に達しました。セグメント利益は、日本で8,454百万円、アジアで312百万円となり、合計で8,767百万円です。セグメント資産は、日本が84,870百万円、アジアが3,872百万円で、合計88,743百万円です。セグメント負債は、日本が13,752百万円、アジアが422百万円で、合計14,174百万円となっています。これらの情報は、各セグメントの業績を把握し、経営資源の配分を決定するための重要な指標となっています。

松本油脂製薬株式会社の連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定が用いられていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。重要な会計上の見積りには、投資有価証券の評価、退職給付引当金、貸倒引当金、賞与引当金などが含まれます。特に、非上場株式については、投資先の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合、評価額の切り下げの要否を判断しています。これらの見積りは、翌期以降の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

松本油脂製薬株式会社は、資金運用において原則として資産の保全を目的とし、安全性の高い金融商品に限って取引を行っています。必要に応じてデリバティブ取引を行う場合は、取締役会の承認を得ることとしています。営業債権である受取手形及び売掛金は顧客の信用リスクに晒され、海外展開に伴う外貨建の営業債権は為替の変動リスクに晒されています。有価証券は主に満期保有目的の債券及び合同運用指定金銭信託であり、満期保有目的の債券は信用リスクがあり、合同運用指定金銭信託は短期的な資金運用として保有されています。投資有価証券は株式、投資信託、投資事業組合出資金であり、これらは市場価格の変動リスク及び発行体の信用リスクに晒されています。金融商品に係るリスク管理体制として、営業部門が取引先ごとに期日管理及び残高管理を行い、流動性リスクを回避するために手元流動性を高水準に保つことを重視しています。

松本油脂製薬株式会社のリース取引関係について、ファイナンス・リースに関する情報は以下の通りです。所有権移転外ファイナンス・リース取引として、静岡工場における生産設備（機械及び装置）がリース資産として計上されています。リース資産の減価償却は、連結財務諸表作成のための基本となる重要事項に従い、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法で行われています。これにより、リース取引に伴う資産の管理と会計処理が適切に行われ、企業の財務状況に反映されています。

松本油脂製薬株式会社の有価証券関係について、2024年3月31日現在のデータは以下の通りです。満期保有目的の債券は5,000百万円で、時価は4,998百万円となり、取得原価を超えない状況です。その他有価証券は合計で10,270百万円で、時価も同額となっています。具体的には、株式が8,770百万円、投資信託が1,499百万円です。前年度の2023年3月31日には、満期保有目的の債券が19,998百万円、その他有価証券が6,968百万円でした。市場価格のない株式等は、関係会社株式及び非上場株式として3,824百万円が計上されています。これらの有価証券は、企業の資産運用において重要な役割を果たしており、リスク管理体制の下で適切に評価されています。

松本油脂製薬株式会社の収益認識に関する方針は、顧客との契約に基づく履行義務の充足に基づいています。製品の販売については、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断しています。このため、製品の引渡時に収益を認識します。契約負債は「その他の流動負債」に計上され、主に顧客から受け取った前受金に関するもので、収益の認識に伴い取り崩されます。2023年度に認識された収益のうち、期首の契約負債残高に含まれていた額は72百万円であり、契約負債は104百万円に増加しました。残存履行義務に配分した取引価格の総額は74百万円で、収益の認識が見込まれる期間は全て1年以内です。

松本油脂製薬株式会社の財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の各項目に関連する重要な情報を提供しています。注記事項には、セグメント情報、関連情報、固定資産の減損損失、のれんの償却額、負ののれん発生益、関連当事者情報などが含まれています。特に、セグメント情報では、各報告セグメントの業績や資産状況が詳細に示されており、経営判断に必要な情報が提供されています。また、関連当事者との取引に関する情報も記載されており、透明性の確保に寄与しています。これらの注記事項は、投資家や利害関係者が企業の財務状況を理解するための重要な資料となっています。