株式会社東和銀行

株式会社東和銀行は、主に銀行業を営む企業で、経営強化計画「プランフェニックスⅥ」に基づき、顧客の資金繰り支援や経営改善に取り組んでいます。令和5年度の経常収益は33,513百万円、当期純利益は3,510百万円でした。資本金は38,653百万円で、発行済株式総数は普通株式37,180千株、第二種優先株式7,500千株です。総資産額は2,395,194百万円、預金残高は2,153,415百万円、貸出金残高は1,579,511百万円です。自己資本比率は4.80%で、1株当たり純資産額は2,696.67円、1株当たり配当額は普通株式で35円、第二種優先株式で27.680円です。今後の経済環境や金融政策の変動により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

株式会社東和銀行の令和5年度末の主要な経営指標は以下の通りです。単体自己資本比率は10.05%で、目標の10.22%には届きませんでした。業務粗利益経費率（OHR）は67.90%で、目標の68.09%を上回りました。コア業務純益は49億44百万円で、目標の53億77百万円には達しませんでした。営業活動によるキャッシュ・フローは9億41百万円で、前年より2,103億29百万円増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは74億25百万円で、前年より149億62百万円減少しました。財務活動によるキャッシュ・フローは△11億20百万円で、前年とほぼ同じでした。これにより、現金及び現金同等物の期末残高は1,948億円となり、前年より72億46百万円増加しました。

株式会社東和銀行は、銀行業を中心にリース業やクレジットカード業務を展開しています。主な業務には、預金業務、貸出業務、内国為替業務、外国為替業務が含まれ、地域社会に総合金融サービスを提供しています。特に、中小企業や個人への貸出を重視し、顧客の実態把握を通じて経営支援を行い、信用リスクの軽減に努めています。また、資金の運用は主に貸出金と有価証券によって行われ、債券を中心とした運用を基本としつつ、収益性の向上を図っています。連結子会社には、リース業務を行う東和銀リース株式会社と、クレジットカード業務を行う東和カード株式会社があります。

株式会社東和銀行は、大正6年6月に群馬貯蓄無尽株式会社として設立されました。大正7年4月に群馬無尽株式会社に商号変更し、昭和17年9月には合併により群馬大生無尽株式会社が設立されました。昭和26年10月には相互銀行法の施行に伴い、株式会社大生相互銀行に商号変更しました。昭和49年2月には外国為替業務を開始し、平成元年2月には銀行法に基づき普通銀行に転換し、現在の株式会社東和銀行に商号変更しました。以降、オンラインシステムの稼働や、他の信用組合との合併を経て、現在の形に至っています。特に、平成55年11月には第二次総合オンラインシステムが稼働し、業務の効率化が進められました。

株式会社東和銀行の令和6年度の財務情報は以下の通りです。総資産は2,395,194百万円で、前年から増加しました。預金残高は2,152,825百万円、貸出金残高は1,579,511百万円です。負債は2,273,188百万円で、主に預金と借用金から構成されています。自己資本比率は4.80%で、安定した財務基盤を維持しています。令和6年度の経常収益は34,138百万円、当期純利益は4,298百万円でした。営業活動によるキャッシュ・フローは941百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは7,425百万円のプラスでした。これにより、現金及び現金同等物の期末残高は194,800百万円となりました。これらの指標は、今後の経営戦略において重要な役割を果たします。

株式会社東和銀行は、「役に立つ銀行」、「信頼される銀行」、「発展する銀行」を経営理念に掲げ、令和3年4月から新経営強化計画「プランフェニックスⅥ」を実施しています。この計画のもと、「真の資金繰り支援」や「本業支援」、「経営改善・事業再生支援」、「資産形成支援」を通じて、お客様が事業に専念できる環境を整えています。特に、平成24年4月からの「ＴＯＷＡお客様応援活動」により、事業性貸出先数は14,973先に達し、中小企業貸出残高は8,309億円に増加しました。経営指標では、単体自己資本比率は10.05%、業務粗利益経費率は67.90%と、目標には若干届かなかったものの、地域経済の活性化と当行の収益力向上を目指しています。また、公共的使命と社会的責任を自覚し、法令遵守に努めています。

株式会社東和銀行は、リスク管理の基本方針として、経営の健全性と収益の確保・向上を重視しています。信用リスクについては、貸出金の与信審査や信用情報の管理を徹底し、リスク管理部が月次でモニタリングを行っています。市場リスクは、金利リスク、為替リスク、価格変動リスクに分けて管理され、特に金利リスクはALM（資産負債管理）を通じて評価されています。令和6年3月31日現在、当行グループの市場リスク量は10,479百万円で、前年度の16,202百万円から減少しました。また、流動性リスクは資金調達手段の多様化や長短の調達バランス調整により管理されています。リスク管理体制を強化し、顧客や株主の信頼を確保するために、リスクの状況把握とコントロールに努めています。

株式会社東和銀行の令和6年度の経営成績は、経常収益が34,138百万円で、前年から625百万円増加しました。主な要因として、役務取引等収益や国債等債券売却益の増加が挙げられます。一方、経常費用は29,803百万円で、前年より276百万円増加しました。これにより、経常利益は4,335百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は35,30百万円でした。貸出金残高は1兆5,769億円、預金残高は2兆1,527億円で、総資産は2兆4,056億円に達しました。経営強化計画「プランフェニックスⅥ」に基づく施策が功を奏し、経営成績の向上が見られましたが、特別利益の減少が影響し、純利益は前年より564百万円減少しました。

株式会社東和銀行の令和6年度末の財政状態は、総資産が2兆4,056億円で、前年度末比152億円増加しました。負債は2兆2,870億円で、前年度末比143億円の増加です。純資産は1,186億円で、親会社株主に帰属する当期純利益35億円を計上したことにより、前年度末比9億円増加しました。貸出金は1兆5,769億円で、前年度末比146億円の増加、有価証券は5,573億円で113億円減少しました。預金は2兆1,527億円で83億円増加しました。これらの指標は、当行の安定した財政基盤を示しており、今後の経営戦略において重要な役割を果たします。

株式会社東和銀行の令和6年度のキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加などにより9億41百万円となり、前年度比2,103億29百万円の増加を記録しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却や償還による収入が74億25百万円となり、前年より149億62百万円減少しました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより△11億20百万円となり、前年度比1百万円の減少です。これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は1,948億円となり、前年度末比72億46百万円の増加を示しました。これにより、当行は安定した資金流動性を維持しています。

株式会社東和銀行は、サステナビリティに関する考え方として、気候変動への対応を重要な経営課題と位置付けています。令和3年10月には、気候関連財務情報開示タスクフォース（TCFD）提言への賛同を表明し、ガバナンス体制を整備しました。サステナビリティ委員会を設置し、気候変動対策委員会や地域活性化貢献委員会などの下部組織を通じて、環境問題や地域経済の振興に取り組んでいます。具体的には、令和12年度までにCO₂排出量をネットゼロにする目標を掲げ、温室効果ガス削減に向けた施策を推進しています。また、再生可能エネルギー事業への投融資を進め、地域経済の活性化を図る「共通価値の創造」にも注力しています。これらの取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

株式会社東和銀行は、事業運営において様々なリスクに直面しています。主なリスクには、①信用リスク、②市場リスク（ア．金利リスク、イ．価格変動リスク）、③流動性リスク、④オペレーショナル・リスク、⑤法務リスク、⑥レピュテーショナルリスク、⑦自己資本比率に係わるリスクが含まれます。特に、信用リスクは不良債権の増加に伴う与信関係費用の増加が懸念されており、令和6年3月末の開示債権額は397億円です。市場リスクは金利や為替の変動に影響され、流動性リスクは資金調達の条件に影響を及ぼす可能性があります。また、オペレーショナル・リスクとしてはシステム障害や事務ミスが挙げられ、法務リスクは法令遵守の不備による損失を伴う可能性があります。これらのリスクを総合的に管理し、経営の健全性を確保するための体制を整えています。

株式会社東和銀行の経営者は、令和6年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況について、全体的に安定した運営が行われていると評価しています。経常収益は341億38百万円で、前年から6億25百万円増加しましたが、貸出金利息や有価証券利息配当金の減少が影響しています。経常費用は298億3百万円で、前年より2億76百万円増加し、役務取引等費用や営業経費の増加が要因です。経常利益は43億35百万円、当期純利益は35億30百万円となりました。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが9億41百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが74億25百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△11億20百万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は1948億円に達しました。これにより、資金の流動性は確保されており、今後の成長に向けた基盤が整っています。

株式会社東和銀行の資本の財源は、主に親会社株主に帰属する当期純利益35億30百万円を計上したことにより、株主資本が前年度末比24億58百万円増加し、1,285億26百万円となりました。資金の流動性については、地域のお客様からの預金受入を基盤に、コールマネーや日銀借入、レポ取引など多様な調達手段を活用し、効率的かつ安定的な資金調達を行っています。令和6年度末の現金及び現金同等物の期末残高は1,948億円で、前年度末比72億46百万円の増加を示しています。流動性リスク管理は、資金繰りリスクと市場流動性リスクを定義し、平常時、懸念時、危機発生時の管理体制を整備しています。これにより、地域金融機関としての役割を果たしつつ、安定した資金運用を図っています。

株式会社東和銀行の経営成績に重要な影響を与える要因として、主に信用リスクと市場リスクが挙げられます。令和6年度の不良債権処理額は31億58百万円で、前年より2億41百万円減少しましたが、個別貸倒引当金の純繰入額が増加したことが影響しています。信用コスト合計は24億32百万円で、前年より5億43百万円減少しました。市場リスクに関しては、金利リスクや価格変動リスクが業績に影響を及ぼす可能性があり、特に資産運用における国債や株式の価格変動が懸念されています。また、流動性リスクやオペレーショナル・リスクも重要な要因であり、これらのリスクが顕在化した場合、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。経営者は、これらのリスクを適切に管理し、経営の健全性を確保するための体制を整えています。

株式会社東和銀行の経営者は、令和6年度の経営環境において、国内外の経済情勢や市場の変動が業績に与える影響を深く認識しています。特に、信用リスクや市場リスクの管理が重要であり、これらのリスクを適切にコントロールすることが経営の健全性を保つ鍵であると考えています。今後の方針としては、経営強化計画「プランフェニックスⅥ」に基づき、顧客の資金繰り支援や本業支援を強化し、地域経済の活性化に貢献することを目指しています。また、サステナビリティの観点から、気候変動への対応や環境保全を重要な経営課題として位置付け、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進める方針です。これにより、顧客との信頼関係を深め、当行の収益力向上を図ることを目指しています。

株式会社東和銀行は、経営上の重要な契約として、顧客との融資契約や金融サービスに関する契約を挙げています。令和6年度末の融資未実行残高は192,232百万円で、前年の189,521百万円から増加しました。特に、契約残存期間が1年以内の融資未実行残高は156,265百万円で、前年より減少しています。これらの契約は、金融情勢の変化や債権の保全に基づき、融資の拒絶や契約極度額の減額が可能な条項が含まれています。また、契約時には不動産や有価証券等の担保を徴求し、契約後も顧客の業況を定期的に把握し、必要に応じて契約の見直しを行っています。これにより、リスク管理を強化し、安定した経営基盤を維持しています。

株式会社東和銀行は、地域経済の活性化を目指し、地元大学との共同研究開発支援を行っています。具体的には、顧客の事業計画の策定支援や、外部機関との連携を通じて経営改善や事業再生支援を展開しています。また、長期的な家計資産の増大を図るための資産形成支援も行っており、これらの取り組みは地域の発展に寄与しています。さらに、SDGs達成に向けた「東和SDGs取組支援サービス」や、循環型社会の実現を目指す「TOWA脱炭素コンソーシアム」の活動を通じて、環境問題への対応にも注力しています。令和12年度までにCO₂排出量をネットゼロにする目標を掲げ、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。加えて、東和銀行アプリの新機能搭載や店舗チャネルの見直しを行い、顧客の利便性向上とローコスト・オペレーションの確立を目指しています。

株式会社東和銀行では、経営の効率化、営業基盤の充実、顧客利便の向上を目指し、設備投資を実施しています。令和6年度中の設備投資額は1,358百万円であり、各事業セグメントにおいて重要な設備の異動はありませんでした。主要な設備の状況として、銀行業務に関連する店舗が群馬県、栃木県、埼玉県、東京都に展開されており、合計88,304.76㎡の面積を有しています。特に、本店は群馬県に位置し、帳簿価額は9,181百万円です。これにより、顧客へのサービス提供を強化し、地域経済の発展に寄与することを目指しています。

株式会社東和銀行の株式の状況は、令和6年3月31日現在、発行済株式総数が普通株式37,180千株、第二種優先株式7,500千株となっています。親会社株主に帰属する当期純利益は35億30百万円で、1株当たり当期純利益は89.30円です。配当政策として、普通株式に対する配当額は35円、第二種優先株式は27.680円です。また、自己株式の取得に関しては、令和6年5月14日に第二種優先株式7,500千株を取得し消却しました。これにより、自己資本比率は10.05%で、安定した財務基盤を維持しています。株主の所有状況では、個人株主が32.98%を占め、金融機関が27.65%となっています。これらの指標は、当行の株式の健全性と市場での評価を示しています。

株式会社東和銀行の配当政策は、地域金融機関としての公共的使命を重視し、株主に対して安定的な配当を継続することを基本としています。令和5年度の普通株式に対する配当は、記念配当10円を加えた合計35円であり、令和6年度は1株当たり30円の配当を予定しています。配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会で行われます。また、自己株式取得を含めた総還元性向は30％以上を目指しており、剰余金の配当は会社法に基づく規定に従って行われます。これにより、株主還元を図りつつ、健全経営と内部留保の充実を図っています。

株式会社東和銀行は、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な経営課題と位置付けています。令和3年4月から新経営強化計画「プランフェニックスⅥ」を実施し、顧客が資金繰りの心配なく事業に専念できる環境を整えることを目指しています。取締役会は、経営の意思決定と業務執行の迅速化を図り、監督機能の強化を行っています。また、監査役会は独立性を重視し、内部統制の評価や監査の実施を通じて、経営の透明性を確保しています。役員の報酬は業績に連動し、株主の利益を考慮した形で設定されています。これにより、持続可能な成長を実現し、企業価値の向上を図る体制を整えています。

株式会社東和銀行の役員は、男性10名、女性2名で構成されており、女性の比率は16.66%です。代表取締役頭取執行役員の江原洋氏は、昭和31年生まれで、昭和55年に入行し、様々な役職を経て現職に至っています。副頭取執行役員の櫻井裕之氏も同様に長いキャリアを持ち、経営に貢献しています。取締役会は毎月1回定例開催され、令和5年度には計13回の会議が行われ、経営計画やサステナビリティに関する取り組みが議論されました。社外取締役は3名おり、経営の透明性と客観性を確保するため、監査役会や指名報酬委員会に参加し、重要な業務執行の監視を行っています。役員の選任にあたっては、独立性や中立性を重視し、外部評価委員会の評価を受けています。

株式会社東和銀行では、監査役会を通じて内部監査と外部監査の体制を整えています。監査役会は、監査役4名（うち社外監査役2名）で構成され、原則毎月1回開催され、監査方針や監査計画に基づいて監査を実施しています。令和6年度には監査役会を合計14回開催し、各監査役の出席状況は、監査役大澤清美が14回出席、社外監査役加藤真一が12回出席しました。内部監査部門は、監査部が本部監査担当9名、営業店監査担当9名の体制で、コンプライアンス遵守状況やリスク管理状況を検証し、取締役会に報告しています。また、会計監査はPwC Japan有限責任監査法人が担当し、内部統制の監査を行っています。監査役、会計監査人、内部監査部門は定期的に情報交換を行い、監査の実効性を高めています。

株式会社東和銀行の役員報酬は、社外取締役を除く取締役に対して、役割や責任に応じた固定報酬と中長期的な業績向上を目的とした株式報酬型ストック・オプションで構成されています。令和5年度の取締役の報酬総額は1億5百万円で、内訳は固定報酬8,500万円、業績連動報酬が0円、非金銭報酬としてのストック・オプションが2,000万円です。監査役の報酬は3,600万円で、全額が固定報酬です。社外役員の報酬は2,400万円で、こちらも固定報酬のみとなっています。退職慰労金は、取締役については平成22年に廃止され、監査役及び社外役員についても平成27年に廃止されています。報酬の決定は、指名報酬委員会で審議され、外部評価委員会からの評価を受けた上で取締役会で決定されます。

株式会社東和銀行は、地域経済の活性化を目的として、いくつかの企業の株式を保有しています。主な保有株式には、株式会社ヤマダホールディングス（7,008,000株）、株式会社ヤオコー（311,654株）、株式会社ヤマト（1,219,718株）などがあります。これらの株式は、取引関係の維持・強化を図るために保有されており、預貸金等の銀行取引や株式配当金受領による定量的な効果が期待されています。また、当行は特定投資株式として、地域金融機関としての役割を果たすために、地域企業の株式も保有しています。これにより、地域経済の発展に寄与することを目指しています。

株式会社東和銀行の経理の状況は、令和6年度において安定した財務基盤を維持しています。総資産は2兆4,056億円で、前年度比152億円の増加を示しました。負債は2兆2,870億円で、預金や借用金の増加により143億円増加しました。純資産は1,186億円で、親会社株主に帰属する当期純利益35億円を計上したことから、前年度比9億円の増加となりました。経常収益は341億38百万円で、前年から6億25百万円増加しましたが、貸出金利息や有価証券利息配当金の減少が影響しています。経常費用は298億3百万円で、前年より2億76百万円増加しました。これにより、経常利益は43億35百万円、当期純利益は35億30百万円となりました。経理部門は、これらの数値を基に経営戦略を策定し、持続可能な成長を目指しています。

株式会社東和銀行の連結財務諸表は、令和6年度の経営成績を反映しています。連結貸借対照表によると、総資産は2兆3,951億円で、前年から増加しています。連結損益計算書では、経常収益が341億38百万円、経常利益が43億35百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は35億30百万円となっています。連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが9億41百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが74億25百万円のプラス、財務活動によるキャッシュ・フローが△11億20百万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は1,948億円に達しました。これらの指標は、当行の健全な財務状況を示しています。

株式会社東和銀行の報告セグメントは「銀行業」のみであり、銀行業以外にリース業などの金融サービスに係る事業を行っていますが、それらの事業は重要性が乏しいため、セグメント情報の記載は省略されています。令和6年度の外部顧客に対する経常収益は、貸出業務が20,245百万円、有価証券投資業務が3,738百万円、その他が10,154百万円で、合計34,138百万円となりました。これにより、当行は地域経済の活性化に貢献しつつ、安定した収益基盤を確保しています。また、全ての有形固定資産は本邦に所在し、特定のお客様が連結損益計算書の経常収益の10％以上を占めることはありませんでした。これらの情報は、当行の経営戦略や業績分析において重要な役割を果たしています。

株式会社東和銀行では、重要な会計方針として貸倒引当金の計上が挙げられます。令和6年度の貸倒引当金は6,940百万円で、前年の6,871百万円から増加しました。貸倒引当金の算出方法は、債務者区分の判定に基づき、各債務者の将来の業績見通しを評価して設定されています。主要な仮定としては、貸出先の収益獲得能力を個別に評価し、業績変化に応じて見積りが変化する可能性があります。これにより、翌年度の財務諸表における貸倒引当金に重要な影響を与えることが考えられます。これらの会計方針と見積りは、当行の財政状態や経営成績に大きな影響を及ぼすため、慎重に管理されています。

株式会社東和銀行は、金融商品に関する取組方針として、銀行業務を中心にリース業務等の金融サービスを展開しています。資金調達は個人預金と法人預金を通じて安定的に行い、資金の運用は主に貸出金と有価証券によって行われています。貸出金は中小企業及び個人への貸出を中心に増加を図り、信用リスクの軽減に努めています。有価証券は主に債券を中心とした運用を行い、運用の多様化による収益性の向上を目指しています。金融商品に係るリスク管理体制としては、信用リスク、金利リスク、為替リスク、価格変動リスク、流動性リスクを管理し、統合リスク管理部がリスク量を計測・モニタリングしています。令和6年3月31日現在、当行グループの市場リスク量は10,479百万円で、前年度の16,202百万円から減少しています。これにより、リスク管理の強化を図り、安定した経営基盤を維持しています。

株式会社東和銀行のリース取引関係では、オペレーティング・リース取引が行われています。令和6年度末の未経過リース料は、解約不能のオペレーティング・リース取引において、1年内が54百万円、1年超が178百万円、合計で233百万円となっています。これにより、リース取引は安定した収益源として機能しており、顧客に対して柔軟な資金調達手段を提供しています。また、リース資産は、所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る有形固定資産及び無形固定資産として計上され、リース期間を耐用年数とした定額法により償却されています。これにより、リース取引は当行の資産運用の一環として重要な役割を果たしています。

株式会社東和銀行の有価証券関係では、令和6年度末の有価証券の連結貸借対照表計上額は546,069百万円で、時価は546,145百万円となり、差額は75百万円です。主な内訳として、満期保有目的の債券が20,355百万円、その他有価証券が525,714百万円です。これにより、当行は安定した収益基盤を確保しつつ、リスク管理を強化しています。有価証券は、主に国債、地方債、社債、株式などで構成されており、時価の算定においては、活発な市場における無調整の相場価格を利用しています。特に、満期保有目的の債券は、将来の金利変動リスクを考慮し、適切な運用を行っています。これにより、資産の流動性を確保し、経営の安定性を図っています。

株式会社東和銀行の収益認識に関する方針は、顧客との契約から生じる収益を基にしています。令和6年度の役務取引等収益は6,227百万円で、前年の5,980百万円から増加しました。顧客との契約から生じる経常収益は6,286百万円で、全体の経常収益34,138百万円の一部を占めています。収益は、約束した財またはサービスが顧客に移転した時点で認識され、履行義務が一定の期間にわたる場合は経過期間に基づいて収益を認識します。これにより、預金・貸出業務に関する手数料や為替業務に関する手数料などが含まれ、収益の計上基準は「重要な収益及び費用の計上基準」に従っています。また、顧客との契約から生じた債権の期末残高は196百万円となっています。

株式会社東和銀行の財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の作成において重要な情報を提供しています。注記事項には、連結の範囲、持分法の適用、退職給付に関する情報、及び関連当事者情報が含まれています。特に、連結子会社は2社であり、非連結子会社はその重要性が乏しいため連結の範囲から除外されています。また、退職給付に関する注記では、退職給付債務やその費用の内訳が詳細に記載されており、退職給付に係る調整額も示されています。これにより、投資家や利害関係者は当行の財務状況をより正確に理解することができます。財務諸表は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されており、監査法人による監査も受けています。