株式会社ナカヨ

株式会社ナカヨは、主に通信機器の製造・販売を行う企業です。2023年度の売上高は17,220百万円で、前期比0.8％増となりましたが、営業損失は660百万円に達しました。資産合計は21,287百万円、負債合計は5,502百万円、純資産は15,784百万円です。従業員数は約1,000人で、主な取引先には日立情報通信エンジニアリングやNTTグループが含まれています。企業理念は「良き企業市民として、時代のニーズを先取りした価値を創造し、社会の発展に貢献します。」であり、サステナビリティにも力を入れています。配当政策は安定的な配当を基本方針としており、2024年度の期末配当は1株当たり40円を予定しています。

株式会社ナカヨの主要な経営指標は以下の通りです。2023年度の売上高は17,220百万円で、前年度比0.8％の増加を示しました。しかし、経常損失は598百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は1,268百万円に達しました。総資産は21,287百万円、純資産は15,784百万円で、自己資本比率は74.2％です。1株当たり純資産は3,532.73円、1株当たり当期純損失は284.08円です。営業活動によるキャッシュ・フローは170百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローは101百万円のプラスでした。長期的な目標として、ROE（自己資本利益率）を5％以上、純利益を800百万円以上に設定しています。

株式会社ナカヨは、通信機器の製造・販売を主な事業とする企業です。特に、IPテレフォニーシステムの開発や製造、販売、システムエンジニアリングサポートを行っています。連結子会社のNYCソリューションズ株式会社は、NTT商品の販売を担当しており、関連会社の株式会社エヌティシステムも当社製品を含む製品販売を行っています。2023年4月には、ナカヨ電子サービス株式会社を吸収合併し、製造と販売の一体化を図ることで、事業の効率化と経営体質の強化を目指しています。なお、当社グループは通信機器事業の単一セグメントであり、事業の多様化を進めています。

株式会社ナカヨは、1926年4月に東京市渋谷区で中村与一郎商店として創立されました。1944年5月には株式会社中与通信機製作所を設立し、1948年には逓信省の指定メーカーとなりました。1956年からは日立製作所の技術指導を受け、有線通信機の製作を開始。1958年にはデミング賞を受賞し、1960年には日立製作所から資本導入を受けました。1974年に商号を株式会社ナカヨ通信機に変更し、同年10月には東京証券取引所市場第二部に上場。2022年4月には市場区分の見直しによりスタンダード市場に移行し、2023年4月には子会社ナカヨ電子サービス株式会社を吸収合併しました。

株式会社ナカヨの2023年度の財務情報は以下の通りです。売上高は17,220百万円で、前年度比0.8％の増加を示しましたが、営業損失は660百万円、経常損失は598百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は1,268百万円となりました。資産合計は21,287百万円、負債合計は5,502百万円、純資産は15,784百万円です。現金及び現金同等物の残高は4,094百万円で、営業活動によるキャッシュ・フローは170百万円のプラスでした。主な費用は材料費が6,246百万円、労務費が2,727百万円、経費が2,026百万円です。これらの情報は、企業の財務健全性や経営成績を把握するための重要な指標となります。

株式会社ナカヨは、長期ビジョン「NX2030」に基づき、持続的な成長を追求しています。具体的には、資本コストを上回るROE（自己資本利益率）5％以上、純利益800百万円以上を目指しています。経営構造改革として、生産拠点の集約や作業の合理化を進め、粗利益の確保を図ります。また、ソリューション事業の育成に注力し、営業・保守サポート力の強化やイノベーション創出能力の向上を目指します。さらに、サステナビリティへの取り組みを強化し、脱炭素や人的資本経営の基盤強化を進めています。人材確保に向けては、インターンシップ制度の導入や働きやすい環境づくりを推進し、社員の育成にも力を入れています。

株式会社ナカヨは、リスク管理体制を強化するために「リスク・コンプライアンス規程」を設け、リスク・コンプライアンス委員会を設置しています。この委員会は、ナカヨグループ全体のリスクマネジメントを統括し、各リスクに対して責任者を決定し、定期的な見直しを行います。不測の事態が発生した場合には、代表取締役社長を本部長とする対策本部を設置し、外部の専門家からのアドバイスを受けて迅速に対応します。また、法務監査部がリスクマネジメントの状況を定期的に監査し、社長や取締役会に報告する体制を整えています。これにより、企業の健全な運営を確保し、リスクの顕在化を未然に防ぐことを目指しています。

株式会社ナカヨの2023年度の経営成績は、売上高17,220百万円（前期比0.8％増）となりましたが、営業損失は660百万円、経常損失は598百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は1,268百万円に達しました。部材調達難は解消されたものの、ビジネスホン需要の軟調な推移や取引先の在庫調整が影響し、販売が減少しました。特別利益として投資有価証券の売却益が計上されたものの、減損損失が発生し、税金等調整前当期純損失は1,336百万円となりました。財政状態は、資産合計21,287百万円、負債合計5,502百万円、純資産合計15,784百万円で、自己資本比率は74.2％です。これらの結果から、持続的な収支改善が求められています。

株式会社ナカヨの財政状態は、2023年度末において資産合計21,287百万円、負債合計5,502百万円、純資産合計15,784百万円となりました。資産は前年度比で1,105百万円減少し、流動資産は15,002百万円、固定資産は6,285百万円です。流動負債は4,395百万円で、前年度比9百万円減少しましたが、契約負債や未払金は増加しています。純資産は前年度比1,110百万円減少し、利益剰余金が1,357百万円減少したことが影響しています。現金及び現金同等物の残高は4,094百万円で、十分な手元資金が確保されています。これにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断されています。

株式会社ナカヨの2023年度のキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。現金及び現金同等物の残高は4,094百万円で、前年度比180百万円の増加を示しました。営業活動によるキャッシュ・フローは170百万円のプラスで、前年度は1,746百万円の使用でした。これは、税金等調整前当期純損失1,336百万円、投資有価証券売却益684百万円、仕入債務の減少327百万円が影響しています。投資活動によるキャッシュ・フローは101百万円のプラスで、主に投資有価証券の売却による収入871百万円が寄与しました。財務活動によるキャッシュ・フローは91百万円の使用で、配当金の支払額90百万円が主な要因です。これにより、全体としてキャッシュ・フローは改善傾向にあります。

株式会社ナカヨは、サステナビリティを企業理念の一部として位置づけ、環境・社会・ガバナンス（ESG）に関する取り組みを強化しています。具体的には、コンプライアンスや人権、環境保全に関する事案を経営会議で審議し、重要な事案は取締役会で報告しています。また、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、リスクマネジメントを推進しています。2023年度からは「サステナビリティレポート」を発刊し、SDGsの目標に向けた取り組みを明示しています。特に、脱炭素や環境負荷の低減、社会課題解決に貢献するソリューション提供を重視し、人的資本経営やダイバーシティの推進にも力を入れています。これにより、持続可能な社会の実現に向けた企業の責任を果たすことを目指しています。

株式会社ナカヨは、事業運営においていくつかのリスクを認識しています。まず、国内企業の設備投資動向に依存しており、景気の好不況が売上高に大きく影響します。また、通信機器関連分野では技術革新が急速に進展しており、これに乗り遅れると市場シェアが低下する懸念があります。さらに、部材調達においては供給の逼迫や価格高騰が生じる可能性があり、これが生産機会の喪失や原価率の上昇につながる恐れがあります。人材確保・育成も重要な課題であり、優秀な人材の確保ができない場合、業績に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対しては、新製品開発やサービス事業の拡充を通じてリスク分散を図る方針です。

株式会社ナカヨの経営者は、2023年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローについて以下のように分析しています。売上高は17,220百万円で前期比0.8％増加したものの、営業損失は660百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は1,268百万円に達しました。これは、ビジネスホン需要の軟調な推移や取引先の在庫調整が影響しています。財政状態は、資産合計21,287百万円、負債合計5,502百万円、純資産合計15,784百万円で、自己資本比率は74.2％です。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローは170百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローは101百万円のプラスとなり、現金及び現金同等物の残高は4,094百万円に増加しました。経営者は、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。

株式会社ナカヨの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金の主な需要は部品や製品の仕入れ、製造費用、販売費及び一般管理費用です。投資資金の需要は設備投資や開発投資に関連しています。株主還元に関しては、業績に応じた配当の実現が重要課題であり、内部資金の確保を重視しています。2023年度末の現金及び現金同等物の残高は4,094百万円で、健全な財務体質を維持しつつ、継続的な営業活動を通じて資金調達が可能であると考えています。資金の流動性を確保するため、財務経理部が資金繰計画を作成・更新し、適時に資金管理を行っています。

株式会社ナカヨの経営成績に重要な影響を与える要因として、主に以下の点が挙げられます。まず、国内企業の設備投資動向が売上高に大きく影響します。特に、ビジネスホン需要の軟調な推移や取引先の在庫調整が販売に影響を及ぼし、2023年度の売上高は17,220百万円（前期比0.8％増）にとどまりました。また、部材調達の難しさや価格高騰も影響を与え、営業損失660百万円、経常損失598百万円となりました。さらに、技術革新のスピードに乗り遅れると市場シェアが低下するリスクも存在します。これらの要因に対して、ナカヨは新製品開発やサービス事業の拡充を通じてリスク分散を図り、持続的な成長を目指しています。

株式会社ナカヨの経営者は、現在の経営環境における不確実性の増加を認識し、企業理念の実践が重要であると考えています。長期ビジョン「NX2030」を策定し、2030年までに「ビジネスホンの会社」から「ビジネスソリューションの会社」への転換を目指しています。このビジョンの下、経営構造改革やソリューション事業の育成、サステナビリティへの取り組みを強化する方針です。具体的には、資本効率を向上させるための生産拠点の集約や、営業・保守サポート力の強化、人的資本経営の基盤強化を進めます。また、人材確保に向けた採用方法の見直しや、働きやすい環境づくりにも注力し、持続的な成長を追求します。

株式会社ナカヨにおいて、経営上の重要な契約等に関しては、特に該当事項はありません。これにより、現在の事業運営において特筆すべき契約や合意は存在せず、通常の営業活動に基づく契約が主な業務を支えています。今後も、事業の安定性を確保するために、必要に応じて契約の見直しや新たな契約の締結を行う方針です。経営者は、契約の内容や条件を適切に管理し、リスクを最小限に抑えることを重視しています。

株式会社ナカヨの研究開発活動は、主に群馬県前橋市のプラットホームシステム部、ソフトウェア部、東京都港区の情報技術研究センターで展開されています。2023年度の研究開発費は450百万円で、AI技術を利用したデータ分析やIoT/M2M技術の開発に注力しています。今後の重点開発項目として、アプリケーションを中心とした製品開発や、企業通信システムの機能向上を目指しています。特に、2022年11月に発売した「NYC-Xシリーズ」では、スマートフォンを内線電話機として使用できる機能を追加し、2024年6月にはさらなる商品力向上を図る予定です。また、介護・福祉機器や無人受付システムの開発も進めており、AIを活用した行動認識や自然言語処理の研究も行っています。これにより、付加価値の創出を目指しています。

株式会社ナカヨの設備の状況について、2023年度の設備投資は666百万円で、主にIT化対応機器や研究開発分野に重点を置いています。設備の新設計画として、群馬県前橋市の前橋製造部において生産設備やソフトウェアの投資が予定されており、2024年4月に着手し、2025年3月に完了予定です。主要な設備には、通信機器等の生産設備が含まれ、帳簿価額は本社・前橋製造部で353百万円、群馬製造部で1,601百万円となっています。また、重要な設備の除却や売却は行われておらず、安定した生産体制を維持しています。設備の賃借については、東京事業所での建物や福利厚生施設の賃借料が発生しています。

株式会社ナカヨの株式の状況について、2024年3月31日現在の発行済株式総数は4,794,963株で、自己株式は326,943株です。株主資本は資本金4,909百万円、資本剰余金4,544百万円、利益剰余金5,653百万円で、株主資本合計は14,760百万円となっています。大株主にはあいホールディングス株式会社（375千株、8.4％）、光通信株式会社（331千株、7.4％）、株式会社UH Partners（310千株、7.0％）が含まれています。株主の構成は、個人株主が47.9％を占め、その他法人や金融機関が残りを分担しています。2023年度の配当は1株当たり40円を予定しており、株主還元を重視した方針を維持しています。

株式会社ナカヨは、株主への利益還元を重要な経営課題と認識し、業績に応じた配当の実現を目指しています。基本方針として、連結配当性向30％程度を目安に、安定的な配当を実施することを掲げています。剰余金の配当は年2回行うことができ、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会で決定されます。2024年度の期末配当は1株当たり40円を予定しており、内部留保資金は新製品開発投資に重点的に配分される見込みです。また、取締役・従業員を対象としたストックオプションの付与も行い、株価重視の経営を促進しています。

株式会社ナカヨは、企業理念に基づき、企業価値の向上を目指し、全てのステークホルダーとの良好な関係を築くことを重視しています。コーポレート・ガバナンスの基本方針として、株主の権利の確保、適時適切な情報開示、健全な企業活動の推進を掲げています。取締役会は毎月開催され、経営陣の適切な運営を監督し、業務執行状況を確認しています。また、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、リスクマネジメントの推進やコンプライアンスの強化に努めています。2023年度からは「サステナビリティレポート」を発刊し、ESGに関する取り組みを透明に示すことで、ステークホルダーとの信頼関係を深めています。これにより、持続可能な成長を目指す企業としての責任を果たしています。

株式会社ナカヨの役員は、男性9名、女性0名で構成されています。代表取締役社長は貫井俊明氏で、1985年に入社し、様々な役職を経て2022年に社長に就任しました。常務執行役員には原和弘氏（業務本部長）、岩本修氏（管理統括本部長）、石川智之氏（ソリューション営業本部長）がいます。取締役会は全12回開催され、出席率は100％を維持しています。また、社外取締役には大西俊彦氏、荒井功氏、土屋和雄氏、加藤正憲氏が含まれ、監査等委員会の活動も活発に行われています。役員の任期は2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会の終結の時までで、監査等委員の任期は2024年3月期から2026年3月期までです。

株式会社ナカヨの監査の状況について、内部監査は法務監査部が担当し、業務運営組織に対して業務監査及び財務報告に係る内部統制評価を実施しています。監査計画に基づき、定期的に監査を行い、監査結果は代表取締役社長及び取締役常務執行役員に報告されます。また、監査等委員会は、内部監査の実施結果を四半期ごとに確認し、必要に応じて改善策を提案します。会計監査人との連携も強化されており、監査計画の聴取や定期的なミーティングを通じて情報共有が行われています。監査の透明性を確保するため、監査報告書は取締役会に年4回報告され、内部統制の整備状況も定期的に評価されています。

株式会社ナカヨの役員の報酬は、固定給、業績給、譲渡制限付株式報酬で構成されています。報酬の決定は、報酬委員会において審議され、取締役会が最終的に決定します。2023年度の報酬構成は、代表取締役の固定給が55％、業績給が45％、譲渡制限付株式報酬が14％となっています。役付取締役は、固定給65％、業績給35％、譲渡制限付株式報酬13％、一般取締役は固定給70％、業績給30％、譲渡制限付株式報酬12％です。業績給は、連結売上高、連結営業利益、ROEを基準に支給され、業績目標達成に応じて支給額が決定されます。役員報酬の総額は119百万円で、取締役（監査等委員及び社外取締役を除く）の報酬が90百万円、監査等委員が9百万円、社外役員が19百万円となっています。

株式会社ナカヨの株式の保有状況について、2024年3月31日現在の発行済株式総数は4,794,963株で、自己株式は326,943株です。大株主にはあいホールディングス株式会社（375千株、8.4％）、光通信株式会社（331千株、7.4％）、株式会社UH Partners（310千株、7.0％）が含まれています。株主構成は、個人株主が47.9％を占め、その他法人や金融機関が残りを分担しています。自己株式は、株主名簿記載上の株式数であり、実保有残高は326,743株です。議決権の状況では、完全議決権株式が4,444,300株で、議決権の行使に制限はありません。これにより、株主の権利が適切に保護されています。

株式会社ナカヨの経理の状況について、2023年度の連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。連結貸借対照表では、資産合計21,287百万円、負債合計5,502百万円、純資産合計15,784百万円が示されています。連結損益計算書では、売上高17,220百万円、営業損失660百万円、親会社株主に帰属する当期純損失1,268百万円が記載されています。キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが170百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが101百万円のプラスとなっています。監査法人による監査も行われ、財務諸表が適正に表示されていることが確認されています。これにより、経理の透明性と信頼性が確保されています。

株式会社ナカヨの連結財務諸表は、2024年3月31日現在の財政状態を示しています。連結貸借対照表では、資産合計21,287百万円、負債合計5,502百万円、純資産合計15,784百万円となっています。流動資産は15,002百万円で、現金及び預金は4,169百万円、売掛金は5,174百万円です。固定資産は6,285百万円で、有形固定資産の純額は2,549百万円です。連結損益計算書では、売上高17,220百万円、営業損失660百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は1,268百万円が記載されています。連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが170百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが101百万円のプラスとなっています。これらの情報は、企業の財務健全性を把握するための重要な指標です 。

株式会社ナカヨは、通信機器事業の単一セグメントで運営されています。2023年度の外部顧客への売上高は17,220百万円で、前年同期比0.8％の増加を示しました。具体的には、ワイヤードネットワーク機器が12,258百万円、ワイヤレスネットワーク機器が1,903百万円、サービス＆サポートが3,024百万円、その他の収益が33百万円となっています。受注高は16,924百万円で、前年同期比5.5％の減少が見られました。主要な顧客には、株式会社日立情報通信エンジニアリング（4,605百万円）、東日本電信電話株式会社（1,433百万円）、西日本電信電話株式会社（1,252百万円）などが含まれています。地域別の売上高は、日本国内が90％を超えており、海外市場への展開も視野に入れています。

株式会社ナカヨの重要な会計方針及び見積りに用いた仮定について、連結財務諸表は一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定が用いられています。特に、固定資産の減損に関しては、事業計画に基づいて算出した資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較し、減損損失の認識の要否を判定します。回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い金額によって測定され、土地や建物については不動産鑑定評価に基づいて評価されています。将来の経済条件の変動により、正味売却価額の見直しが必要となる場合、追加の減損損失が発生する可能性があります。

株式会社ナカヨの金融商品関係について、当社は一時的な余資を安全性の高い金融資産で運用し、デリバティブ取引はリスク回避のために利用しています。具体的には、外貨建ての営業債務に対する為替の変動リスクをヘッジするために、為替予約を行っています。ヘッジ会計の方法として、為替予約が付されている外貨建金銭債務については振当処理を行い、ヘッジの有効性評価は省略しています。信用リスクについては、営業債権の管理を各事業部が行い、主要な取引先の状況を把握しています。また、デリバティブ取引は格付けの高い金融機関とのみ行い、流動性リスクは財務経理部が資金繰計画を作成・更新することで管理しています。これにより、金融商品のリスクを適切に管理し、安定した経営を目指しています。

株式会社ナカヨのリース取引関係について、リース取引は主にオフィス機器や通信機器の賃貸に関連しています。リース契約は、運用リースとして分類され、リース料は発生した期間において費用として計上されています。リース資産は、貸借対照表には計上されず、リース料の支払いは営業活動によるキャッシュ・フローに含まれます。リース契約の内容は、契約期間、リース料、更新オプションなどが含まれ、契約の見直しや更新は定期的に行われています。リース取引に関するリスクは、契約先の信用リスクや市場環境の変動に依存しており、これらのリスクを軽減するために、信頼性の高い取引先との契約を優先しています。また、リース契約の内容は、経理部門が適切に管理し、定期的にレビューを行っています。

株式会社ナカヨの有価証券関係について、2024年3月31日現在の連結貸借対照表におけるその他有価証券の計上額は1,235百万円で、取得原価は582百万円、差額は652百万円となっています。具体的には、株式が1,174百万円、その他の有価証券が60百万円です。2023年度中に売却した株式の売却額は871百万円で、売却益は684百万円でした。減損処理を行った有価証券はなく、連結貸借対照表計上額が取得原価を超える株式は1,369百万円、取得原価を下回る株式は211百万円です。また、非上場株式の計上額は24百万円で、市場価格のない株式等は含まれていません。これにより、ナカヨは安定した資産運用を行っています。

株式会社ナカヨの収益認識関係について、顧客との契約から生じる収益は、主に通信機器事業に関連しています。2023年度の顧客との契約から生じる収益は17,186百万円で、内訳はワイヤードネットワーク機器が12,258百万円、ワイヤレスネットワーク機器が1,903百万円、サービス＆サポートが3,024百万円です。収益は、商品や製品の出荷時に認識され、顧客に対する支配が移転した時点で計上されます。国内製品取引では、販売奨励金等の対価が取引価格から減額され、取引の対価は商品引渡し後2～6か月以内に受領されます。また、工事契約においては、履行義務を完全に充足した時点で収益を認識します。これにより、収益認識の透明性と一貫性が確保されています。

株式会社ナカヨの財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の作成において重要な情報を提供しています。注記事項には、連結の範囲、重要な会計方針、見積りに用いた仮定、収益認識、リース取引、金融商品、有価証券、棚卸資産の評価、退職給付、税金、及び関連当事者情報が含まれています。特に、連結子会社の数は1社で、ナカヨ電子サービス株式会社は吸収合併により連結の範囲から除外されています。また、収益認識に関する注記では、顧客との契約から生じる収益の認識基準が明示されています。これにより、投資家や利害関係者が企業の財務状況をより正確に理解できるよう配慮されています。