株式会社アイシン

株式会社アイシンは、自動車部品の製造・販売を主な事業とする企業です。2023年4月1日から2024年3月31日までの連結売上収益は4,909,557百万円で、前年の4,402,823百万円から増加しました。営業利益は143,396百万円、当期利益は112,809百万円で、前年の47,909百万円から大幅に増加しています。基本的1株当たり当期利益は336.93円です。資本合計は2,402,029百万円で、流動資産は279,250百万円、非流動資産は309,799百万円です。従業員数は約-人で、国内外の完成車メーカーを顧客としています。企業の成長を支えるため、株式保有の合理性を検証し、必要に応じて政策保有株式の縮減を進めています。

株式会社アイシンの主要な経営指標は、2024年3月期の連結売上収益が4,909,557百万円で、前年の4,402,823百万円から11.5%増加しました。営業利益は1,433億円、税引前利益は1,498億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は908億円で、いずれも前年から大幅に増加しています。総資産は4兆6,430億円、負債は2兆2,409億円、資本は2兆4,020億円となっています。1株当たりの親会社所有者帰属持分は7,924.18円、基本的1株当たり当期利益は336.93円です。自己資本比率は46.0%、営業利益率は約4.7%です。これらの指標は、企業の成長と安定性を示しています。

株式会社アイシンは、自動車部品の製造・販売を行う企業で、208社の子会社・関連会社を持ち、グローバルに展開しています。主な製品には、パワートレイン関連のオートマチックトランスミッションやハイブリッドトランスミッション、走行安全関連のブレーキシステムや自動駐車システム、車体関連の部品が含まれます。事業は「日本」、「北米」、「欧州」、「中国」、「アセアン・インド」の各セグメントで展開されており、特にトヨタグループとの関係が強いです。アイシンは、電動化製品の開発や新規顧客の開拓を進め、収益の多様化を図っています。

株式会社アイシンは、1949年6月に資本金15百万円で愛知工業株式会社として設立されました。1943年にトヨタ自動車工業株式会社と川崎航空機株式会社の共同出資で設立された東海飛行機株式会社が前身です。1952年には名古屋証券取引所に上場し、1953年からダイカスト製品の製造を開始しました。1965年には新川工業株式会社を吸収合併し、社名をアイシン精機株式会社に変更しました。1970年には東京証券取引所に上場し、1988年にはアイシン・エィ・ダブリュ株式会社に社名変更。近年では、2021年にアイシン・エィ・ダブリュ株式会社との経営統合を行い、グローバルな自動車部品メーカーとしての地位を確立しています。

株式会社アイシンの財務情報は、2024年3月31日現在の連結財政状態計算書によると、流動資産は1,213,813百万円、非流動資産は1,755,099百万円、総資産は2,968,913百万円です。流動負債は854,848百万円、固定負債は854,382百万円で、負債合計は1,709,230百万円です。株主資本は780,408百万円で、自己資本比率は約26.3%です。2024年3月期の売上収益は4,909,557百万円、営業利益は143,396百万円、当期利益は112,809百万円です。営業活動によるキャッシュ・フローは499,740百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは△93,153百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは△11,590百万円となっています。

株式会社アイシンは、「アイシングループビジョン2030」に基づき、2030年度の営業利益率を8%、ROIC（投下資本利益率）を13%とする目標を掲げています。経営方針は市場動向や顧客ニーズを考慮し、中長期的な事業戦略を策定しています。特に、電動化や知能化に対応する製品開発を加速し、2030年には売上収益を5.5兆円から6兆円に引き上げることを目指しています。また、2025年の中期経営計画では、事業ポートフォリオの入れ替えや既存製品の収益性向上を図り、営業利益3,000億円以上、営業利益率6%以上を目指しています。これにより、持続的な成長と企業価値の向上を実現することを目指しています。

株式会社アイシンは、リスクマネジメントを強化するために、リスクマネジメント委員会を設置し、社長やCxO、監査役が参加しています。この委員会では、グループ全体のリスク発生状況を把握し、重点リスクの選定や対応策の検討を行っています。リスクには、品質、安全、コンプライアンス、環境、自然災害などが含まれ、各リスクに対して責任者を任命し、平時の未然防止や有事の早期復旧に取り組んでいます。また、定期的に取締役会に報告し、経営戦略に関するリスクを統合的に管理する新たなプロセスを導入しています。これにより、リスクの予兆を捉え、影響度を適切に分析・評価し、先手を打つリスクマネジメントを実践しています。

株式会社アイシンの2024年3月期の経営成績は、売上収益が4兆9,095億円で、前年の4兆4,028億円から11.5%増加しました。営業利益は1,433億円で、前年の579億円から147.5%の増加を記録しました。税引前利益は1,498億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は908億円で、前年の376億円から141.1%増加しています。資産は4兆6,430億円で、前年末の4兆1,358億円から12.3%増加しました。負債は2兆2,409億円で、前年の2兆1,443億円から4.5%増加し、資本は2兆4,020億円で20.6%の増加を示しています。これらの成績は、事業環境の改善や企業体質の改善努力によるものです。

株式会社アイシンの2024年3月31日時点の財政状態は、流動資産が2兆7,925億円、非流動資産が2兆8,799億円で、合計資産は4兆6,430億円です。流動負債は2兆6,500億円、非流動負債は1兆8,431億円で、合計負債は4兆4,931億円となっています。資本は1兆4,999億円で、親会社の所有者に帰属する持分は1兆4,999億円です。退職給付に係る負債は2,058億円、退職給付に係る資産は384億円で、確定給付制度債務及び制度資産の純額は1,753億円です。これらの数値は、企業の安定性を示す重要な指標となります。

株式会社アイシンの2024年3月期におけるキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが4,997億円の増加を記録し、前年の2,379億円から110.0%増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは931億円の減少で、前年の1,868億円から50.1%減少しました。財務活動によるキャッシュ・フローは2,116億円の減少で、前年の1,277億円から65.7%増加しました。これにより、現金及び現金同等物の期末残高は5,271億円となり、前年の3,176億円から2,094億円（65.9%）の増加を示しました。これらの数値は、企業の資金繰りの健全性を示す重要な指標となります。

株式会社アイシンは、「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」という経営理念のもと、環境や社会課題に対する具体的な解決策を提供し、持続可能な社会の実現を目指しています。この理念は国連の「持続可能な開発目標（SDGs）」と密接に関連しており、事業活動を通じてSDGsの達成に貢献することを目指しています。サステナビリティ会議を年2回開催し、活動の方向性や進捗を管理しています。また、気候変動への対応を重要な経営戦略として位置付け、TCFDの提言に基づくシナリオ分析を実施し、2050年までのカーボンニュートラルの実現を目指しています。これにより、企業価値の向上と持続的な成長を図っています。

株式会社アイシンは、事業活動に影響を及ぼす可能性のあるリスクを多岐にわたって認識しています。主なリスクには、大規模な自然災害（地震、台風など）、サイバー攻撃、法的規制の変更、品質問題、海外事業展開に伴うリスクが含まれます。特に自然災害による操業停止は、顧客への製品供給に支障をきたす可能性があり、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす恐れがあります。サイバー攻撃による情報漏洩やシステム障害もリスクとして挙げられ、これに対しては情報セキュリティ対策を強化しています。また、海外事業展開においては、法律や規制の変化、政治的・経済的要因による影響が懸念されており、これらのリスクに対してはリスクマネジメント委員会を通じて対応策を講じています。

株式会社アイシンの2024年3月期における経営者による分析では、売上収益が4兆9,095億円と前年の4兆4,028億円から11.5%増加したことが強調されています。この増加は、日米を中心とした車両生産台数の増加や円安、電動ユニットの販売増によるものです。営業利益は1,433億円で、前年の579億円から147.5%の増加を記録しました。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが4,997億円の増加を示し、前年の2,379億円から110.0%増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは931億円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは2,116億円の減少となり、最終的に現金及び現金同等物の期末残高は5,271億円となりました。これらの結果は、企業の成長と安定性を示す重要な指標となっています。

株式会社アイシンは、安定的かつ低コストで資金を確保することを基本方針としています。資金調達においては、平均残存期間の維持や返済年限の平準化を考慮し、最適な手段を選択しています。2024年3月31日現在、社債及び借入金の残高は7,262億円で、そのうち2,725億円はハイブリッド社債とハイブリッドローンで調達されています。流動性の確保には、現預金だけでなくコミットメントライン契約を締結し、様々なリスクに対応できる体制を整えています。また、資本政策は「財務の安全性」と「資本の効率性」のバランスを重視し、キャピタリゼーション比率を25%～30%に保つことを目指しています。これにより、企業価値の向上を図っています。

株式会社アイシンの経営成績に重要な影響を与える要因として、主に経済状況、為替レートの変動、価格競争、顧客依存度が挙げられます。2024年3月期の売上収益は4兆9,095億円で、前年に比べ11.5%増加しましたが、これは日米を中心とした車両生産台数の増加や円安、電動ユニットの販売増によるものです。特に、自動車部品事業はトヨタグループに対する依存度が高く、同グループの業績や戦略に影響を受けやすいです。また、グローバルな価格競争が厳しく、価格引き下げ要請や新たな競合の台頭が企業の利益に影響を与える可能性があります。これらの要因に対処するため、アイシンは新規顧客の開拓や市場多角化を進め、収益の多様化を図っています。

株式会社アイシンの経営者は、現在の市場環境や技術トレンドを踏まえた中長期的な事業戦略を策定しています。特に、電動化や知能化の進展に対応するため、2030年に向けたビジョンを明確にし、成長機会を捉える姿勢を強調しています。経営の意思決定のスピードを向上させるため、執行体制の簡素化を進め、本部長やセンター長に権限を移譲しています。また、重点経営課題を全社的に推進するため、CxOを選任し、社長を補佐する体制を整えています。これにより、組織全体での一貫した方針管理を実現し、持続的な成長を目指しています。今後は、リスクマネジメントの高度化を図り、経営戦略の遂行を阻害するリスクを適切に管理することが重要とされています。

株式会社アイシンは、経営上の重要な契約として、主に自動車部品の製造・販売に関する契約を締結しています。特に、トヨタグループとの取引が大きな割合を占めており、連結売上収益の約65.5%がトヨタグループからのものであるため、同グループとの契約は特に重要です。また、顧客との契約に基づく債権は615,217百万円で、契約負債は4,555百万円となっています。これらの契約は、製品の納入やサービス提供に関する履行義務を伴い、企業の収益認識に直接影響を与えます。さらに、役員等賠償責任保険契約を締結しており、役員が業務に起因して損害賠償請求を受けた場合の補償を行っています。これにより、企業のリスク管理体制を強化しています。

株式会社アイシンは、「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」という経営理念のもと、持続可能な社会の実現に向けた技術力の向上を目指しています。2024年度の研究開発費は225,594百万円で、主に電動車向け製品やブレーキ、安心快適エントリーに関連する成長領域に注力しています。特に、eAxleの開発は最重要課題と位置付けられ、2022年に第1世代の量産を開始し、さらなる高効率化と小型化を目指しています。また、カーボンニュートラルに向けた取り組みとして、燃料電池やクリーンエネルギー技術の開発も進めています。研究開発は日本国内の拠点を中心に、海外の研究機関とも連携し、グローバルな視点で行われています。これにより、社会課題の解決に貢献する新たな価値の創造を目指しています。

株式会社アイシンの設備投資は、2024年度において230,033百万円に達しました。主な投資内容は、日本国内での自動車部品製造設備、カーボンニュートラル投資、デジタルトランスフォーメーション（DX）関連の設備投資が含まれています。セグメント別の内訳は、日本が128,825百万円、北米が52,951百万円、欧州が4,590百万円、中国が15,099百万円、アセアン・インドが28,209百万円となっています。主要な設備には、愛知県安城市の安城第1・第2工場や西尾工場、半田工場などがあり、これらの工場ではパワートレイン関連の製造設備が稼働しています。設備の新設や除却は行われておらず、今後も市場動向や業績に応じて柔軟に投資計画を見直していく方針です。

株式会社アイシンの2024年3月31日現在の株式状況は、発行済株式数が294,674,634株で、自己株式数は25,140,588株です。自己株式の減少は、譲渡制限付株式報酬制度による処分や単元未満株式の買取によるもので、期首から期末にかけて10,662株減少しました。大株主にはトヨタ自動車株式会社が66,863千株（24.80%）、日本マスタートラスト信託銀行株式会社（信託口）が25,282千株（9.37%）を保有しています。2024年度の基本的1株当たり当期利益は336.93円、1株当たり配当額は170円で、配当性向は41.7%です。株価は2024年3月31日現在で2,139.47円となっており、株主総利回りは176.3%です。これらの指標は、企業の株主還元政策や市場での評価を反映しています。

株式会社アイシンの配当政策は、安定的な配当を維持することを基本に、業績や配当性向を総合的に勘案して決定されています。中間配当と期末配当の年2回の剰余金配当を行う方針で、これらの決定は取締役会によって行われます。2024年度の配当金は、1株当たり170円（中間配当80円、期末配当90円）となりました。内部留保資金は、競争環境を勝ち抜くための設備投資や研究開発投資に活用される予定です。配当の基準日は毎年9月30日で、取締役会の決議により中間配当を行うことができる旨が定款に定められています。これにより、機動的な資本政策と配当政策の実施が可能となっています。

株式会社アイシンは、企業価値の最大化を目指し、すべてのステークホルダーとの良好な関係を築くことを基本方針としています。コーポレート・ガバナンスの体制は、取締役会を中心に構築されており、取締役社長を議長とする8名の取締役が原則毎月1回開催されています。取締役会では、経営戦略や内部統制、役員人事などの重要事項を審議し、職務執行状況の報告を受けています。また、社外取締役を含む体制を採用し、透明性の高い経営活動を展開しています。内部監査部門は、業務執行や内部統制の有効性を確認し、経営方針に従った業務執行状況を監査しています。これにより、企業の信頼性を高め、持続的な成長を支える体制を整えています。

株式会社アイシンの役員は、取締役12名（うち社外取締役4名）、監査役5名（うち社外監査役2名）で構成されています。取締役社長は吉田守孝氏で、1980年にトヨタ自動車工業株式会社に入社し、2021年から当社の取締役社長を務めています。取締役には、伊藤慎太郎氏（副社長）、山本義久氏、鈴木研司氏などが名を連ねています。役員の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。役員の女性比率は25.0%で、社外取締役及び社外監査役は独立した立場で経営に対する監督や助言を行っています。役員の報酬は、業務執行に基づく固定報酬、業績連動の賞与及び株式報酬で構成され、透明性の高い報酬制度が採用されています。

株式会社アイシンの監査体制は、監査役会を中心に構築されており、常勤監査役2名と社外監査役2名で構成されています。2024年度には監査役会を合計14回開催し、全ての監査役が出席しています。監査役は、取締役や執行役員からの業務執行状況の報告を受け、内部監査部門と連携して業務の適法性や業務管理の妥当性を確認しています。また、内部監査部門は33名が在籍し、国内外の子会社を含む実地監査を行い、その結果を取締役会及び監査役会に報告しています。会計監査はPwC Japan有限責任監査法人が担当しており、1969年以降継続的に監査を実施しています。監査の実効性を高めるため、監査役は重要会議への出席や重要文書の閲覧を行い、監査活動に積極的に協力しています。

株式会社アイシンの役員報酬制度は、取締役の報酬等の決定に関する方針を独立社外取締役が議長を務める役員指名報酬審議会で審議し、取締役会で決定しています。2024年度の取締役の報酬総額は444百万円で、内訳は固定報酬252百万円、業績連動報酬113百万円、株式報酬77百万円です。社外取締役の報酬は57百万円で、監査役の報酬は116百万円となっています。業績連動報酬は、連結営業利益やサステナビリティKPIを基に算定され、評価結果に応じて支給率が0～150%の範囲で変動します。急激な業績の悪化があった場合には、臨時に報酬を減額または不支給とすることがあります。これにより、企業価値の向上を目指す報酬体系が構築されています。

株式会社アイシンは、保有株式の区分を純投資目的と政策保有株式に分けています。2024年3月31日現在、保有する政策保有株式は、主に取引先との関係維持や共同技術開発を目的としています。具体的には、トヨタ自動車株式会社やスズキ株式会社、豊田自動織機株式会社などの株式を保有しており、これらは企業価値向上に寄与する重要な資産と位置付けられています。特に、スズキ株式会社の株式は5,608,000株で、インド事業における重要な得意先としての役割を果たしています。また、保有株式の合理性は定期的に取締役会で検証され、必要に応じて縮減が進められています。2024年度には、特定投資株式19銘柄のうち8銘柄の縮減が行われました。

株式会社アイシンの経理状況は、2024年度の連結財務諸表に基づいています。売上収益は4兆9,095億円で、前年の4兆4,028億円から11.5%増加しました。営業利益は1,433億円、税引前利益は1,498億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は908億円となり、いずれも前年から大幅に増加しています。資産は4兆6,430億円で、流動資産は1兆2,000億円、非流動資産は3兆4,430億円です。負債は2兆2,409億円で、自己資本は2兆4,020億円、自己資本比率は約46%です。キャッシュ・フローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローが499,740百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは△93,153百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは△11,590百万円となっています。これらの数値は、企業の財務健全性を示す重要な指標です。

株式会社アイシンの連結財務諸表は、2024年3月31日を連結会計年度末とし、当社及びその子会社、関連会社に対する持分に基づいて構成されています。連結財務諸表は、国際会計基準（IFRS）に準拠して作成されており、2024年6月20日に取締役社長によって承認されました。主な財務情報として、流動資産は1兆8,977億円、非流動資産は2兆7,453億円、総資産は4兆6,430億円です。負債は2兆2,409億円、資本は2兆4,020億円で、自己資本比率は約46%です。連結損益計算書では、売上収益が4兆9,095億円、営業利益が1,433億円、当期利益が908億円となっています。これらの数値は、企業の財務健全性を示す重要な指標です 。

株式会社アイシンの報告セグメントは、「日本」、「北米」、「欧州」、「中国」、「アセアン・インド」の5つに分かれています。2024年度の売上収益は4兆9,095億円で、外部顧客への売上収益は4兆8,669億円、セグメント間の内部売上収益は840億円です。各セグメントの売上収益は、日本が2兆4,508億円、北米が982億円、欧州が364億円、中国が612億円、アセアン・インドが456億円となっています。セグメント利益は143,396百万円で、特に日本セグメントが62,609百万円の利益を上げています。これにより、アイシンは地域ごとの市場ニーズに応じた戦略を展開し、持続的な成長を目指しています。

株式会社アイシンの連結財務諸表は、IFRS（国際会計基準）に準拠して作成されており、経営者は会計方針の適用や資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を設定しています。重要な会計上の見積りには、非金融資産の減損、確定給付債務の測定、繰延税金資産の回収可能性、製品保証引当金の見積りが含まれます。特に、非金融資産の減損については、資産の帳簿価額が回収可能価額を超える兆候がある場合に減損テストを実施し、回収可能価額の見積りには将来のキャッシュ・フローの予想や割引率が用いられます。これらの見積りは不確実性を含むため、実際の結果が異なる場合があります。

株式会社アイシンは、金融商品を公正価値で測定し、金融資産と金融負債の管理を行っています。金融資産は、契約の当事者となった取引日に認識され、償却原価で測定されるものを除き、公正価値に直接帰属する取引コストを加算して初期測定されます。金融負債も同様に、契約の当事者となった取引日に認識され、公正価値で測定されます。特に、デリバティブ取引においては、金利スワップや為替予約を利用してリスクヘッジを行い、ヘッジ会計が適用されています。2024年3月31日現在、金融資産の公正価値は863,755百万円、金融負債は22,710百万円となっています。これにより、企業の財務リスクを適切に管理し、安定した経営基盤を維持しています。

株式会社アイシンは、リース取引に関してIFRS第16号に基づく会計処理を行っています。借手として、リース期間が12ヶ月以内のリース及び原資産が少額であるリースを除いたすべてのリースについて、使用権資産とリース負債を認識しています。リース負債は、未決済のリース料を借手の追加借入利子率で割引いた現在価値で測定され、使用権資産はリース負債の当初測定額に直接コストを加えた金額で測定されます。2024年度のリースに係るキャッシュ・アウトフローは34,878百万円で、前年の32,063百万円から増加しました。また、ファイナンス・リース契約に基づくリース収益は19,973百万円で、前年の9,754百万円から大幅に増加しています。これにより、リース取引は企業の資金調達手段として重要な役割を果たしています。

株式会社アイシンの有価証券関係では、2024年3月31日現在、流動資産の中に有価証券が20,789百万円計上されています。これには、主にその他の包括利益を通じて公正価値で測定される株式が含まれています。特に、トヨタ自動車株式会社の株式は669,055百万円の公正価値を持ち、企業の資産の中で重要な位置を占めています。また、投資有価証券は145,376百万円で、関連会社株式は885,479百万円となっています。これらの有価証券は、企業の資金運用や資金調達において重要な役割を果たしており、経済状況や市場の変動に影響を受ける可能性があります。アイシンは、保有する有価証券の評価や管理を定期的に見直し、企業価値の向上を図っています。

株式会社アイシンは、収益を認識する際にIFRS第15号に基づく5ステップアプローチを採用しています。具体的には、ステップ1で顧客との契約を識別し、ステップ2で契約における履行義務を特定します。次に、ステップ3で取引価格を算定し、ステップ4でその取引価格を履行義務に配分します。最後に、ステップ5で履行義務が充足された時点で収益を認識します。主に自動車部品の製造・販売を行っており、顧客が製品を検収した時点または運送業者に引き渡した時点で支配が移転すると判断し、収益を認識します。収益は、値引き等の事後的な価格調整を考慮した後の契約に基づいて測定され、通常、顧客が製品を検収した後3ヶ月以内に回収されます。

株式会社アイシンの財務諸表に関する注記事項は、連結財務諸表の適正性を確保するための取り組みや会計方針の詳細を示しています。連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されており、主要な事業は自動車部品及びエナジーソリューション関連機器の製造・販売です。重要な会計方針には、有価証券の評価基準、デリバティブの評価方法、棚卸資産の評価基準が含まれています。特に、有価証券は移動平均法による原価法で評価され、デリバティブは時価法で評価されています。また、前事業年度の財務諸表の組替えが行われたことも注記されています。これにより、透明性の高い財務情報の提供が実現されています。