株式会社カルラ

株式会社カルラは、飲食業を中心に事業を展開している企業です。2024年2月末時点での連結売上高は68億4057万2千円で、前年同期比で約13.2%の増加を記録しました。営業利益は3億4861万2千円、経常利益は3億3948万6千円となり、特別利益を含めた当期純利益は4億3700万円です。資本金は5億円で、発行済株式総数は約2,000万株です。配当政策としては、年2回の配当を行い、2024年の期末配当は1株当たり5円と決定されました。企業理念は「飲食を通じての社会貢献」であり、食品の安全性や衛生管理に注力しています。今後も新製品の投入やサービスの向上を図り、競争力の強化に努める方針です。

株式会社カルラの主要な経営指標は、2024年2月期において売上高68億4057万2千円、経常利益3億3948万6千円、親会社株主に帰属する当期純利益4億3700万円となっています。過去5年間の売上高は、2020年2月期の77億3602万2千円から2024年2月期の68億4057万2千円へと変動し、2021年2月期には52億9484万4千円の低迷を見せましたが、2023年2月期には60億4139万2千円に回復しました。自己資本比率は29.5%で、安定した財務基盤を維持しています。また、1株当たり当期純利益は72.99円で、株価収益率は6.4倍です。これらの指標は、企業の成長性や収益性を示す重要な要素となっています。

株式会社カルラは、「安全・安心で、健康的な美味しい食事」を理念に、和風ファミリーレストラン「まるまつ」を中心に事業を展開しています。主な業態には、かに料理の「かに政宗」、とんかつの「かつグルメ」、日本そばの「丸松」、和食の「寿松庵」、低価格の丼・定食「らら亭」があります。各店舗で使用する食材は、自社工場で製造加工され、品質の標準化を図っています。また、四季折々の素材を取り入れたメニューを提供し、幅広い世代に対応しています。さらに、関連会社の株式会社亘理ファームでは水耕栽培による農産物を生産しており、主にレタスや水菜を供給しています。これにより、食材の安定供給とコスト削減を実現しています。

株式会社カルラは、1910年4月に丸松そば店として個人創業されました。1969年4月に先代から事業を継承し、仙台市に日本そば「丸松」二日町店を開店。1972年には有限会社丸松に改組し、1979年に株式会社丸松に変更されました。1982年には和風ファミリーレストラン「まるまつ」西多賀店を開店し、1991年に社名を「株式会社カルラ」に変更しました。2001年には宮城県富谷町に本社を移転し、2004年にはジャスダック証券取引所に上場。2010年には大阪証券取引所に上場し、2013年には東京証券取引所JASDAQ市場に上場しました。近年では、2021年に「まるまつハイウェイ松川PA」を開店し、2022年には連結子会社「株式会社ネットワークサービス」を吸収合併しました。

株式会社カルラの2024年2月期の財務情報は以下の通りです。売上高は68億3879万1千円、売上原価は20億3817万6千円で、売上総利益は48億615万5千円となっています。営業利益は3億2939万6千円、経常利益は3億3948万6千円、当期純利益は4億3700万円です。資産合計は53億5899万9千円、負債合計は29億4189万8千円、純資産は14億1709万1千円です。自己資本比率は26.3%で、安定した財務基盤を維持しています。また、現金及び現金同等物の期末残高は14億4874万8千円で、前年同期比で増加しています。これらの指標は、企業の健全性や成長性を示す重要な要素となっています。

株式会社カルラの経営方針は、「おもてなしの心」を基盤に、顧客満足の充足を目指しています。具体的には、品質、サービス、清潔さ（QSC）の向上を図り、既存店の収益力を高めることに注力しています。また、HACCPに基づく衛生管理体制を強化し、安全で安心な食材の確保に努めています。さらに、コスト削減や生産性向上を目指し、適切な労働時間の管理や作業の単純化を進めています。中長期的には、店舗数1,000店舗、売上高1,000億円、経常利益100億円を目指す数値目標を掲げ、東北・北関東地区での店舗網の構築や人材育成に力を入れています。これにより、競争力を確保し、持続可能な成長を実現することを目指しています。

株式会社カルラでは、全社的なリスク管理体制を構築し、内部統制と連携してリスクを管理しています。信用リスクについては、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、財務状況の悪化による回収懸念を早期に把握する体制を整えています。市場リスクに関しては、借入金の金利変動リスクを抑制するため、固定金利による調達を基本とし、不要な借入を避けています。また、流動性リスクの管理には、経理部が資金繰計画を作成し、手元流動性を適正に維持することを重視しています。さらに、災害や食中毒、システム障害などのリスクに対しては、緊急対応マニュアルを策定し、重要なリスクが発生した場合には迅速に対策本部を立ち上げる体制を整えています。

株式会社カルラの2024年2月期の経営成績は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され、消費関連事業が回復基調にある中で、売上高は68億40百万円（前年同期比13.2%増）となりました。営業利益は3億48百万円、経常利益は3億39百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は4億37百万円で、前年同期は61百万円の損失でした。経営環境は依然として厳しく、中東やロシアの地政学リスク、円安による原材料価格の高騰が影響しています。競争が激化する中、商品力の強化と他社との差別化を図り、既存店の活性化に努めています。今後も「おもてなしの心」を重視し、営業力の強化を図る方針です。

株式会社カルラの2024年2月期の財政状態は、安定した基盤を維持しています。総資産は53億5899万9千円で、流動資産が29億4189万8千円、固定資産が24億1710万1千円となっています。負債合計は29億4189万8千円で、流動負債が24億8百万円、固定負債が5億3389万8千円です。純資産は14億1709万1千円で、自己資本比率は29.5%です。特に、固定負債は前年度比で66百万円減少し、長期借入金の減少が主な要因です。また、現金及び現金同等物の期末残高は14億4874万8千円で、前年同期比で増加しています。これにより、資金繰りの安定性が確保されており、今後の成長に向けた投資余力も持っています。

株式会社カルラの2024年2月期におけるキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが5億4百万円で、主な収入は税金等調整前当期純利益の増加3億39百万円、減価償却費の計上による増加1億38百万円などです。支出は法人税等の支払額31百万円でした。投資活動によるキャッシュ・フローは2百万円で、有形固定資産の売却による収入49百万円が主な要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは2億23百万円の支出で、長期借入金の返済が8億88百万円、自己株式の取得が1億21百万円でした。結果として、現金及び現金同等物の期末残高は14億4874万8千円で、前年同期比で2億83百万円の増加となりました。

株式会社カルラは、サステナビリティを重視し、地域社会への貢献や環境への配慮を推進しています。ガバナンスの面では、取締役会を毎月開催し、重要事項の迅速な意思決定と監視を行っています。地域社会への貢献としては、安全で健康的な食事を提供し、地元スポーツや文化活動のスポンサーとしても活動しています。環境への配慮では、工場や物流の省エネルギー化を進め、CO2排出量の削減に取り組んでいます。また、各店舗でのLED照明の導入や食品ロス削減にも注力しています。人材育成に関しては、働きがいのある職場を目指し、適材適所の人材配置や女性の活躍を促進する制度を整備しています。これらの取り組みを通じて、持続可能な社会の実現を目指しています。

株式会社カルラが直面する事業等のリスクには、出店政策、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、法的規制、衛生管理、訴訟リスクなどが含まれます。出店政策においては、主力業態「まるまつ」の店舗展開に注力していますが、採算重視のため出店候補地の選定が難航する可能性があります。信用リスクは、取引先の信用状況を定期的にモニタリングし、早期の回収懸念を把握する体制を整えています。市場リスクとしては、原材料価格の高騰や労働力不足が影響を及ぼす可能性があります。流動性リスクは、資金計画を適時に更新し、手元流動性を維持することで管理しています。また、法的規制の強化や衛生管理の不備が業績に影響を与えるリスクも存在します。これらのリスクを認識し、発生の回避や影響の最小化に努めています。

株式会社カルラの経営者は、2024年2月期の財政状態について、総資産が55億76百万円に増加し、流動資産が19億47百万円、固定資産が36億29百万円であると分析しています。負債総額は39億26百万円で、流動負債が15億18百万円、固定負債が24億8百万円です。自己資本比率は29.5%で、安定した財務基盤を維持しています。経営成績については、売上高が68億40百万円（前年同期比13.2%増）、営業利益が3億48百万円、経常利益が3億39百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が4億37百万円と好調です。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが5億4百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが2百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが2億23百万円の支出となり、現金及び現金同等物の期末残高は14億48百万円に達しました。これらの結果から、経営者は今後も安定した成長を目指す方針を示しています。

株式会社カルラの資本の財源は、主に内部資金によって賄われています。2024年2月期の流動資産は19億47百万円で、現金及び預金が2億83百万円増加しました。固定資産は36億29百万円で、繰延税金資産の増加が影響しています。負債総額は39億26百万円で、流動負債が15億18百万円、固定負債が24億8百万円です。自己資本比率は29.5%で、安定した財務基盤を示しています。運転資金の主な需要は原材料の購入費や労務費であり、投資資金は配送用車両や店舗設備の取得に使用されます。資金調達は原則として内部資金を利用し、必要に応じて銀行借入を行い、固定金利を活用して金利変動リスクを抑制しています。今後もこの方針に大きな変更はないと考えています。

株式会社カルラの経営成績に重要な影響を与える要因として、競争環境の激化、新型コロナウイルス感染症の影響、原材料価格の高騰、労働力不足が挙げられます。特に、同業他社や宅配事業者、コンビニエンスストアとの競争が厳しく、日常食の提供というコンセプトからも競争が激化しています。新型コロナウイルスの5類移行により人流が回復し、消費活動が活発化したことで売上高は68億40百万円（前年同期比13.2%増）に達しましたが、円安の進行による原材料価格の高騰や、来店客数の回復に伴う労働力不足、人件費の高騰が経費を押し上げ、経営成績に影響を与えています。これらの要因を踏まえ、カルラは「おもてなしの心」を基盤に、営業力の強化や商品力の向上に努めています。

株式会社カルラの経営者は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、消費活動が活発化している一方で、中東やロシアの地政学的リスク、円安の進行などにより、経営環境が依然として厳しいと認識しています。このような状況下で、「生産から販売までの一貫した体制の確立」を目指し、「安全・安心で、健康的な美味しい食事」をより価値のある価格で提供するための基盤づくりに取り組む方針です。また、顧客満足の充足を図るため、外食産業としての提供価値を再評価し、社会貢献にも力を入れる必要があるとしています。具体的には、既存店の収益力向上、仕入れから商品提供までの体制強化、生産性の向上と経費削減を通じて、さらなる収益力の向上を推進していく方針です。

株式会社カルラは、今後の事業展開における資金需要に対し、安定的かつ機動的な資金調達を行うため、主要金融機関5行とコミットメントライン契約を締結していましたが、2024年2月末現在で解約しています。前連結会計年度のコミットメントライン総額は1,000,000千円で、借入実行残高は500,000千円でした。借入金の一部には、利益維持条項等の財務制限条項が付されており、当連結会計年度末においては、これらの条項に抵触する借入金はありませんでした。また、顧客との契約から生じる収益は、主にレストラン事業に関連しており、契約負債は顧客に付与したポイントを履行義務として計上しています。これにより、収益の認識が行われています。

株式会社カルラの研究開発活動に関して特記すべき事項はありません。主に飲食業においては、メニューの開発やサービスの向上に注力しており、顧客のニーズに応じた新製品の投入を行っています。また、食品の安全性を確保するために、HACCPに基づく衛生管理体制の強化にも取り組んでいます。今後も、顧客満足度を高めるための施策を継続し、競争力の向上を図る方針です。研究開発に関する具体的なプロジェクトや投資については、現時点では詳細な情報は公開されていませんが、業界の動向に応じた柔軟な対応を行うことが求められています。

株式会社カルラの2024年2月期における設備の状況は、設備投資の総額が99,830千円で、主な投資内容は配送用車両の取得、本社工場設備の更新、店舗空調設備の取得などです。主要な設備の帳簿価額は、和風ファミリーレストラン「まるまつ」店舗が745,538千円、その他の店舗が346,886千円、合計で1,015,901千円となっています。従業員数は125人で、88店舗を展開しています。また、土地の面積は1,874,209㎡で、建物及び構築物の帳簿価額は244,517千円です。設備の維持管理や更新に関しては、効率的な運用を目指し、定期的な点検やメンテナンスを行っています。これにより、顧客に対して高品質なサービスを提供するための基盤を確保しています。

株式会社カルラの株式の状況について、2024年2月29日現在の発行済株式総数は6,021,112株で、資本金は50,000千円です。自己株式は256,756株で、発行済株式に対する割合は約4.26%です。大株主には、株式会社アセットシステムが2,131千株（36.97%）、井上純子が359千株（6.24%）、カルラ従業員持株会が212千株（3.69%）を保有しています。議決権の状況では、発行済株式のうち自己株式を除いた株式に対して、株主は議決権を行使することができます。株主構成は個人が61.67%を占めており、法人が38.33%となっています。今後も株主還元を重視し、安定した配当政策を維持する方針です。

株式会社カルラの配当政策は、株主への安定した利益還元を経営の重要課題と位置付けています。業績に応じた配当を基本とし、企業体質の強化や今後の業容拡大に備えるための内部留保の充実を考慮して決定されます。具体的には、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことができる旨を定款に定めており、期末配当は株主総会で、中間配当は取締役会で決定されます。2024年の期末配当は1株当たり5円とされ、親会社株主に帰属する当期純利益が4億37百万円であったことから、配当が決定されました。内部留保資金は、新規出店や店舗改装に際しての設備投資資金等に充当され、経営基盤の強化に活用されます。

株式会社カルラのコーポレート・ガバナンスは、「飲食を通じての社会貢献」という企業理念に基づき、食品の安全性や衛生管理に対する法令遵守を徹底しています。取締役会は毎月開催され、経営上の重要事項を審議し、取締役は9名（うち2名は社外取締役）で構成されています。監査役会は14回開催され、常勤監査役が監査を行い、社外監査役との情報交換を通じて監査機能の充実を図っています。内部監査室を設置し、業務の適法性や効率性を監査し、社長に報告しています。会計監査は監査法人ハイビスカスが担当し、15年間の継続監査を行っています。これらの体制により、企業活動の透明性を高め、株主価値の向上を目指しています。

株式会社カルラの役員は、男性11名、女性1名（女性の比率8.3%）で構成されています。代表取締役社長は井上善行氏（1958年生）で、1988年に入社し、2013年から社長を務めています。代表取締役副社長は井上純子氏（1967年生）で、2023年に副社長に就任しました。取締役には伊藤真市氏、齋藤信一氏、佐藤秀幸氏、菊池公利氏が名を連ねており、社外取締役には花舘達氏と齋藤信一氏がいます。監査役は常勤監査役の白石廣行氏、社外監査役の永山勝教氏と中田孝司氏が務めています。取締役の任期は2024年2月期に係る定時株主総会終結から2025年2月期に係る定時株主総会終結までで、監査役の任期は2021年2月期に係る定時株主総会終結から2025年2月期に係る定時株主総会終結までです。

株式会社カルラにおける監査の状況は、監査役監査と内部監査、会計監査の3つの側面から構成されています。監査役監査は常勤監査役1名が常時監査を行い、社外監査役2名と意見交換を行っています。2024年2月期には監査役会を14回開催し、監査方針や監査計画の策定、監査結果の報告などが行われました。内部監査は内部監査室が担当し、業務の適法性や効率性を監査し、社長に報告しています。会計監査は監査法人ハイビスカスが担当し、15年間の継続監査を行っています。監査法人は、財務諸表が一般に公正妥当と認められる基準に準拠していると認めており、監査意見の根拠として十分かつ適切な監査証拠を入手したとしています。これにより、企業の透明性と信頼性を高める体制が整っています。

株式会社カルラの役員の報酬等について、2024年2月期の役員報酬は75,625千円で、前年同期の70,656千円から増加しています。取締役の報酬は、社会的動向や業績、社員給与とのバランスを考慮し、取締役会で決定されます。取締役の報酬限度額は、2004年の株主総会で年額200百万円以内と決議されています。取締役の報酬は固定報酬のみで、月次で支給されます。また、監査役の報酬は年額20百万円以内と定められており、各監査役の報酬は協議により決定されます。社外役員の報酬は7,500千円で、取締役5名、監査役1名、社外役員5名が対象となっています。連結報酬等の総額が1億円以上の役員はいないため、個別の報酬は記載されていません。

株式会社カルラの株式の保有状況について、2024年2月29日現在の発行済株式総数は6,021,112株で、自己株式は256,756株です。株主数は5,832人で、個人株主が61.67%を占めています。大株主には、株式会社アセットシステムが2,131千株（36.97%）、井上純子が359千株（6.24%）、カルラ従業員持株会が212千株（3.69%）を保有しています。議決権の状況では、発行済株式のうち自己株式を除いた株式に対して、株主は議決権を行使することができます。自己株式は「個人その他」に分類され、2,567単元が含まれています。これにより、株主構成は多様性を持ち、企業のガバナンスに寄与しています。

株式会社カルラの経理の状況は、2024年2月期において連結財務諸表が適正に作成されていることが確認されています。連結貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書は、一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されており、監査法人による監査も受けています。重要な会計方針や見積りについては、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断されています。特に、営業債権の管理や流動性リスクの管理が強化されており、資金繰計画を適時に作成・更新することで、手元流動性を適正に維持しています。また、資産除去債務の見積もり変更に関する情報も適切に開示されており、透明性の高い経理体制が整っています。

株式会社カルラの連結財務諸表は、2024年2月29日現在のデータに基づいて作成されています。連結貸借対照表では、流動資産が19億4713万6千円、固定資産が28億5247万4千円で、総資産は53億5899万9千円となっています。負債合計は29億4189万8千円、純資産は14億1709万1千円で、自己資本比率は26.3%です。連結損益計算書では、売上高が68億4057万2千円、営業利益が3億4861万2千円、経常利益が3億3948万6千円、当期純利益は4億3700万円です。連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが5億4百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが2百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが2億23百万円の支出となり、現金及び現金同等物の期末残高は14億4874万8千円に達しました。これらの情報は、企業の財務状況を把握する上で重要な指標となります。

株式会社カルラの報告セグメントは、レストラン事業のみで構成されています。このセグメントは、和風ファミリーレストラン「まるまつ」を中心に展開されており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、詳細なセグメント情報の開示は行われていません。2024年2月期のレストラン事業の売上高は61億2,511万円で、前年同期比104.5%の増加を示しています。また、原材料仕入実績は41億9,614万円、商品仕入実績は139億6,319万円で、いずれも前年同期比で増加しています。地域別の売上高では、宮城県が36億1,483万円、福島県が9億2,398万円など、東北地方が主な市場となっています。これにより、カルラは地域密着型のビジネスモデルを強化し、安定した成長を目指しています。

株式会社カルラの連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積り及び仮定を必要とします。これらの見積りは過去の実績や現状を考慮し合理的に判断されていますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、異なる場合があります。特に、固定資産の減損に関する見積りでは、店舗ごとに資産をグルーピングし、営業損益がマイナスとなった場合や時価が著しく下落した場合に減損の兆候があると判定します。将来キャッシュ・フローの見積りには、売上高成長率、売上原価率、人件費率などの主要な仮定が含まれ、これらの仮定は経営環境の変化により見直しが必要となる可能性があります。

株式会社カルラの金融商品に関する取組方針は、原則として営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内で運転資金及び設備投資資金を賄うことです。不足する場合は、主に銀行借入により資金を調達します。一時的な余剰資金は安全性の高い金融資産で運用し、投機的な取引は行わない方針です。営業債権である売掛金は取引先の信用リスクに晒され、敷金・保証金、長期貸付金も信用リスクに影響されます。借入金は主に固定金利で調達し、金利の変動リスクを抑制しています。信用リスクの管理には、主要取引先の状況を定期的にモニタリングし、回収懸念を早期に把握する体制を整えています。また、市場リスクや流動性リスクについても適切な管理体制を構築しています。

株式会社カルラにおけるリース取引関係について、特記すべき事項はありません。リース取引は主に店舗の賃貸借契約に関連しており、賃貸契約に基づくリース資産は、営業活動に必要な設備や店舗の運営に使用されています。リース取引に関する会計処理は、適用される会計基準に従い、リース資産及びリース負債を適切に計上しています。リース契約の内容は、契約期間、賃料、更新オプションなどが含まれ、契約の重要性に応じて適切に管理されています。リース取引に関する詳細な情報は、重要性が乏しいため記載を省略していますが、全体としてリース取引は企業の運営において重要な役割を果たしています。

株式会社カルラの有価証券関係について、2024年2月29日現在の投資有価証券は283千円で、関係会社株式も800千円保有しています。これらの有価証券は、移動平均法による原価法で評価されており、市場価格のない株式等については、重要性が乏しいため詳細な開示は行われていません。また、長期貸付金は33,265千円で、これも適切に管理されています。敷金及び保証金は497,765千円で、将来キャッシュフローを基にした現在価値で評価されています。全体として、カルラは金融商品に関するリスク管理を徹底し、安定した財務基盤を維持する方針です。

株式会社カルラの収益認識に関する方針は、顧客との契約から生じる収益を、主にレストラン事業において適用しています。飲食サービスの提供においては、顧客にフード及びドリンクを提供し、対価を受領した時点で収益を認識します。また、顧客に対して飲食代金に応じてポイントを付与し、これを履行義務として識別しています。ポイント利用に伴い収益を認識する際には、将来の失効見込み等を考慮して算定された独立販売価格を基に取引価格の配分を行います。契約負債の残高は、前連結会計年度の期首残高が13,139千円、当連結会計年度の期首残高が7,316千円であり、契約負債の増減はポイントの付与及び収益の認識によって生じています。

株式会社カルラの財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の作成において重要な情報を提供しています。まず、連結の範囲に関する事項として、連結子会社は株式会社亘理ファーム1社であり、連結の範囲に変更はありません。持分法の適用に関する事項は該当事項がなく、連結子会社の決算日は11月30日で、連結財務諸表作成にあたり必要な調整が行われています。会計方針に関しては、重要な資産の評価基準として、その他有価証券は移動平均法による原価法で評価されています。また、借入金の一部には利益維持条項等の財務制限条項が付されており、当連結会計年度末においてはこれに抵触する借入金はありません。これらの注記事項は、投資家や利害関係者に対して企業の財務状況を理解するための重要な情報を提供しています。