ニッコー株式会社

ニッコー株式会社は、住設環境機器事業、陶磁器事業、機能性セラミック商品事業を主な業務として展開しています。特に、住設環境機器事業では浄化槽の維持管理を行い、陶磁器事業では米国と東南アジアにおいて販売代理店を持っています。2023年度の連結売上高は約139億9200万円で、日本国内での売上が約122億7900万円、海外が約17億1200万円となっています。また、1株当たり純資産額は30.74円、当期純利益は6.22円です。経営理念は「お客さまに選ばれる会社になることを目指して」であり、持続可能な成長を重視しています。企業の社会的責任を果たすため、透明性の高い経営を実践し、社員や地域社会に貢献することを目指しています。

ニッコー株式会社の主要な経営指標は以下の通りです。2023年度の売上高は約139億9200万円で、経常利益は188百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は145百万円でした。総資産は約91億1900万円、純資産は約7億1600万円です。1株当たり純資産額は30.74円、1株当たり当期純利益は6.22円です。自己資本比率は7.9%、自己資本利益率は22.9%となっています。営業活動によるキャッシュ・フローは643百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは475百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは234百万円の減少となりました。これらの指標は、企業の財務健全性や収益性を示す重要なデータです。

ニッコー株式会社は、主に以下の4つの事業を展開しています。まず、住設環境機器事業では、浄化槽の製造・販売および維持管理を行っています。次に、陶磁器事業では、国内での製造・販売に加え、米国の連結子会社NIKKO CERAMICS, INC.を通じて販売を行い、東南アジアではN&I ASIA PTE LTD.が販売代理店として機能しています。さらに、機能性セラミック商品事業では、各種セラミック製品の製造・販売を行っています。最後に、その他の事業として、廃棄されたボーンチャイナを再利用した肥料の製造・販売も手掛けています。これらの事業を通じて、ニッコーは持続可能な社会の実現に貢献しています。

ニッコー株式会社は、1950年に日硬陶器株式会社として設立されました。1961年には松任工場を新設し、陶磁器部門を集約しました。1966年には日硬陶器販売株式会社を設立し、1968年にはニューヨークに現地法人を設立しました。1979年にはボーンチャイナの生産を開始し、1983年に商号をニッコー株式会社に変更しました。1989年には名古屋証券取引所市場第二部に上場し、1993年にはシンガポールに現地法人を設立しました。2008年には浄化槽のメンテナンス業務を行う子会社を設立し、2018年には創業110周年を迎えました。2022年には名古屋証券取引所メイン市場に上場市場を移行しました。これらの歴史を通じて、ニッコーは事業の多角化と国際展開を進めてきました。

ニッコー株式会社は、「企業は社会の公器」として、短期的な利益ではなく長期的な視点に立った経営を重視しています。全ての社中、つまり社員、顧客、仕入先、地域社会、地球に貢献することで企業価値を向上させる「公益資本主義」の理念に賛同しています。経営理念は『お客さまに選ばれる会社になることを目指して』であり、挑戦、信頼、知恵を大切にしています。具体的には、常識にとらわれず新しい技術や商品を創造し、透明性の高い経営を実践することを目指しています。また、2022年には『ミッション・ビジョン・バリュー』を制定し、未来を素敵にすることを目指しています。各事業部門でもそれぞれのミッションを掲げ、持続可能な成長を追求しています。

ニッコー株式会社は、リスク管理体制を強化し、様々なリスクに対処しています。信用リスクについては、与信管理規程に基づき、取引先ごとに財務状況を把握し、回収懸念を早期に把握する体制を整えています。市場リスクに関しては、外貨建ての営業債権に対して為替予約取引を利用し、リスクヘッジを行っています。また、流動性リスクについては、毎期資金繰計画を作成し、支払期日に支払いができるよう管理しています。さらに、リスクマネジメント委員会を設置し、定期的にリスクに関する対策を検討しています。不測の事態が発生した場合には、対策本部を設置し、迅速に対応する体制を整えています。これにより、企業の持続可能な成長を支えるリスク管理を実施しています。

ニッコー株式会社の2023年度の経営成績は、売上高147億19百万円で、前年度比5.2％の増加を記録しました。住設環境機器事業と陶磁器事業が増収に寄与した一方、機能性セラミック商品事業は減収となりました。営業利益は1億47百万円で、前年度の2億10百万円の損失から回復しました。経常利益は1億88百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1億45百万円で、前年度の1億77百万円の損失から改善しました。各事業の売上高は、住設環境機器事業が102億13百万円、陶磁器事業が21億2百万円、機能性セラミック商品事業が24億0百万円となっています。全体として、経営成績は改善傾向にあり、持続可能な成長を目指しています。

ニッコー株式会社の2023年度のキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。営業活動によるキャッシュ・フローは6億43百万円の増加で、前年度の2億93百万円の増加から改善しました。これは、税金等調整前当期純利益が1億66百万円、減価償却費が4億6百万円、売上債権の減少が59百万円などの要因によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは4億75百万円の減少で、有形固定資産の取得に4億52百万円を支出したことが主な要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは2億34百万円の減少で、短期借入金の減少や長期借入金の返済が影響しました。期末の現金及び現金同等物は9億83百万円で、前年度末と比べて61百万円の減少となりました。これらの指標は、企業の資金繰りや財務健全性を示す重要なデータです。

ニッコー株式会社は、サステナビリティを重要な経営課題と位置付けています。経営理念「お客さまに選ばれる会社になることを目指して」に基づき、住設環境機器事業、陶磁器事業、機能性セラミック商品事業の各分野で新しい技術や商品を創造し、持続可能な経営を実現することを目指しています。特に気候変動に関しては、CO2排出削減を進め、環境貢献事業を推進しています。また、全社的なサステナビリティマネジメントを強化し、リスク管理や人材育成にも注力しています。デジタルトランスフォーメーションを活用し、企業価値の向上を図るとともに、社員や地域社会への貢献を重視しています。これにより、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化しています。

ニッコー株式会社が直面する事業等のリスクには、以下のようなものがあります。まず、経済状況の変化による影響があり、特にロシア・ウクライナ情勢に起因する原油価格や原材料の高騰が懸念されています。次に、人口減少に伴う住宅着工の減少や、現場コストの上昇が住設環境機器事業に影響を与える可能性があります。また、原材料の調達状況もリスク要因であり、供給不足や価格の急激な上昇が財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、余剰在庫の滞留もリスクとして認識されており、需要の変動に応じた生産調整が求められています。最後に、製造拠点への自然災害の影響も考慮されており、地震や台風などによる生産設備の損害が懸念されています。これらのリスクに対して、適切な対策を講じることが重要です。

ニッコー株式会社の2023年度の経営成績は、売上高147億19百万円で前年度比5.2％の増加を記録しました。住設環境機器事業と陶磁器事業が増収に寄与し、営業利益は1億47百万円に回復しました。経常利益は1億88百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1億45百万円となり、前年度の損失から改善しました。財政状態については、自己資本比率が7.9％に上昇し、1株当たり純資産は30円74銭となりました。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが6億43百万円の増加を記録し、投資活動によるキャッシュ・フローは4億75百万円の減少となりました。全体として、経営者は持続可能な成長を目指し、リスク管理や資金調達の強化に努めています。

ニッコー株式会社の資本の財源は、主に営業活動によるキャッシュ・フローと自己資金から成り立っています。運転資金は、製品製造に必要な原材料や部品の調達に使用され、製造費、販売費、一般管理費に計上される財・サービスにも同様に費消されています。設備投資資金は、生産設備の取得や情報システムの整備に支出されます。これらの必要資金は、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入によっても調達されています。また、緊急時の支払いに備え、主要取引金融機関と当座貸越契約を締結しています。2023年度の自己資本比率は7.9％で、1株当たり純資産は30円74銭となっています。これにより、資金の流動性は確保されており、安定した経営基盤を維持しています。

ニッコー株式会社の経営成績に重要な影響を与える要因として、主に以下の点が挙げられます。まず、経済状況の変化が大きな要因であり、特にロシア・ウクライナ情勢に起因する原油価格や原材料の高騰が影響を及ぼしています。これにより、住設環境機器事業では人口減少に伴う住宅着工の減少や現場コストの上昇が懸念されています。次に、原材料の調達状況も重要で、供給不足や価格の急激な上昇が財政状態に影響を与える可能性があります。また、余剰在庫の滞留もリスク要因であり、需要の変動に応じた生産調整が求められています。さらに、為替レートの変動や製造拠点への自然災害も影響を及ぼす要因として認識されています。これらの要因に対して、適切なリスク管理と戦略的な対応が求められています。

ニッコー株式会社の経営者は、短期的な利益追求ではなく、長期的な視点に立った経営を重視しています。「企業は社会の公器」として、社員、顧客、仕入先、地域社会、地球に貢献することが企業価値の向上につながると認識しています。経営理念は『お客さまに選ばれる会社になることを目指して』であり、挑戦、信頼、知恵を大切にしています。今後の方針としては、持続可能な成長を目指し、サステナビリティを企業戦略に組み込むことが重要視されています。また、2022年には『ミッション・ビジョン・バリュー』を制定し、未来を素敵にする企業を目指しています。経営者は、リスク管理や人材育成を強化し、透明性の高い経営を実践することで、企業の信頼性を高める方針を掲げています。

ニッコー株式会社において、経営上の重要な契約等は特に存在しないとされています。これにより、特定の契約が経営成績や財政状態に重大な影響を与えるリスクは低いと考えられます。企業は、通常の営業活動において顧客との契約を締結し、工事契約やメンテナンスサービス契約に基づく収益を認識していますが、これらの契約は一般的なものであり、特別な条件やリスクを伴うものではありません。したがって、経営者は契約に関するリスクを適切に管理し、安定した経営を維持する方針を取っています。

ニッコー株式会社は、顧客満足の追求を第一に、情報化社会の進展や環境保護に配慮した製品づくりのため、積極的に研究開発に取り組んでいます。2023年度の研究開発費は119百万円で、各事業間に関連した研究が多く、特定事業への区分は行っていません。住設環境機器事業では、新たな環境配慮型浄化槽の開発や産業廃水処理施設の新規設計を検討しています。陶磁器事業では、原料の枯渇対応や環境に優しい新加飾の製品開発に取り組んでいます。また、機能性セラミック商品事業では、高純度アルミナ商品の製造販売を開始し、新用途に向けた拡販活動を行っています。これらの活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

ニッコー株式会社は、2023年度において総額354百万円の設備投資を実施しました。この投資は、住設環境機器事業に119百万円、陶磁器事業に49百万円、機能性セラミック商品事業に165百万円が充てられています。主要な設備の状況として、石川県白山市にある本社および白山工場では、陶磁器および機能性セラミック商品生産設備が稼働しており、帳簿価額は733百万円です。埼玉県行田市の埼玉工場では、住設環境機器生産設備が245百万円で運用されています。設備の新設や改修計画としては、住設環境機器事業の生産設備の合理化に77百万円、陶磁器事業の生産設備の合理化に98百万円、機能性セラミック商品事業の生産設備の合理化に147百万円の投資が予定されています。これにより、効率的な生産体制の構築を目指しています。

ニッコー株式会社は、株主への利益還元を経営の最重要政策として位置付けています。継続的で着実な配当を目指し、将来の事業展開に備えた内部留保の充実も考慮して配当を決定しています。剰余金の配当は、中間配当と期末配当の年2回を基本方針としており、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会で決議されます。2023年度の期末配当は、内部留保を重視し無配としましたが、毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めています。このように、安定した財務基盤の強化を図りつつ、株主への還元を重視した配当政策を実施しています。

ニッコー株式会社は、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方として、日本の成長戦略の一環として策定されたコーポレートガバナンス・コードに賛同しています。株主・投資家、顧客、従業員、取引先、地域社会など、事業活動にかかわるすべての関係者に対する責務を果たすことを重視しています。経営理念は『お客さまに選ばれる会社になることを目指して』であり、持続的な成長を目指す中で新しい技術や商品を創造することに注力しています。また、役員の選任や報酬、監査体制についても透明性を確保し、適切なガバナンスを実現するための取り組みを行っています。これにより、企業価値の向上を図り、持続可能な経営を実現することを目指しています。

ニッコー株式会社の役員は、男性12名、女性2名の合計14名で構成されており、女性の比率は14％です。取締役会長は三谷充氏で、1975年からの長い経歴を持ち、現在も取締役会長として活躍しています。代表取締役社長は三谷明子氏で、2011年に取締役に就任し、現在は社長兼戦略本部長を務めています。社外取締役には、岩田隆次氏、原丈人氏、武山政直氏の3名が名を連ねており、独立役員としての役割を果たしています。監査役は4名で、常勤監査役1名と社外監査役3名で構成されており、監査役会は原則3ヶ月に1回以上開催されています。役員の報酬は、業績に応じた賞与、月額報酬、退職慰労金で構成されており、透明性と公平性を重視した制度が導入されています。

ニッコー株式会社の監査体制は、外部監査と内部監査の両方を含んでいます。外部監査は有限責任あずさ監査法人が担当しており、36年間の継続監査を行っています。監査法人は、財務諸表が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠していると認めています。内部監査は、社長直属の監査室が担当し、業務の適正性と効率性を検証しています。監査室は、事業年度ごとの監査計画に基づき、業務監査および会計監査を実施し、その結果を社長に報告します。また、監査役会は原則3ヶ月に1回以上開催され、監査役は取締役会や重要な会議に出席し、業務および財産の状況を調査しています。監査役会は、監査の方針や職務分担を決議し、監査結果を基に経営全般に関する客観的な意見を表明しています。

ニッコー株式会社の役員の報酬は、取締役会で決議された基本方針に基づき、透明性と公平性を保ちながら決定されています。役員の報酬は、固定報酬、業績連動報酬、退職慰労金で構成されており、具体的には、取締役の報酬総額は66百万円、監査役の報酬総額は12百万円です。取締役の報酬は、役位や職務責任に応じて決定され、業績に応じた賞与も含まれています。退職慰労金は役員退職慰労引当金に基づき決定され、非金銭報酬として社宅の賃料と社宅使用料との差額が支給されています。役員ごとの報酬は、三谷明子代表取締役社長に一任されており、各取締役の業績や責任に基づいて個別に決定されています。これにより、企業価値の持続的な向上を図ることを目指しています。

ニッコー株式会社の2024年3月31日現在の株式の保有状況は、発行済株式総数が24,172,000株で、そのうち自己株式は864,800株（3.58%）を保有しています。大株主の状況としては、三谷充氏が5,748千株（24.66%）、三谷産業株式会社が2,936千株（12.60%）、株式会社日本カストディ銀行が2,371千株（10.17%）を保有しています。その他、公益財団法人三谷育英会が1,123千株（4.82%）、株式会社北陸銀行と株式会社北國銀行がそれぞれ809千株（3.47%）を保有しています。自己株式の取得は、株主総会や取締役会の決議によるものではなく、主に市場での取得によるもので、保有株式の適正性については定期的に検証されています。

ニッコー株式会社の連結財務諸表は、2024年3月31日現在の財政状態を示しています。流動資産は6,280百万円で、現金及び預金が1,024百万円、受取手形・売掛金が2,298百万円、商品及び製品が1,396百万円です。固定資産は、合計で12,000百万円を超え、特に有形固定資産が重要な割合を占めています。2023年度の連結損益計算書では、売上高が147億19百万円、営業利益が1億47百万円、当期純利益が1億45百万円と報告されています。連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが643百万円の増加を示し、投資活動によるキャッシュ・フローは475百万円の減少となっています。これらのデータは、企業の財務健全性や経営成績を示す重要な指標です 。

ニッコー株式会社は、主に「住設環境機器事業」、「陶磁器事業」、「機能性セラミック商品事業」の3つの報告セグメントを持っています。2023年度の売上高は、住設環境機器事業が10,213百万円、陶磁器事業が2,102百万円、機能性セラミック商品事業が2,400百万円で、合計14,719百万円となりました。セグメント利益は、住設環境機器事業が614百万円、陶磁器事業が168百万円、機能性セラミック商品事業が166百万円で、全体で944百万円の利益を計上しました。地域別の売上高は、日本が12,902百万円、その他の地域が1,816百万円で、主に東南アジア、北米、欧州が含まれています。これにより、各セグメントの業績を把握し、戦略的な経営判断を行うための基礎データを提供しています。

ニッコー株式会社の連結財務諸表は、日本の一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定が用いられていますが、これらの見積りは実際の結果と異なる可能性があります。特に、工事契約に係る履行義務については、工事原価総額を見積り、進捗度を合理的に見積もる必要があります。住設環境機器事業では、浄化槽設置工事やシステムバスルーム設置工事などが行われており、作業内容に基づいて工事原価を見積もっています。これにより、収益認識の基礎となる工事原価の見積りには、実行予算が使用され、変更が生じた場合には翌年度の財務諸表に影響を与える可能性があります。

ニッコー株式会社は、金融商品に対する取組方針として、設備投資計画に基づき必要な資金を主に銀行借入で調達しています。受取手形及び売掛金に関しては、顧客の信用リスクを与信管理規程に従って管理し、リスク低減を図っています。また、投資有価証券は株式であり、上場株式については市場価格の変動リスクに晒されているため、四半期ごとに時価を把握しています。営業債務である支払手形及び買掛金は、ほとんどが3ヶ月以内の支払期日です。有利子負債のうち、短期借入金は主に営業取引に係る資金調達に使用され、社債や長期借入金は投資や設備投資に関連しています。金融商品の時価は、観察可能なインプットに基づいてレベル1からレベル3に分類され、時価の算定においては変動要因を考慮しています。

ニッコー株式会社は、ファイナンス・リース取引を行っており、2023年度のリース資産は114百万円、前年度は81百万円でした。リース資産は主に生産設備および事務用機器で構成されています。リース資産の減価償却は、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しています。リース取引に係る負債は、リース契約に基づく支払義務を反映しており、リース料は受取時に売上高と売上原価として計上されます。これにより、リース取引は企業の資金調達手段の一つとして活用されており、安定した運営を支える重要な要素となっています。

ニッコー株式会社の有価証券関係について、2024年3月31日現在の連結貸借対照表では、投資有価証券が4百万円、社債が60百万円、長期借入金が294百万円と計上されています。投資有価証券は、主にその他有価証券として分類され、取得原価は2百万円で、時価は4百万円となっています。前年度の連結貸借対照表では、投資有価証券が3百万円、社債が100百万円、長期借入金が390百万円でした。また、当連結会計年度において、非上場株式に対して12百万円の減損処理が行われています。これにより、企業は市場価格の変動リスクを考慮し、四半期ごとに時価を把握する体制を整えています。これらの情報は、企業の財務健全性や投資戦略を理解する上で重要な要素です。

ニッコー株式会社では、収益認識に関して、顧客との契約に基づく履行義務の充足に応じて収益を認識しています。2023年度の連結売上高14,719百万円のうち、住設環境機器事業からの売上高は10,213百万円で、その中の8,153百万円は工事を伴う案件に関連しています。これらの収益は、一定の期間にわたって充足される履行義務として認識され、連結売上高の55.4％を占めています。収益の認識は、工事原価総額に基づく進捗度に応じて行われ、進捗度は発生原価の工事原価総額に占める割合で算定されます。工事契約の着手後に判明する事実や現場の状況の変化により、作業内容の見直しが行われる可能性があり、これが収益認識に影響を与えるリスクとして認識されています。

ニッコー株式会社の財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の作成において重要な情報を提供しています。注記事項には、セグメント情報、関連情報、固定資産の減損損失、のれんの償却額、負ののれん発生益、関連当事者情報などが含まれています。特に、工事契約に係る履行義務については、収益認識の基準が適用され、顧客に対する履行義務の充足に応じて収益が認識されます。また、退職給付に係る会計処理や重要な会計上の見積りについても詳細に記載されています。これにより、投資家や利害関係者は企業の財務状況をより正確に理解することができます。