東京鐵鋼株式会社

東京鐵鋼株式会社は、主に棒鋼の製造・販売を行う企業です。2023年3月31日までの連結会計年度において、売上高は79,229百万円で、前年同期比で増加しました。主要顧客には伊藤忠丸紅住商テクノスチール株式会社（30,744百万円）、エムエム建材株式会社（16,514百万円）、阪和興業株式会社（13,754百万円）が含まれています。資産の主な増加は、集塵設備の新設や倉庫建設によるもので、合計で3,978百万円の投資が行われました。経営方針としては、持続可能な成長を目指し、環境への配慮を重視しています。また、コーポレート・ガバナンスの強化にも取り組んでおり、役員の報酬や監査の状況についても透明性を確保しています。

東京鐵鋼株式会社の主要な経営指標は、2023年3月期において以下の通りです。売上高は796億1千7百万円で、前年同期比0.5％の増加を示しました。経常利益は114億1千2百万円で、前年同期の49億4千4百万円から大幅に増加しました。自己資本利益率は15.9％で、前年の8.3％から改善されました。親会社株主に帰属する当期純利益は78億8千7百万円で、前年同期比115.6％の増加です。総資産は779億3百万円、純資産は531億6千万円に達し、自己資本比率は68.2％となっています。これらの指標は、コスト削減や製品価格の改善により、企業の収益性が向上していることを示しています。

東京鐵鋼株式会社は、主に棒鋼及びその加工品の製造・販売を行う企業です。グループは、連結子会社8社、非連結子会社2社、持分法適用関連会社1社から構成されています。鉄鋼事業では、JIS規格に基づく小形棒鋼や鉄筋の機械式継手を製造・販売しており、主な関係会社にはトーテツ産業株式会社や東京鐵鋼土木株式会社などがあります。また、鉄鋼事業に含まれないセグメントとして、貨物運送や設備メンテナンス事業も展開しています。これにより、建設工事の省力化や合理化に寄与し、環境保全にも取り組んでいます。

東京鐵鋼株式会社は、1939年6月に東京都足立区で設立され、銑鉄及び鋳鉄の製造を開始しました。1959年4月には普通鋼鋼塊の製造を開始し、1969年には栃木県小山市に小山工場を完成させ、棒鋼の生産を開始しました。1971年6月には東京証券取引所の市場第二部に上場し、1974年には市場第一部に昇格しました。1983年にはネジフシ鉄筋「ネジテツコン」を用いた継手工法について日本建築センターの評定を取得しました。1996年にはISO9002の認証を取得し、品質管理の向上に努めています。近年では、環境マネジメントシステムの認証も取得し、持続可能な経営を目指しています。

東京鐵鋼株式会社の財務情報は、2023年3月31日現在の連結貸借対照表に基づいています。総資産は779億3百万円で、前年同期比81億3千万円の増加です。負債合計は247億4千3百万円で、前年同期比11億1千9百万円の増加となりました。純資産は531億6千万円で、前年同期比70億1千万円の増加です。2023年度の売上高は796億1千7百万円で、前年同期比0.5％の増加、営業利益は106億2千4百万円で143.9％の増加を記録しました。親会社株主に帰属する当期純利益は78億8千7百万円で、前年同期比115.6％の増加です。これらの指標は、企業の収益性と財務健全性の向上を示しています。

東京鐵鋼株式会社は、「建設業の発展に寄与し、環境リサイクルへの貢献を目指す」というコーポレート・メッセージを掲げています。近年、建設業界のニーズが高度化・多様化している中で、製造技術力、開発技術力、施工技術力を活かし、エンジニアリングサービスを通じて建設工事の省力化や合理化に寄与しています。また、鉄スクラップのリサイクルや廃棄物処理事業を通じて環境保全にも取り組んでいます。経営目標としては、連結経常利益70億円以上及び自己資本利益率10.0％以上を掲げ、持続的な成長と企業価値の向上を図っています。2023年度からは中期経営方針をスタートし、取引先のニーズに応じた製品や工法の提案を強化しています。

東京鐵鋼株式会社は、リスク管理体制を強化し、様々なリスクに対処しています。信用リスクについては、営業管理部門と経理部門が取引先の信用状況を定期的に把握し、リスクを低減しています。市場リスクに関しては、金利スワップ取引を利用して借入金の支払金利の変動リスクを抑制しています。また、流動性リスクの管理には、経理部門が資金繰計画を作成・更新し、手許流動性を維持することで対応しています。さらに、BCP（事業継続計画）委員会を設置し、大震災などの緊急事態に備えた早期復旧策を講じています。これにより、企業の持続可能な運営を支える体制を整えています。

東京鐵鋼株式会社の2023年度の経営成績は、連結売上高796億1千7百万円で前年同期比0.5％の増加を記録しました。営業利益は106億2千4百万円で、前年同期比143.9％の大幅な増加です。経常利益は114億1千2百万円で、前年同期比130.8％の増加を示しました。親会社株主に帰属する当期純利益は78億8千7百万円で、前年同期比115.6％の増加となりました。これらの成績は、主に高付加価値製品の販売推進やコスト削減の取り組みが寄与した結果です。また、鉄鋼事業の売上高は788億3千3百万円で、セグメント利益は104億4千6百万円に達し、前年同期比168.6％の増加を見せました。全体として、企業の収益性が大きく向上したことが確認されます。

東京鐵鋼株式会社の2023年度末の財政状態は以下の通りです。総資産は779億3百万円で、前年同期比81億3千万円の増加が見られました。これは主に現金及び預金が44億7千6百万円、有形固定資産が22億8千1百万円増加したことによります。負債合計は247億4千3百万円で、前年同期比11億1千9百万円の増加です。これは設備に係る支払債務や未払法人税等の増加によるものです。純資産は531億6千万円で、前年同期比70億1千万円の増加があり、主に利益剰余金の増加が寄与しています。これらの指標は、企業の財務健全性が向上していることを示しています。

東京鐵鋼株式会社の2023年度におけるキャッシュ・フローの状況は、現金及び現金同等物が163億4千1百万円と前年同期比で44億7千6百万円（37.7％）増加しました。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が113億3千3百万円（前年同期比117.0％増）となり、120億8千9百万円の収入を記録しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が45億6千2百万円で、前年同期比29億3千1百万円（179.7％）の増加です。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出が30億5千5百万円で、前年同期比22億9千9百万円（304.0％）の増加となりました。これらの結果、企業のキャッシュフローは全体的に改善しています。

東京鐵鋼株式会社は、サステナビリティを重要な経営課題と位置付け、環境負荷低減や社会貢献活動に取り組んでいます。特に、2050年のカーボンニュートラル実現を目指し、2030年度までにCO2排出量を2013年度比で46％削減することを目標としています。2022年度時点で23％の削減を達成しています。ガバナンス体制としては、最高リスク管理責任者のもとに複数の委員会を設置し、品質、環境、安全、設備の管理を行っています。また、サステナビリティ委員会を設置し、全社方針の策定や進捗のモニタリングを行っています。これにより、環境リサイクル事業の推進や省力化ソリューションの提供を通じて、建設分野でのカーボンニュートラル推進に寄与しています。

東京鐵鋼株式会社が認識している主要な事業リスクは以下の通りです。まず、製品及び原材料の価格変動が挙げられます。主力製品であるネジテツコンや棒鋼製品の価格は市況により変動し、業績に影響を及ぼす可能性があります。次に、建設需要の減少が懸念されており、経済構造の成熟化や公共投資の縮小により、国内の建設需要が減少することが予想されています。最後に、自然災害や重大な設備事故による生産活動の停止もリスク要因です。これらのリスクに対して、同社は市況の影響を受けにくい商品の売上比率を高めるなどの対策を講じています。

東京鐵鋼株式会社の2023年度の経営成績は、国内経済の緩やかな回復を背景に、売上高796億1千7百万円（前年同期比0.5％増）、営業利益106億2千4百万円（143.9％増）、経常利益114億1千2百万円（130.8％増）、親会社株主に帰属する当期純利益78億8千7百万円（115.6％増）を達成しました。財政状態は、総資産779億3百万円、負債247億4千3百万円、純資産531億6千万円と、いずれも前年より改善しています。キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが113億3千3百万円、現金及び現金同等物は163億4千1百万円と前年同期比で37.7％増加しました。これらの結果は、コスト削減や製品価格の改善が寄与したものと分析されています。

東京鐵鋼株式会社の資金需要は主に運転資金と設備資金の二つに分かれます。運転資金は製品製造に必要な材料費や製造経費、販売費及び一般管理費が含まれ、設備資金は工場の建物や機械装置などの固定資産への投資が主なものです。資金調達に関しては、運転資金は内部資金を充当し、不足時には金融機関から短期借入を行います。設備資金については、短期及び中長期の計画に基づき、内部資金と長期借入を組み合わせて調達しています。また、資金調達の安定性を高めるため、金融機関と160億円のコミットメントラインを設定し、運転資金及び設備資金に対応する体制を整えています。

東京鐵鋼株式会社の経営成績に重要な影響を与える要因として、主に以下の3つが挙げられます。第一に、製品及び原材料の価格変動です。主力製品であるネジテツコンや棒鋼製品の価格は市場の動向により変動し、業績に直接的な影響を及ぼす可能性があります。第二に、建設需要の減少が懸念されます。経済構造の成熟化や公共投資の縮小により、国内の建設需要が減少することが予想され、これが棒鋼製品の需要に影響を与える可能性があります。第三に、自然災害や事故による生産活動の停止もリスク要因です。これらの要因に対して、同社は付加価値製品の拡販やコスト削減に取り組むことで、業績の安定化を図っています。

東京鐵鋼株式会社の経営者は、現在の経営環境において、持続可能な成長を実現するための課題を認識しています。特に、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを重要視しており、2050年までにCO2排出量を削減する目標を設定しています。また、経営者は、製品の価格変動や建設需要の減少といったリスク要因に対しても敏感であり、これらに対処するための戦略を策定しています。今後の方針としては、環境負荷低減を推進しつつ、製品の付加価値を高めること、さらには人材の多様性を確保し、育成に力を入れることが挙げられます。これにより、企業の競争力を強化し、持続可能な成長を目指す方針です。

東京鐵鋼株式会社において、経営上の重要な契約等は特に該当事項はありません。これにより、特定の契約が経営成績や財政状態に重大な影響を与えることはないと認識されています。企業は、通常の営業活動において必要な契約を締結しており、これらは日常的な業務運営に関連するものであり、特に重要視される契約は存在しないとされています。今後も、経営環境の変化に応じて適切な契約を締結し、リスク管理を徹底していく方針です。

東京鐵鋼株式会社は、鉄鋼事業において鉄筋の機械式継手など既存商品の改良や、既存商品を組み合わせた省力化商品の開発に取り組んでいます。2023年度の研究開発費の総額は247百万円で、主に製品の性能向上や新技術の導入に向けた活動に充てられています。これにより、建設現場の生産性向上やコスト削減を図り、競争力を強化することを目指しています。また、環境負荷低減に向けた取り組みとして、リサイクル技術の開発や省エネルギー技術の研究も進めています。これらの活動は、持続可能な社会の実現に寄与することを目的としています。

東京鐵鋼株式会社の2023年度の設備投資は、生産性向上及び生産設備の維持補修を目的として実施され、投資額は4,491百万円でした。内訳は、鉄鋼事業が4,389百万円、その他が104百万円です。主要な設備の状況として、本社工場（栃木県小山市）には製造設備があり、帳簿価額は2,704百万円、機械装置は7,907百万円、土地は5,745㎡です。また、八戸工場（青森県八戸市）にも製造設備があり、帳簿価額は1,164百万円です。現在、休止中の主要な設備はなく、全ての設備が稼働しています。設備の新設や除却に関する特記すべき事項はありません。

東京鐵鋼株式会社の2024年3月31日現在の株式の状況は以下の通りです。発行済株式総数は9,365,305株で、自己株式は494,553株を保有しています。大株主には、日本マスタートラスト信託銀行株式会社が794千株（8.95％）、合同製鐵株式会社が460千株（5.19％）、株式会社三井住友銀行が449千株（5.07％）を所有しています。議決権の状況については、無議決権株式はなく、全ての発行済株式に議決権が付与されています。また、自己株式の取得に関しては、取締役会決議に基づき、130,000株を500百万円で取得する計画があります。これにより、株主還元の強化を図っています。

東京鐵鋼株式会社は、財務体質の強化と今後の事業展開に備えた内部留保の充実を考慮し、業績に基づいた安定的な配当を基本方針としています。会社法第459条第1項に基づき、取締役会の決議によって剰余金の配当を行うことができる旨を定めており、中間配当と期末配当の年2回を基本としています。2023年度の剰余金の配当は、業績を総合的に勘案し、1株当たり270円（うち中間配当金50円）と決定されました。具体的には、2023年10月31日に443百万円（1株当たり50円）、2024年5月7日に1,951百万円（1株当たり220円）の配当が決議されています。

東京鐵鋼株式会社は、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と認識し、株主や顧客、従業員、地域社会との関係を重視しています。取締役会は11名の取締役で構成され、そのうち5名が監査等委員であり、原則毎月1回開催されています。取締役会では法令や定款に基づく重要事項の報告、審議、決議が行われます。また、内部監査部門が設置され、業務の適正性や効率性を確保するための監査が実施されています。役員の報酬は業績に連動しており、透明性のある報酬制度を採用しています。これにより、企業価値の向上と持続可能な成長を目指しています。

東京鐵鋼株式会社の役員は、男性10名、女性1名で構成されており、女性の比率は9％です。代表取締役社長は吉原栄孝氏で、1975年に入社し、2024年に社長に就任しました。専務取締役の柴田隆夫氏は、2008年に入社し、現在は最高リスク管理責任者（CRO）も務めています。取締役には田中能成氏（物流管理統括者）、武笠達也氏（生産本部長）、柿沼忠司氏（総務・人事部長）などが名を連ねています。また、社外取締役として園部洋士氏、藤原哲氏、片岡宏介氏、増江亜佐緒氏が選任されており、独立した立場から経営の監督を行っています。役員の任期は2024年6月26日開催の定時株主総会の終結時から1年間です。

東京鐵鋼株式会社の監査は、有限責任あずさ監査法人によって実施されています。監査法人は、2023年度の財務諸表に対して、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して監査を行い、財務諸表が適正に表示されているとの意見を表明しました。監査等委員会は、監査報告の作成や内部統制システムの整備状況を監視し、監査法人との連携を強化しています。また、内部監査室が設置され、業務の適正性や財務報告に係る内部統制の運用状況を監査しています。内部監査の結果は定期的に取締役会に報告され、監査等委員との意見交換も行われています。これにより、企業の透明性と信頼性を確保する体制が整えられています。

東京鐵鋼株式会社の役員の報酬は、取締役（監査等委員を除く）の報酬限度額が年額4億5千万円、監査等委員の報酬限度額が年額1億5千万円と設定されています。2023年度の役員報酬は、取締役（監査等委員を除く）に対して234百万円、監査等委員に対して19百万円、社外役員に対して30百万円が支給されました。報酬は固定報酬と業績連動報酬で構成されており、業績連動報酬は連結売上高経常利益率に基づいて決定されます。また、2024年度からは譲渡制限付株式報酬制度を導入し、株価上昇及び企業価値向上への貢献意欲を高める方針です。これにより、役員の報酬制度の透明性と公平性を強化しています。

東京鐵鋼株式会社の2024年3月31日現在の株式の保有状況は以下の通りです。発行済株式総数は9,365,305株で、自己株式は494,553株を保有しています。大株主には、日本マスタートラスト信託銀行株式会社が794千株（8.95％）、合同製鐵株式会社が460千株（5.19％）、株式会社三井住友銀行が449千株（5.07％）を所有しています。また、外国法人等の保有割合は約17.28％で、個人株主は43.92％を占めています。自己株式の保有は、企業の資本政策や株主還元の観点から重要な役割を果たしています。取締役会では、保有株式の妥当性を定期的に検証し、必要に応じて見直しを行っています。

東京鐵鋼株式会社の経理状況は、2023年度の連結財務諸表に基づいています。総資産は779億3百万円で、前年同期比81億3千万円の増加が見られました。負債合計は247億4千3百万円で、前年同期比11億1千9百万円の増加です。純資産は531億6千万円で、前年同期比70億1千万円の増加があり、主に利益剰余金の増加によるものです。経理部門は、資金計画の作成や流動性リスクの管理を行い、各部署からの報告に基づいて適時に資金繰計画を更新しています。また、信用リスクや市場リスクの管理も行い、デリバティブ取引を通じて金利の変動リスクを抑制しています。これにより、企業の財務健全性を維持し、安定した経営を支えています。

東京鐵鋼株式会社の連結財務諸表は、2024年3月31日現在の財務状況を示しています。連結貸借対照表によると、総資産は779億3百万円で、流動資産は40,711百万円、固定資産は738億2千万円です。連結損益計算書では、売上高は796億1千7百万円、営業利益は106億2千4百万円、経常利益は114億1千2百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は78億8千7百万円となっています。連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが11,333百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△4,562百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△3,055百万円で、現金及び現金同等物の期末残高は16,341百万円です。これらの情報は、企業の財務健全性と業績の透明性を示しています。

東京鐵鋼株式会社の報告セグメントは主に「鉄鋼事業」と「その他」に分かれています。2023年度の鉄鋼事業の売上高は788億3千3百万円で、前年同期比0.5％の増加を示しました。セグメント利益は104億4千6百万円で、前年同期比168.6％の大幅な増加です。「その他」セグメントの売上高は46億9千7百万円で、前年同期比5.9％減少し、セグメント利益は1億3千2百万円で68.2％の減少となりました。セグメント資産は、鉄鋼事業が761億4千9百万円、その他が21億8千3百万円で、全体の資産は783億3千2百万円です。これにより、鉄鋼事業が企業全体の業績に大きく寄与していることが確認されます。

東京鐵鋼株式会社の連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。特に、繰延税金資産の回収可能性については、将来の課税所得の見込みを基にした会計上の見積りが行われています。この見積りには、主原料である鉄スクラップの価格予想、販売数量、販売価格などが含まれ、経営者の重要な判断が伴います。具体的には、過去の実績や市場動向を考慮し、将来の課税所得を見積もる際に、これらの要素が仮定として用いられます。これにより、実際の結果が見積りと異なる場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

東京鐵鋼株式会社は、主に棒鋼の製造販売事業を行うための設備投資計画に基づき、必要な資金を銀行借入で調達しています。一時的な余資は短期的な預金等で運用されています。営業債権である受取手形や売掛金は顧客の信用リスクに晒されており、投資有価証券は業務上の関係を有する企業の株式で、市場価格の変動リスクがあります。信用リスクの管理は営業管理部門と経理部門が行い、主な取引先の信用状況を定期的に把握しています。また、金利スワップ取引を利用して借入金の支払金利の変動リスクを抑制しています。金融商品の時価は、観察可能なインプットに基づいてレベル1からレベル3に分類され、投資有価証券は主にレベル1に分類されています。

東京鐵鋼株式会社のリース取引は、主にファイナンス・リース取引に分類されます。所有権移転ファイナンス・リース取引では、鉄鋼事業におけるソフトウェアがリース資産として使用されており、減価償却は自己所有の固定資産と同様の方法で行われています。所有権移転外ファイナンス・リース取引においては、有形固定資産として主に機械及び装置、無形固定資産としてソフトウェアが含まれています。これらのリース資産は、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法で減価償却されています。リース取引は、資金調達の一環として活用され、経営の効率化に寄与しています。

東京鐵鋼株式会社の有価証券関係について、2024年3月31日現在の連結貸借対照表における投資有価証券は、その他有価証券として4,559百万円が計上されています。このうち、上場株式は市場価格を用いて評価され、レベル1の時価に分類されています。2023年度の連結貸借対照表では、その他有価証券が3,222百万円で、前年同期比で増加しています。また、非上場株式の貸借対照表計上額は1,070百万円で、関連会社株式は852百万円です。これらの有価証券は、企業の資本政策や投資戦略に基づいて保有されており、定期的に保有状況が見直されています。

東京鐵鋼株式会社は、主に鉄筋コンクリート用棒鋼の製造販売及び機械式継手の仕入販売を行っています。収益は、製品の引渡し時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されたと判断した時点で認識されます。履行義務充足後の対価は、取引条件に基づき概ね15日から1カ月半以内に受領され、重要な金融要素は含まれていません。また、収益は顧客との契約において約束された対価から値引き及び割戻し等を控除した金額で測定され、変動対価については合理的に利用可能な情報を基に見積もり、収益の著しい減額が発生しない可能性が高い部分に限り認識されます。

東京鐵鋼株式会社の財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の作成にあたり重要な情報を提供しています。注記事項には、連結の範囲に関する事項として、連結子会社の数が8社であることが記載されています。また、セグメント情報や関連当事者情報、固定資産の減損損失に関する情報も含まれています。特に、売上高については顧客との契約から生じる収益が区分されており、期末棚卸高は収益性の低下による簿価切下後の金額であることが明記されています。これにより、投資家や利害関係者が企業の財務状況をより正確に理解できるよう配慮されています。