株式会社ジェイテクト

株式会社ジェイテクトは、主に自動車部品や産業機械の製造を行う企業で、2020年度の売上高は1,418,570百万円、経常利益は34,756百万円でした。親会社株主に帰属する当期純損失は6,633百万円で、自己資本比率は40.05%です。従業員数は49,933人で、グローバルに展開しています。企業理念として「地球のため、世の中のため、お客様のため」を掲げ、サステナブル経営を推進しています。特に、環境負荷物質の管理や情報セキュリティの強化に注力し、法令遵守を重視しています。また、取締役会は毎月開催され、経営の重要事項を決議し、社外取締役も含めたガバナンス体制を整えています。今後も「One JTEKT」としての一体感を持ち、社会貢献を目指して事業を展開していく方針です。

株式会社ジェイテクトの主要な経営指標は以下の通りです。2020年度の売上高は652,075百万円、経常利益は26,114百万円でした。2021年度は売上高550,470百万円、経常利益18,568百万円に減少しましたが、2022年度には620,091百万円、38,595百万円と回復しました。2023年度は695,275百万円、98,486百万円に達し、2024年度は807,382百万円、73,236百万円を見込んでいます。自己資本比率は2020年度の38.79%から2024年度には48.03%に改善され、安定した財務基盤を示しています。また、従業員数は49,933人で、企業の成長を支える人材を確保しています。これらの指標は、企業の健全性と成長性を示す重要な要素です。

株式会社ジェイテクトは、自動車、産業機械・軸受、工作機械の3つの主要事業を展開しています。自動車事業では、電動パワーステアリングや油圧パワーステアリング、電子制御4WD用カップリングなどを製造・販売しています。産業機械・軸受事業では、ローラーベアリングやボールベアリング、オイルシールなどの各種ベアリングを提供しています。工作機械事業では、研削盤やマシニングセンタ、工業用熱処理炉などを扱い、IoE関連製品も含まれています。グループ全体で119社の連結子会社と14社の関連会社を持ち、2024年3月31日現在の事業内容は多岐にわたります。これにより、顧客のニーズに応じた高品質な製品を提供し、持続可能な成長を目指しています。

株式会社ジェイテクトは、1921年1月に光洋精工社として大阪市生野区で創設され、ベアリングの生産を開始しました。1935年には株式会社に改組し、光洋精工株式会社を設立。1941年にはトヨタ自動車工業株式会社から分離独立し、豊田工機株式会社を設立しました。1949年には大阪証券取引所に上場し、同年名古屋証券取引所にも上場しました。1961年には光洋機械工業株式会社を設立し、1968年には自動車用パワーステアリングの開発に成功しました。2006年には豊田工機株式会社と合併し、商号を株式会社ジェイテクトに変更しました。以降も、ニードル軸受事業の取得や、インド・ニューデリー市の子会社設立など、国内外での事業拡大を進めています。2022年には事業ブランドを「JTEKT」に統一し、2023年には新たな子会社の株式を取得しました。

株式会社ジェイテクトの2023年度の財務情報は以下の通りです。売上高は695,275百万円から807,382百万円に増加し、売上原価は608,265百万円から712,899百万円に上昇しました。営業利益は20,438百万円から24,459百万円に改善され、経常利益は26,114百万円から38,595百万円に増加しました。純資産は386,153百万円から464,231百万円に増加し、自己資本比率は40.05%から48.03%に改善されました。現金及び現金同等物の期末残高は123,850百万円から167,019百万円に増加し、安定したキャッシュフローを示しています。これらの指標は、企業の健全性と成長性を示す重要な要素であり、今後の事業展開においても重要な基盤となります。

株式会社ジェイテクトは、企業を「社会貢献の器」と捉え、「良質廉価」を追求し、安定した納税と雇用、環境への配慮に取り組んでいます。事業活動を通じて社会を支え、人々に幸せを届けることが最大の社会貢献であると考えています。全従業員が共有すべき行動指針「ジェイテクトの基本理念」には、「地球のため、世の中のため、お客様のため」にできることを考え、仲間との対話を通じて絶え間無い改善を続けることが含まれています。また、経営上の目標達成状況を判断するための指標として、損益分岐点売上比率や事業利益、ROA、ROEなどを用いています。2030年までの長期的な経営戦略では、既存事業の成長と新規事業の育成に取り組み、競争力を強化する方針です。

株式会社ジェイテクトでは、リスク管理を強化するために、リスク管理委員会を設置し、全社的なリスク評価を実施しています。特に、過去の災害分析を基に「重点6災害」を特定し、挟まれ・巻き込まれによる災害に対して重点的に対策を講じています。各工場では「労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)」を導入し、リスクアセスメントを行い、労働災害の未然防止に努めています。また、労働災害発生時には迅速な情報共有を行い、再発防止に向けた取り組みを強化しています。さらに、環境リスクや情報セキュリティリスクについても、専門の委員会を設けて管理し、定期的に取締役会に報告しています。これにより、企業の持続可能な成長を支えるリスク管理体制を構築しています。

株式会社ジェイテクトの経営成績は、2023年度において売上高695,275百万円、経常利益98,486百万円、当期純利益42,574百万円を記録しました。2024年度の見込みでは、売上高807,382百万円、経常利益73,236百万円、当期純利益55,436百万円と予測されています。過去数年間の業績は、2020年度から2023年度にかけて売上高が652,075百万円から695,275百万円に増加し、経常利益も26,114百万円から98,486百万円に改善されました。自己資本比率は38.79%から48.03%に向上し、財務基盤の強化が進んでいます。また、従業員数は49,933人で、安定した人材を確保しています。これらの指標は、企業の成長と健全性を示す重要な要素です。

株式会社ジェイテクトの財政状態は、2024年3月31日現在、資産合計が1兆6,285億14百万円で、前年度比1,871億58百万円の増加を示しています。流動資産は805,476百万円、非流動資産は823,038百万円で、特に現金及び現金同等物が167,019百万円に達しました。負債は8,057億43百万円で、前年度比651億23百万円の増加が見られます。流動負債は388,909百万円、固定負債は218,141百万円です。資本は8,227億70百万円で、前年度比1,220億35百万円の増加を記録し、1株当たり親会社所有者帰属持分は2,300円32銭に上昇しました。これにより、企業の財務基盤は強化され、安定した経営が期待されます。

株式会社ジェイテクトのキャッシュ・フローの状況は、2023年度において営業活動によるキャッシュ・フローが154,461百万円の資金増加を記録しました。これは、税引前利益の計上や営業債務の増加によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、58,746百万円の支出があり、713,520百万円の資金減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入があったものの、借入金の返済や配当金の支払により472,240百万円の資金減少を示しました。これらの結果、2024年3月31日現在の現金及び現金同等物は167,019百万円に達しました。これにより、企業の流動性が確保され、安定した経営基盤が維持されています。

株式会社ジェイテクトは、「地球のため、世の中のため、お客様のため」という基本理念に基づき、サステナブル経営を推進しています。事業活動を通じて、株主や顧客、従業員、地域社会などのステークホルダーが直面する社会課題の解決に取り組み、環境資源や社会資源の維持・増進を目指しています。具体的には、労働安全衛生、健康経営、人財育成、ダイバーシティ＆インクルージョン、ビジネスと人権に関する取組みを強化しています。また、環境面では「環境チャレンジ2050」を策定し、地球温暖化防止や循環型社会の構築に向けた行動計画を実施しています。特に、CO2排出量の60%削減を2030年度目標として掲げ、廃棄物や水使用量の削減にも取り組んでいます。これらの活動は、企業価値向上委員会を通じて推進され、定期的に進捗状況が報告されています。

株式会社ジェイテクトは、事業運営において様々なリスクに直面しています。主なリスクには、信用リスク、為替変動リスク、原材料調達リスク、品質問題、自然災害リスク、サイバー攻撃リスクなどがあります。信用リスクは、顧客や取引先の信用状況に依存し、営業債権の回収に影響を及ぼす可能性があります。為替変動リスクは、海外事業の影響を受け、円高や円安が利益に影響を与えることがあります。原材料調達リスクは、供給元の生産能力や市場の変動により、製品の生産に支障をきたす可能性があります。品質問題は、製品の信頼性に直結し、リコールや賠償請求のリスクを伴います。また、自然災害やサイバー攻撃による事業活動の中断も懸念されており、これらのリスクに対しては、事業継続計画(BCP)や情報セキュリティ対策を講じています。これらのリスクが顕在化した場合、企業の財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

株式会社ジェイテクトの経営者は、2023年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローについて、全体的に良好な状況であると分析しています。売上高は695,275百万円、経常利益は98,486百万円、当期純利益は42,574百万円を記録し、前年に比べて大幅な改善が見られました。特に営業活動によるキャッシュ・フローは154,461百万円の増加を示し、安定した収益基盤が確保されています。投資活動によるキャッシュ・フローは71,352百万円の減少がありましたが、これは主に設備投資によるもので、将来の成長を見据えた戦略的な支出と位置付けています。財務活動によるキャッシュ・フローは47,224百万円の減少を示しましたが、社債の発行による資金調達が行われ、流動性の維持に努めています。経営者は、これらの結果を踏まえ、今後も持続可能な成長を目指し、適切な資金管理と投資戦略を推進していく方針です。

株式会社ジェイテクトの資本の財源及び資金の流動性について、2024年度の情報は以下の通りです。資金需要の主なものは、設備投資、投融資、研究開発費などの長期資金需要と、製品製造のための材料及び部品購入等の運転資金需要です。現金及び現金同等物は167,019百万円で、流動性資産が充実しています。営業活動によるキャッシュ・フローや金融機関からの資金調達を通じて、事業推進に必要な資金を確保できる状況です。また、グループ各社間での余剰資金の相互融通を図り、資金効率の向上にも努めています。流動性リスクに備え、手元流動性や有利子負債の状況を定期的に把握し、資金調達計画を策定しています。これにより、健全な財政状態を維持し、事業の安定性を確保しています。

株式会社ジェイテクトの経営成績に重要な影響を与える要因として、主に事業リスク、経営環境、原材料価格、為替レートの変動、競争力の維持が挙げられます。特に、原材料価格の高騰やエネルギーコストの上昇は、製造コストに直接影響を及ぼし、利益率を圧迫する可能性があります。また、為替レートの変動は、輸出入における価格競争力に影響を与え、特に円高が進行すると競争力が低下するリスクがあります。さらに、競合他社との開発競争が激化しており、新製品の開発や市場投入のスピードが求められています。これらの要因に対処するため、ジェイテクトは原価低減や固定費削減を進め、持続可能な成長を目指しています。経営者は、これらのリスクを適切に管理し、経営戦略に反映させることで、安定した経営成績を維持することを目指しています。

株式会社ジェイテクトの経営者は、企業の持続的成長を実現するために、様々な問題を認識しています。特に、原材料価格の高騰や為替変動、競争の激化が経営成績に与える影響を重視しています。これに対処するため、固定費削減や生産性向上を図る施策を推進し、損益分岐点の引き下げを目指しています。また、全社的なリスク管理体制を強化し、リスクの特定と対応策の策定を行っています。今後の方針としては、デジタル化の推進や新製品の開発に注力し、競争力を高めることを目指しています。特に、次世代電動パワーステアリングの開発を進め、環境に配慮した製品の提供を強化する方針です。これらの取り組みを通じて、企業価値の向上を図り、持続可能な成長を実現することを目指しています。

株式会社ジェイテクトにおいて、経営上の重要な契約等に関する事項は特にありません。これにより、特定の契約が経営成績や財政状態に重大な影響を与えるリスクは低いと考えられます。企業は、顧客との契約に基づく取引を通じて収益を上げており、契約の履行義務は主に製品の納入時に発生します。これにより、安定した収益基盤が確保されています。また、契約負債や債権の管理も適切に行われており、経営の透明性と安定性が維持されています。今後も、契約管理の強化を図り、リスクの低減に努めていく方針です。

株式会社ジェイテクトでは、「全員参加」の理念のもと、研究開発活動を推進しています。2024年度の研究開発費は58,909百万円で、主に自動車、産機・軸受、工作機械の各事業において新技術や製品の開発に取り組んでいます。自動車事業では、電動パワーステアリングや電動車向けの新型デファレンシャルギヤの開発を進め、商用車向けの技術も強化しています。産機・軸受事業では、低トルクや小型軽量化を目指した新製品の開発を行い、特にBEV（Battery Electric Vehicle）向けの超狭軸受のラインナップを拡充しています。また、環境に配慮した省エネ製品や水質汚染リスクを軽減する新しいポンプの開発も進めています。これらの取り組みを通じて、社会課題の解決に貢献し、持続可能な成長を目指しています。

株式会社ジェイテクトの設備の状況について、2024年度の設備投資は総額65,194百万円であり、セグメントごとの内訳は自動車事業が38,980百万円、産機・軸受事業が16,274百万円、工作機械事業が9,939百万円となっています。主要な設備の帳簿価額は、本社・刈谷工場が16,463百万円、奈良工場が11,048百万円、花園工場が20,609百万円、豊橋工場が7,305百万円、田戸岬工場が11,326百万円です。設備の新設や更新に関しては、今後の生産計画や需要予測を考慮し、重要な設備の新設等に係る投資予定金額は950億円で、主に自己資金を充当する予定です。これにより、競争力の強化と生産能力の向上を図っています。

株式会社ジェイテクトの株式の状況について、2024年3月31日現在の情報は以下の通りです。発行済株式総数は343,286千株で、自己株式は259,229株です。大株主にはトヨタ自動車株式会社が77,235千株（22.52%）、日本マスタートラスト信託銀行株式会社（信託口）が47,791千株（13.93%）、株式会社日本カストディ銀行（信託口）が29,560千株（8.62%）を保有しています。個人株主は23,436人で、所有株式数は348,680株（10.16%）です。配当政策として、2024年度の1株当たり配当額は36円で、配当性向は22.28%となっています。株主資本は464,231百万円で、自己資本比率は48.03%です。これにより、安定した財務基盤が維持されており、株主への還元にも注力しています。

株式会社ジェイテクトは、安定的な配当の継続を基本に、業績及び配当性向等を総合的に勘案の上、配当額を決定しています。剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としており、2024年度の期末配当金は1株につき20.00円、年間配当金は1株につき36.00円と設定されています。内部留保資金は今後の事業展開に活用する方針です。2023年10月31日には中間配当金として1株につき16.00円を決議し、2024年4月26日には期末配当金として1株につき20.00円を決議しました。これにより、株主への還元を重視しつつ、企業の成長に必要な資金を確保するバランスを図っています。

株式会社ジェイテクトは、コーポレート・ガバナンスの強化に努めており、取締役社長が委員長を務める「リスク管理委員会」を設置し、全社的なリスクマネジメントを推進しています。経営戦略との結びつきやリスク対応の体制について議論し、業務のデジタル化を進めるためにITデジタル本部を設置しました。また、企業価値向上委員会を通じて、環境経営やダイバーシティ＆インクルージョンの推進にも取り組んでいます。特に、全社員が参加する形での改善活動を重視し、「安全第一・品質第二」の理念のもと、持続可能な企業価値の向上を目指しています。これにより、透明性のある経営を実現し、ステークホルダーとの信頼関係を築くことを目指しています。

株式会社ジェイテクトの役員の状況について、2024年3月31日現在、役員は男性8名、女性2名の計10名で構成されており、女性の比率は20.0%です。代表取締役社長は近藤禎人氏で、1963年生まれ、トヨタ自動車株式会社からの経験を持ち、2024年6月まで社長を務めます。取締役には、松本巧氏（研究開発本部長）、山中浩一氏（営業本部長）などが名を連ねています。監査役には、常勤監査役の佐野眞琴氏、辻田浩一氏、社外監査役の櫻井由美子氏、松井靖氏が含まれています。役員会は原則月1回開催され、業務執行状況の報告や重要事項の決定が行われています。役員の出席状況は良好で、取締役会の出席率は高く、透明性のある経営が実施されています。

株式会社ジェイテクトでは、監査役制度を採用しており、2024年6月25日開催の第124回定時株主総会以降、監査役4名（社外監査役2名を含む）が監査活動を実施しています。監査役会は原則月1回開催され、監査の方針や実施計画、内部統制システムの運用状況などが議論されます。2023年度には監査役会を合計13回開催し、常勤監査役は全ての会議に出席しました。内部監査は社長直轄の監査部が行い、業務執行及び内部統制の有効性を監査し、その結果を取締役会及び監査役会に報告しています。会計監査はPwC Japan有限責任監査法人が担当し、55年の継続監査期間を有しています。監査法人は、財務報告に係る内部統制が有効であると評価しています。これにより、透明性のある経営が実現されています。

株式会社ジェイテクトの役員の報酬等について、2024年度の報酬は取締役225百万円、監査役77百万円、社外役員66百万円の合計368百万円となっています。報酬は固定報酬、業績連動報酬、株式報酬で構成されており、業績連動報酬は事業利益や安全・品質に関するKPI達成度に基づいて算定されます。具体的には、取締役の報酬は固定報酬が70%、業績連動報酬が20%、株式報酬が10%程度の割合で設定されています。役員報酬案は取締役社長及び独立社外取締役で構成される役員報酬案策定会議で審議され、妥当性が確認された上で決定されます。監査役には業績連動報酬は支給されず、固定の月額報酬のみが支給されています。

株式会社ジェイテクトの株式の保有状況について、2024年3月31日現在の情報は以下の通りです。発行済株式総数は343,286千株で、自己株式は259,229株です。大株主にはトヨタ自動車株式会社が77,235千株（22.52%）、日本マスタートラスト信託銀行株式会社（信託口）が47,791千株（13.93%）、株式会社日本カストディ銀行（信託口）が29,560千株（8.62%）を保有しています。個人株主は23,436人で、所有株式数は348,680株（10.16%）です。自己株式の取得は行われておらず、株主構成は安定しています。これにより、企業の持続可能な成長を支える基盤が形成されています。

株式会社ジェイテクトの経理の状況について、2024年度の連結財務諸表は、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書が含まれています。これらの財務諸表は、国際会計基準に準拠して作成されており、2024年3月31日現在の財政状態及び経営成績を適正に表示しています。特に、連結売上高は695,275百万円、経常利益は98,486百万円、当期純利益は42,574百万円を記録しました。経理部門は、内部統制の整備・運用を行い、定期的に自己点検を実施しています。また、監査法人による監査も行われ、財務諸表の信頼性が確保されています。これにより、透明性のある経営が実現され、ステークホルダーとの信頼関係が強化されています。

株式会社ジェイテクトの連結財務諸表は、2024年3月31日現在の財政状態を示しています。連結財政状態計算書によると、資産合計は1,628,514百万円で、流動資産は805,476百万円、非流動資産は823,038百万円です。流動資産の内訳には、現金及び現金同等物が167,019百万円、営業債権が360,180百万円、棚卸資産が267,057百万円が含まれています。負債合計は1,058,283百万円で、流動負債は388,909百万円、非流動負債は669,374百万円です。自己資本は570,231百万円で、自己資本比率は35.0%です。連結損益計算書では、売上収益が1,891,504百万円、当期利益が43,724百万円と報告されています。これらの財務諸表は、国際会計基準に準拠して作成されており、企業の財務状況を適正に反映しています。

株式会社ジェイテクトのセグメント情報は、主に「自動車」、「産機・軸受」、「工作機械」の3つの報告セグメントに分かれています。2024年度の外部顧客への売上収益は、自動車セグメントが1,344,438百万円、産機・軸受セグメントが358,077百万円、工作機械セグメントが188,989百万円で、合計1,891,504百万円となっています。セグメント利益は、自動車が45,039百万円、産機・軸受が12,686百万円、工作機械が14,736百万円で、全体のセグメント利益は72,461百万円です。セグメント間の内部売上収益は48,291百万円で、調整額は437百万円です。これにより、各セグメントの業績が明確に把握でき、経営資源の配分や業績評価に役立っています。

株式会社ジェイテクトの連結財務諸表の作成において、経営者は重要な会計方針及び見積りに用いる仮定を設定しています。主な判断としては、金融商品の公正価値、棚卸資産の評価、有形固定資産及び無形資産の耐用年数、減損の認識、確定給付制度債務の測定、製品保証引当金、繰延税金資産の回収可能性などがあります。これらの見積りは、実際の業績と異なる場合があり、継続的に見直されています。特に、将来の売上予測や営業利益率の仮定は、経営環境や販売戦略を考慮して設定されており、経営者の主観的な判断が伴います。これにより、財務諸表の信頼性が確保され、透明性のある経営が実現されています。

株式会社ジェイテクトでは、金融商品をその性質・目的に応じて、償却原価で測定する金融資産、FVTOCIの金融資産、FVTPLの金融資産に分類しています。償却原価で測定する金融資産は、契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的とし、元本及び利息の支払のみが生じる場合に分類されます。これらは当初認識時に公正価値に取引コストを加えた額で測定し、実効金利法により償却原価で測定されます。FVTOCIの金融資産は、資本性金融商品への投資における公正価値の変動をその他の包括利益として認識します。FVTPLの金融資産は、公正価値で測定し、その変動を純損益として認識します。また、金融資産の認識は、キャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合やリスク及び便益が移転した場合に中止されます。これにより、金融商品の適切な管理と評価が行われています。

株式会社ジェイテクトでは、リース取引を借手リースと貸手リースに分類しています。借手リースの場合、リース期間の開始日に使用権資産とリース負債を認識し、使用権資産は取得原価で測定されます。リース期間中は、原価モデルを適用し、減価償却を行います。原資産の所有権が借手に移転する場合や購入オプションが行使される場合は、原資産の耐用年数にわたり定額法で減価償却します。リース負債は、リース期間の開始日に支払われていないリース料の現在価値で測定し、金利や支払リース料を反映して帳簿価額を調整します。貸手リースでは、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に分類し、ファイナンス・リースでは資産を連結財政状態計算書に認識し、金融収益をリース期間にわたり認識します。オペレーティング・リース取引では、受取リース料を定額法で収益認識します。

株式会社ジェイテクトの有価証券関係について、2024年3月31日現在の情報は以下の通りです。子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額は、子会社株式が14,834百万円、時価は49,157百万円で、差額は34,323百万円となっています。関連会社株式は計上されていません。市場価格のない株式等については、子会社株式が194,612百万円、関連会社株式が2,490百万円です。前事業年度においては、子会社株式の貸借対照表計上額は14,834百万円、時価は25,825百万円で、差額は10,990百万円でした。これにより、企業の資産状況が明確に把握でき、投資判断に役立っています。

株式会社ジェイテクトは、収益を認識する際に以下の5ステップアプローチを採用しています。ステップ1では顧客との契約を識別し、ステップ2で契約における履行義務を特定します。ステップ3では取引価格を算定し、ステップ4でその取引価格を契約における別個の履行義務に配分します。最後に、ステップ5で履行義務を充足した時点で収益を認識します。自動車及び産機・軸受における製品の販売は、主に完成品を顧客に供給することを履行義務としており、製品の納入時点において支配が顧客に移転することで収益を認識します。また、工作機械の関連サービスは、据付や試運転等のサービスを提供した時点で収益を認識します。これにより、収益認識の透明性と一貫性が確保されています。

株式会社ジェイテクトの財務諸表に関する注記事項は、重要な会計方針や見積りに用いた仮定、会計方針の変更、表示方法の変更などが含まれています。主な判断及び見積りには、金融商品の公正価値、棚卸資産の評価、有形固定資産及び無形資産の耐用年数、減損の認識、確定給付制度債務の測定、製品保証引当金、繰延税金資産の回収可能性が挙げられます。会計方針の変更については、強制適用となった基準書及び解釈指針を適用しており、重要な影響はありません。また、連結キャッシュ・フロー計算書において、無形資産の取得による支出を独立掲記する表示方法の変更が行われています。これにより、財務諸表の透明性と信頼性が向上しています。